『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』を見るために

9月2日より『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』が配信開始されます。以前私はドラマ化について否定的なことも書いたのですが(長いドラマシリーズで、役者交代などのトラブルは発生しないのか、など)、それでもとりあえずは見て確かめるつもりです、Amazonがものすごく力を入れていることは間違いないですし。

さて、『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』を見るために必要なことをまとめてみます。

絶対条件 Amazon Prime契約をする

まずはAmazon Primeの契約をしないとどうにもなりません。このAmazon Primeは、Amazonでの通販送料が無料になったり“お急ぎ便”が使えるようになったりするあれで、これら通販の特典と同時にオンデマンド映像配信サービスのPrime Videoで多数の映像作品が無料で見ることができるようになるというものです。競合会社からすると「通販プラス映像配信は独占的立場の利用だ」と思われるのは間違いなく、今後独占禁止法で何らかの措置が行われるのではという気もしますが、とりあえずそれは置いておきましょう。またAmazon Primeに契約するとAmazon Musicが一部聞き放題になったり、Kindle電子書籍も一部見放題になったりというとんでもないサービスなのですが(とはいってもこれらには制限があり、制限を解除するためにはAmazon Music UnlimitedあるいはKindle Unlimitedの契約が必要)。

とにかく『力の指輪』はAmazon Studios制作のため、ほかのオンライン配信プラットフォームで配信される可能性は皆無です(有料BS/CSチャンネルで放映されたり、パッケージ販売されたりする可能性はあるかも?)。Amazon Prime契約をすれば、WebブラウザやPrime Video用アプリ(Windows用、Android用、iPhone用などあり)を使って『力の指輪』やその他の映画を見ることができます。

なおAmazon Prime Videoには等速再生機能しかありません。Webブラウザで見るのであれば、ブラウザ用の動画再生速度変更プラグインを使って高速再生などが可能です。これについてはいろいろなプラグインがあり、ブラウザによっても異なるので各自でお調べいただければと思います。

さて、これからはクオリティを上げて視聴する方法についてです。

サラウンド音声でPrime Videoを視聴するには

最近のAmazonオリジナルコンテンツは5.1chサラウンド(Dolby Atmos)対応であるため、確認したわけではないのですが『力の指輪』も同様と思われます。ですがあいにくPCブラウザを使った視聴や、Prime Video Windows用アプリでは5.1chサラウンド再生には現在対応していません。Dolby Atmosに対応したAndroid端末などを使えば再生できるかもしれませんが、当方では未確認です。

確実にサラウンドで視聴するには、以下の方法があります。

Fire TV Stickを使う

Prime契約に加えて、Amazonから発売しているFire TV Stickを使います。Fire TV Stickは、TVのHDMI端子につなげるとそのままPrime Videoがみられるというものですが、Fire TV StickはDolby Atmosにも対応しています。そのためFire TV StickをDolby Atmos対応のアンプを経由してTVやPCディスプレイにつなげれば、音声がDolby Atmosになります。Fire TV Stickには4K HDR画質対応のFire TV Stick 4K MAXもあるので、これをDolby Atmos対応のアンプにつなぎ、さらに4K HDR対応のTVやディスプレイにつなげば、最高画質・音質で『力の指輪』が視聴できるはずです。もし将来『力の指輪』のUltra HD Blu-rayが発売されれば、そちらのほうが画質などは良くなるでしょうが、そこまで気にしていてもしょうがありません。

Fire TV Stickは定期的にタイムセールで安売りされるので、買うのはその時を狙いましょう。直近では8月27日からのセールがあります

AV機器のPrime Videoアプリを使う

最近のTVやHDDレコーダー、ゲーム機などにはPrime Videoアプリが内蔵、もしくはダウンロードしてインストールできるものが多くなっています。それらが対応していればFire TV Stickを使わずともサラウンドで、機種によっては4K HDR画質で見ることができます(もちろん対応アンプやサウンドバー、ディスプレイが必要)。
ただしごく一部の例外を除き、サラウンドで再生できてもDolby Atmos非対応、場合によってはステレオ音声のみとなっております。詳細はこちらで確認していただければと思いますが、例えばPlaystation4/5用のPrime Videoアプリ(無料ダウンロード可能)だと、4K(Ultra HD) 5.1chサラウンドには対応していてもDolby Atmosには対応しておりません(将来的に対応する可能性はゼロではありませんが)。

当然どんなにハードを育てようと、Prime側の配信コンテンツが多チャンネルや4Kに対応していなければ効果は低いです(アップスケーリングなどを使うことはできるでしょうが)。

Dolby Atmos対応にすべきか?

「Atmosに対応していると何が違うのか」という点ですが、Dolby Atmosは音の出力先をチャンネルではなく座標情報で保存しています。いくらサラウンド音声環境を実現していようと、どうしても家具配置の都合などでスピーカーの位置は理想通りにはならないもの。ですがAtmos対応であれば、スピーカーがどのように配置されていようと、その配置に最適化した形で音声が出力されるはず……です。ぶっちゃけ私も聞き比べたことがないので、どこまで変わるか実感はありません。

我が準備態勢

さて、私の『力の指輪』へ向けての準備態勢は以下のようになっています。

(ディスプレイ)ASUS TUF Gaming VG28UQL1A(アンプ)RX-V6A+スピーカー7.1ch ‐ (プレイヤー)PlayStation5

なんでこの構成にしたかですが、

  • 『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』Ultra HD Blu-ray BOXを買ったので再生環境が欲しいからUHD BD再生環境必須
    • だったらUHD BD Blu-rayプレイヤー&Fire TV Stickだけ買ったほうが安上がりだが、ゲームもやりたい。
      • ゲームをやるならハイフレームレート&可変リフレッシュレート対応のディスプレイとアンプにしたい(もっともRX-6Aの可変リフレッシュレート対応ファームウェアはまだ公開されていないが)
      • 30インチ越えディスプレイはデカすぎる
    • とりあえずPS5のアプリを使えば、5.1chサラウンド再生できる
      • Atmos対応にするにはFire TV Stick 4K MAXが必要だが、Atmos対応でそこまで変わるとは思えない
    • スピーカーは以前のアンプで使っていた7.1ch環境のものを流用したい

以上の理由によります。ディスプレイのサイズが小さめですが、それ以外はかなり贅沢な構成といってもいいでしょう。
Fire TV Stick 4Kは先述の通り定期的に安売りされていますし、いちいちPS5を立ち上げるよりも楽でしょうから、つい買ってしまいそうになるんですけどね(何よりPS5のコントローラーでAV制御はやりにくいし、別売りのPS5用AVリモコンはAmazon Primeのボタンがないなど評判が悪い)。

アンプに関してはDenon AVR-X2700Hにすれば、7.2chなどRX-V6Aと同クラスのスペックに加えてHDMI出力が2つあるため少し悩んだのですが、AVR-X2700Hは8K入力対応が1ポートのみ(RX-V6AはHDMI出力1だが8K対応入力3)のため、将来性を考えてRX-V6Aにしました。もっとも8K対応機器なんて入手するのかわかりませんし(そもそも私は「4Kはいらない」と言っていたくらいだけど、今では完全に態度をひっくり返しています。でも家庭用なら4Kで十分だよね)、RX-V6Aの可変リフレッシュレート対応ファームウェアがいつ公開されるのかという問題があるのですが。

ともあれこの状態で私は『力の指輪』を待ち構えております。PS5はAmazonでも招待販売に切り替わるなど入手しやすくなってきたようなので、参考になればと思います(と書いたところ9月15日よりのPS5の値上げが発表されてしまいました。値上げ前に注文したら、値上げ前の価格で買えるのかはわかりません)。