#author("2022-12-15T11:58:57+09:00;2022-12-15T06:44:06+09:00","","")
#author("2023-05-09T19:08:58+09:00","","")
* イスタリ [#ga21964e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Istari(([[クウェンヤ]]。単数形イスタル(Istar) ))|
|~その他の呼び名|魔法使い(Wizards)((原語のwizardはwīs「賢い」+-ard「大いに……するもの」からなる語で、原義としては「賢者」にあたる。)) &br; 賢人団、結社(Order) &br; イスリン(Ithryn)(([[シンダリン]]。単数形イスロン(Ithron) ))|

** 解説 [#Explanation]

単数形はイスタル。[[クウェンヤ]]で'''those who know'''(知る者たち)の意((『[[The Letters of J.R.R.Tolkien]]』Letter#156(1954年)、及び『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』「The Shibboleth of Fëanor」))。一般に''魔法使い''と呼ばれる。
かれらは[[西方>アマン]]から[[中つ国]]に派遣された使者であり、[[自由の民]]が[[サウロン]]の脅威に抗することを援助する任務を帯びていた。[[人間]]の老人のような姿をしているが実際は人間ではなく、長い年月が過ぎても心労でわずかに老け込んでいくのみで、知的にも技能的にも様々な力を秘めていた。それぞれが固有の「色」の衣を身に纏い、杖を携えている。
中つ国の民の中で、彼らの正体と目的を正しく把握しているのは[[キールダン]]、[[エルロンド]]、[[ガラドリエル]]などのごくわずかな[[エルフ]]の賢者に限られていた。

(『[[終わらざりし物語]]』によると)その正体は[[ヴァラール]]より遣わされた[[マイア>マイアール]]の精霊である。
ヴァラールは、かつて[[エルフ]]を守ろうとして自らの栄光と力を誇示したことを重大な過ちだったと考えていた([[クイヴィエーネン]]から[[アマン]]へ移住させた時など)。そのためイスタリは、直接力でもって[[サウロン]]に対抗することも、中つ国の民を支配することも禁じられ、あくまで助言者で援助者という立場からサウロンおよびその召使と戦うことが要求された。
ゆえにイスタリは見せかけでない本物の[[人間]]の肉体を身に纏っていた。これにより[[アイヌル]]本来の叡智と力は曇り、飢えや恐れなどの肉体的脅威に晒され、容易に堕落することも死ぬこともありえた。
結果的に、任務を完遂して帰還したのは[[ガンダルフ]]ただ一人であった。

>このように、自ら進んで流浪の苦しみとサウロンの罠に耐えることで、かれらはその時代の悪を正したと言えるかもしれない。((『[[終わらざりし物語]]』「イスタリ」))

*** 魔法使いの結社(ヘレン・イスタリオン) [#order]

> 「われら両人はともに、この中つ国では最もすぐれた、古い歴史のある高等なる結社の成員ではないか?」((『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「サルマンの声」 [[ガンダルフ]]を懐柔しようと試みる[[サルマン]]の言葉。))

''魔法使いの結社''(Order of Wizards)、[[クウェンヤ]]で''ヘレン・イスタリオン''(Heren Istarion)とは、[[中つ国]]のイスタリからなる組織である([[白の会議]]とは別個のもの)。単に''賢人団''あるいは''結社''とも呼ばれる。白の[[サルマン]]が彼らの長と見なされていた。

結社の詳細は不明であるが、彼らは[[第三紀]]1000年頃に[[灰色港]]に上陸し、人知れず[[中つ国]]の知識と[[サウロン]]に対抗する方法を探し求めた。やがてサウロンが[[闇の森]]で[[死人占い師]]としての姿をとり、その影が伸びると、イスタリは[[自由の民]]の援助者として立ち上がり、その活動が賢者や王侯達に広く知られるようになる。
イスタリの持つ性向や能力はそれぞれ異なっており、かれらは結社として一丸となるというよりも、それぞれの異なった側面から独自に自由の民を助けることを想定されていたという。

イスタリの総数は『[[指輪物語]]』本編や『[[追補編>指輪物語/追補編]]』をはじめ、全員で五人だったと読める記述が多く((『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』における[[サルマン]]の'''五人の魔法使の杖を手に入れ'''という発言や、[[追補編>指輪物語/追補編]]の'''この賢人団(全部で五人いたといわれている)'''という記述など))、[[サルマン]]と[[ガンダルフ]]の二名が彼らの中で上位にあったという。
だが『[[終わらざりし物語]]』に収録されている草稿の中には、[[中つ国]]北西部に派遣されたイスタリの「指導者」が五人であるとする記述があり、その総数は不明であるとされている。

*** イスタリの名 [#x6bddd1e]

- 白の[[クルモ(サルマン)>サルマン]]
- 灰色の[[オローリン(ガンダルフ)>ガンダルフ]]
- 茶色の[[アイウェンディル(ラダガスト)>ラダガスト]]
- 白の[[サルマン]]
- 灰色の[[ガンダルフ]]
- 茶色の[[ラダガスト]]
- 青の[[アラタール]]
- 青の[[パルランド]]

以上は『[[終わらざりし物語]]』に登場する[[クウェンヤ]]による名(および本編中の呼び名)である。
『[[終わらざりし物語]]』によれば[[クルモ>サルマン]]は[[アウレ]]に、[[オローリン>ガンダルフ]]は[[マンウェ]]と[[ヴァルダ>エルベレス]]に、[[アイウェンディル>ラダガスト]]は[[ヤヴァンナ]]に、[[アラタール]]と[[パルランド]]は[[オロメ]]に属する民であったとある。
以上は『[[終わらざりし物語]]』で述べられている五名である。
『[[終わらざりし物語]]』によれば[[クルモ(サルマン)>サルマン]]は[[アウレ]]に、[[オローリン(ガンダルフ)>ガンダルフ]]は[[マンウェ]]と[[ヴァルダ>エルベレス]]に、[[アイウェンディル(ラダガスト)、>ラダガスト]]は[[ヤヴァンナ]]に、[[アラタール]]と[[パルランド]]は[[オロメ]]に属する民であったとある。
ただし青の魔法使いの二人に関しては『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』などに異説もあり、はっきりしない。詳細は''[[イスリン・ルイン]]''を参照。

*** その他 [#r7055a1f]

[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]によると、'''魔法使には、おせっかいをやくな、変幻自在で、よくおこる (Do not meddle in the affairs of Wizards, for they are subtle and quick to anger.)'''((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「三人寄れば」))と言われているという。
[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]によると、'''魔法使には、おせっかいをやくな、変幻自在で、よくおこる (Do not meddle in the affairs of Wizards, for they are subtle and quick to anger.)'''((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「三人寄れば」))と言われているといい、その仕業の巧妙なことと気難しいことは語り草となっていた。

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** コメント [#Comment]

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