物凄く久し振りのブログです。
さて、『指輪物語』をTVドラマ化するということについての交渉が始まっていると報じられています。
「ロード・オブ・ザ・リング」テレビドラマ化が進行中! – シネマトゥデイ
実写映画版『ロード・オブ・ザ・リング』はおおむね原作ファンにも評価は高かったですが、やはり映画であるがゆえカットされたシーンがあちこちにあり、「あれが見たかった」「これが見たかった」という人は、ドラマシリーズなら「トム・ボンバディルやホビット庄の掃蕩も見られるかも!」と、すでに期待しているようです。
ですが、私はそんな楽観的にはなれません。
なぜなら、既に映画版が高く評価されている原作を再度TVドラマでやるのですから、視聴者の期待値は高い。しかし視聴者はすでにストーリーを知っている。そのためストーリーを“原作完全再現”ではなく大きく変える可能性もあります。ですがその変えたシナリオが大不評になるかもしれません。どちらにしても原作から変えたら、原作派は不満でしょう。
さらに“現代劇ではない”というだけで撮影に多額のコストがかかります(登場人物や群衆のシーンが多いため衣装やメイク、セットだけですさまじい金額になる)。そうなると、完結する前に「採算が合わない」と、打ち切りになる可能性も高くなります。よくアメリカのドラマでは、“クリフハンガー(「この先どうなるの!?」というところでシーズンが終わる展開)でシーズンが終わった後、そのまま打ち切りになる”というパターンが非常に多いのです。特にSF作品など、撮影に費用がかかる場合は。
またアメリカのTVシリーズでは、“俳優と製作会社でギャラ交渉などの契約がまとまらず、次シリーズから俳優が突然降板する”というパターンもあります。アメリカのドラマで、唐突にキャラが死んだりストーリーから退場したりする時は大抵このパターンです。“同じ役をやり続けるのが嫌になった”、“別の作品にスカウトされた”などといった理由で降板するケースもあります。
そのうえこんな事件もありました。
「クリミナル・マインド」ホッチ役俳優がクビに! 撮影現場での暴行が原因
撮影現場の暴行でなくても、俳優が何らかの事件を起こしてしまったとか、事故に遭ったとか、さらには女性の場合妊娠したためにシリーズを降板というケースは非常に多いのです。そのためシナリオに修正を迫られる必要も多いのです。降板が早めに分かっている場合はマシなのですが、突然降板となると、本当にシナリオが唐突になります。
実は映画『ロード・オブ・ザ・リング』でも、ある俳優がクビになっています。それもなんとアラゴルン役が。
映画の場合、一度撮影に入ってしまえば俳優を拘束できますし、ある程度は時間も融通が利きます。しかしシーズンごとに判断を迫られるTVシリーズはもっとシビアです。
そんなわけで、少なくとも原作ファンはTVドラマには期待しない方がいいでしょう。そのほうが、成功したときの喜びも大きいですし……。
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