#author("2020-01-20T03:44:44+09:00;2020-01-08T21:01:24+09:00","","")
#author("2020-01-20T03:46:55+09:00;2020-01-08T21:01:24+09:00","","")
* エルロンド [#jd5adf56]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Elrond|
|~その他の呼び名|半エルフのエルロンド(Elrond Half-elven)(("Elrond Halfelven", "Elrond the Halfelven"の表記もあり)) &br; エルロンド殿、エルロンド様、館主エルロンド(Master Elrond) &br; 裂け谷の主(Lord of Rivendell)|
|~種族|[[半エルフ]]|
|~性別|男|
|~生没年|[[第一紀]]~|
|~親|[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]](父)、[[エルウィング]](母)、[[マグロール]](養父)|
|~兄弟|[[エルロス]](兄弟)|
|~配偶者|[[ケレブリアン]]|
|~子|[[エルラダン]](息子)、[[エルロヒア]](息子)、[[アルウェン]](娘)、[[アラゴルン二世]](養子)|

** 解説 [#Explanation]

名は[[シンダール語]]で「星の館(Star-dome)」(([[シンダール語]]のロンド(rond)は、丸天井やアーチ形の屋根、またはそのような屋根を持つ広間や館のこと。そこから転じて天(heavens)の意味もある。つまりエルロンドの名は「星空(star-dome)」の意味にもなる。))の意。[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]と[[エルウィング]]の息子。[[エルロス]]の兄弟((邦訳『[[追補編>指輪物語/追補編]]』の固有名詞便覧では、エルロンドの項で「兄[[エルロス]]」とあるが根拠は不明。邦訳『[[シルマリルの物語]]』では、エルロンドが兄、エルロスが弟と訳されているが、原文は単に'''brother'''。『[[The War of the Jewels>The History of Middle-earth/The War of the Jewels]]』「The Tales of Years」では双子とされている。))。[[ケレボルン]]と[[ガラドリエル]]の娘[[ケレブリアン]]と結婚し、[[エルラダン]]、[[エルロヒア]]、[[アルウェン]]の父となる。
[[北方王国]]滅亡後はその王家の遺児を代々養育しており、[[アラゴルン二世]]の養父にもあたる。

''[[半エルフ]]''として知られ、[[上古]]から続く[[中つ国]]の歴史を究めた伝承の大家である。また医術の大家でもあり、その癒やしの技は「癒やしの手」を持つアラゴルンを凌ぐ。
[[エルフ]]の隠れ里[[裂け谷(イムラドリス)>裂け谷]]の領主であり、[[白の会議]]の一員。エルフの[[三つの指輪]]の中で最も力のある[[風の指輪ヴィルヤ>ヴィルヤ]]の[[守護者>三つの指輪の守護者]]でもあった。

>エルロンドの顔は、若くもなく、年老いてもおらず、年齢がありません。とはいえそこには、記憶に残る喜びと悲しみの数々が書きこまれていたのです。夕闇の影のようなその黒髪には銀の飾り&ruby(わ){環};がはめられていました。目の色は晴れた夕暮れの灰色、そしてその日に浮かぶ光は、星々の光にまがうほどでした。かれは&ruby(ぎょくざ){玉座};にあってあまたの&ruby(よわい){齢};を重ねた王のように神々しく、同時に、力に満ちあふれた&ruby(ひゃくせんれんま){百戦錬磨};の戦士のように&ruby(きょうけん){強健};でした。かれは&ruby(さ){裂};け&ruby(だに){谷};の&ruby(あるじ){主};であり、エルフにも、人間の間にも&ruby(いんぜん){隠然};たる力を持っていました。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』))

*** 生い立ち [#kc5d24b4]

>「だが、わたしの記憶は上古の時代にまでさかのぼる。[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]がわが父である。わが父は没落前の[[ゴンドリン]]で生まれた。わが母は、[[ドリアス]]の[[ルシアン]]の息子、[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]の娘、[[エルウィング]]である。わたしは西方世界の三つの時代を見てきた。多くの敗北と、多くの&ruby(むな){空};しい勝利を見てきた。」((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」))

[[第一紀]]末に[[シリオンの港]]に生まれる。
父[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]が[[アマン]]を目指す航海に出て留守になると、港は[[シルマリル]]を求める[[フェアノールの息子たち]]の攻撃を受け、母[[エルウィング]]はシルマリルを抱いたまま海に身を投げて行方不明になった。エルロンドと[[エルロス]]の兄弟は捕虜になるが、自らの行為を悔い兄弟を憐れに思った[[マグロール]]に養育されて育ち、兄弟もマグロールを愛した。

[[第二紀]]以降、エルロンドは[[エルフ]]として生きる道を選び、[[中つ国]]に留まる。
はじめは[[ギル=ガラド]]、[[キーアダン]]と共に[[リンドン]]に住まい、[[サウロン]]が正体を隠して[[エルフ]]に接近を試みた時には、ギル=ガラドと共に彼を訝しみリンドンから締め出した。[[サウロン]]の正体が判明し、[[力の指輪]]を巡る戦いで[[エレギオン]]が荒廃すると、エルロンドはエレギオンの残党を率いて[[イムラドリス(裂け谷)>裂け谷]]の隠れ家を造り、サウロンが[[エリアドール]]を席巻している間それに抵抗し続けた。
サウロンがエリアドールから駆逐されると、エルロンドはギル=ガラドよりエリアドールの[[副摂政>摂政]]に任じられ、風の指輪[[ヴィルヤ]]を託される。
[[最後の同盟]]の戦いではギル=ガラドの伝令使を務め、[[オロドルイン]]山腹で行われた最後の戦いで[[ギル=ガラド]]と[[エレンディル]]が倒れ、[[サウロン]]もまた打ち倒されるのを目撃した。[[イシルドゥア]]が[[折れたナルシル>アンドゥリル]]の柄本でサウロンの指から[[一つの指輪]]を奪い取ると、それを[[オロドルイン]]の火に投ずるべきだと、[[キーアダン]]と共に助言する。だがイシルドゥアはそれを無視して、指輪を「購いの品」として自分のものにした。

[[第三紀]]にはエルロンドは[[裂け谷]]に戻り、密かに[[ヴィルヤ]]の力を使ってそこを守護しつつ、叡智と伝承を蓄えた。エルロンドは[[「最後の憩」館]]の館主として、助けを求めてやってくる[[自由の民]]には誰であれ休息と助言を提供した。また、[[緑森大森林>闇の森]]に影が落ち、[[イスタリ]]が[[西方>アマン]]からやってくると、[[死人占い師]]の脅威に対抗するために結成された[[白の会議]]の一員となる。
[[アングマール]]の脅威にさらされた[[アルノール]]には、援助のために[[グロールフィンデル]]をはじめとした裂け谷のエルフを派遣し、北方からサウロンの配下を駆逐するために協力した。アルノールが滅亡すると、生き残った王家の末裔([[野伏]]の族長達)を裂け谷に引き取って養育するようになり、エルロンドの許には[[折れたる剣ナルシル>アンドゥリル]]や[[アンヌーミナスの王笏]]といった王家伝来の宝器も預けられた。

2509年、妻の[[ケレブリアン]]が[[ロスローリエン]]からの帰りの途上、[[赤角山道]]で[[オーク]]に捕えられ、拷問を受けた。ケレブリアンは[[エルラダン]]と[[エルロヒア]]によって救出され、受けた傷はエルロンドが癒したものの、彼女はもはや[[中つ国]]で生きる望みを失い、翌年[[アマン]]へ去った。

2933年、[[野伏]]の族長[[アラソルン二世]]が[[オーク]]との戦いで戦死すると、その息子[[アラゴルン二世]]を[[裂け谷]]で引き取り、養子として育てた。

*** 旅の助言者 [#sb85c69a]

エルロンドは『[[ホビットの冒険]]』『[[指輪物語]]』において、共に旅の助言者として登場する。

>このひとは、昔のさまざまな物語にあらわれますが、ビルボの大冒険をのべるこの物語には、あまり出てきません。おわりまで読めば、たいせつながら&ruby(はやく){端役};で出てくるだけだということがわかるでしょう。((『[[ホビットの冒険]]』「ちょっとひと息」))

『[[ホビットの冒険]]』においては、[[エレボール]]へ遠征する途上の[[トーリンとその仲間]]を[[「最後の憩」館]]に迎えて、休息と助言を提供した。
エルロンドは[[トーリン二世]]たちの[[スマウグ]]への復讐と[[山の下の王国>エレボール#Kingdom]]の奪回については不本意だったが、[[龍]]を強く憎んでおり[[谷間の国]]の荒廃を嘆いていたため、彼らに協力。[[スライン二世]]が残した[[スロールの地図]]の[[月光文字]]を解読し、また[[グラムドリング]]と[[オルクリスト]]の由来を教えた。

>「善きにつけ、悪しきにつけ、[[これ>一つの指輪]]は&ruby(なか){中};つ&ruby(くに){国};に属するものなのだ。これを処分するのは、今なおここに住むわれらの仕事だ。」((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」 [[一つの指輪]]を[[アマン]]へ送ってはどうかという提案に対してのエルロンドの言葉。))

『[[指輪物語]]』においては、[[一つの指輪]]を携えて[[裂け谷]]へ避難しようとする[[フロド・バギンズ]]を助けるため、[[グロールフィンデル]]をはじめとした[[ナズグール]]に対抗できる[[上のエルフ]]を送り出し、フロドが[[ブルイネンの浅瀬]]に到達した時には[[ガンダルフ]]と共に[[ブルイネン]]川の水を氾濫させ、ナズグールを押し流した。そして「医術の大家」として、[[モルグルの刃]]に刺されたフロドを治療し、無事に刃の破片を取り出すことに成功した。
一つの指輪の再発見と時を同じくして、各地の[[自由の民]]が助言を求めて裂け谷に集まってきたことを運命と受け取ったエルロンドは、[[サウロン]]の脅威に対抗すべく「[[エルロンドの会議]]」を開催、見出された一つの指輪の処遇を話し合った。エルロンドは一つの指輪を[[オロドルイン]]の[[滅びの罅裂]]に投じて破壊すべきだと最初に提言し、名乗り出た[[フロド・バギンズ]]を[[指輪所持者]]に任命した。彼と共に行く[[指輪の仲間]]を選んだのもエルロンドである。

*** 娘との別れ [#f4b16a62]

>『わたしが失うことによって人間の王権が回復されるのかもしれぬ。おそらくそのような定めであったのだろう。それゆえ、わたしはそなたを愛しているにもかかわらず、これだけはいっておく。このことより小さな目的のために@@アルウェン・ウンドーミエル>アルウェン]]にその生が&ruby(う){享};けている&ruby(おんちょう){恩寵};を減じさせはせぬ。[[ゴンドール]]と[[アルノール]]両国を&ruby(す){統};べる王以上の人間でなければ、&ruby(なんぴと){何人};もアルウェンを花嫁にはできぬ。その時はわれらの勝利でさえ、わたしにもたらされるのはただ悲しみと別れのみである――しかしそなたにはしばしの喜びの望みをもたらそう。』((『指輪物語 [[追補編>指輪物語/追補編]]』「アラゴルンとアルウェンの物語(その一部)」))
>『わたしが失うことによって人間の王権が回復されるのかもしれぬ。おそらくそのような定めであったのだろう。それゆえ、わたしはそなたを愛しているにもかかわらず、これだけはいっておく。このことより小さな目的のために[[アルウェン・ウンドーミエル>アルウェン]]にその生が&ruby(う){享};けている&ruby(おんちょう){恩寵};を減じさせはせぬ。[[ゴンドール]]と[[アルノール]]両国を&ruby(す){統};べる王以上の人間でなければ、&ruby(なんぴと){何人};もアルウェンを花嫁にはできぬ。その時はわれらの勝利でさえ、わたしにもたらされるのはただ悲しみと別れのみである――しかしそなたにはしばしの喜びの望みをもたらそう。』((『指輪物語 [[追補編>指輪物語/追補編]]』「アラゴルンとアルウェンの物語(その一部)」))

また、エルロンドにとって[[指輪戦争]]はもう一つの局面を持った戦いでもあった。

[[第三紀]]2951年、養子の[[アラゴルン二世]]が娘の[[アルウェン]]に恋をし、アルウェンの選択がなされたことを知った時、エルロンドはアラゴルンを呼び出して上に述べた[[統一王国>亡国の民の王国]]再建の難題を課した。このためアラゴルンは諸国を遍歴して修行を積み、王権を回復することを志すようになる。
[[大いなる年]]にエルロンドはアラゴルンを援助するため、集結した[[北方の野伏>野伏]]と共に息子の[[エルラダン]]と[[エルロヒア]]を南方に派遣し、[[アルウェン]]の織った[[王旗>アルウェンの旗印]]と自らの助言を託した。エルロンドの助言には[[死者の道]]のことが言及されており、これがアラゴルンに[[灰色の一行]]を率いて死者の道を経由して[[ゴンドール]]に向かうことを決意させる一助となった。

[[指輪所持者]]の任務と、アラゴルンに課せられた難題とがともに達成されると、エルロンドは[[アルウェン]]および[[裂け谷]]家中の者を引き連れて[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に赴き、婚礼の式において[[エレスサール王(アラゴルン)>アラゴルン二世]]に[[アンヌーミナスの王笏]]と共にアルウェンの手を引き渡した。
[[エルフ]]と[[人間]]の運命は分かたれているため、人間の運命を選択したアルウェンとエルフの運命を選択したエルロンドは、世の終わりまで別れることになった。エルロンドは[[エドラス]]でアルウェンと最後の別れを交わし、裂け谷へ戻った。

*** 西方へ去る [#s0be8eb7]

>エルロンドは灰色のマントを羽織り、額に星を一つつけて、手に銀の&ruby(ハープ){竪琴};を持ち、指には大きな青い石のついた金の指輪をはめていました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「灰色港」))

やがて[[三つの指輪]]の力が失われてゆくと、ついに[[中つ国]]に倦み疲れたエルロンドは、[[第三紀]]3021年([[第三紀最後の年]])9月29日、他の[[指輪の守護者>三つの指輪の守護者]]および[[指輪所持者]]と共に[[灰色港]]に赴き、[[アマン]]へ船出して中つ国を去った。この出来事を以て第三紀は終わり、[[第四紀]]が始まった。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[ヒューゴ・ウィーヴィング]]|
|~日本語吹き替え|[[菅生隆之]]|

[[最後の同盟]]の戦いでは、[[ハザファング]]という剣を持っている。

[[イシルドゥア]]のせいで[[一つの指輪]]が滅ぼされなかったことから、[[人間]]の弱さに不信感を持ち、指輪を厄介物として扱うといった、原作とは隔たりのある独自のキャラクター付けがなされている。また[[指輪の仲間]]が出立した後、[[アルウェン]]が[[モルドール]]の力の伸長によって衰弱すると、彼女を[[アマン]]に去らせようとした。
だがアルウェンの嘆願を聞いて考え直し、鍛え直された[[ナルシル]]を[[馬鍬砦]]にいた[[アラゴルン>アラゴルン二世]]に自ら届けに向かった。そして[[死者の軍勢]]を召集するようアラゴルンに直接助言している。

*** 画像 [#e8c36b77]

&ref(vlcsnap-00020.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるエルロンド); &ref(vlcsnap-00041.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるエルロンド); &ref(vlcsnap-00040.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるエルロンド);

*** グッズ [#j186b130]

#amazon2(B000MUIM8U)
#amazon2(B00U1ZZMXE)
#amazon2(B0002ZGVNS)
#amazon2(B00070KENG)

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

|~俳優|ヒューゴ・ウィーヴィング|
|~日本語吹き替え|菅生隆之|

『思いがけない冒険』では[[裂け谷]]の近くに出没した[[オーク]]を、自ら兵を率いて掃討した様子が描かれている。
[[エクステンデッド・エディション]]では[[ガンダルフ]]との会話シーンなどが増えており、[[トーリン>トーリン二世]]が彼の祖父[[スロール]]と同様に、黄金の魅力に取り憑かれるのではないかという懸念を示す場面もある。

『決戦のゆくえ』では[[サルマン]]とともに、[[ドル・グルドゥア]]にいた[[ガンダルフ]]と[[ガラドリエル]]の救援に現れ、[[ナズグール]]と戦っている。この時[[ハザファング]]を使っているのが確認できる。

*** 画像 [#sb727bde]

&ref(vlcsnap-00036.jpg,,25%,『ホビット』におけるエルロンド); &ref(vlcsnap-00076.jpg,,25%,『ホビット』におけるエルロンド);

*** グッズ [#s24cd0a7]

#amazon2(B07MP1JVYQ)
#amazon2(B07BGBV8XN)
#amazon2(B01D5IGHUU)
#amazon2(B07XMCFM6P)

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00654.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるエルロンド); &ref(9ed26c270470639276c847f15e943d9a.jpg,,12%,); &ref(ScreenShot_2020-01-05_230142_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、バラド=ドゥーア包囲戦でのエルロンド);

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,,,,,reply)