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#author("2024-07-25T15:25:17+09:00","","")
* モリアの壁 [#z2e6a0db]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Walls of Moria|
|~その他の呼び名|モリアの西壁(west wall of Moria)、西門の壁(wall at Westgate)|

** 解説 [#Explanation]

[[モリア]]の西門がある岩壁。[[霧ふり山脈]]の西の谷間にあり、[[エレギオン(柊郷)>エレギオン]]からの道が通じている。
一見すると滑らかな石の断崖にしか見えないところに、エレギオンとモリアの交易のために作られた''モリアの西門''があった。門の前には[[エルフ]]によってエレギオンの土地の終わりを示す印として[[柊]]が植えられ、門の両側には二本の大きな柊の木が立っていた。

>不気味な湖のむこうに、大きな断崖がいくつもそそり立っていました。そのきびしい壁面はうすれていく日の光の中に、白茶けた顔を見せ、断乎として通行を拒絶していました。[[フロド>フロド・バギンズ]]にはそのしかめっ面の岩のどこにも、門や入口らしいものはおろか、ひび割れや亀裂のようなものも見いだせませんでした。
「モリアの壁じゃ。」水の先を指して[[ガンダルフ]]がいいました。「そして昔はあそこに入口があった。それはエルフの扉で、わしらが通ってきた[[柊郷>エレギオン]]からの道の終わりになる。」((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「暗闇の旅」))

[[指輪の仲間]]がここを訪れたとき、壁がある谷間は[[シランノン]]川が堰き止められてできた不気味な湖になっていた。湖の水位にはある程度変動があるらしく、指輪の仲間が訪れたときは運よく水位が下がっていたために、彼らは湖の縁を通って比較的安全に西門の前まで辿り着くことができた(湖の水位が上がると、西側からモリアへ出入りする方途は完全に断たれる)。
湖の中には[[水中の監視者]]が潜んでおり、扉を開けた指輪の仲間に襲いかかった。一行が門の中へ退避すると、監視者は扉を力ずくで閉め、柊の大木を引き抜いて門を完全に塞いでしまった。

*** モリア西門(West-gate of Moria) [#gate]

''ドゥリンの扉''(Doors of Durin)と名付けられた、[[モリア]]の西側の出入り口。単に''西門''(West-gate)や''西の入り口''(West-door)とも呼ばれ、[[マザルブルの書]]では''柊郷の門''(Hollin gate)とも呼ばれている。
門は閉じている時にはただの岩壁にしか見えないが、呪文を唱えることによって[[イシルディン]]で描かれた図が現れる。図には[[ドゥリンの紋章]]、[[上のエルフの木]]、[[フェアノール王家の星]]が含まれ、アーチ部に以下の文言が[[フェアノール文字]]で書かれていた。

>エンニン ドゥリン アラン [[モリア]]、ペド [[メッロン]] ア ミンノ
イム [[ナルヴィ]] ハイン エハント、[[ケレブリンボール]] オ [[エレギオン]] テイサント イ シウ ヒン
>Ennyn Durin Aran [[Moria>モリア]]: pedo [[mellon>メッロン]] a minno.
Im [[Narvi>ナルヴィ]] hain echant: [[Celebrimbor>ケレブリンボール]] o [[Eregion>エレギオン]] teithant i thiw hin.

>[[モリア]]の領主、ドゥリンの扉、唱えよ、[[友>メッロン]]、そして入れ。
われ、[[ナルヴィ]]、これを作りぬ。[[柊郷>エレギオン]]の[[ケレブリンボール]]、この図を描きぬ。
>The Doors of Durin, Lord of [[Moria>モリア]]. Speak, [[friend>メッロン]], and enter.
I, [[Narvi>ナルヴィ]], made them. [[Celebrimbor>ケレブリンボール]] of [[Hollin>エレギオン]] drew these signs.

扉は外開きで、取手も鍵も閂もない。外から扉を開くには''[[合言葉>メッロン]]''を唱えるしかなく、そうすれば自動で開く。[[ガンダルフ]]曰く、内側からは両手で押すだけで開き、ドゥリンの時代には門番が配置された上で普段は開けっ放しになっていたという。((『[[終わらざりし物語]]』「指輪狩り」には、内側から扉を押し開けるには通例[[ドワーフ]]が二人がかりで押す必要があり、そのため扉番が最低でも一人は常に門の内側に配備され、侵入や逃亡を防ぐようになっていたという。これは「ガンダルフは以前にモリアを通った時、西門を内側から押し開けて外に出た」という『[[指輪物語]]』本編の記述とはいささか矛盾する。))

*** 画像 [#g6306dee]

&ref(moriagate_bytolkien.jpg,,10%,トールキン作画による「モリアの門」); &ref(moria_westgate.jpg,,10%,ドゥリンの扉の図); &ref(moriagatebyjohnhowe.jpg,,32%,ジョン・ハウ作画によるモリアの門); 

*** 備考 [#g05609cc]

多くの箇所では「モリア」の呼び名は、[[カザド=ドゥーム>モリア]]の地下王国が'''暗闇に閉ざされ'''たことにより否定的な意味でつけられた名であるとされており(('''一方モリアはエルフ語であり、愛情をもってつけられた名前ではない。'''『[[追補編]]』「翻訳について」、'''カザド=ドゥームすなわち今では黒坑と呼ばれる …'''『[[旅の仲間]]』「指輪、南へいく」、'''ここは、後に暗闇に閉ざされ、モリアと呼ばれた。'''『[[シルマリルの物語]]』「シンダールのこと」))、そうだとすれば'''目もあやな美しさと光に満ち満ちていた'''はずの[[第二紀]]の繁栄期に、しかも[[エルフ]]と[[ドワーフ]]の友好関係のために設立された扉の文言に、この呼び名が用いられているのは矛盾ではないかと指摘する声もある。
これに対しては「[[ケレブリンボール]]がモリアとなる運命を予見して用いた」「モリアと呼ばれるようになってから碑文が書き換えられた」「碑文ではカザド=ドゥーム等と書かれいたが、[[ガンダルフ]]が読み上げる時にモリアと意訳し、それがそのまま[[赤表紙本>西境の赤表紙本]]に引き継がれてしまった」といったいくつかの解釈がある。((『The Lord of the Rings A Reader's Companion』))
これに対しては「[[ケレブリンボール]]がモリアとなる運命を予見して用いた」「モリアと呼ばれるようになってから碑文が書き換えられた」「碑文ではカザド=ドゥーム等と書かれていたが、[[ガンダルフ]]が読み上げる時にモリアと意訳し、それがそのまま[[赤表紙本>西境の赤表紙本]]に引き継がれてしまった」といったいくつかの解釈がある。((『The Lord of the Rings A Reader's Companion』))

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00396.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるモリアの壁); 

** コメント [#Comment]

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