-- 雛形とするページ -- Template * ナウグラミール [#ac8f0680] ** 概要 [#Summary] |~カテゴリー|[[物・品の名前]]| |~スペル|Nauglamír| |~異訳|ナウグラミーア、ナウグラミア| |~その他の呼び名|ドワーフの頸飾り(Necklace of the Dwarves)| ** 解説 [#Explanation] [[第一紀]]に[[青の山脈>エレド・ルイン]]の[[ドワーフ]]が、[[ナルゴスロンド]]の王[[フィンロド]]のために作った首飾り。[[上古]]のドワーフが手がけた品物の中でもっとも名高いものであると言われ、フィンロドが[[ヴァリノール]]から持ってきた無数の宝石が嵌め込まれていた。身に付けても重さを感じさせず、誰が帯びても美しく似合って見える魔力があった。 ナウグラミールはナルゴスロンドの至宝であったが、ナルゴスロンドが[[グラウルング]]に滅ぼされて占拠されると、彼によって他の財宝と共に死蔵された。後に[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]がナルゴスロンドの廃墟からこれを持ち出して[[ドリアス]]へ向かい、妻子を保護した返礼及び自身の形見としてドリアスの王[[シンゴル]]に贈った。 *** シルマリルと一つになったナウグラミール [#wdbd97ce] >やがて、かれの望みは果たされ、エルフとドワーフのそれぞれの作品の中で最もすぐれたものがここで一つに合わされ、その美しさは比類がなかった。なぜなら、ナウグラミールの無数の宝石は、中心に填め込まれたシルマリルの光を反射し、驚嘆すべきさまざまな色合いを帯びた光を投げかけていたからである。((『[[シルマリルの物語]]』「ドリアスの滅亡のこと」)) 娘婿の[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と娘の[[ルーシエン]]が[[モルゴス]]から取り戻した[[シルマリル]]に魅了されるようになっていた[[シンゴル]]は、その大宝玉をナウグラミールに嵌め込むことで世に類なき一つの宝として常時手許に置いておくことを考えた。そこでたまたま[[メネグロス]]に滞在していた[[ノグロド]]の[[ドワーフ]]の一団にこの仕事を請け負わせた。 ところがドワーフたちは先祖の宝とシルマリルの輝きに魅了されて、完成した品物の引き渡しを拒否した。彼らの言い分は、ナウグラミールはもともと彼らの先祖が作って[[フィンロド]]に与えたものであり、[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]はそれを盗み出したのであるから、シンゴルに所有権はないはずだというものであった。ドワーフの言葉の裏にシルマリルへの渇望があることを見て取ったシンゴルは激怒して彼らを侮辱し、報酬なしに立ち去るよう命じたため、これに怒ったドワーフはシンゴルを取り囲んで殺し、ナウグラミールを奪った。 このドワーフたちは[[ドリアス]]を逃れることができず[[レギオン]]の森で殺されたが、逃げ延びた二名は[[ノグロド]]の同胞に「シンゴルが報酬を渋って仲間を殺した」と事情を省略して伝えた。このためノグロドのドワーフはドリアスを攻撃し、[[魔法帯]]の守護を失っていたドリアスは彼らの侵攻を許し、[[メネグロス]]は略奪され、ナウグラミールは再びドワーフに奪われた。 このことを知った[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]は息子の[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]と[[緑のエルフ]]を引き連れて、ノグロドへ帰る途上のドワーフを待ち伏せして討ち滅ぼし、ノグロドの王からシルマリルが嵌め込まれたナウグラミールを取り返した([[サルン・アスラドの合戦]])。ベレンはナウグラミールを当時住んでいた[[トル・ガレン]]に持ち帰り、妻の[[ルーシエン]]がこれを身に帯びた。こうして二人がかつて[[モルゴス]]から取り戻し、今はナウグラミールに嵌った[[シルマリル]]は二人の手許に再び保管され、[[ドル・フィルン=イ=グイナール]]の地を美しく豊かにした。 ベレンとルーシエンが死ぬと、シルマリルが嵌め込まれたナウグラミールは二人の息子で、亡き[[シンゴル]]の跡を継いで[[ドリアス]]の王となっていた[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]の許に送られた。ナウグラミールを受け取ったディオルは両親の死を知り、今度は自分が身に帯びた。このことは[[フェアノールの息子たち]]にも伝わり、彼らはディオルにシルマリルの返還を要求したが返事がなかったため、ドリアスを襲撃して滅ぼし、ディオルを殺した。しかし彼らの望んだシルマリルはドリアスの生存者たちが[[シリオンの港]]へ持ち去った。 その後のシルマリルの運命については、''[[シルマリル]]''の項目を参照のこと。 *** 備考 [#ta8425e6] シルマリルとナウグラミールを巡る争いは、後の時代に至るまで[[エルフ]]([[シンダール]])と[[ドワーフ]]の間に遺恨を残すことになった。 『[[ホビットの冒険]]』には、このことを指すと思われる記述がある。 >とおい昔このエルフたちは、あるドワーフ族と戦争をしました。エルフたちはそのドワーフたちが自分たちの宝をぬすんだと非難したのですが、ドワーフたちにはちがういい分がありました。エルフの王が、金銀のあら石を細工してくれとたのんだくせに、あとになってその支払いをしなかったのだから、自分のてま賃をとっただけだ、というのでした。((『[[ホビットの冒険]]』「ハエとクモ」)) ** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie] ナウグラミールの名は登場しない代わりに、[[ラスガレンの白い宝石]]が登場し、[[スランドゥイル]]と[[ドワーフ]]との確執の原因のひとつとなっている。 ナウグラミールの名が出ないのは権利の問題のほか、『[[ホビットの冒険]]』の時代では伝説上の存在に過ぎない品の代わりに、現存しており直接画面に見せることができて、登場するキャラクターの性格付けにも利用しやすい設定が採られたためと考えられる。 ** コメント [#Comment] #pcomment(,,,,,,reply) タイムスタンプを変更しない(管理者パスワードが必用) * ナウグラミール [#ac8f0680] ** 概要 [#Summary] |~カテゴリー|[[物・品の名前]]| |~スペル|Nauglamír| |~異訳|ナウグラミーア、ナウグラミア| |~その他の呼び名|ドワーフの頸飾り(Necklace of the Dwarves)| ** 解説 [#Explanation] [[第一紀]]に[[青の山脈>エレド・ルイン]]の[[ドワーフ]]が、[[ナルゴスロンド]]の王[[フィンロド]]のために作った首飾り。[[上古]]のドワーフが手がけた品物の中でもっとも名高いものであると言われ、フィンロドが[[ヴァリノール]]から持ってきた無数の宝石が嵌め込まれていた。身に付けても重さを感じさせず、誰が帯びても美しく似合って見える魔力があった。 ナウグラミールはナルゴスロンドの至宝であったが、ナルゴスロンドが[[グラウルング]]に滅ぼされて占拠されると、彼によって他の財宝と共に死蔵された。後に[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]がナルゴスロンドの廃墟からこれを持ち出して[[ドリアス]]へ向かい、妻子を保護した返礼及び自身の形見としてドリアスの王[[シンゴル]]に贈った。 *** シルマリルと一つになったナウグラミール [#wdbd97ce] >やがて、かれの望みは果たされ、エルフとドワーフのそれぞれの作品の中で最もすぐれたものがここで一つに合わされ、その美しさは比類がなかった。なぜなら、ナウグラミールの無数の宝石は、中心に填め込まれたシルマリルの光を反射し、驚嘆すべきさまざまな色合いを帯びた光を投げかけていたからである。((『[[シルマリルの物語]]』「ドリアスの滅亡のこと」)) 娘婿の[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と娘の[[ルーシエン]]が[[モルゴス]]から取り戻した[[シルマリル]]に魅了されるようになっていた[[シンゴル]]は、その大宝玉をナウグラミールに嵌め込むことで世に類なき一つの宝として常時手許に置いておくことを考えた。そこでたまたま[[メネグロス]]に滞在していた[[ノグロド]]の[[ドワーフ]]の一団にこの仕事を請け負わせた。 ところがドワーフたちは先祖の宝とシルマリルの輝きに魅了されて、完成した品物の引き渡しを拒否した。彼らの言い分は、ナウグラミールはもともと彼らの先祖が作って[[フィンロド]]に与えたものであり、[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]はそれを盗み出したのであるから、シンゴルに所有権はないはずだというものであった。ドワーフの言葉の裏にシルマリルへの渇望があることを見て取ったシンゴルは激怒して彼らを侮辱し、報酬なしに立ち去るよう命じたため、これに怒ったドワーフはシンゴルを取り囲んで殺し、ナウグラミールを奪った。 このドワーフたちは[[ドリアス]]を逃れることができず[[レギオン]]の森で殺されたが、逃げ延びた二名は[[ノグロド]]の同胞に「シンゴルが報酬を渋って仲間を殺した」と事情を省略して伝えた。このためノグロドのドワーフはドリアスを攻撃し、[[魔法帯]]の守護を失っていたドリアスは彼らの侵攻を許し、[[メネグロス]]は略奪され、ナウグラミールは再びドワーフに奪われた。 このことを知った[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]は息子の[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]と[[緑のエルフ]]を引き連れて、ノグロドへ帰る途上のドワーフを待ち伏せして討ち滅ぼし、ノグロドの王からシルマリルが嵌め込まれたナウグラミールを取り返した([[サルン・アスラドの合戦]])。ベレンはナウグラミールを当時住んでいた[[トル・ガレン]]に持ち帰り、妻の[[ルーシエン]]がこれを身に帯びた。こうして二人がかつて[[モルゴス]]から取り戻し、今はナウグラミールに嵌った[[シルマリル]]は二人の手許に再び保管され、[[ドル・フィルン=イ=グイナール]]の地を美しく豊かにした。 ベレンとルーシエンが死ぬと、シルマリルが嵌め込まれたナウグラミールは二人の息子で、亡き[[シンゴル]]の跡を継いで[[ドリアス]]の王となっていた[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]の許に送られた。ナウグラミールを受け取ったディオルは両親の死を知り、今度は自分が身に帯びた。このことは[[フェアノールの息子たち]]にも伝わり、彼らはディオルにシルマリルの返還を要求したが返事がなかったため、ドリアスを襲撃して滅ぼし、ディオルを殺した。しかし彼らの望んだシルマリルはドリアスの生存者たちが[[シリオンの港]]へ持ち去った。 その後のシルマリルの運命については、''[[シルマリル]]''の項目を参照のこと。 *** 備考 [#ta8425e6] シルマリルとナウグラミールを巡る争いは、後の時代に至るまで[[エルフ]]([[シンダール]])と[[ドワーフ]]の間に遺恨を残すことになった。 『[[ホビットの冒険]]』には、このことを指すと思われる記述がある。 >とおい昔このエルフたちは、あるドワーフ族と戦争をしました。エルフたちはそのドワーフたちが自分たちの宝をぬすんだと非難したのですが、ドワーフたちにはちがういい分がありました。エルフの王が、金銀のあら石を細工してくれとたのんだくせに、あとになってその支払いをしなかったのだから、自分のてま賃をとっただけだ、というのでした。((『[[ホビットの冒険]]』「ハエとクモ」)) ** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie] ナウグラミールの名は登場しない代わりに、[[ラスガレンの白い宝石]]が登場し、[[スランドゥイル]]と[[ドワーフ]]との確執の原因のひとつとなっている。 ナウグラミールの名が出ないのは権利の問題のほか、『[[ホビットの冒険]]』の時代では伝説上の存在に過ぎない品の代わりに、現存しており直接画面に見せることができて、登場するキャラクターの性格付けにも利用しやすい設定が採られたためと考えられる。 ** コメント [#Comment] #pcomment(,,,,,,reply) テキスト整形のルールを表示する