#author("2019-10-18T17:12:06+09:00","","")
#author("2019-12-30T18:22:32+09:00;2018-12-23T20:08:45+09:00","","")
* &ruby(ふた){二};つの&ruby(き){木}; [#t0eb94c9]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[植物]]|
|~スペル|Two Trees|
|~異訳|二本の木|
|~その他の呼び名|ヴァリノールの二つの木(Two Trees of Valinor)|

** 解説 [#Explanation]

[[月]]と[[太陽]]が空に上がる以前に光り輝いて[[アマン]]を照らしていた、銀の木''[[テルペリオン]]''と金の木''[[ラウレリン]]''のこと。
この木は、[[灯火の時代]]の後、[[メルコール>モルゴス]]に打ち壊された[[二つの灯火]]に代わるものとして、アマンにおいて[[ニエンナ]]の涙と[[ヤヴァンナ]]の力の歌から生まれ、[[二つの木の時代]]が始まった。

>ヤヴァンナの作ったすべてのものの中で、この二本の木は最も名高く、また[[上古]]の日の物語は、ことごとくこの二本の木の運命をめぐって織りなされているのである。((『[[シルマリルの物語]]』「世の初まりのこと」))

*** [[ヴァリノール]]の至福の日々 [#jce7e040]

[[ヴァルマール]]の西門の外、[[審判の輪]]の傍らにある緑の築山[[エゼルロハール]]の上に二つの木は立っていた。

二つの木の花は規則正しくそれぞれ七時間の間、光を放った。一方の木が輝きを休める一時間前にもう一方の木が輝き始め、そのためアマンには銀と金の光がまじりあう薄明の時間が日に二度訪れた。[[ヴァラール]]はこの二つの木の光の周期によって時を数えることを始めた。したがって当時の[[アマン]]における時の数え方では、一日は十二時間であった([[ヴァラール年]])。

木々の花からはそれぞれ、銀色と金色の光の雫が流れ落ちており、雫は[[大桶>ヴァルダの泉]]に集められ、水と光の井戸として利用されていた。[[ヴァルダ>エルベレス]]はこの大桶に溜められたテルペリオンの銀の露から新しい星々を作った。

*** 光のエルフの木 [#qa298df3]

[[ヴァルダ]]が[[テルペリオン]]の露から作った星々を空に撒いた時、[[エルフ(クウェンディ)>エルフ]]が目覚めた。やがて[[アマン]]に辿りついた[[エルダール]]がその地で最も驚嘆しかつ愛したのが、この二つの木であった。
この木の光を一度でも目にしたエルダールはカラクウィンディ、すなわち[[光のエルフ>上のエルフ]]となった。かれらはアマンの[[ヴァラール]]や[[マイアール]]から直接教えを受けたこともあり、一度も中つ国を離れずその光を目にしたことのない[[暗闇のエルフ]]を遥かにしのぐ能力を持つに至った。

エルダールのために、ヴァラールは[[ペローリ]]山脈に[[カラキルヤ]]の山道を切り開いた。二つの木の光はカラキルヤを通って[[エルダマール]]一帯に溢れだし、[[トル・エレッセア]]にまで達してその西岸に緑と花を生じさせたという。

[[フェアノール]]によって制作された[[シルマリル]]には、二つの木の生きて混じり合った光が不滅となって込められており、あらゆる種族のあらゆる者にとって驚嘆の的となった。

>しかしシルマリルには、単なる美しさ以上のものがありました。光です。銀と金の二つの木によって見えるものとなったヴァリノールの光がこめられていたのです。((同上「一九五一年、ミルトン・ウォルドマン宛、[[J・R・R・トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の手紙より」))

*** [[メルコール>モルゴス]]による殺害 [#y23ec78a]

このようにして二つの木は[[ヴァリノール]]の至福を照らしていたが、やがて[[マンドス]]の砦から釈放された[[メルコール>モルゴス]]の憎むところとなる。
メルコールは[[ノルドール]]の間に不和を蒔いてヴァリノールの至福を汚し、そのため二つの木の光は翳って影が色濃く長く伸びるようになる。メルコールが[[ヴァラール]]に追われてヴァリノールから姿を消すと、二つの木はまた元の如く輝いたが、それも長くは続かなかった。

メルコールは[[ウンゴリアント]]の助力を得てヴァリノールに舞い戻り、[[イルマリン]]で祝宴が開かれている隙を突いて二つの木を襲撃する。メルコールは黒い槍を幹に突き立てて木に深傷を負わせ、その傷口からウンゴリアントが樹液を吸い尽くし毒を注ぎ込んだ。かくして二つの木は枯死し、ヴァリノールに暗闇が訪れる。(この時の恐怖と嘆きは[[アルドゥデーニエ]]に歌われているという)

[[ヤヴァンナ]]は[[シルマリル]]に込められた光さえあれば瀕死の二つの木に命を呼び戻すことができると訴えたが、[[フェアノール]]は光を取り出すためにシルマリルを破壊することを拒否する。だがその時すでに、シルマリルは[[フォルメノス]]を襲撃したメルコールによって奪い去られていた。
このため二つの木が救われることはなかった。

*** 二つの木の後継 [#ce2eab04]

[[ヴァラール]]は二つの木を救うことはできなかったが、[[ヤヴァンナ]]が力を尽くし、[[ニエンナ]]が涙を注ぐことによって、それぞれ最後の花と果実を生じさせた。ヴァラールはその花と果実から''[[月]]''と''[[太陽]]''を作り、それによって[[太陽の第一紀>第一紀]]が始まった。
だが月も太陽もメルコールとウンゴリアントによって損ねられた二つの木から生じたものであるため、その光は不完全であり、月と太陽に照らされるようになった[[アルダ]]は急速な時による衰えに晒されることとなった。

今では二つの木の光は、ただ[[シルマリル]]の中にのみ生き続けている。三つのシルマリルのうち二つが失われたのちは、[[エアレンディルの星]](明星すなわち金星)にのみその光を見出すことができる。

二つの木には子株はなかったが、ヤヴァンナは[[テルペリオン]]を偲んで[[ガラシリオン]]の木を作り、それは[[トル・エレッセア]]の[[ケレボルン>ケレボルン(植物)]]、[[ヌーメノール]]の[[ニムロス>ニムロス(植物)]]と伝えられ、[[ゴンドール]]の[[白の木]]として受け継がれた。
[[ヌーメノール人]]の中には[[ラウリンクウェ]]をラウレリンの子孫と信じる者もいたが、当然ながら真実ではない。
また、こちらは植物ではないが、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]は二つの木を偲んで[[ゴンドリン]]の中庭にそれぞれ[[ベルシル]]と[[グリンガル]]を造った。

*** 『[[The History of Middle-earth]]』の記述 [#v0267680]

『[[The Book of Lost Tales 2>The History of Middle-earth/The Book of Lost Tales 2]]』によると、[[世界の終わり>ダゴール・ダゴラス]]に[[マイズロス]](後の原稿では[[フェアノール]])が、ばらばらになっていた三つの[[シルマリル]]を一カ所に集めて破壊する。その光でもって、[[ヤヴァンナ]]が二つの木を復活させ、二つの木に照らされた[[アルダ]]が蘇るという。

**[[Iron Crown Enterprises]]』の設定 [#df97db46]

ソースブック『Creatures of Middle-earth』42ページに二つの木の子にあたる木についての記述がある。

モルゴスとウンゴリアントが二つの木を枯死させた時、彼らは蜘蛛の注ぎ込んだ毒によって汚染されたテルペリオンの種子を持ち去っていた。その呪われた種子はモルゴスの手下たちによって、中つ国の東方の岸辺に植え付けられた。

そこからは、高さ600フィートの赤いトウヒに似た木が生じた。この木は深さ120フィート、周囲300フィートの地中に根を張り、そこから発する毒で周囲の植物を蝕み、木自体と同様に歪曲する作用を持っていた。
幸いにも、この木は[[イングウェ]]らの働きで切り倒され、ウンゴリアントの毒が中つ国全体を覆い尽くし、生けるものの無い不毛の地へと変えるのを未然に防ぐ事ができた。

[[第三紀]]1200年頃、東方を訪れた[[イスタリ]]の一人[[アラタール]]は、休眠状態にあった木の根(The Bearer's Sleeping Root)を発見し、自らの目的のために利用しようと試みた。

** コメント [#Comment]

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