#author("2022-09-16T16:06:35+09:00;2018-10-29T18:03:15+09:00","","")
#author("2022-10-26T22:04:37+09:00;2018-10-29T18:03:15+09:00","","")
* &ruby(しろ){白};の&ruby(き){木}; [#uea05346]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[植物]]|
|~スペル|White Tree|
|~その他の呼び名|&ruby(しろがね){銀};の木(Silver Tree)|

** 解説 [#Explanation]

[[ゴンドール]]を象徴する木。

ゴンドール王の紋章には、[[王冠>ゴンドールの王冠]]、[[七つの星]]と並び、花をつけた白の木が中心に描かれている。

>「王の宮廷には、一本の白の木が生えていた。[[イシルドゥル]]が大海原のかなたより持ち来った[[かの木>ニムロス(植物)]]の種から育ったものである。この木の種は[[その前>ケレボルン(植物)]]には[[エレッセア>トル・エレッセア]]から来たのである。さらに[[その前>ガラシリオン]]はといえば、もともとは、この世界の太初の時代に先だって、[[さいはての西方世界>アマン]]より、もたらされたものである。」((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「[[エルロンドの会議]]」 [[エルロンド]]の言葉。))

「白の木」は[[テルペリオン]]、[[ガラシリオン]]、[[ケレボルン>ケレボルン(植物)]]、[[ニムロス>ニムロス(植物)]]の呼び名としても使われるが、本項目ではそれらの木々の末裔である''ゴンドールの白の木''について述べる。

*** 歴史 [#g08166cc]

始源の木[[テルペリオン]]を模して作られた[[ガラシリオン]]は[[エルダマール]]に広がり、そこから[[トル・エレッセア]]に運ばれて[[ケレボルン>ケレボルン(植物)]]と呼ばれるようになった。[[第二紀]]に[[アヴァルローネ]]から航海してきた[[上のエルフ]]は、その実生の一つを[[ヌーメノール]]に持ち込み、[[アルメネロス]]の王宮に植えられて[[ニムロス>ニムロス(植物)]]と呼ばれるようになる。
始源の木[[テルペリオン]]を模して作られた[[ガラシリオン]]は[[エルダマール]]に広がり、そこから[[トル・エレッセア]]に運ばれて[[ケレボルン>ケレボルン(植物)]]と呼ばれるようになった。[[第二紀]]に[[アヴァッローネ]]から航海してきた[[上のエルフ]]は、その実生の一つを[[ヌーメノール]]に持ち込み、[[アルメネロス]]の王宮に植えられて[[ニムロス>ニムロス(植物)]]と呼ばれるようになる。
ヌーメノールのニムロスは、[[タル=パランティル]]によって王家の運命と結びついていると予言されたが、[[サウロン]]に誑された[[アル=ファラゾーン]]によって伐り倒される。だがその前に[[イシルドゥル]]が危険を冒してその実を救い出した。芽吹いた実生はイシルドゥルの船に乗せられて[[ヌーメノールの没落>世界の変わる日]]を逃れ、[[中つ国]]にもたらされた。これが''[[ゴンドール]]の白の木''である。

:初代の木|[[ニムロス>ニムロス(植物)]]の実生である白の木は、イシルドゥルの居城である[[ミナス・イシル>ミナス・モルグル]]に植えられた。[[第二紀]]3429年にミナス・イシルがサウロンの攻撃で陥落した際、この白の木は焼かれたが、イシルドゥルはその実生を携えて脱出した。

:二代目の木|[[第三紀]]2年、イシルドゥルは[[最後の同盟]]の戦いで落命した弟[[アナーリオン]]を偲び、実生を弟の居城[[ミナス・アノール>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の城塞に植えた。
1636年、[[悪疫]]の流行によって[[テレムナール]]王が病死すると、この白の木も枯死した。

:三代目の木|1640年に[[タロンドール>タロンドール(ミナスタンの息子)]]王は保たれていた実生を[[ミナス・アノール(後のミナス・ティリス)>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の城塞に植えた。
2872年に当時の[[執政]][[ベレクソール二世]]が死ぬと、白の木は再び枯死する。既に王統は絶えており、新たな実生の若木が見つからなかったため、枯れた木は「王還ります時まで」そのまま[[噴水の庭]]に残された。下記の若木が見つかった後、この枯木は[[ラス・ディーネン]]に移されて憩わされた。

:四代目の木|白の木はめったに実が熟さないが、もし熟した場合であってもそこから芽が出るまでには長い時間がかかり、何人もその時を予測することはできなかった。このため熟した実は必ず地中に埋められた。そうして忘れ去られていた実の一つが、[[ミンドルルイン]]山の高所にある古の聖所に隠されていた。
[[3019年>大いなる年]]6月25日、帰還を果たした[[エレッサール王(アラゴルン)>アラゴルン二世]]は[[ガンダルフ]]に導かれて聖所を訪れ、この忘れられた実から生じた若木を発見した。
>かれはその荒れ地によじ登り、雪の終わるちょうどその際から、高さ三フィートにも満たぬ若木が生え出ているのを見ました。長くて形のよい若葉が、葉の表は色濃く、葉裏は銀に、すでに萌え出ていて、ほっそりした頂には、小さな花房が一つついており、その白い花弁は陽に照る雪のように輝いていました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』「執政と王」))
<若木は王の手によって[[噴水の庭]]に移植され、花を咲かせた。

*** 由来の異伝 [#ud97352f]

『[[指輪物語]] [[王の帰還>指輪物語/王の帰還]]』において、[[ガンダルフ]]は白の木の系譜を以下のように述べている。

>「まことにこれは美しきニムロスの子孫の若木じゃ。そしてニムロスはガラシリオンの実生の木じゃった。そのガラシリオンも、あまたの名を持つテルペリオン、木々の中の始源なるものの実生なのじゃ。」

しかし刊行された『[[シルマリルの物語]]』では、[[テルペリオン]]の子孫は(その最後の花である[[月]]を除き)存在しないと述べられており、[[ガラシリオン]]はあくまでテルペリオンを模して作られた別の木である。
「ガラシリオンはテルペリオンの実生」というガンダルフの発言はこれと矛盾している。

** 画像 [#hd4d0835]

&ref(AlanLee-47-SeedlingOfGalathilion.jpg,,25%,アラン・リー作画による白の木);

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が若木を発見するくだりはない。ただ、負傷した[[ファラミル]]が[[デネソール>デネソール二世]]の命によって[[ラス・ディーネン]]へ運ばれるとき、枯れた木に一輪の花が咲いているカットがある。アラゴルンの戴冠式では、白の木は満開の花を咲かせていた。

*** 画像 [#s715cc97]

&ref(vlcsnap-00001.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における白の木); &ref(vlcsnap-00003.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における白の木); &ref(vlcsnap-00005.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』における、戴冠式で花を咲かせている白の木(画面奥));

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00675.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における枯れた白の木); &ref(ScreenShot00910.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、エレッサール王が白の木の若木を発見する場面); &ref(ScreenShot00920.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、噴水の庭に移植された白の木の若木(左奥に引き抜かれた枯れ木));

** コメント [#Comment]

#pcomment(,,,,,,reply)