随分とこのブログを放置してしまっておりましたが、懐かしい動画が見られましたので紹介します。
どちらの動画も北米映画公式サイトに公開されたもので、日本サイトでは公開されていません。特に上の動画はDVDにも収録されておらず、幻の動画になっていたものです。撮影初期の様子を描いている物だということが解るでしょう。
下の動画ですが、これは北米では映画館用に作られWebでも公開されたものですが、これも日本では映画館でもWebでも公開されませんでした(DVDには入っています)。
これらの動画が日本で公開されなかった理由ですが、3部作の公開予定日が入っていること(日本では北米より数ヶ月遅れて公開されています)、そのためにこの動画を見ると「3部作」だということがはっきりわかるためだと思われます。
北米などでは「3部作の大作」ということが喧伝された一方で、日本ではこのような「3部作」とはっきりわかる情報は可能な限り伏せられ、TV CMなどでも触れられず、さらにご存じの通り『The Fellwoship of the Ring(旅の仲間)』というサブタイトルまでカットされました。
今では珍しくなくなりましたが、当時は第1作公開時から「続編もあります」と事前に知らせる形で映画を公開することはなかったと思います。あったとしても「第1作がヒットしたので、続編を作ることにしました。続編は2本作るので、合わせて3部作になります」というパターンでした。
ではどうして『The Lord of The Rings』はこのような宣伝方式になったのか? 北米など『指輪物語』の影響力、知名度が高い国では「“あの”『指輪物語』を原作と同様に3部作で映画にするんだ」という意気込みが、トレイラーを見るだけで伝わってきます。「20世紀においてもっとも知名度が高い小説」「ファンタジーの原点」「トールキン」という言葉がトレイラーに盛り込まれていることから感じ取れるでしょう。
ですが日本では、小説『指輪物語』の知名度はそこまで高くありません。そのためタイトルも『ロード・オブ・ザ・リング』にしてしまいました。さらに「完結しないなら、レンタルが出たときにまとめて見よう」と考えられることを恐れて、「3部作」ということを隠したのだと思われます。実際私は、公開暫くした後に映画館前で「え? これ(『ロード・オブ・ザ・リング』)って完結しないの? じゃあいいや」と、見るのを敬遠する会話をしている人たちを見たことがあります。
もっともこの『ロード・オブ・ザ・リング』が日本でもヒットしたため、その後日本でこのように「続編があることが日本でだけ隠される」ことはなくなったようですが……。
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