#author("2022-09-10T20:55:50+09:00;2021-12-30T12:31:41+09:00","","")
#author("2023-09-20T00:36:44+09:00;2023-09-19T18:32:14+09:00","","")
* &ruby(ほろ){滅};びの&ruby(やま){山}; [#v9e40a9c]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Mount Doom|
|~その他の呼び名|火の山(Mountain of Fire, Fire-mountain, Fiery Mountain) &br; オロドルイン(Orodruin) &br; アモン・アマルス(Amon Amarth)|

** 解説 [#Explanation]

[[モルドール]]に聳える火山で、[[サウロン]]の王国の心臓部。[[一つの指輪]]が造られた場所であり、[[フロド・バギンズ]]が[[一つの指輪]]を破壊するために向かった目的地。
かつては[[シンダリン]]で「燃えさかる炎の山」(Mountain of Blazing Fire)の意味である''オロドルイン''と呼ばれていた。だが、[[ヌーメノールの没落>世界の変わる日]]を逃れたサウロンがモルドールで勢力を再建した時、この山が再び噴火する。サウロンが戻ってきたこと知った人々は、この山をシンダリンで''アモン・アマルス''、[[共通語]]で''滅びの山''と呼ぶようになった。

>この尾根のずっと向こう、しかしほとんど真っ直前方に当たって、小さな火の点在する広大な湖のような暗闇のさきに、真っ赤に燃えるものがありました。そしてそこから渦巻く煙が途方もなく太い&ruby(すじ){条};となって幾条も立ち昇って、煙のもとの方は黒ずんだ赤色で、上の方は黒く、この呪われた地一帯をおおう波立つ天蓋に吸い込まれていました。
サムが眺めたのは、オロドルイン、すなわち火の山でした。この円錐灰岩のずっと下方の火炉は時折熱くなって、巨大なうねりとなり、ドッドッと脈打って、その山腹にいくつもある深い裂け目から、溶岩の川を溢れ出さすのでした。((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「キリス・ウンゴルの塔」 [[塔>キリス・ウンゴルの塔]]の近くから滅びの山の火を目にした[[サムワイズ・ギャムジー]]の視点))

*** 地理 [#m381b5af]

>それは灰と燃えかすと焼けた石の巨大な塊であり、そこから切り立った山腹の円錐形の火山が雲の中に聳えていました。 …
でこぼこしてまとまりのない肩部を見せた巨大な基体は、平地から多分三千フィートぐらいの高さかと思われます。そしてさらにその上をぎざぎざの噴火口のついたとてつもなく大きな乾燥かまどか煙突のように、中心となる高い火山錐が、基体の半分ほどの高さに聳え立っていました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「滅びの山」))

山の基部は[[ゴルゴロス]]の平地からおよそ3000ft(約915m)の高さがあり、更にその半分ほどの高さの切り立った円錐形の中心部が突き出ている。全高は4500ft(約1370m)ほどと思われるが、平地に聳える単独峰なので、実際よりも高く見える。
突き出た円錐部の東側の麓に火の室[[サンマス・ナウア]]があり、その中に[[一つの指輪]]を破壊することができる火の裂け目[[滅びの罅裂]]がある。
突き出た円錐部の東側の麓に火の室[[サンマス・ナウル]]があり、その中に[[一つの指輪]]を破壊することができる火の裂け目[[滅びの罅裂]]がある。

この山の東の方向に[[バラド=ドゥール]]がある。バラド=ドゥールの西門とサンマス・ナウアは[[サウロンの道路]]で結ばれており、またサンマス・ナウアの入り口とバラド=ドゥールの「目の窓」は向かい合っている。さらに山腹の裂け目から溢れ出る溶岩流の一部は大きな溝を通ってバラド=ドゥールへ向かって流れている。
この山の東の方向に[[バラド=ドゥール]]がある。バラド=ドゥールの西門とサンマス・ナウルは[[サウロンの道路]]で結ばれており、またサンマス・ナウルの入り口とバラド=ドゥールの「目の窓」は向かい合っている。さらに山腹の裂け目から溢れ出る溶岩流の一部は大きな溝を通ってバラド=ドゥールへ向かって流れている。

*** 歴史 [#j1fe57a6]

この山は大地の中心から火が噴出する場所であり、そのため[[第二紀]]1000年に[[サウロン]]はこの山のある[[モルドール]]を本拠地に定め、その火を妖術や鍛造に利用した。1600年、サウロンは[[サンマス・ナウア]]で[[一つの指輪]]を完成させる。
この山は大地の中心から火が噴出する場所であり、そのため[[第二紀]]1000年に[[サウロン]]はこの山のある[[モルドール]]を本拠地に定め、その火を妖術や鍛造に利用した。1600年、サウロンは[[サンマス・ナウル]]で[[一つの指輪]]を完成させる。

サウロンが[[ヌーメノール]]に連行されていた3262年から3319年までの間、この山は休止状態にあったようだが、彼がモルドールに帰還して戦力を再建すると再び噴火する。
[[最後の同盟]]の戦いでは3441年に滅びの山の山腹で最後の戦いが行われた。サウロンは[[ギル=ガラド]]と[[エレンディル]]の二人の[[上級王]]と相打ちになって斃され、[[イシルドゥル]]が[[一つの指輪]]を奪い取った。[[エルロンド]]と[[キールダン]]は指輪を直ちにこの山の火中に投ずることを勧めたが、イシルドゥルは聞き入れなかった。

[[第三紀]]初頭には[[ゴンドール]]がモルドールを監視下に置いたが、そびえ立つこの山の不気味さのために[[ゴルゴロス]]は灰土のまま捨て置かれた。
サウロンは2942年にモルドールに帰還し、2951年に公然と名乗りを上げて再び戦力を集結させる。2954年、滅びの山は再び噴火して、[[イシリエン]]に留まっていた最後の住人は逃れた。
[[指輪戦争]]ではサウロンはこの山の噴煙を東風に乗せて送り出し、[[ゴンドール]]や[[ローハン]]をはじめとした西方諸国を暗闇で覆った(曙光のない朝)。だがこの噴煙は[[ペレンノール野の合戦]]の最中、日の出と共に訪れた西風によって吹き払われた。

[[指輪所持者]]の任務が達成されて[[一つの指輪]]が[[滅びの罅裂]]に投げ込まれると、滅びの山は大噴火を起こして火焔を放出し、巻き起こった嵐の中に没した。

>そしてその時遂に彼我の間何里にもわたって、遠雷のような轟きが起こり、それはしだいに高まって、耳を&ruby(ろう){聾};するばかりの一大響動となりました。地は震動し、平原は隆起して、ひび割れ、オロドルインは突如揺れ動きました。裂けた絶頂から火が噴き出しました。空に雷鳴が轟き、稲妻が天をこがしました。振りおろされる鞭のように黒い雨が滝つ瀬となって振り下りました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「滅びの山」))

*** 訳について [#ma6aa817]

‘Mount Doom’は直訳すると「運命の山」だが、このDoomの語は特に「破滅的な運命」「終末」「破局」を意味する暗く重々しい言葉である。特に世界の終末に全ての善と悪が裁かれて物事の明暗が決する「最後の審判(Doom's Day)」を示唆する。
旅の最終目的地としてふさわしい語であると共に、ここで[[指輪所持者]]([[フロド>フロド・バギンズ]]と[[ゴクリ]])と[[サウロン]]そして[[中つ国]]の[[自由の民]]に運命が決することが言葉の上でも表現されている。

*** 画像 [#uee6983b]

&ref(orodruin_bytolkien.jpg,,20%,トールキン作画による滅びの山のスケッチ); &ref(MountDoom.jpg,,25%,アラン・リー作画による滅びの山);

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,,,,,reply)