#author("2022-09-15T14:14:30+09:00;2022-07-03T00:43:12+09:00","","")
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* &ruby(ししゃ){死者};の&ruby(みち){道}; [#o90b700d]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Paths of the Dead|

** 解説 [#Explanation]

[[白の山脈>エレド・ニムライス]]にある[[精霊山(ドウィモルベルグ)>ドウィモルベルグ]]の下を通る地下道。
北は[[やしろ谷]]の奥の峡谷から、南は[[黒根谷]]にある[[モルナン]]の峡谷まで通じている。

>『道は閉ざされておる。』声はふたたびいった。『道は死んだ者たちによって造られた。そして時いたるまで死者がその道を守っておる。道は閉ざされておる。』((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「ローハンの召集」 [[ローハン]]の伝承にある、道の入口にいたという謎の老人の言葉。))

後に[[死者の軍勢]]となった山々の人間たちが造ったものと想像され、[[ローハン]]ではこの道を踏むことは死そのものと同じように恐怖されていた。
だが[[指輪戦争]]において[[アラゴルン二世]]は[[灰色の一行]]を率いてあえてこの道を踏破し、[[エレヒ]]に到達して[[死者の軍勢]]を召集した。

*** 地理 [#c83b36a5]

>そうしてかれらは遂に峡谷の奥深くはいり込みました。そこには切り立った岩壁があり、その岩壁には暗黒の入口が、さながら夜の口のように一同の前にぱっくりと開いていました。その大きく開いたアーチの上には記号や数字が彫られていましたが、あまり暗くて読むことはできませんでした。そしてその入口からは、灰色の靄のように恐怖が流れ出ていました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「灰色の一行、罷り通る」 北側の入り口の描写。))

[[やしろ谷]]の[[フィリエンフェルド]]の奥にある[[ディムホルト]]を抜けた先、[[精霊山(ドウィモルベルグ)>ドウィモルベルグ]]の聳える山の根本にある峡谷に入り口がある。入り口までは二列の立石が並んだ道が続いており、道の終わりには一本の巨大な石が脅かすように聳えている。
「暗黒の入り口(Dark Door)」または「禁じられた入り口(Forbidden Door)」と呼ばれる北側の入り口は石造りのアーチになっており、そこを抜けると広い地下道になっている。地下道の半ばには巨大な広間のような空間があり、その壁には秘密の部屋に通じる石造りの閉ざされた扉があった。地下道はそこを通り過ぎてなおも進み、やがて[[モルソンド]]川の水源とともに[[モルナン]]の谷間に出る。南側の出入り口は幅広く高いアーチ口だった。
その道中は暗闇と恐怖、そして[[死者たち>死者の軍勢]]のざわめき声に満たされていた。

*** ローハンの伝承 [#k65d8899]

>「民間の伝えによると、[[大暗黒の時代>暗黒時代]]に生きた[[死せる人間たち>死者の軍勢]]がその道を守り、かれらの秘密の部屋に生きている人間を一人も通させぬというのじゃ。しかし時にはかれら自身がまるで影幻のごとくその入口から出て来て石の並ぶ道をやって来るのが見られることもあるということじゃ。」((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「ローハンの召集」 [[セーオデン]]の言葉。))

[[ローハン]]の建国初期の時代、非常時の避難場所を求めて[[ブレゴ]]とその息子[[バルドル]]が[[やしろ岡]]を探索した際、二人は死者の道の入り口の前に座る謎の老人と遭遇した。老人は石と見まごうほど老いさらばえて年格好もわからぬほどだったが、二人が道に入ろうとすると口を開き、道は時至るまで[[死者たち>死者の軍勢]]によって閉ざされていると告げた。バルドルは「してその時というのはいつのことか?」と問うたが、その時老人は死んでばったりと倒れた。

その後、[[メドゥセルド]]落成の祝宴が開かれた時、[[バルドル]]は角杯を飲み干して死者の道を踏んでみせると誓い、翌年その誓い通り道に足を踏み入れて二度と戻らなかった。
以来、ローハンの人間たちは死者の道を恐れ、生者には閉ざされているとして敢えて入ろうとはしなかった。

*** 灰色の一行の通過 [#ob81e73a]

[[第三紀]]3019年([[大いなる年>大いなる年#year3019]])、[[パランティール]]を使って[[ゴンドール]]に迫る[[海賊]]の脅威を察知した[[アラゴルン二世]]は、その脅威を除くことのできる至急の近道と手勢を必要とした。時を同じくして[[エルロンド]]は伝言を送り、'''時は迫れり。火急の際は、死者の道を忘るなかれ'''と、かつて予見者[[マルベス]]がした[[予言>マルベスの予言]]のことをアラゴルンに思い出させた。そこでアラゴルンは望む者だけを連れて死者の道を通り抜けることを決意。

3月8日、アラゴルンの率いる[[灰色の一行]]は、[[エーオウィン]]の制止を振り切り、死者の道に足を踏み入れた。
すでに運命の成就を予期して[[死者たち>死者の軍勢]]が集結しており、この地にまつわる得体の知れない恐怖と後ろをついてくる死者たちの気配は[[ギムリ]]ですら脅えさせたが、アラゴルンは強固な意志で一行を統率して道を進めさせた。
途中、一行は秘密の部屋の扉の前で息絶えた[[バルドル]]の白骨死体を発見したが、死者たちの秘密に触れることはあえてせず、これを無視して先を急いだ。

>「この扉はどこに通じているのか? なぜかれは通ろうとしたのだろう? だれにも永遠にわからぬことだ!
「なぜならそのことはわたしの目的ではないのだからな!」かれはそう叫ぶと、くるりと向き直って、背後のざわめきに満ちた暗闇に向かっていいました。「お前たちのたくわえた宝物と、お前たちの秘密は呪われた年月の中に秘めておくがよい! われらの願いは速さのみ。われらを通し、そして来れ! わたしはお前たちを[[エレヒの石>エレヒ]]に召集する!」((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「灰色の一行、罷り通る」 死者の道での[[アラゴルン>アラゴルン二世]]の言葉。))

夜半、一行は無事に死者の道を通り抜けて[[エレヒ]]に達し、そこで後をついてきた[[死者たち>死者の軍勢]]を[[指輪戦争]]に召集、[[ペラルギア]]方面の敵を駆逐するために進軍していった。
夜半、一行は無事に死者の道を通り抜けて[[エレヒ]]に達し、そこで後をついてきた[[死者たち>死者の軍勢]]を[[指輪戦争]]に召集、[[ペラルギル]]方面の敵を駆逐するために進軍していった。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

死者の軍勢は、[[エレヒ]]ではなく死者の道で姿を現し、召集を受けている。

*** 画像 [#s68c63fe]

&ref(vlcsnap-00061.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における死者の道); &ref(vlcsnap-00062.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における死者の道);

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

[[灰色の一行]]が通過した後の死者の道を、冒険者が通り抜けることができる。
実装当時は、[[バルドル]]が入ろうとした秘密の部屋は実装されていなかったが、後のアップデートで秘密の部屋も実装された。
秘密の部屋には、巨大な扉と、扉を守るルーン石の罠により焼死した、バルドルと思われる遺体がある。
ルーン石の罠を解除して扉を開けると、ドワーフの宝玉が安置されている。

&ref(ScreenShot00671.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における死者の道の入り口(やしろ岡側)); &ref(ScreenShot00673.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における死者の道内部);

** コメント [#Comment]

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