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#author("2025-03-18T17:21:34+09:00","","")
[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン/あらすじ]]

* The Song of Waves and Wind &color(green){(波と風の歌)}; [#q94603f3]
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『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』エピッククエスト. The Song of Waves and Wind (波と風の歌)のあらすじ。
日本語版『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』では実装されなかった。公式の日本語訳が存在しない単語は、&color(green){緑文字で表記している。};

**Chapter 1 : The Heirs of Castamir &color(green){(第一章 カスタミルの相続人)}; [#chapter1]
指輪戦争が終結してしばらく後、冒険者は新国王[[エレッサール]]に呼び出される。王は戦争で傷ついた王国の現状を自らの目で確かめるための巡行を計画していた。廷臣たちが協議した結果、ゴンドール領内は平和こそ戻ったものの、未だに新しい王の即位を快く思わない者たちが少なからず存在しており、彼らが王の身を脅かす危険が無いかどうかを確かめてからにするべきであるという結論が出され、冒険者が調査任務にあたる事となる。王の最も信頼する仲間である[[レゴラス]]と[[ギムリ]]もそれに同行する。

冒険者は[[ゴンドール]]各地で戦火からの復興作業を支援しつつ市井の人々から話を集めて回るが、その中で冒険者とエレッサールらが[[ペラルギル]]で倒した[[ウンバール]]の[[海賊]]の首領バラコールが生きており、遠くない内にゴンドールを正統な後継者たる[[カスタミル]]の相続人の手に取り戻すという噂が広まっている事が判明した。冒険者らはかつて[[同族の争い]]の中心となった[[レベンニン]]でさらなる情報を集め、[[リンヒル]]でカスタミルの相続人の支持者たちが行う会合に潜入する。

会合では王の廷臣たちの中に紛れた内通者から王が[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を出立したという知らせを受けたと明らかにされる。しかし会議の場にウンバールからの使者として参加していたTumúldo Fierce-waterとその妻Nakási Wave-reaperが告げた言葉によって事態は予想外の方向へと展開する。彼らはKindred of the Coinsという一派がウンバールの実権を掌握し、カスタミルの相続人の支配から都市を開放したと述べ、その傘下に加わるように要求した。援軍を期待していた相続人の支持者たちは動揺し、その内の一人のTrastadirが衝動的にTumúldoを殺害してしまう。ゴンドールに夫の死の代償を払わせると誓ったNakásiは「波と風の歌がゴンドールに終焉を告げる」という意味深な言葉を残して去る。町の情報屋に確認を取ると、王が都を発った事は本当らしかった。

[[イムロス・メルイ]]で王の一行に合流した冒険者は目撃した事の次第を伝える。レゴラスとギムリは何者かが死んだバラコールの名を騙っているだけで、確実な脅威となる統率者はいないだろうと考えていた。また、王は自身の身を心配する様子も無く「自分には最も信頼する護衛が帯同している」と語る。その護衛は変装した[[アルウェン]]王妃その人だった。冒険者はNakásiの言っていた歌について尋ね、王妃は吟遊詩人のLínielを助言者として紹介する。Línielは「直ぐにはこれという詩歌が浮かばないが、自分も共に考える」と協力する事を約束した。

**Chapter 2 : Of Dwarves and Swans &color(green){(第二章 ドワーフと白鳥のこと)}; [#chapter1]
エレッサール王は遠い南の地の動向を憂慮するよりもまず、傷ついた人心を癒す事の方を優先するべきだと考えていた。領主[[フォルロング]]の妻で[[デネソール>デネソール二世]]の姉であるVanyalosは夫と弟を一度に失った悲しみに囚われていた。また、[[ペレンノール野の合戦]]が行われる以前に、彼らが戦いで命を落とす光景を夢に見ていたが、二人にそれを伝えなかったことが運命の成就に繋がったのではないかという罪悪感にも苛まれていた。王妃は「予知夢の能力を与えられる者は実際にいるが、その者に運命を改変する力まであるとは限らない」、「二人の死の責任はそれをもたらした冥王か、不幸な運命をただ見せる事しかしなかった[[ヴァラール]]にある」と説き、彼女に責任が無い事を伝えて慰める。

王は次の行き先を[[ペラルギル]]に定め、[[レベンニン]]上流域で起こっている事を確かめるよう冒険者に依頼する。冒険者が訪れた[[トゥムラデン>トゥムラデン(ゴンドール)]]では[[白の山脈>エレド・ニムライス]]に採掘の拠点を築いている東方のドワーフ族Temámirが復興作業に協力していたが、住民たちは戦争の間山に籠って何の助力も与えなかったドワーフたちに対して不信感を募らせており、一触即発の状態となる程険悪な空気となっていた。
Temámirを率いるAsitámは、彼らがなぜ山を閉ざしていたのかを王に釈明する必要があると考えており、冒険者が王の友人であることを知ると会談の場である彼らの要塞Furukzaharへと招待して欲しいと語る。軋轢を解消したいと思案していた町の隊長Imladirもこれに同意する。王は冒険者からの知らせを聞くとその提案に応じるが、同時に南からの脅威に備えて早急に海軍を復旧しなければならないとも言った。王妃はギムリを同行させるべきだと助言した。

冒険者一行は献上品を携えてFurukzaharを訪問し、彼らの主であるHámisarとの会談に臨む。その結果、彼らの要塞をKindred of the Coinsの使者を名乗るKhôltekhというドワーフが訪れ、盟約を持ちかけていた事が明らかになった。争い事を避けたいHámisarはすぐには返答できないと言って使者を帰したと言うが、ギムリはそれ以外にも隠し事があるのではないかと疑いを募らせる。ギムリが怪しい気配を感じたという部屋の扉を調べようとすると、かつて旅の途上で探索に協力した長鬚族のGangur Farwendが冒険者を呼び止める。彼は冒険者ら来る数日前にKhôltekhが要塞を再訪するのを目撃しており、立ち聞きした会話から彼らが北方から運ばれた何らかの器物を持ち込んだことを知ったという。GangurはKhôltekhがまだ要塞内の何処かに滞在しているかもしれないと考えており、冒険者と王に長く留まるべきではないと警告した。王は同行する書記官CaebarにGangurから得た証言を基にKhôltekhの似顔絵を作らせる。王は彼らの隠し事を暴くのは賢明ではないと判断し、Furukzaharを去る事にする。要塞を去る日、HámisarはGangurが王に密告した事を知って要塞から追放したと話すが、ゴンドールとの友好を望む気持ちに偽りが無いことも強調し、草むらに隠れた蛇に気を付けるべきだと忠告した。王が不在の間、アルウェンも単身で遠出しギルラエン川の乙女Roamingstarと会い、同伴する者たちを動揺させていた。王妃は「内密に話したい事があった」と言った。

王の一行は国内を西へと進み、[[カレンベル]]を経て[[ドル・アムロス]]に至る。王が[[イムラヒル]]大公と共に沿岸地域の脅威にどう対処するかを議論する間、アルウェンはAvorrim(キールダンがエゼルロンドを守るために派遣した組織)の長であるDorthanethと会う。王妃はギルラエン川から汲んだ水を水盆に注ぎ呼びかけると、水の中からRoamingstarが現れてDorthanethへ謝罪の言葉を口にした。また、王妃はDorthanethの本当の名である[[ニムロデル]]と呼んだ。
かつてRoamingstarは[[モリア]]で目覚めた[[禍い>バルログ]]を避けて[[エゼッロンド]]へ向かう旅の途上にあったニムロデルと出会い、同族とはぐれた彼女を川辺で休ませ、歌を聞かせてその疲れを癒そうとした。しかし長年独りで川辺を流離っていた彼女は寂しさから美しい訪問者を自分の下から去らせたくないという気持ちを抱き、魔法でニムロデルを眠らせた。しかしその眠りは自身の意図した以上に深く長いものになり、ニムロデルが目覚めた時には既に仲間のエルフたちは西方へと去っており、取り残されたニムロデルは彼女を探そうと海に飛び込んで姿を消した夫のアムロスを探して長い間海岸を彷徨ったという。自身の過ちが不幸をもたらした事を悔いるRoamingstarに対しDorthanethは許しを与える。王はアルウェンが旅に同行した目的が二人のわだかまりを解く事にあったと明らかにした。

**Chapter 3 : The Lands of Langstrand &color(green){(第三章 長浜の地)}; [#chapter1]

[[イムラヒル]]は冒険者の友人を自称する海賊が町にいる事を明かす。大公によるとその男は城の外に潜んでいた所を発見し拘束したものの、冒険者の知人である手前無下に扱う事もできず、やむなく監視付きで市中を出歩かせていた。冒険者が市内を探すと、それは以前冒険者が旅の途上で出会った海賊のJajaxだった。仲間の裏切りで危機に瀕した所を冒険者に助けられ、一時的にゴンドールに味方したJajaxとその兄弟のDaxamatは、その後一度ウンバールに戻って新しい船と部下を調達し稼業を再開しようとした。だが既にKindred of the Coinsの支配が行き届いていたウンバールでは、組織の傘下に加わらない者たちへの取り締まりが始まっており、身の危険を感じた兄弟は逃げるように街を出たという。彼らに粛清の対象とならないようにと警告したのはKhôltekhだった。

イムラヒルはJajaxの語った話を信用していなかった。また宮廷には[[アンファラス]]の沖合いでドル・アムロスの艦船が海賊の襲撃を受けて沈没したという報告が入り、会議の場に現れたJajaxに対して参議者たちは敵意を露にした。その場はイムラヒルの一喝で沈静化したものの、自分に向けられた憎しみを意に介する事もなく、Jajaxは立ち去った。イムラヒルは一度ミナス・ティリスの都に戻るべきだと諫言し、王は大公の懸念に同意して警戒を強めるものの、巡行を続ける意向は変えなかった。

ドル・アムロスを出立した王の一行はアンファラスの首府Lond Cirionに至り、[[黒門の戦い]]で命を落とした領主[[ゴラスギル]]の妻Mallaとその息子Orgolasと会う。王はゴラスギルが出征前に残していた遺言状を自ら読み上げ、その内容を忠実に実行するよう立ち合った者たちに命じた。Mallaは海賊の脅威が続く中、まだ幼い息子が父と同様の運命を辿る事を案じていたが、広い世界への見聞を広めたいという思いを抱いていたOrgolasは、王の巡行への同伴を願い出る。

**Chapter 4 : Knight of the Green Hills &color(green){(第四章 緑が丘の騎士)}; [#chapter1]
王の一行は次にアンファラスの北にある[[ピンナス・ゲリン]]の首府Ost Arndírを訪れる。沿岸部から離れた同地にも川を遡上してきた海賊が出没していたが、領主Naurielが指揮するKnights of the Green Hillsが警戒にあたっていた。ペレンノール野で戦死した[[ヒルルイン]]の娘で、自身も騎士団の一員であるNaurielは息子のソロンギルを紹介する。ヒルルインは、かつて若き日に[[ソロンギル]]の名でゴンドールに仕えていた当時の王とは友人の間柄で、Naurielの息子の名はその友人の名前を孫に与えたものだった。かつて海賊を討伐した英雄としてゴンドールの人々の間で語られているソロンギルだったが、その姿を実際に見て知っている人物は殆んど残っておらず、そのソロンギルと新しいエレッサール王が同一人物である事を知る者は冒険者を含めたほんの一握りに限られていた。そのためエレッサールは自分の正体をわざわざ明かす必要は無いと考えていた。

Orgolasは同年代のソロンギルとすぐに親しくなり、王が滞在する間共に行動するようになる。冒険者は彼らの護衛を務めるが、Naurielの配下から領内に海賊の一団が侵入したという報せを受け、王自らが率いる討伐部隊と共にIáphelに急行する。襲撃を退けた一行は丘陵地帯に隠れた敵の掃討にあたるが、密かに討伐隊の後の後を追ったソロンギルが海賊に連れ去られた事をOrgolasから聞く。海賊の頭はWave-reaperと呼ばれており、冒険者はそれがリンヒルで見た使者Nakásiだった事を知る。王は襲撃者がどの方面に逃げたかを探るよう冒険者に依頼する。

冒険者は川沿いを下りつつ海賊を追跡し、地元民の証言で彼らが数日前に沿岸の森Tumbamálëに物資を隠していたらしい事を突き止める。森に入った冒険者は、エルフの弓が安置された木立ちに出て、森の主の[[エント]]Leafshadeと遭遇する。Leafshadeは数ヵ月前に[[オーク]]の毒矢を受けて負傷したエルフを発見し、自身の住み処に連れ帰って手当てしたという。エントからはNestinanessornëと名付けられたそのエルフは治療される間、友人たちに危機を知らせねばならないと語っていた。Nestinanessornëは、数日前に現れたNakásiらがゴンドールへの宣戦布告として森を焼き払うのを阻止するため、自ら捕虜となる取り引きを持ちかけ、傷が完全には癒えないまま海賊たちと去ったという。Nestinanessornëの正体は、以前冒険者と共に[[ローハン]]を旅したが、[[角笛城]]から偵察に出たまま消息不明となっていたCorudanだった。

報告を聞いた王は冒険者に紛争を避けるため、秘密裏にソロンギルを救出する任務を与える。またCorudanの妹Sigilethへ、兄弟の消息が掴めた事を知らせるための伝令を[[エルケンブランド]]に送る。ソロンギルを引き留めなかった事に責任を感じつつも、幼少の身故に同行できないOrgolasは考えた末、父の遺言により自分に与えられた旗艦Wave Hunterを冒険者に提供する事を申し出た。アンファラスの継承者は、今自分にできる事は母や領民たちを守るという父の意向を引き継ぐことだと言って、友人の命運を冒険者に託す。

**Chapter 5 : The Voyage of the Wave-hunter &color(green){(第五章 波間の狩人の航海)}; [#chapter1] 

冒険者は招集した仲間と共にアンファラスから船出する。当初は案内人としてジャジャックスに同行を求めたが、組織を恐れるジャジャックスはそれを拒絶したが、その兄弟のダクサマットは冒険者に命を助けられた借りを返すために同行を申し出た。
冒険者は航海中にダクサマットからウンバールの歴史や現在の情勢について詳しく話を聞くが、その後嵐に見舞われ盾諸島の岩礁に乗り上げてしまう。幸運にも一行の中に死者は出なかったもののレゴラスは何者かが嵐を引き起こして一行を妨害したのではないかと危惧する。
諸島の中心地であるザマルジール島に上陸した一行は島民からウンバールについての情報を集め、その中で硬貨の会の盟主がベロンドールという人物であることが明らかになる。元[[レベンニン]]の領主であるシルゴンによると、かつてデネソールからウンバールの総督に任命され同地に赴いたが、そこで現地の貴族の女性を寵愛し、猜疑心を募らせた[[デネソール]]によって討伐されたという。その時一騎打ちでベロンドールに止めを刺したのは他ならぬシルゴンであった。
船の損傷は軽かったものの、修理を待つ時間を惜しんだ一行は必要な人員だけを残して島伝いに陸路でウンバールを目指すことにする。盾諸島は街を追放されたバラコールの妻Saklaphêlが隠れて再起を伺っている他、硬貨の会と対立する者たちが多く、その内の一人である情報屋Cruel Dancerの協力を得る約束も取りつける事ができた。
 
**Chapter 6 : The City of Corsairs &color(green){(第六章 海寇の都)}; [#chapter1]

ウンバールの岬に上陸した一行は連盟の息がかかった海賊たちとの紛争に巻き込まれつつ、都に辿り着く。一行は注目を避けるため複数人に分かれて別々の道から街中に入り情報を集める事にする。また、Cruel Dancerからは連盟に所属する者たちだけが使用する隠し港がある事を聞き共に潜入する。連盟の一員タサータTatháta the Beastの船を探索した結果、そこに囚われていたコルダンを発見し、救出する事ができた。冒険者はコルダンに[[ローハン]]を旅した仲間たちのその後について語る。シギレスも兄との再会を喜んだものの、まだソロンギルが囚われたままの今は気を抜けないと言った。

**Chapter 7 : Every River Leads to the Sea &color(green){(第七章 全ての河は海に通ず)}; [#chapter1]

コルダンの証言ではソロンギルはウンバールで最も堅牢な区域である風の要塞Citadel of Windsに連行されたという。冒険者は地区に入る方法を探して酒場Hungry Deep Tavernで情報を集めようとするが、そこに連盟の構成員ロソグRothog the Stormが現れて冒険者に別の構成員であるハールメラクHármelak the Golden Queenが会いたがっている事を告げた。

ハールメラクの屋敷に通された冒険者は彼女から硬貨の会の成り立ちについて聞く。連盟はウンバールを[[冥王]]からもゴンドールからも影響を受けない真に自由な都市にしたいと望む彼女の発案で結成された組織だった。一人の支配者は判断を誤り時に堕落する事もあるが、複数の有力者で権力を分掌すればそれを防ぐことができると彼女は信じていた。また、連盟の一員であるアザガスAzagathが他の構成員にも秘密にする計画を進めている事、それがThe Song of Waves and Windと呼ばれている事も語る。そして最後に彼の手下は定期的に要塞内に物資を運び入れており、その人員に紛れ込めば内部に入れると伝えると冒険者を帰らせた。

城塞の広間に侵入した冒険者は内部でソロンギルを発見する。少年はベロンドールをはじめとする血族の構成員たちの傍に置かれて監視を受けていた。冒険者は盗み聞きを続けるが、そこに使者として通されて入ってきたのはゴンドールに残った筈のジャジャックスであった。ジャジャックスはゴンドールの王妃を捕らえたと言って連行してきた捕虜を差し出す。
王妃と呼ばれた捕虜は俯いたまま「ゴンドールの河が汝らに報いを受けさせる」と告げる。それを一笑に付したアザガスは捕虜の持っていた水瓶を奪い取って叩き割る。それを見たジャジャックスはその場に居合わせた冒険者の正体を暴露する。アザガスの警戒の矛先が冒険者に向いた瞬間、広間の噴水から水が勢いよく吹き出し、そこから「全ての河は海に通じており、川の乙女の力は水を介して容易に届く」とアザガスに向けて警告が響く。それを見た連盟の構成員たちはソロンギルを置いて退散した。捕虜の招待は[[ニムロデル]]であった。彼女は和解したRoaming Starとその姉妹たちの力を借りてウンバールへの警告をもたらしたのだった。

城塞から脱出した後、ジャジャックスは事の経緯を語った。イムラヒルとドル・アムロスはウンバール地域に多数の密偵を放っており、彼らから冒険者たちの乗った船が座礁したとの報告を受けて急遽新たな作戦が立てられ、その実行者としてジャジャックスとニムロデルが選ばれたのだった。ニムロデルは自身は最早世界の一員ではなくなったと考えていたが、まだ果たすべき役割があると考えを改めたと言った。
救出任務に成功した冒険者は港の灯台で仲間たちと落ち合い、今後の方針について話し合う。ギムリはジャジャックスが連れてきた捕虜の検分にコルテクが立ち会わなかった事を不信に思い、連盟も一枚岩ではないのかもしれないと言う。また、ニムロデルはアザガスの背後に冥王に近しい者が帯びる気配を感じたと語り、レゴラスやシギレスは今後最も警戒すべき相手がアザガスである事に同意した。

**Chapter 8 : A New Dawn for Umbar &color(green){(第八章 ウンバールの新時代)}; [#chapter1]

ナウリエルは息子を連れ去った評議員たちに報いを受けさせるため冒険者と共に風の城塞へと再度侵入し、そこでベロンドール、アザガス、ナカーシの三人が街の北西にある神殿The Mâkhda Khorboに向かった事を知る。The Mâkhda Khorboは冥王を信奉する教会の総本山だったが、サウロンの敗北と共に発生した大地震で崩壊したと考えられていた。しかしシギレスはドル・グルドゥアの地下で生き延びた経験から、神殿の地下の施設は無傷で残っており、アザガスらがそこに潜伏している可能性を指摘した。

冒険者は街の住民の評議会に対する評判を聞き集めるが、その最中に下層地区でベロンドールを発見する。ベロンドールは共に逃げたアザガスの裏切りで配下を全て殺され、一人街に戻ってきたのだった。彼は冒険者にシルゴンと話し合いたいと申し出て、The Hungry Deep Tavernの酒場で会見に臨む。ベロンドールはデネソールが死んだ今、ゴンドールともシルゴンとも敵対する意志が無い事、そのためソロンギルを生かしていた事を語り長年の確執を水に流した。ハールメラクは裏切り者が離反した今こそ市民の声を聴くべきであると考え、長年閉鎖されていた議事堂Dâr Lajaを開放する事を決める。

**Chapter 9 : The Beast Below &color(green){(第九章 野獣の膝元)}; [#chapter1]

市民議会で最初に議題となったのはアザガスとナカーシが街を去り空席を埋める新たな評議員の選出だったが、ハールメラクは評議員の一人であるタサータが姿を見せない事に懸念を抱き、コルダン救出の際に対峙した冒険者に所在を探るよう依頼する。

コルテクの部下と共にタサータが街の地下に広がる迷宮Umbar-môkhに潜伏している事を突き止めたコルダンと冒険者は地底の住民であるTerâsiたちの協力で捜索を続け、そこで瀕死の重傷を負ったCruel Dancerを発見する。賞金稼ぎは単身タサータを追い詰めようとしたが、突如として獣に変身した相手の反撃を受けたと語った。Cruel Dancerは太陽の下で死にたいと伝え、冒険者たちはその願いを叶える。息を引き取る間際に語った彼女の人生を聞いたシギレスは自身の剣に彼女の通称と同じ意味のBaugliltirと名を付ける。

議事堂に冒険者たちが戻ると投票の結果が開示さている最中だった。投票で最も多く上がったのは意外な事に冒険者の名前だった。ウンバール市民の間で高まっていた声望を無視する事はできず、ハールメラクは冒険者が同盟の一員に相応しいかを判断するための試練が与えられると告げる。また、タサータの秘密については当面の間は秘密のままにしておくべきだという判断を下した。

**Chapter 10 : The Lands of Shagâna &color(green){(第十章 シャガーナの地)}; [#chapter1]

救出任務を終えた仲間の一部はゴンドールに向かう商船で北へ帰還する事にする。ナウリエルは息子を危険に晒した者たちへの報復が叶わない事を惜しんでいたが、シギレスがそれを引き継ぐことを約束した。一方のソロンギルは自身の体験をオルゴラスに聞かせる事を心待ちにしていた。ニムロデルは今後は世間から隠れる事を止め、日の当たる場所で世界に尽くすと意志を表明する。レゴラスとギムリもニムロデルの護衛に同行する一方、コルダンとシギレスの兄妹は冒険者と共に残り、シルゴンもウンバールとゴンドールの和平を進めるため残留する。

風の城塞内ではウンバールの今後について冒険者を交えた話し合いが行われる。ベロンドールは城塞に幽閉していたバラコールの息子バラカードBalakhâdを返還する事でサクラフェルと講和する事を考えていたが、そのバラカードが数週間前に脱獄した事を語る。脱走を手引きした容疑者は同時期に姿を消したアザガスの部下サドゥークSadûkhだった。連盟は彼らが裏で繋がってウンバールの脅威となる事を懸念し、それを阻止する任務を与えると共に、これを冒険者が連盟の一員として認められるための試練とする。

アザガスを追跡するキャラバンが招集される間、冒険者はカエバールが新たに師事する事になった学者のガリムから近ハラドの風土について詳しい話を聞く。ゴンドール人がハラドと呼ぶ地域は現地の人間には「美しき地」を意味するシャガーナと呼ばれており、かつてはその名に違わぬ肥沃で数多くの貴重な品々を産出する土地だったが、それ故に周辺諸国の争奪戦の舞台となってきた。中でも遠ハラドのオルダク帝国は強大で、サウロンを全能の神バルクーシュとして崇拝する彼らの拡大によってシャガーナの諸国は徐々に劣勢に追いやられていった。そして200年前に起こった干ばつによって、土地が荒廃すると共にオルダクの侵略に対する天然の防壁として機能していた河川が干上がり、シャガーナ全土が冥王の支配下に置かれる事になった。この時の飢饉は冥王が引き起こしたものだったのだろうとガリムは語った。
カエバールは「波と風の歌」について知っている事は無いかをガリムに尋ねる。ガリムは知らないと答えるが、シャガーナの歴史や伝承は現地の人間すら全てを把握しきれないほどに錯綜しているため、地元民に聞き込みを続ければ何か分かるかもしれないと助言した。

キャラバンの編成が予想よりも遅れた事もあり、冒険者はシルゴンの率いる少人数の先遣隊と共に出立する。現地の民にはイコルバーンの名で呼ばれる川に沿って東に向けて進んだ一行はアンバルールの地で女性による自警組織ドゥムーリと接触する。ギルハージとその娘ラハージに率いられた彼女らはゴンドールとの戦争に駆り出されて戻らなかった男たちに代わってオルダクに対する反乱を主導しており、一行は情報と引き換えにオルダク軍の掃討に協力する事となる。
冒険者はオルダク軍の残党を追って分け入った森の中でその地を守護する風変わりなエルフのシャンタールと出会う。彼の属する氏族キンタイは他のエルフとは異なり中つ国の外側の世界への関心を持たず、肉体を捨て去って自然と一体化するという独自の運命を選んだ者たちだった。シャンタールは耳を澄ませば同胞の魂が囁きかけるのを聞くことができるとも言う。冒険者がその声を聞き取る事はできなかったものの、シャンタールは同胞の住まう森をオルダクの手から守ってくれた事に感謝の意を示した。
ドゥムーリの拠点に戻る途中、一行は熊に変身し狂暴化したタサータの襲撃を受ける。その場は後続隊を率いてきたロトホグによって撃退されたが、ベロンドールは襲撃者の正体が連盟の構成員である事はドゥムーリたちには秘密にしておくべきだと判断した。


**Chapter 11 : Among Enemies &color(green){(第十一章 敵の掌中で)}; [#chapter1]

**Chapter 12 : Something Has Awoken &color(green){(第十二章 何かが目覚める)}; [#chapter1]

**Chapter 13 : The Dagor Carlanthir &color(green){(第十三章 ダゴール・カルランシル)}; [#chapter2]


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