#author("2022-10-26T21:25:37+09:00;2021-10-04T15:03:44+09:00","","")
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* ナルゴスロンド [#x832c57f]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Nargothrond|
|~その他の呼び名|ヌルッキズディーン(Nulukkizdîn)((『[[The War of the Jewels>The History of Middle-earth/The War of the Jewels]]』によると、綴りはNuluk''kh''izdînが正しい。))、ナログの洞窟(Caverns of Narog)|

** 解説 [#Explanation]

[[フィンロド・フェラグンド>フィンロド]]によって作られた、[[第一紀]]の[[ベレリアンド]]に存在した[[ノルドール]]・[[エルフ]]の要塞都市。およびその都市を中心とした王国の名。
''ナルゴスロンドの王国''(Realm of Nargothrond)の領土は[[西ベレリアンド]]の[[ナログ]]川の両岸に広がり、東は[[テイグリン]]川との間に広がる[[タラス・ディルネン]]の平原、西は[[ネンニング]]川に至るまでの土地で、これは[[中つ国]]に帰還した[[ノルドール]]の王国の中でも最も広大なものだった。

ナルゴスロンドの都は[[ナログ]]川の西岸、[[ファロス高地]]の麓の[[リングウィル]]川がナログ川に注ぐ地点にあった洞窟を基礎にして造られた地下の大城塞であった。

*** 歴史 [#dd9906a2]

元となった洞窟にはかつて[[小ドワーフ]]が住みついており、[[ドワーフ語]]でヌルッキズディーンと呼ばれていた。この洞窟を発見し、掘削を始めたのは小ドワーフである。後に、[[ウルモ]]の啓示を受けて以来隠れた要塞都市を築くことを望んでいた[[フィンロド]]が、[[シンゴル]]からこの地のことを教えられてやって来た。彼は[[青の山脈>エレド・ルイン]]の[[ドワーフ]]の協力を得て[[メネグロス]]を模倣した要塞を洞窟に築き上げ、自分の民を連れてこの地に移り住み、王となった。以後この地はナルゴスロンドと呼ばれるようになり、フィンロドはナルゴスロンドの造営によってフェラグンドの名で呼ばれるようになった。

[[ダゴール・ブラゴッラハ]]の後には[[ヒムラド]]を追われた[[ケレゴルム]]と[[クルフィン]]が自分たちの民を引き連れてナルゴスロンドに逃れてきた。
フィンロドが[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]の求めに応じて彼と共に[[シルマリル]]探索の旅に出た時、ナルゴスロンドの王位は[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]に委ねられた。その後、フィンロドを見殺しにしてベレンと[[ルーシエン]]のシルマリル探索を妨害したことを咎められたケレゴルムとクルフィンが追放された後も、クルフィンの息子[[ケレブリンボル]]をはじめとする彼ら兄弟の民はこの地に留まった。
フィンロドが[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]の求めに応じて彼と共に[[シルマリル]]探索の旅に出た時、ナルゴスロンドの王位は[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]に委ねられた。その後、フィンロドを見殺しにしてベレンと[[ルーシエン]]のシルマリル探索を妨害したことを咎められたケレゴルムとクルフィンが追放された後も、クルフィンの息子[[ケレブリンボール]]をはじめとする彼ら兄弟の民はこの地に留まった。

ナルゴスロンドの存在は[[ニルナエス・アルノエディアド]]の後も長い間敵の目から隠されていた。だが、[[グウィンドール]]に連れられてこの地に来た[[トゥーリン]]がモルメギルの名で武功を挙げ、重んじられるようになると、彼の影響を受けたエルフは[[モルゴス]]の軍勢に対し隠れ潜みながら戦うことを止め、堂々と出撃するようになった。結果、ナルゴスロンドの存在は公然となり、王国は[[オーク]]と[[グラウルング]]の攻撃を受けた。[[トゥムハラド]]の合戦でエルフは敗北して[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]、[[グウィンドール]]らが戦死し、ナルゴスロンドは陥落して王国は滅亡した(ナルゴスロンドの寇掠)。
ナルゴスロンドの廃墟はしばらくの間[[グラウルング]]の巣となっていたが、グラウルングが去ると、かつてトゥーリンを裏切った[[ミーム]]が忍び込んで、この地に蓄えられた財宝と戯れながら独りで暮らした。後にトゥーリンの父[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]が来ると、彼はミームを殺し、財宝の中から[[ナウグラミール]]だけを持ち出して[[ドリアス]]へ去った。

[[怒りの戦い]]によるベレリアンドの崩壊とともに、ナルゴスロンドの廃墟も消滅した。

***ナルゴスロンドの構造 [#g6f4edfb]

城門は東の[[ナログ]]川に面していたが、橋は架けられておらず、流れが急なため徒歩で渡ることもできないようになっており、ずっと北の[[ギングリス]]川がナログ川に合流する付近まで迂回して渡るしかなかった。ナログ川の東岸、城門から前方1[[リーグ]]の地点には見張り場所である[[アモン・エシル]]が築かれていた。
[[メネグロス]]を模した広大な内部にはいくつもの大広間や武器庫が築かれ、[[フィンロド]]が[[アマン]]から携えてきたものをはじめとした数々の財宝があったが、その中でも彼が最も大切にしていたのが[[ナウグラミール]]であった。

後に[[トゥーリン]]の助言で、迅速に兵を動かせるよう、城門の前の[[ナログ]]川に大きく堅固な橋が架けられた。[[ゲルミル>ゲルミル(アングロドの民)]]と[[アルミナス]]を通して伝えられた[[ウルモ]]の言葉では橋を落とすよう警告していたが、トゥーリンはこれを受け入れなかった。ナルゴスロンドの陥落ではこの橋が仇となり、[[グラウルング]]と[[オーク]]たちの侵入路になってしまった。

*** 画像 [#c9c5626b]

&ref(nargothrond01_bytolkien.jpg,,15%,トールキンが1928年に描いた「ナルゴスロンド」); &ref(nargothrond03_bytolkien.jpg,,15%,トールキンが1928年に描いたナルゴスロンド); &ref(nargothrond02_bytolkien.jpg,,15%,トールキンが1936~37年頃に描いたと思われるナルゴスロンド);

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