-- 雛形とするページ -- Template * ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 シーズン2 [#y3ec96ce] #navi(ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪) #contents *概要 [#l1640d45] ドラマシリーズ『[[ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪]]』のシーズン2について。 ** あらすじ [#j1a00e6b] *** エピソード1 空の下なるエルフの王たち (Elven Kings Under the Sky) [#Episode1] [[中つ国]][[第二紀]]のはじめ、[[モルゴス]]の僕[[サウロン]]は[[フォロドワイス]]の地に[[オーク]]たちを集め、自らの配下となるように説いた。肉体を超越する力を求めるサウロンは自身を新たな[[冥王]]に戴けば、オークたちは中つ国に秩序をもたらした支配者となり、他の種族から忌み嫌われ迫害され続ける運命から解放されると語るが、オークたちはその言葉に疑いを向ける。 オークたちの尊父と敬われる[[アダル]]の手から戴冠しようとするサウロンだったが、アダルは跪いたサウロンの背に冠の尖端を突き立て、それを合図にオークたちが一斉に襲い掛かった。血の海に沈んだサウロンの体は光に包まれて爆散し、その衝撃はフォロドの地を凍てつく極寒の地へと変えた。 サウロンが消滅したのを見たオークたちはアダルの名を称えながら要塞を後にするが、その背後でサウロンの身体から流れた血だまりが地面に沁み込んでいく様子には気づかなかった。 長い時間が過ぎた頃、要塞の地下に溜まった水の中から泥状の姿で目覚めたサウロンは地上に這い出て、通りがかった人間を食らい身体を乗っ取る。 人の姿を取り戻したサウロンは単身南へ向かうが、途上で流民の集団に遭遇する。一団の中にいた老人によれば、彼らはオークの襲撃から逃れ安住の地を求めるため海を目指していた。老人はかつて南方国に仕えた一族の出で、王家の紋章の掘られた印章を身に付けていた。 老人の誘いに乗ったサウロンは一団に加わり、船で海の向こうの島へ渡ろうとするが、その途上で海龍に襲われ船は大破する。サウロンは混乱に乗じて老人から南方国の印章を奪う。 その後僅かな生存者と共に海を漂流するサウロンの前に、泳いで中つ国に戻ろうとする[[ガラドリエル]]が姿を現し、その邂逅に運命を感じたサウロンは[[ハルブランド]]として手をさしのべるのだった。 更に時は進んで現在、モルドールに戻ったハルブランドはアダルの手勢に捕えられ、他の民と共に御前に引き出され、服従を迫られる。 ハルブランドは強力な[[魔法使い>イスタリ]]が新たにガラドリエルらの協力者になって肉体を超越する力を持った武器を与えた事を語り、自分と南方国の民を解放すれば彼らの討伐に協力すると交渉を持ち掛ける。 アダルはハルブランドを投獄し、逆に民の解放を条件に魔法使いについて詳細を教えるように要求する。ハルブランドはやむなくこれに応じ、魔法使いの正体がサウロンである事を明かし、更にエルフの間者となってその居場所を聞き出す事を約束する。 モルドールの主に忠誠を誓い、アダルの手先として動く事になったハルブランドは使者として再びエレギオンへ赴く。 [[三つの指輪]]を携えた[[エルロンド]]とガラドリエルは[[リンドン]]に戻る。エルロンドは指輪の作製を提言した南方人の素性について疑念を抱いており、[[ギル=ガラド]]にもそれを既に伝えていた。問い質されたガラドリエルはサウロンに欺かれた事を白状した。 ガラドリエルは指輪自体はエルフの手で作製された物で、使用する事に問題はないと考えており、ギル=ガラドも彼女の過ちに対しては批難の目を向けたものの、 エルフの衰亡の回避を優先する意志から指輪を受け取ろうとする。 指輪を危険視するエルロンドはそれに強く反発し、指輪を持って逃走する。 上級王はサウロンと[[ケレブリンボール]]が再度接触するのを防ぐため[[エレギオン]]に早馬を飛ばす一方、ガラドリエルに対しては過ちを正すための猶予を与えた。 灰色港に匿われたエルロンドはエルフ族の中でも最長老の賢者として名高い[[キールダン]]に指輪を破壊して欲しいと頼む。後を追ってきた上級王とガラドリエルが港に着いたのは、キールダンが第一紀の戦いで生じた海中の亀裂に指輪を投じようと船を出した後だった。 騒動の後、ギル=ガラドは中つ国におけるエルフの時代の終焉を宣言した。しかし、その場に指輪の一つを嵌めたキールダンが現れ、残り二つの指輪を差し出す。驚愕するエルロンドをよそにギル=ガラドとガラドリエルが指輪を嵌めると、広場の大木に葉が生い茂り、黄金の輝きを放った。 こうして衰亡を回避したエルフたちは指輪の力を用いて冥王に対抗する道を選ぶ事になった。 [[よそびと]]と[[ノーリ>エラノール・ブランディフット]]は神秘主義者たちが示した[[リューン]]の地を訪れるが、道に迷っていた。 よそびとは魔法の制御に苦心しており、使用する度に必要以上の力が放たれてノーリに危険が及ぶ事に頭を悩ませる一方、杖のようなものを手にする夢を見るようになっていた。 よそびとはその杖が立っている場所が自身の目的地で、杖を手にすれば魔法が制御できるようになるのではないかと考えていたが、自身の名前や中つ国に来た目的については未だに分からないままだった。 抜け道を探す二人は何者かに後をつけられている事に気づく。罠を張って捕らえたその追跡者はハーフットの仲間の所に残してきた[[ポピー>ポピー・プラウドフェロー]]だった。ポピーはサドクの地図の切れ端を携えており、そこに書かれた歌をヒントにして迷路から抜け出す事ができた。 しかし、リューンの奧地へ進んでいく三人を遠方から馬に跨がった人間らしき集団が見つめていた。 *** エピソード2 見慣れぬ星座を眺める地 (Where the Stars are Strange) [#Episode2] [[オロドルイン]]の噴火による変動は地を伝いカザド=ドゥームにまで達した。地震によって採光設備が破壊され、太陽の光が届かなくなった事で食料生産が打撃を受け、ドワーフたちは復旧に追われる。 [[ディーサ]]ら巫女の歌声に岩石が応える事はなく、[[ドゥリン王>ドゥリン三世]]は山とドワーフの絆が断ち切られ、一族が衰えつつあると考えていた。 父から絶縁された[[ドゥリン王子>ドゥリン四世]]は一労働者として掘削現場に駆り出されるが、不満を抱く元配下の坑夫たちからぞんざいな扱いを受け苛立ちを募らせる。ディーサは父子が関係を修復する事を望んでいたが互いの頑迷さがそれを阻んでいた。 ギル=ガラドと廷臣たちはサウロンとの戦いに備えて会議を重ねる。南方国を攻撃する計画について話し合われる一方、ケレブリンボールが惨殺される幻影を見たガラドリエルはそれが指輪の見せた未来なのではないかと案じ、エレギオンとその領主の安否を懸念する。 上級王は自身も指輪を通して破滅的な光景を見ていたものの、一度サウロンにつけ入る隙を与えた以上、ガラドリエルが再度対峙しても同じ轍を踏む事になると忠告する。 上級王はエレギオンの守りの固さを信じるようにガラドリエルを諭したものの、ハルブランドの正体を知らせる伝令は道中で何者かの襲撃を受け、危急の知らせが同地に届く事は無かった。 返答の遅さを鑑みたガラドリエルは再び視察隊の派遣を願い出てエルロンドの同行を条件に許可されるが、灰色港で謹慎するエルロンドはサウロンと指輪を警戒して協力を拒む。 エルロンドが指輪に対する猜疑心を吐露すると、キールダンは創造物に対する評価を創造者以外の者が軽率に下すべきではないと語る。 更に指輪の投棄という選択肢は強大な力がサウロンの手に渡る危険を一時的に遠ざけるだけに過ぎず、それよりもエルフの手中に留め置くと共に、同族間の対立を回避する方が賢明であると考え思い止まったと語った。 また、指輪が所持者を悪しき方向に導く事があれば、これを正し過ちを防ぐ役割を持った信頼できる友が必要であり、エルロンドの役割もそこにある事を示した。 やがてガラドリエルはギル=ガラドから視察隊と共に出立するよう命じられるが、その隊長の任はエルロンドが担い、ガラドリエル自身は一隊員としてこれに加わる事が決まった。 ノーリたちは騎馬の一団に追跡されている事に気付く。彼らはカラス・ガエルを根城にする神秘主義者たちとその主である魔法使いの手下だった。魔法使いによって呪いを掛けられた彼らはそこからの解放のためよそびとの身柄の確保を約束する。 ノーリたちは水場の無い険道を迂回して追手を巻こうとするが極度の日差しと渇きに耐えきれず、井戸に近づいた所を捕捉される。 よそびとは井戸の側に立っていた木の棒を杖にして魔法を発動させ砂嵐を巻き起こすが、杖は負荷に耐えきれず砕け、ノーリとポピーは勢いを増し続ける暴風によって何処かへ飛ばされてしまった。 ハルブランドは南方国の使者としてエレギオンを再訪する。 ケレブリンボールは当初、ガラドリエルの忠告に従い南方人との面会を避けていたが、三つの指輪の成果について仄めかされると工房へ通す。 ハルブランドが指輪の力でリンドンが甦った事を伝えると、ケレブリンボールは生涯を賭けて取り組んできた大志が成就に近づいた事を深く喜んだ。 ハルブランドはガラドリエルらは恩恵だけを一方的に享受し、そこに至るまでに細工師たちの味わった労苦を軽んじ忘れる身勝手な者たちだと非難する一方、これを正しモルドールの興隆による闇の侵食から中つ国を救うためにはエルフの受けた恩恵を他の種族にも等しく分け与えなければならないと言った。 ドワーフと人間のため更に多くの指輪を作るべきという提案に、堕落を恐れるケレブリンボールは消極的な姿勢を見せる。 ハルブランドはかつて誰も成し得なかった偉業を果たせばケレブリンボールは救済者として中つ国の全ての民から讃えられる存在になると説き、自身はその助力の為に遣わされた者だが、素性を知ったガラドリエルに遠ざけられたのだと言った。 工房の明かりが消えると共にハルブランドは暗がりに隠れ、炉から吹き上がる火の中からより高貴で強力な姿となって再び現れた。その光景を目の当たりにしたケレブリンボールが名を問うと、ハルブランドだった者は“物贈る君”、アンナタールと名乗った。 *** エピソード3 大鷲と王笏 (The Eagle and the Sceptre) [#Episode3] [[ヌーメノール]]軍が引き上げる直前、[[イシルドゥル]]の愛馬ベレクは引き留めようとする[[エレンディル]]らの声に逆らい、主人を探して単身でモルドールに戻った。 イシルドゥルは大蜘蛛の巣くう洞窟に捕らわれていたが、ベレクが近づくと意識を取り戻す。纏わり付くクモの巣から抜け出そうとするイシルドゥルに[[シェロブ>若蜘蛛の一匹]]が襲いかかるものの、辛くも脱出に成功した。 ベレクと共にモルドールから逃れたイシルドゥルは、アダルから放たれた野人が彷徨く森の中でヌーメノールの野営跡を見つけ、そこで南方国の女に襲われる。女はイシルドゥルがヌーメノール人と知ると刃を向けた事を謝罪し、エストリッドと名乗った。エストリッドはアダルの追手から逃げる途中で婚約者とはぐれてしまったと語る。 二人は野営に残っていた地図を頼りにペラルギルを目指し、途中で野人に襲われた所を[[アロンディル]]に救出されたが、ベレクは奪われてしまった。 [[ペラルギル]]には南方国の生き残りが多数避難していたが、[[ブロンウィン]]はオークの毒で命を落とし、[[テオ]]とアロンディルの関係にも溝が生じていた。 イシルドゥルとテオはベレクを奪還するため夜陰に乗じて野人の夜営に忍び込むが、敵でも味方でもない何者かの襲撃に巻き込まれる。 エレギオンに招かれたドゥリン王子夫妻はミスリルへの返礼として、エルフを衰運から救った力をドワーフにも分け与えたいと提案を受ける。 ケレブリンボールらにはドゥリン王に直接提案しても聞く耳を持たないと踏んで、息子の王子を仲介役として選んだ。 当の王子は彼らの言う指輪の魔法だけでなく、傍らにいる見知らぬ男に対しても不信感を抱いた。また、彼らの助力を進言するために父王に詫びる事も受け入れられずにいたが、ディーサは王国の危機に際しては手段を選んではいられないと夫を説得し、王子も渋々ながら自らが折れる事にする。 アンナタールは自身の計画がギル=ガラドらに露呈する事を懸念し、ケレブリンボールが無断で新たな力の指輪を作製した事を上級王が知ればそれを批難する事や、中つ国に危機が迫る中でドワーフの返答を待つ時間的余裕が無い事を説き、ケレブリンボールを急かす。 エルフの指輪の成功で気を大きくしていたケレブリンボールは自身の前途に約束された更なる偉業が、上級王による干渉や束縛を受ける事に対して強く反発し、リンドンに虚偽の報告を送って時間を稼ぐ事にする。 カザド=ドゥームの窮状は日に日に悪化の一途を辿り、王の側近[[ナルヴィ]]は備蓄された食料を市民に配給するよう進言し、王もそれを容れる。ドゥリン王子はナルヴィに続いて自身の非礼を父王に詫びると共にエレギオンからの申し出を伝える。 ケレブリンボールの工房を訪問したドゥリン王が直に見守る中、アンナタールが王から提供された[[ミスリル]]の鉱石を炉に投入し、ドワーフのための指輪作りが始まった。 ヌーメノールでは先王の葬儀が執り行われる。国中が喪に服すのと同時に新国王の即位に向けた準備も進められるが、遠征で多大な犠牲者を出した[[ミーリエル]]に対する反発の声が高まり、王都には北方の有力貴族ベルガサールをはじめとする[[ファラゾーン>アル=ファラゾーン]]の支持者が集まりつつあった。決定的な要因が無い内は女王に取って代わる事はできないと慎重な姿勢を見せるファラゾーンに対し、兄を失ってエルフへの不信感を強めた[[エアリエン]]は先王の隠していた秘密について打ち明ける。 戴冠式の当日、エアリエンは[[パランティール]]を持って玉座の間に現れ、エルフの魔具が先王とミーリエルを惑わせていたと参列者たちに向けて言い放つ。 摂政女王に対する不満が頂点に達した時、宮殿の前庭に[[大鷲]]が飛来しファラゾーンに向かって何かを語りかける。 これを見た支持者たちは口々にファラゾーンの名を歓呼し、時勢は一挙にファラゾーン推戴の方へと傾いた。 *** エピソード4 最も古き者 (Eldest) [#Episode4] エルロンド率いる先遣隊はリンドンを発ち馬を走らせたもののエレギオンへの最短経路である橋が崩落しており、迂回を強いられる。 地理に詳しい隊員のカムニルは[[テュルン・ゴルサド>塚山丘陵]]を通る道を提案する。ガラドリエルは当地に邪悪な気配を予感し反対するが、指輪を警戒するエルロンドはカムニルの提案を採用した。 よそびとははぐれたノーリたちを探し回る内に一軒家を見つける。その家主らしき男は[[トム・ボンバディル]]と名乗った。 よそびとは友人たちの行方について訪ねるが、示唆的で要領を得ないトムの返答に困惑する。 しかし、自分と同じ不思議な力を扱うトムの様子を見て、自分が探している星座はこの人物を示していたのではないかと思い至る。 よそびとは魔法の力を制御する術を教えて欲しいと頼むと、トムはそれは自分の役目ではないと答える。 その代わりに、過去に教えを請いに来たイスタルが他にもいた事、現在のリューンがその魔法使いの支配下にある事、魔法使いの勢力がもう一つの悪と結託すれば中つ国全土が闇に覆われる事、よそびとはこれを阻止する為に遣わされた者である事を語った。 気絶から醒めたノーリとポピーは、[[ハーフット]]に似た小さい人に遭遇する。メリマクと名乗ったその男はノーリたちがが闇の魔法使いに追われている事を知ると二人を置いて逃げ帰ろうとするが、ポピーに脅されて渋々ながら自分の村に案内する。 メリマクの村では地面に穴を掘って住むという、同じ小さい人でありながらハーフットと異なる生活が営まれていた。族長のグンダベルは、彼ら一族を[[ストゥア]]と称した。 グンダベルは当初、闇の魔法使いを警戒して村に災いを呼び込んだメリマク諸共にノーリたちを追い出そうとするが、ハーフットの族長の名が[[サドク・バロウズ]]である事を知ると考えを改め、村への滞在を許す。 族長は遠い昔、冷たい水が無限に沸き出る土地を夢に見たストゥア族の男がその土地を探して仲間と共に村から旅立ったという古い伝承を語った。男の名はバロウズといった。 グンダベルは二人がバロウズの子孫で、夢の土地を見つけたのではないかと期待を寄せていたが、ノーリはそれに答えられず、ハーフットが安住の地を見つけられるまで流離い続ける運命に縛られている事を知り憐憫を覚えた。 塚山丘陵を抜けたエルロンドの隊はオークの大軍がエレギオンの方角へ進んでいくのを発見するが、斥候と鉢合わせ追われる事となる。 ガラドリエルは指輪を外してエルロンドに託すと、自らは囮となって戦うものの、その場に現れたアダルによって捕らわれる。 *** エピソード5 岩の館 (Halls of Stone) [#Episode5] エレギオンから贈られた七つの指輪の一つを指に嵌めたドゥリン3世王は採光施設の復旧現場を訪れると、自ら鶴嘴を手にして振るい始める。 崩落を危惧するドゥリン王子と[[ナルヴィ]]を余所に、王は何かに取り憑かれたように岩壁を叩き続け、やがて穿たれた穴からは白い光が差し込んだ。 その後も王は掘削地点を次々に定め、そのいずれもが日の光を山の下まで引き込み、カザド=ドゥームは復興に向かう。 指輪のもたらした成果を聞いたケレブリンボールはエルフとドワーフの間に友情が成立した事を記念して、ナルヴィと共にカザド=ドゥームにドワーフの友のみがくぐる事のできる新しい西門を築く事にする。 危機を回避した王国だったが、その後のドゥリン王は商人たちに多額の税を課す一方、それまで封鎖していた鉱脈を開き採掘を解禁するなど、次第にその言動に異変が生じていく。 七つの指輪の残りはドゥリンの一族以外の諸王にも分け与られる事が約束されたが、その際にも見返りとして各氏族の年間採掘量の半分を朝貢品として納める事を各国の使者に要求した。 一方、ディーサは無人区域の洞窟で得体の知れない何かが咆哮するのを聞き逃げ帰る。 ドゥリン王子は妻の話を父王に伝え、無闇に山を掘り進めれば深淵に潜むそれを刺激する事になると諌めるが、 王は指輪の力によって、中つ国の地底には莫大な量の富が眠っている事や、今までドワーフが採掘してきたのはそのほんの一握りに過ぎず、ディーサら神官たちの説く節制が間違っていた事が分かったと語った。 それまでの厳格な姿とかけ離れた欲深さを露にし、指輪への執着も見せ始めた父王を見て、ドゥリン王子は指輪が悪影響をもたらした事を確信する。 ドワーフの指輪の完成後、アンナタールは当初の提案通り人間のための指輪の製作を続けようとするが、ケレブリンボールは人間たちの不幸は彼ら自身が招いた結果であると断じ、容易に堕落する人間のためこれ以上の指輪を作ってもかえって危険を招くだけだと反対する。 アンナタールは古の英雄たちを引き合いに出して、最も高潔な者たちを選んで与えればよいと言うものの、ケレブリンボールの考えは変わらず、アンナタールが一人で製作を主導する事になる。 細工師たちは指輪に使うミスリルの使用量を増やして、着用者が幽界を覗き見られる能力を付与しようと試みるが、その最中に試作品の指輪を嵌めたミルダニアが恐ろしい姿の存在を目撃し、邪悪な本性を隠した何者かが工房に紛れ込んでいるのではないかという疑念が広がる。 アンナタールはミルダニアに対して、指輪の製作で消耗したケレブリンボールの精神が腐敗に蝕まれつつあるのだと囁いた。 当のケレブリンボールは騒動の後も不干渉を貫こうとしたものの、ドゥリン王子から父王に起きた悪しき異変について報告を受けると、エルフの指輪の作製時には見られなかった現象が起きている事に対して動揺を抱く。王子はアンナタールという人物を信用しない方が良いと警告する。 ケレブリンボールは指輪の製作に不備があった事を疑い、アンナタールを問い詰めるが、アンナタールはギル=ガラドに嘘の報告を送ってまで己の願望を優先しようとしたケレブリンボールの欺瞞にも要因があったと答える。 細工師としての権限を剥奪される恐れから上級王に失態を申告する事もできず、ケレブリンボールは指輪に生じた調和の乱れを正すため指輪作りを継続せざるを得ない状況に追い込まれる。 九つの指輪の製作を前に、ケレブリンボールは細工師たちにもこれ以上邪な心を持たぬよう厳しく言いつけるが、その内心では不安が拡大し続けていた。 ヌーメノールでは新国王となったファラゾーンの下、[[節士]]派への弾圧が始まり、エレンディルも船長の職を辞し退艦する。ヴァランディルをはじめとする配下の海兵たちの多くもそれに続き除隊する。 エアリエンは女王の非を認めてファラゾーンの傘下に加わるよう父を説得しようとするがエレンディルはそれを拒んだ。 ミーリエルの王位奪還のためには蜂起も辞さない考えのエレンディルに対し、女王は今は身の安全を第一に考え忍従するように言い含める。 パランティールはミーリエルに王国の崩壊する様を見せていたが、エレンディルはそれと異なる光景を見せられた事を語り、女王はまだ希望は失われていないと考える。 しかし、王党派による抑圧は日を追う毎に苛烈さを増し、ヴァラールの神殿を閉鎖する命が下される。 ケメンは近衛を率いて礼拝に集まった者たちに立ち退きを迫るが、その侮辱的な態度に強い憤りを覚えたエレンディルは鉄拳制裁に及び逮捕される。 エレンディルを庇おうとしたヴァランディルは乱闘の中でケメンに刺殺される。 *** エピソード6 彼はどこだ (Where Is He?) [#Episode6] 人間の指輪の製作は難航し、ミスリルが枯渇するに至る。 それに伴いケレブリンボールは苛立ちを募らせ、徒弟たちに対して日増しに高圧的に振る舞うだけでなく、各々の名前を思い出せなくなるなど、精神にも変調の兆しが現れる。 アンナタールはケレブリンボールが指輪製作に専念できるよう、ミスリルの調達を含めたエレギオンの領主としての職位を自分が代行すると言い、細工師が工房に閉じこもるように誘導する。 ケレブリンボールはアンナタールの指図を疎んじ、しばしば反発しようとするが、アンナタールはその度により強い呪言で相手の功名心に働きかけ、力の指輪の完成以外の物事に関心が向かない状態にさせる。 街の外にはアダルの軍勢が近づいていたが、ケレブリンボールは工房の外で広がり続ける不穏な気配と混乱から遠ざけられ、殆ど軟禁状態となる。 アダルの天幕に拘束されたガラドリエルはアダルから協力してサウロンを打倒しようと持ち掛けられる。 アダルはハルブランドこそがサウロンであると気づいていたが、敢えて欺かれた風を装って泳がせた上で、背後から刺そうと考えていた。 ガラドリエルはアダルのその行動さえもサウロンの計画の一端で、エレギオンを攻めれば術中にはまる事になると強く警告するが、アダルは更にその裏を掻くと豪語し、エレギオンへの攻撃を開始する。 ヌーメノールではエレンディルが裁判に掛けられる。ベルガザール卿は王に忠誠を誓えばこれまでの罪を許すと言うが、エレンディルはこれを拒み続け、ついにその裁きは海の深淵に住む怪物に委ねられる。審判の執行される日、エレンディルに代わってミーリエル自らがその裁きを受ける事を申し出る。引き留めるエレンディルを残して海中に沈んだミーリエルはそこで巨大な海竜と対峙する。 陸上からその様子を見届けたベルガザールは有罪の判決が下った事を宣言するが、その直後にミーリエルが打ち上げられその判決は覆る。居合わせた節士派はミーリエルを海の女王と称える。エレンディルが放免された後、ファラゾーンはパランティールに触れ、ミーリエルらが王に擁立した南方人の正体を知る。 よそびとはトムの案内で枯れ木の森を訪れる。トムは魔法を制御するための杖をその中から探せと伝えるが、よそびとはノーリたちの身を案じていた。トムは友人と中つ国全体の運命のどちらを取るかは自分で決めろと諭し姿を消す。よそびとはやむなく杖を探し始める。 ドゥリン王子は父王に指輪の使用を止めるように説得を試みるが聞き入れられず、無理矢理指輪を抜き取ろうとした息子を王は殴り飛ばす。日に日に狂気に侵されていくドゥリン王だったが、王子はその眼の奥に以前と変わらぬ父がまだ生きている事も感じ取り苦悩する。ディーサは王の説得が不可能ならばその企みの方を阻止しようと提案し、夫婦は坑道の入り口に立ち塞がる。ナルヴィらは王の命令には逆らえず、かといって王子であるドゥリンを攻撃する事もできずに困惑する。 *** エピソード7 死すべき定め (Doomed to Die) [#Episode7] ケレブリンボールは静寂に包まれた工房で指輪製作を続けるが、やがて時間の流れが止まった幻影の中にいる事に気づき、アンナタールへの不信感が決定的なものとなる。 ケレブリンボールがアンナタールの言葉を拒絶し投げつけた鎚が窓を割ると、幻影が解けて外部の騒音が流れ込み、そこで初めてエレギオンに何が起きているかに気づく。 指輪の材料として渡されたミスリルは実際はアンナタールの手から流れた黒い血だった。 荒れ果てた町の惨状とヴァラールの使者にあるまじき行為の数々にケレブリンボールはアンナタールの正体を悟り、工房を飛び出す。 アダルの軍は投石で山を崩し、町を守っていた川を塞き止めて城壁に押し寄せる。 ケレブリンボールはミルダニアたちにサウロンに欺かれていた事を訴えるが、卿が正気を失っていると吹き込まれていた兵士たちはその言葉に耳を貸さなかった。 騒ぎの中でミルダニアは城壁から転落死し、サウロンはケレブリンボールに指輪を完成させればエレギオンを救うと囁く。 ケレブリンボールを鎖に繋いで指輪を作らせる間、サウロンは自身の目的が秩序の完成であり、破壊を目的としたモルゴスとは違うと言う。 対してケレブリンボールは本当に望むものの為に自分自身の心さえも欺いている詐欺師だと返した。 ドゥリン王は外界の争乱にまるで関心を示さず、ひたすら鉱脈の採掘量を増やし続けようとする。ナルヴィら臣下もその異常さを看過できなくなり、王子夫妻の支持に回る。また、密かにカザド=ドゥームを訪問したエルロンドからエレギオンに危機が迫っている事を知らされると友の危機に駆けつける事を約束した。 包囲開始から数日後、ギル=ガラド率いるリンドンの軍勢が到来しアダル軍と対峙するが、エルロンドは囚われのガラドリエルを見てアダルとの会談に臨む。 アダルはガラドリエルの身柄と指輪の交換を持ちかけるが、エルロンドはこれを拒み会戦を選ぶ。 それはガラドリエルを見捨てる選択だったが、天幕から去る際にエルロンドはある方法でガラドリエルに脱出のための鍵を渡す。 翌日から始まった戦闘は城壁を崩そうとするオークとそれを阻止しようとするエルフの双方に多大な損害を出しながら、夜になっても続けられた。 拘束を解いたガラドリエルはアロンディルの助けで敵陣を逃れ、エレギオンの城内に入り込んでケレブリンボールとの接触を試みる。 卿はサウロンの監視の隙を突いて自らの指を切り落として枷を外し、完成した九つの指輪を持って脱出しようとしていた。 ケレブリンボールはガラドリエルの姿を見ると敵の言葉を疑う気持ちがありながらも、大業を志向するあまり誘惑に乗ってしまった自分の行いを悔い、人間の指輪を持って逃げるように頼むと、自らは囮としてサウロンを引き付ける。 夜が明け、エルフ軍は大半が討ち死にして僅かな兵を残すだけとなる。 エルロンドはカザド=ドゥームからの援軍を待ち続けていたが、完全に正気を失ったドゥリン王が諌める者たちを手にかけ始め、ドワーフ軍は都市に引き返してしまった。 ドワーフとの合流を命じた部下から彼らの転身を聞いたエルロンドは放心状態となり、総員で進軍してきたアダルに指輪を奪われる。 *** エピソード8 影と炎 (Shadow and Flame) [#Episode8] 正気を失ったドゥリン王は一人鉱道を掘削し続けていた。ドゥリン王子は指輪を外さなければ手を切り落とすと警告するが、敬愛する父親に斧を振り下ろす事はできなかった。 やがて岩壁が穿たれ、ミスリルの大鉱脈を有する大空間が露になるものの、その奥底から炎を纏った巨大な悪鬼が現れて王を引きずり倒す。 その光景に我に返ったドゥリン王は自ら指輪を外し、一人の父親に戻って息子を守るために単身悪鬼に立ち向かう。 王の斧が悪鬼の振り下ろした焔の剣を受け止めた衝撃で鉱道が崩れ、両者は共にその中に消えていった。 父の背を追おうとしたドゥリン王子はディーサとナルヴィに引き止められた。 サウロンはケレブリンボールを拷問にかけて指輪の有りかを聞き出そうとするが、細工師は最期の言葉として指輪がいずれはサウロンを滅ぼすだろうと預言する。 逆上したサウロンはケレブリンボールを串刺しにして柱に磔にする。ケレブリンボールは指輪の王を自負するサウロンもその本質は指輪に囚われた一人に過ぎないと言い残す。 ケレブリンボールが息耐えた直後、グリューグ率いるオークたちが工房に押し入ってくる。お前はサウロンかと問い掛けたグリューグにサウロンは名を問い返す。 エレギオンの陥落は決定的となり、ケレブリンボールと細工師たちが築いてきた作品やそれらの知識を記した書物は工房前の広場に集められ、捕らわれたギル=ガラドとエルロンドの目の前で焼き捨てられた。 ガラドリエルは生き残った民を連れて町の裏手の山に出るが、アダルの手勢はそこにも待ち構えていた。 ガラドリエルは自身の投降と引き換えに住民を逃がすと、再度アダルと対面する。 指輪の力で傷の癒えたアダルは堕落する前の姿を取り戻していたが、それは意味の無い姿だと言って指輪を外し、共にサウロンを倒した後はモルドールに閉じ籠って二度と戦を仕掛けないと約束する。 ガラドリエルが取り引きに応じようとした時、担架にグリューグを乗せたオークの一団がアダルの下にやって来る。アダルが傍らに寄るとグリューグはその体に短剣を突き立て、それを合図にオークたちが一斉にアダルを刺し始める。ガラドリエルの背後から現れたサウロンの手にはモルゴスの王冠が握られていた。血溜まりの中に倒れたアダルを見下ろすサウロンを、オークたちは新たな王と呼んだ。 サウロンはガラドリエルに指輪を渡し自分と手を結ぶように呼び掛けるが、ガラドリエルはこれを拒絶して剣を向ける。戦いの最中、サウロンはハルブランドやガラドリエル自身など様々な姿に変わり、彼女と自分がいかに似た存在であるかを語り相手の心を揺さぶろうとする。しかしそれでも服従を拒絶するガラドリエルに業を煮やしモルゴスの冠の尖端をその胸に突き立てる。サウロンが懐に隠していた人間の指輪の入った袋を奪い、死の瀬戸際に追い詰められても尚ガラドリエルは恭順を拒み、崖から身を投げる。 時を同じくして、麓の街には喪に服す皇子に代わってナルヴィが率いるカザド=ドゥームからの援軍が到来し、疲弊していたオークたちを駆逐しつつあった。最も仲間に望んだ相手を失ったサウロンは苛立ち紛れにグリューグを殺しその場を後にする。 瀕死のガラドリエルはギル=ガラド一人では癒せぬ程深く毒に蝕まれていた。エルロンドは意を決してネンヤを指に嵌め、上級王と共にガラドリエルを癒す。 ヌーメノールではハルブランドの正体を知ったファラゾーンが節士派をサウロンの信奉者としてそれまで以上に激しく弾圧する。エレンディルはファラゾーンの支持者ながら父への愛情もあるエアリエンの手引きで都を脱出する。ミーリエルにも共に西方の領地に逃れるよう持ち掛けるものの、女王はエレンディルに剣を託し自らは都に残留する。 ヌーメノールはペラルギルへの支配も強め、総督に任じられたケメンの率いる艦隊が上陸する。ケメンは冥王との戦いの前線基地として砦を築く事、そのための労働力として住民を招集する事を宣言する。イシルドゥルはこれに強く反発するが、反逆者となった父親と同じ運命を辿りたくなければ従えと脅される。イシルドゥルは惹かれるようになったエストリッドに一時の別れを告げ、父を救うため表向きはケメンの警告を受け入れてヌーメノールへの帰途につく。 エレギオンの生き残りは街の北方にある隠れ谷に逃れる。意識を取り戻したガラドリエルはエルロンドに感謝の言葉を伝える。 エリアドールは今やサウロンの配下となったモルドールの軍勢に蹂躙され、エルフたちはリンドンへ帰る事も叶わない状態に追い詰められていた。また、カザド=ドゥームでは王子夫妻が喪に服す一方、残り6つの指輪の分配を約束された諸国による催促の声が寄せられる他、青の山脈の一派がドゥリン王子の弟を王位継承者として擁立する動きを見せており、早急な対処を迫られていた。 ヌーメノールはエルフからもサウロンからも距離を置く一方、リューンではサウロンに取って変わろうとする魔法使いが策略を巡らせていた。 エルフ、ドワーフ、人間のそれぞれが力を強める悪の脅威に直面する中、未だ希望を捨てないエルフたちはギル=ガラドの下に再起を誓う。 ** 予告画像・動画 [#vec65145] #youtube(hbFRCFCRd4o) #youtube(caKGutzTRdk) #youtube(s_xwnmQDfZw) ** サウンドトラック [#xb3b7487] -[[The Lord of the Rings: The Rings of Power (Season Two: Amazon Original Series Soundtrack):https://amzn.to/477Lnlk]] ** 外部リンク [#u5c769ef] -[[Amazon Prime Video ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 シーズン2:https://amzn.to/3XnQB9z]] ** コメント [#t1f38dae] #pcomment(,,,,,,reply) タイムスタンプを変更しない(管理者パスワードが必用) * ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 シーズン2 [#y3ec96ce] #navi(ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪) #contents *概要 [#l1640d45] ドラマシリーズ『[[ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪]]』のシーズン2について。 ** あらすじ [#j1a00e6b] *** エピソード1 空の下なるエルフの王たち (Elven Kings Under the Sky) [#Episode1] [[中つ国]][[第二紀]]のはじめ、[[モルゴス]]の僕[[サウロン]]は[[フォロドワイス]]の地に[[オーク]]たちを集め、自らの配下となるように説いた。肉体を超越する力を求めるサウロンは自身を新たな[[冥王]]に戴けば、オークたちは中つ国に秩序をもたらした支配者となり、他の種族から忌み嫌われ迫害され続ける運命から解放されると語るが、オークたちはその言葉に疑いを向ける。 オークたちの尊父と敬われる[[アダル]]の手から戴冠しようとするサウロンだったが、アダルは跪いたサウロンの背に冠の尖端を突き立て、それを合図にオークたちが一斉に襲い掛かった。血の海に沈んだサウロンの体は光に包まれて爆散し、その衝撃はフォロドの地を凍てつく極寒の地へと変えた。 サウロンが消滅したのを見たオークたちはアダルの名を称えながら要塞を後にするが、その背後でサウロンの身体から流れた血だまりが地面に沁み込んでいく様子には気づかなかった。 長い時間が過ぎた頃、要塞の地下に溜まった水の中から泥状の姿で目覚めたサウロンは地上に這い出て、通りがかった人間を食らい身体を乗っ取る。 人の姿を取り戻したサウロンは単身南へ向かうが、途上で流民の集団に遭遇する。一団の中にいた老人によれば、彼らはオークの襲撃から逃れ安住の地を求めるため海を目指していた。老人はかつて南方国に仕えた一族の出で、王家の紋章の掘られた印章を身に付けていた。 老人の誘いに乗ったサウロンは一団に加わり、船で海の向こうの島へ渡ろうとするが、その途上で海龍に襲われ船は大破する。サウロンは混乱に乗じて老人から南方国の印章を奪う。 その後僅かな生存者と共に海を漂流するサウロンの前に、泳いで中つ国に戻ろうとする[[ガラドリエル]]が姿を現し、その邂逅に運命を感じたサウロンは[[ハルブランド]]として手をさしのべるのだった。 更に時は進んで現在、モルドールに戻ったハルブランドはアダルの手勢に捕えられ、他の民と共に御前に引き出され、服従を迫られる。 ハルブランドは強力な[[魔法使い>イスタリ]]が新たにガラドリエルらの協力者になって肉体を超越する力を持った武器を与えた事を語り、自分と南方国の民を解放すれば彼らの討伐に協力すると交渉を持ち掛ける。 アダルはハルブランドを投獄し、逆に民の解放を条件に魔法使いについて詳細を教えるように要求する。ハルブランドはやむなくこれに応じ、魔法使いの正体がサウロンである事を明かし、更にエルフの間者となってその居場所を聞き出す事を約束する。 モルドールの主に忠誠を誓い、アダルの手先として動く事になったハルブランドは使者として再びエレギオンへ赴く。 [[三つの指輪]]を携えた[[エルロンド]]とガラドリエルは[[リンドン]]に戻る。エルロンドは指輪の作製を提言した南方人の素性について疑念を抱いており、[[ギル=ガラド]]にもそれを既に伝えていた。問い質されたガラドリエルはサウロンに欺かれた事を白状した。 ガラドリエルは指輪自体はエルフの手で作製された物で、使用する事に問題はないと考えており、ギル=ガラドも彼女の過ちに対しては批難の目を向けたものの、 エルフの衰亡の回避を優先する意志から指輪を受け取ろうとする。 指輪を危険視するエルロンドはそれに強く反発し、指輪を持って逃走する。 上級王はサウロンと[[ケレブリンボール]]が再度接触するのを防ぐため[[エレギオン]]に早馬を飛ばす一方、ガラドリエルに対しては過ちを正すための猶予を与えた。 灰色港に匿われたエルロンドはエルフ族の中でも最長老の賢者として名高い[[キールダン]]に指輪を破壊して欲しいと頼む。後を追ってきた上級王とガラドリエルが港に着いたのは、キールダンが第一紀の戦いで生じた海中の亀裂に指輪を投じようと船を出した後だった。 騒動の後、ギル=ガラドは中つ国におけるエルフの時代の終焉を宣言した。しかし、その場に指輪の一つを嵌めたキールダンが現れ、残り二つの指輪を差し出す。驚愕するエルロンドをよそにギル=ガラドとガラドリエルが指輪を嵌めると、広場の大木に葉が生い茂り、黄金の輝きを放った。 こうして衰亡を回避したエルフたちは指輪の力を用いて冥王に対抗する道を選ぶ事になった。 [[よそびと]]と[[ノーリ>エラノール・ブランディフット]]は神秘主義者たちが示した[[リューン]]の地を訪れるが、道に迷っていた。 よそびとは魔法の制御に苦心しており、使用する度に必要以上の力が放たれてノーリに危険が及ぶ事に頭を悩ませる一方、杖のようなものを手にする夢を見るようになっていた。 よそびとはその杖が立っている場所が自身の目的地で、杖を手にすれば魔法が制御できるようになるのではないかと考えていたが、自身の名前や中つ国に来た目的については未だに分からないままだった。 抜け道を探す二人は何者かに後をつけられている事に気づく。罠を張って捕らえたその追跡者はハーフットの仲間の所に残してきた[[ポピー>ポピー・プラウドフェロー]]だった。ポピーはサドクの地図の切れ端を携えており、そこに書かれた歌をヒントにして迷路から抜け出す事ができた。 しかし、リューンの奧地へ進んでいく三人を遠方から馬に跨がった人間らしき集団が見つめていた。 *** エピソード2 見慣れぬ星座を眺める地 (Where the Stars are Strange) [#Episode2] [[オロドルイン]]の噴火による変動は地を伝いカザド=ドゥームにまで達した。地震によって採光設備が破壊され、太陽の光が届かなくなった事で食料生産が打撃を受け、ドワーフたちは復旧に追われる。 [[ディーサ]]ら巫女の歌声に岩石が応える事はなく、[[ドゥリン王>ドゥリン三世]]は山とドワーフの絆が断ち切られ、一族が衰えつつあると考えていた。 父から絶縁された[[ドゥリン王子>ドゥリン四世]]は一労働者として掘削現場に駆り出されるが、不満を抱く元配下の坑夫たちからぞんざいな扱いを受け苛立ちを募らせる。ディーサは父子が関係を修復する事を望んでいたが互いの頑迷さがそれを阻んでいた。 ギル=ガラドと廷臣たちはサウロンとの戦いに備えて会議を重ねる。南方国を攻撃する計画について話し合われる一方、ケレブリンボールが惨殺される幻影を見たガラドリエルはそれが指輪の見せた未来なのではないかと案じ、エレギオンとその領主の安否を懸念する。 上級王は自身も指輪を通して破滅的な光景を見ていたものの、一度サウロンにつけ入る隙を与えた以上、ガラドリエルが再度対峙しても同じ轍を踏む事になると忠告する。 上級王はエレギオンの守りの固さを信じるようにガラドリエルを諭したものの、ハルブランドの正体を知らせる伝令は道中で何者かの襲撃を受け、危急の知らせが同地に届く事は無かった。 返答の遅さを鑑みたガラドリエルは再び視察隊の派遣を願い出てエルロンドの同行を条件に許可されるが、灰色港で謹慎するエルロンドはサウロンと指輪を警戒して協力を拒む。 エルロンドが指輪に対する猜疑心を吐露すると、キールダンは創造物に対する評価を創造者以外の者が軽率に下すべきではないと語る。 更に指輪の投棄という選択肢は強大な力がサウロンの手に渡る危険を一時的に遠ざけるだけに過ぎず、それよりもエルフの手中に留め置くと共に、同族間の対立を回避する方が賢明であると考え思い止まったと語った。 また、指輪が所持者を悪しき方向に導く事があれば、これを正し過ちを防ぐ役割を持った信頼できる友が必要であり、エルロンドの役割もそこにある事を示した。 やがてガラドリエルはギル=ガラドから視察隊と共に出立するよう命じられるが、その隊長の任はエルロンドが担い、ガラドリエル自身は一隊員としてこれに加わる事が決まった。 ノーリたちは騎馬の一団に追跡されている事に気付く。彼らはカラス・ガエルを根城にする神秘主義者たちとその主である魔法使いの手下だった。魔法使いによって呪いを掛けられた彼らはそこからの解放のためよそびとの身柄の確保を約束する。 ノーリたちは水場の無い険道を迂回して追手を巻こうとするが極度の日差しと渇きに耐えきれず、井戸に近づいた所を捕捉される。 よそびとは井戸の側に立っていた木の棒を杖にして魔法を発動させ砂嵐を巻き起こすが、杖は負荷に耐えきれず砕け、ノーリとポピーは勢いを増し続ける暴風によって何処かへ飛ばされてしまった。 ハルブランドは南方国の使者としてエレギオンを再訪する。 ケレブリンボールは当初、ガラドリエルの忠告に従い南方人との面会を避けていたが、三つの指輪の成果について仄めかされると工房へ通す。 ハルブランドが指輪の力でリンドンが甦った事を伝えると、ケレブリンボールは生涯を賭けて取り組んできた大志が成就に近づいた事を深く喜んだ。 ハルブランドはガラドリエルらは恩恵だけを一方的に享受し、そこに至るまでに細工師たちの味わった労苦を軽んじ忘れる身勝手な者たちだと非難する一方、これを正しモルドールの興隆による闇の侵食から中つ国を救うためにはエルフの受けた恩恵を他の種族にも等しく分け与えなければならないと言った。 ドワーフと人間のため更に多くの指輪を作るべきという提案に、堕落を恐れるケレブリンボールは消極的な姿勢を見せる。 ハルブランドはかつて誰も成し得なかった偉業を果たせばケレブリンボールは救済者として中つ国の全ての民から讃えられる存在になると説き、自身はその助力の為に遣わされた者だが、素性を知ったガラドリエルに遠ざけられたのだと言った。 工房の明かりが消えると共にハルブランドは暗がりに隠れ、炉から吹き上がる火の中からより高貴で強力な姿となって再び現れた。その光景を目の当たりにしたケレブリンボールが名を問うと、ハルブランドだった者は“物贈る君”、アンナタールと名乗った。 *** エピソード3 大鷲と王笏 (The Eagle and the Sceptre) [#Episode3] [[ヌーメノール]]軍が引き上げる直前、[[イシルドゥル]]の愛馬ベレクは引き留めようとする[[エレンディル]]らの声に逆らい、主人を探して単身でモルドールに戻った。 イシルドゥルは大蜘蛛の巣くう洞窟に捕らわれていたが、ベレクが近づくと意識を取り戻す。纏わり付くクモの巣から抜け出そうとするイシルドゥルに[[シェロブ>若蜘蛛の一匹]]が襲いかかるものの、辛くも脱出に成功した。 ベレクと共にモルドールから逃れたイシルドゥルは、アダルから放たれた野人が彷徨く森の中でヌーメノールの野営跡を見つけ、そこで南方国の女に襲われる。女はイシルドゥルがヌーメノール人と知ると刃を向けた事を謝罪し、エストリッドと名乗った。エストリッドはアダルの追手から逃げる途中で婚約者とはぐれてしまったと語る。 二人は野営に残っていた地図を頼りにペラルギルを目指し、途中で野人に襲われた所を[[アロンディル]]に救出されたが、ベレクは奪われてしまった。 [[ペラルギル]]には南方国の生き残りが多数避難していたが、[[ブロンウィン]]はオークの毒で命を落とし、[[テオ]]とアロンディルの関係にも溝が生じていた。 イシルドゥルとテオはベレクを奪還するため夜陰に乗じて野人の夜営に忍び込むが、敵でも味方でもない何者かの襲撃に巻き込まれる。 エレギオンに招かれたドゥリン王子夫妻はミスリルへの返礼として、エルフを衰運から救った力をドワーフにも分け与えたいと提案を受ける。 ケレブリンボールらにはドゥリン王に直接提案しても聞く耳を持たないと踏んで、息子の王子を仲介役として選んだ。 当の王子は彼らの言う指輪の魔法だけでなく、傍らにいる見知らぬ男に対しても不信感を抱いた。また、彼らの助力を進言するために父王に詫びる事も受け入れられずにいたが、ディーサは王国の危機に際しては手段を選んではいられないと夫を説得し、王子も渋々ながら自らが折れる事にする。 アンナタールは自身の計画がギル=ガラドらに露呈する事を懸念し、ケレブリンボールが無断で新たな力の指輪を作製した事を上級王が知ればそれを批難する事や、中つ国に危機が迫る中でドワーフの返答を待つ時間的余裕が無い事を説き、ケレブリンボールを急かす。 エルフの指輪の成功で気を大きくしていたケレブリンボールは自身の前途に約束された更なる偉業が、上級王による干渉や束縛を受ける事に対して強く反発し、リンドンに虚偽の報告を送って時間を稼ぐ事にする。 カザド=ドゥームの窮状は日に日に悪化の一途を辿り、王の側近[[ナルヴィ]]は備蓄された食料を市民に配給するよう進言し、王もそれを容れる。ドゥリン王子はナルヴィに続いて自身の非礼を父王に詫びると共にエレギオンからの申し出を伝える。 ケレブリンボールの工房を訪問したドゥリン王が直に見守る中、アンナタールが王から提供された[[ミスリル]]の鉱石を炉に投入し、ドワーフのための指輪作りが始まった。 ヌーメノールでは先王の葬儀が執り行われる。国中が喪に服すのと同時に新国王の即位に向けた準備も進められるが、遠征で多大な犠牲者を出した[[ミーリエル]]に対する反発の声が高まり、王都には北方の有力貴族ベルガサールをはじめとする[[ファラゾーン>アル=ファラゾーン]]の支持者が集まりつつあった。決定的な要因が無い内は女王に取って代わる事はできないと慎重な姿勢を見せるファラゾーンに対し、兄を失ってエルフへの不信感を強めた[[エアリエン]]は先王の隠していた秘密について打ち明ける。 戴冠式の当日、エアリエンは[[パランティール]]を持って玉座の間に現れ、エルフの魔具が先王とミーリエルを惑わせていたと参列者たちに向けて言い放つ。 摂政女王に対する不満が頂点に達した時、宮殿の前庭に[[大鷲]]が飛来しファラゾーンに向かって何かを語りかける。 これを見た支持者たちは口々にファラゾーンの名を歓呼し、時勢は一挙にファラゾーン推戴の方へと傾いた。 *** エピソード4 最も古き者 (Eldest) [#Episode4] エルロンド率いる先遣隊はリンドンを発ち馬を走らせたもののエレギオンへの最短経路である橋が崩落しており、迂回を強いられる。 地理に詳しい隊員のカムニルは[[テュルン・ゴルサド>塚山丘陵]]を通る道を提案する。ガラドリエルは当地に邪悪な気配を予感し反対するが、指輪を警戒するエルロンドはカムニルの提案を採用した。 よそびとははぐれたノーリたちを探し回る内に一軒家を見つける。その家主らしき男は[[トム・ボンバディル]]と名乗った。 よそびとは友人たちの行方について訪ねるが、示唆的で要領を得ないトムの返答に困惑する。 しかし、自分と同じ不思議な力を扱うトムの様子を見て、自分が探している星座はこの人物を示していたのではないかと思い至る。 よそびとは魔法の力を制御する術を教えて欲しいと頼むと、トムはそれは自分の役目ではないと答える。 その代わりに、過去に教えを請いに来たイスタルが他にもいた事、現在のリューンがその魔法使いの支配下にある事、魔法使いの勢力がもう一つの悪と結託すれば中つ国全土が闇に覆われる事、よそびとはこれを阻止する為に遣わされた者である事を語った。 気絶から醒めたノーリとポピーは、[[ハーフット]]に似た小さい人に遭遇する。メリマクと名乗ったその男はノーリたちがが闇の魔法使いに追われている事を知ると二人を置いて逃げ帰ろうとするが、ポピーに脅されて渋々ながら自分の村に案内する。 メリマクの村では地面に穴を掘って住むという、同じ小さい人でありながらハーフットと異なる生活が営まれていた。族長のグンダベルは、彼ら一族を[[ストゥア]]と称した。 グンダベルは当初、闇の魔法使いを警戒して村に災いを呼び込んだメリマク諸共にノーリたちを追い出そうとするが、ハーフットの族長の名が[[サドク・バロウズ]]である事を知ると考えを改め、村への滞在を許す。 族長は遠い昔、冷たい水が無限に沸き出る土地を夢に見たストゥア族の男がその土地を探して仲間と共に村から旅立ったという古い伝承を語った。男の名はバロウズといった。 グンダベルは二人がバロウズの子孫で、夢の土地を見つけたのではないかと期待を寄せていたが、ノーリはそれに答えられず、ハーフットが安住の地を見つけられるまで流離い続ける運命に縛られている事を知り憐憫を覚えた。 塚山丘陵を抜けたエルロンドの隊はオークの大軍がエレギオンの方角へ進んでいくのを発見するが、斥候と鉢合わせ追われる事となる。 ガラドリエルは指輪を外してエルロンドに託すと、自らは囮となって戦うものの、その場に現れたアダルによって捕らわれる。 *** エピソード5 岩の館 (Halls of Stone) [#Episode5] エレギオンから贈られた七つの指輪の一つを指に嵌めたドゥリン3世王は採光施設の復旧現場を訪れると、自ら鶴嘴を手にして振るい始める。 崩落を危惧するドゥリン王子と[[ナルヴィ]]を余所に、王は何かに取り憑かれたように岩壁を叩き続け、やがて穿たれた穴からは白い光が差し込んだ。 その後も王は掘削地点を次々に定め、そのいずれもが日の光を山の下まで引き込み、カザド=ドゥームは復興に向かう。 指輪のもたらした成果を聞いたケレブリンボールはエルフとドワーフの間に友情が成立した事を記念して、ナルヴィと共にカザド=ドゥームにドワーフの友のみがくぐる事のできる新しい西門を築く事にする。 危機を回避した王国だったが、その後のドゥリン王は商人たちに多額の税を課す一方、それまで封鎖していた鉱脈を開き採掘を解禁するなど、次第にその言動に異変が生じていく。 七つの指輪の残りはドゥリンの一族以外の諸王にも分け与られる事が約束されたが、その際にも見返りとして各氏族の年間採掘量の半分を朝貢品として納める事を各国の使者に要求した。 一方、ディーサは無人区域の洞窟で得体の知れない何かが咆哮するのを聞き逃げ帰る。 ドゥリン王子は妻の話を父王に伝え、無闇に山を掘り進めれば深淵に潜むそれを刺激する事になると諌めるが、 王は指輪の力によって、中つ国の地底には莫大な量の富が眠っている事や、今までドワーフが採掘してきたのはそのほんの一握りに過ぎず、ディーサら神官たちの説く節制が間違っていた事が分かったと語った。 それまでの厳格な姿とかけ離れた欲深さを露にし、指輪への執着も見せ始めた父王を見て、ドゥリン王子は指輪が悪影響をもたらした事を確信する。 ドワーフの指輪の完成後、アンナタールは当初の提案通り人間のための指輪の製作を続けようとするが、ケレブリンボールは人間たちの不幸は彼ら自身が招いた結果であると断じ、容易に堕落する人間のためこれ以上の指輪を作ってもかえって危険を招くだけだと反対する。 アンナタールは古の英雄たちを引き合いに出して、最も高潔な者たちを選んで与えればよいと言うものの、ケレブリンボールの考えは変わらず、アンナタールが一人で製作を主導する事になる。 細工師たちは指輪に使うミスリルの使用量を増やして、着用者が幽界を覗き見られる能力を付与しようと試みるが、その最中に試作品の指輪を嵌めたミルダニアが恐ろしい姿の存在を目撃し、邪悪な本性を隠した何者かが工房に紛れ込んでいるのではないかという疑念が広がる。 アンナタールはミルダニアに対して、指輪の製作で消耗したケレブリンボールの精神が腐敗に蝕まれつつあるのだと囁いた。 当のケレブリンボールは騒動の後も不干渉を貫こうとしたものの、ドゥリン王子から父王に起きた悪しき異変について報告を受けると、エルフの指輪の作製時には見られなかった現象が起きている事に対して動揺を抱く。王子はアンナタールという人物を信用しない方が良いと警告する。 ケレブリンボールは指輪の製作に不備があった事を疑い、アンナタールを問い詰めるが、アンナタールはギル=ガラドに嘘の報告を送ってまで己の願望を優先しようとしたケレブリンボールの欺瞞にも要因があったと答える。 細工師としての権限を剥奪される恐れから上級王に失態を申告する事もできず、ケレブリンボールは指輪に生じた調和の乱れを正すため指輪作りを継続せざるを得ない状況に追い込まれる。 九つの指輪の製作を前に、ケレブリンボールは細工師たちにもこれ以上邪な心を持たぬよう厳しく言いつけるが、その内心では不安が拡大し続けていた。 ヌーメノールでは新国王となったファラゾーンの下、[[節士]]派への弾圧が始まり、エレンディルも船長の職を辞し退艦する。ヴァランディルをはじめとする配下の海兵たちの多くもそれに続き除隊する。 エアリエンは女王の非を認めてファラゾーンの傘下に加わるよう父を説得しようとするがエレンディルはそれを拒んだ。 ミーリエルの王位奪還のためには蜂起も辞さない考えのエレンディルに対し、女王は今は身の安全を第一に考え忍従するように言い含める。 パランティールはミーリエルに王国の崩壊する様を見せていたが、エレンディルはそれと異なる光景を見せられた事を語り、女王はまだ希望は失われていないと考える。 しかし、王党派による抑圧は日を追う毎に苛烈さを増し、ヴァラールの神殿を閉鎖する命が下される。 ケメンは近衛を率いて礼拝に集まった者たちに立ち退きを迫るが、その侮辱的な態度に強い憤りを覚えたエレンディルは鉄拳制裁に及び逮捕される。 エレンディルを庇おうとしたヴァランディルは乱闘の中でケメンに刺殺される。 *** エピソード6 彼はどこだ (Where Is He?) [#Episode6] 人間の指輪の製作は難航し、ミスリルが枯渇するに至る。 それに伴いケレブリンボールは苛立ちを募らせ、徒弟たちに対して日増しに高圧的に振る舞うだけでなく、各々の名前を思い出せなくなるなど、精神にも変調の兆しが現れる。 アンナタールはケレブリンボールが指輪製作に専念できるよう、ミスリルの調達を含めたエレギオンの領主としての職位を自分が代行すると言い、細工師が工房に閉じこもるように誘導する。 ケレブリンボールはアンナタールの指図を疎んじ、しばしば反発しようとするが、アンナタールはその度により強い呪言で相手の功名心に働きかけ、力の指輪の完成以外の物事に関心が向かない状態にさせる。 街の外にはアダルの軍勢が近づいていたが、ケレブリンボールは工房の外で広がり続ける不穏な気配と混乱から遠ざけられ、殆ど軟禁状態となる。 アダルの天幕に拘束されたガラドリエルはアダルから協力してサウロンを打倒しようと持ち掛けられる。 アダルはハルブランドこそがサウロンであると気づいていたが、敢えて欺かれた風を装って泳がせた上で、背後から刺そうと考えていた。 ガラドリエルはアダルのその行動さえもサウロンの計画の一端で、エレギオンを攻めれば術中にはまる事になると強く警告するが、アダルは更にその裏を掻くと豪語し、エレギオンへの攻撃を開始する。 ヌーメノールではエレンディルが裁判に掛けられる。ベルガザール卿は王に忠誠を誓えばこれまでの罪を許すと言うが、エレンディルはこれを拒み続け、ついにその裁きは海の深淵に住む怪物に委ねられる。審判の執行される日、エレンディルに代わってミーリエル自らがその裁きを受ける事を申し出る。引き留めるエレンディルを残して海中に沈んだミーリエルはそこで巨大な海竜と対峙する。 陸上からその様子を見届けたベルガザールは有罪の判決が下った事を宣言するが、その直後にミーリエルが打ち上げられその判決は覆る。居合わせた節士派はミーリエルを海の女王と称える。エレンディルが放免された後、ファラゾーンはパランティールに触れ、ミーリエルらが王に擁立した南方人の正体を知る。 よそびとはトムの案内で枯れ木の森を訪れる。トムは魔法を制御するための杖をその中から探せと伝えるが、よそびとはノーリたちの身を案じていた。トムは友人と中つ国全体の運命のどちらを取るかは自分で決めろと諭し姿を消す。よそびとはやむなく杖を探し始める。 ドゥリン王子は父王に指輪の使用を止めるように説得を試みるが聞き入れられず、無理矢理指輪を抜き取ろうとした息子を王は殴り飛ばす。日に日に狂気に侵されていくドゥリン王だったが、王子はその眼の奥に以前と変わらぬ父がまだ生きている事も感じ取り苦悩する。ディーサは王の説得が不可能ならばその企みの方を阻止しようと提案し、夫婦は坑道の入り口に立ち塞がる。ナルヴィらは王の命令には逆らえず、かといって王子であるドゥリンを攻撃する事もできずに困惑する。 *** エピソード7 死すべき定め (Doomed to Die) [#Episode7] ケレブリンボールは静寂に包まれた工房で指輪製作を続けるが、やがて時間の流れが止まった幻影の中にいる事に気づき、アンナタールへの不信感が決定的なものとなる。 ケレブリンボールがアンナタールの言葉を拒絶し投げつけた鎚が窓を割ると、幻影が解けて外部の騒音が流れ込み、そこで初めてエレギオンに何が起きているかに気づく。 指輪の材料として渡されたミスリルは実際はアンナタールの手から流れた黒い血だった。 荒れ果てた町の惨状とヴァラールの使者にあるまじき行為の数々にケレブリンボールはアンナタールの正体を悟り、工房を飛び出す。 アダルの軍は投石で山を崩し、町を守っていた川を塞き止めて城壁に押し寄せる。 ケレブリンボールはミルダニアたちにサウロンに欺かれていた事を訴えるが、卿が正気を失っていると吹き込まれていた兵士たちはその言葉に耳を貸さなかった。 騒ぎの中でミルダニアは城壁から転落死し、サウロンはケレブリンボールに指輪を完成させればエレギオンを救うと囁く。 ケレブリンボールを鎖に繋いで指輪を作らせる間、サウロンは自身の目的が秩序の完成であり、破壊を目的としたモルゴスとは違うと言う。 対してケレブリンボールは本当に望むものの為に自分自身の心さえも欺いている詐欺師だと返した。 ドゥリン王は外界の争乱にまるで関心を示さず、ひたすら鉱脈の採掘量を増やし続けようとする。ナルヴィら臣下もその異常さを看過できなくなり、王子夫妻の支持に回る。また、密かにカザド=ドゥームを訪問したエルロンドからエレギオンに危機が迫っている事を知らされると友の危機に駆けつける事を約束した。 包囲開始から数日後、ギル=ガラド率いるリンドンの軍勢が到来しアダル軍と対峙するが、エルロンドは囚われのガラドリエルを見てアダルとの会談に臨む。 アダルはガラドリエルの身柄と指輪の交換を持ちかけるが、エルロンドはこれを拒み会戦を選ぶ。 それはガラドリエルを見捨てる選択だったが、天幕から去る際にエルロンドはある方法でガラドリエルに脱出のための鍵を渡す。 翌日から始まった戦闘は城壁を崩そうとするオークとそれを阻止しようとするエルフの双方に多大な損害を出しながら、夜になっても続けられた。 拘束を解いたガラドリエルはアロンディルの助けで敵陣を逃れ、エレギオンの城内に入り込んでケレブリンボールとの接触を試みる。 卿はサウロンの監視の隙を突いて自らの指を切り落として枷を外し、完成した九つの指輪を持って脱出しようとしていた。 ケレブリンボールはガラドリエルの姿を見ると敵の言葉を疑う気持ちがありながらも、大業を志向するあまり誘惑に乗ってしまった自分の行いを悔い、人間の指輪を持って逃げるように頼むと、自らは囮としてサウロンを引き付ける。 夜が明け、エルフ軍は大半が討ち死にして僅かな兵を残すだけとなる。 エルロンドはカザド=ドゥームからの援軍を待ち続けていたが、完全に正気を失ったドゥリン王が諌める者たちを手にかけ始め、ドワーフ軍は都市に引き返してしまった。 ドワーフとの合流を命じた部下から彼らの転身を聞いたエルロンドは放心状態となり、総員で進軍してきたアダルに指輪を奪われる。 *** エピソード8 影と炎 (Shadow and Flame) [#Episode8] 正気を失ったドゥリン王は一人鉱道を掘削し続けていた。ドゥリン王子は指輪を外さなければ手を切り落とすと警告するが、敬愛する父親に斧を振り下ろす事はできなかった。 やがて岩壁が穿たれ、ミスリルの大鉱脈を有する大空間が露になるものの、その奥底から炎を纏った巨大な悪鬼が現れて王を引きずり倒す。 その光景に我に返ったドゥリン王は自ら指輪を外し、一人の父親に戻って息子を守るために単身悪鬼に立ち向かう。 王の斧が悪鬼の振り下ろした焔の剣を受け止めた衝撃で鉱道が崩れ、両者は共にその中に消えていった。 父の背を追おうとしたドゥリン王子はディーサとナルヴィに引き止められた。 サウロンはケレブリンボールを拷問にかけて指輪の有りかを聞き出そうとするが、細工師は最期の言葉として指輪がいずれはサウロンを滅ぼすだろうと預言する。 逆上したサウロンはケレブリンボールを串刺しにして柱に磔にする。ケレブリンボールは指輪の王を自負するサウロンもその本質は指輪に囚われた一人に過ぎないと言い残す。 ケレブリンボールが息耐えた直後、グリューグ率いるオークたちが工房に押し入ってくる。お前はサウロンかと問い掛けたグリューグにサウロンは名を問い返す。 エレギオンの陥落は決定的となり、ケレブリンボールと細工師たちが築いてきた作品やそれらの知識を記した書物は工房前の広場に集められ、捕らわれたギル=ガラドとエルロンドの目の前で焼き捨てられた。 ガラドリエルは生き残った民を連れて町の裏手の山に出るが、アダルの手勢はそこにも待ち構えていた。 ガラドリエルは自身の投降と引き換えに住民を逃がすと、再度アダルと対面する。 指輪の力で傷の癒えたアダルは堕落する前の姿を取り戻していたが、それは意味の無い姿だと言って指輪を外し、共にサウロンを倒した後はモルドールに閉じ籠って二度と戦を仕掛けないと約束する。 ガラドリエルが取り引きに応じようとした時、担架にグリューグを乗せたオークの一団がアダルの下にやって来る。アダルが傍らに寄るとグリューグはその体に短剣を突き立て、それを合図にオークたちが一斉にアダルを刺し始める。ガラドリエルの背後から現れたサウロンの手にはモルゴスの王冠が握られていた。血溜まりの中に倒れたアダルを見下ろすサウロンを、オークたちは新たな王と呼んだ。 サウロンはガラドリエルに指輪を渡し自分と手を結ぶように呼び掛けるが、ガラドリエルはこれを拒絶して剣を向ける。戦いの最中、サウロンはハルブランドやガラドリエル自身など様々な姿に変わり、彼女と自分がいかに似た存在であるかを語り相手の心を揺さぶろうとする。しかしそれでも服従を拒絶するガラドリエルに業を煮やしモルゴスの冠の尖端をその胸に突き立てる。サウロンが懐に隠していた人間の指輪の入った袋を奪い、死の瀬戸際に追い詰められても尚ガラドリエルは恭順を拒み、崖から身を投げる。 時を同じくして、麓の街には喪に服す皇子に代わってナルヴィが率いるカザド=ドゥームからの援軍が到来し、疲弊していたオークたちを駆逐しつつあった。最も仲間に望んだ相手を失ったサウロンは苛立ち紛れにグリューグを殺しその場を後にする。 瀕死のガラドリエルはギル=ガラド一人では癒せぬ程深く毒に蝕まれていた。エルロンドは意を決してネンヤを指に嵌め、上級王と共にガラドリエルを癒す。 ヌーメノールではハルブランドの正体を知ったファラゾーンが節士派をサウロンの信奉者としてそれまで以上に激しく弾圧する。エレンディルはファラゾーンの支持者ながら父への愛情もあるエアリエンの手引きで都を脱出する。ミーリエルにも共に西方の領地に逃れるよう持ち掛けるものの、女王はエレンディルに剣を託し自らは都に残留する。 ヌーメノールはペラルギルへの支配も強め、総督に任じられたケメンの率いる艦隊が上陸する。ケメンは冥王との戦いの前線基地として砦を築く事、そのための労働力として住民を招集する事を宣言する。イシルドゥルはこれに強く反発するが、反逆者となった父親と同じ運命を辿りたくなければ従えと脅される。イシルドゥルは惹かれるようになったエストリッドに一時の別れを告げ、父を救うため表向きはケメンの警告を受け入れてヌーメノールへの帰途につく。 エレギオンの生き残りは街の北方にある隠れ谷に逃れる。意識を取り戻したガラドリエルはエルロンドに感謝の言葉を伝える。 エリアドールは今やサウロンの配下となったモルドールの軍勢に蹂躙され、エルフたちはリンドンへ帰る事も叶わない状態に追い詰められていた。また、カザド=ドゥームでは王子夫妻が喪に服す一方、残り6つの指輪の分配を約束された諸国による催促の声が寄せられる他、青の山脈の一派がドゥリン王子の弟を王位継承者として擁立する動きを見せており、早急な対処を迫られていた。 ヌーメノールはエルフからもサウロンからも距離を置く一方、リューンではサウロンに取って変わろうとする魔法使いが策略を巡らせていた。 エルフ、ドワーフ、人間のそれぞれが力を強める悪の脅威に直面する中、未だ希望を捨てないエルフたちはギル=ガラドの下に再起を誓う。 ** 予告画像・動画 [#vec65145] #youtube(hbFRCFCRd4o) #youtube(caKGutzTRdk) #youtube(s_xwnmQDfZw) ** サウンドトラック [#xb3b7487] -[[The Lord of the Rings: The Rings of Power (Season Two: Amazon Original Series Soundtrack):https://amzn.to/477Lnlk]] ** 外部リンク [#u5c769ef] -[[Amazon Prime Video ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪 シーズン2:https://amzn.to/3XnQB9z]] ** コメント [#t1f38dae] #pcomment(,,,,,,reply) テキスト整形のルールを表示する