ナルゴスロンド †
概要 †
解説 †
第一紀のベレリアンドに存在したエルフの要塞都市。およびその都市を中心とした王国の名。
ナルゴスロンドの王国(Realm of Nargothrond)の領土は西ベレリアンドのナログ川の両岸に広がり、東はテイグリン川との間に広がるタラス・ディアネンの平原、西はネンニング川に至るまでの土地で、これは中つ国に帰還したノルドールの王国の中でも最も広大なものだった。
ナルゴスロンドの都はナログ川の西岸、ファロス高地の麓のリングウィル川がナログ川に注ぐ地点にあった洞窟を基礎にして造られた地下の大城塞であった。
元となった洞窟にはかつて小ドワーフが住みついており、ドワーフ語でヌルッキズディーンと呼ばれていた。この洞窟を発見し、掘削を始めたのは小ドワーフである。後に、ウルモの啓示を受けて以来隠れた要塞都市を築くことを望んでいたフィンロドが、シンゴルからこの地のことを教えられてやって来た。彼はエレド・ルインのドワーフの協力を得てメネグロスを模倣した要塞を洞窟に築き上げ、自らの民を連れてこの地に移り住み、王となった。以後この地はナルゴスロンドと呼ばれるようになり、フィンロドはナルゴスロンドの造営によってフェラグンドの名で呼ばれるようになった。
ダゴール・ブラゴルラハの後にはヒムラドを追われたケレゴルムとクルフィンが自らの民を引き連れてナルゴスロンドに逃れてきた。
フィンロドがベレンの求めに応じて彼と共にシルマリル探索の旅に出た時、ナルゴスロンドの王位はオロドレスに委ねられた。その後、フィンロドを見殺しにしてベレンとルーシエンのシルマリル探索を妨害したことを咎められたケレゴルムとクルフィンが追放された後も、クルフィンの息子ケレブリンボールを始めとする彼ら兄弟の民はこの地に留まった。
ナルゴスロンドの存在はニアナイス・アルノイディアドの後も長い間敵の目から隠されていた。だが、グウィンドールに連れられてこの地に来たトゥーリンがモルメギルの名で武功を挙げ、重んじられるようになると、彼の影響を受けたエルフはモルゴスの軍勢に対し隠れ潜みながら戦うことを止め、堂々と出撃するようになった。結果、ナルゴスロンドの存在は公然となり、オークとグラウルングの攻撃を受けた。トゥムハラドの合戦でエルフは敗北してオロドレスとグウィンドールが戦死し、ナルゴスロンドは陥落して王国は滅亡した(ナルゴスロンドの寇掠)。
ナルゴスロンドの廃墟はしばらくの間グラウルングの巣となっていたが、グラウルングが去ると、かつてトゥーリンを裏切ったミームが忍び込んで財宝と戯れながら独りで暮らした。後にトゥーリンの父フーリンが来ると、彼はミームを殺し、財宝の中からナウグラミーアだけを持ち出してドリアスへ去った。
ナルゴスロンドの構造 †
城門は東のナログ川に面していたが、橋は架けられておらず、流れが急なため徒歩で渡ることもできないようになっており、ずっと北のギングリス川がナログ川に合流する付近まで迂回して渡るしかなかった。ナログ川の東岸、城門から前方1リーグの地点には見張り場所であるアモン・エシアが築かれていた。
メネグロスを模した広大な内部にはいくつもの大広間や武器庫が築かれ、フィンロドがアマンから携えてきたものをはじめとした数々の財宝があったが、その中でも彼が最も大切にしていたのがナウグラミーアであった。
後にトゥーリンの助言で、迅速に兵を動かせるよう、城門の前のナログ川に大きく堅固な橋が架けられた。ゲルミアとアルミナスを通して伝えられたウルモの言葉では橋を落とすよう警告していたが、トゥーリンはこれを受け入れなかった。ナルゴスロンドの陥落ではこの橋が仇となり、グラウルングとオークたちの侵入路になってしまった。
画像 †
コメント †
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