#author("2018-12-13T20:56:45+09:00","","")
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* &ruby(みず){水};の&ruby(べむら){辺村};の&ruby(かっせん){合戦}; [#j62481a9]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|Battle of Bywater|
|~異訳|水の辺村の戦い|
|~その他の呼び名|ホビット庄の掃蕩(Scouring of the Shire)|

** 解説 [#Explanation]

[[第三紀]][[3019年>大いなる年#year3019]]11月3日に行われた、[[指輪戦争]]最後の戦い。[[緑野の合戦]]以後に[[ホビット庄]]で戦われた唯一の合戦でもある。

[[サルマン]]の手下である[[人間]]の[[ごろつき]]が支配するようになっていたホビット庄に、後に[[旅人たち]]と呼ばれる[[フロド・バギンズ]]、[[サムワイズ・ギャムジー]]、[[ペレグリン・トゥック]]、[[メリアドク・ブランディバック]]が帰国、彼らは[[ホビット]]を蜂起させ、[[水の辺村]]においてごろつきの一団と衝突の末これを撃退した。
[[サルマン]]の手下である[[人間]]の[[ごろつき]]が支配するようになっていたホビット庄に、後に[[旅人たち]]と呼ばれる[[フロド・バギンズ]]、[[サムワイズ・ギャムジー]]、[[ペレグリン・トゥック]]、[[メリアドク・ブランディバック]]が帰国。彼らは[[ホビット]]を蜂起させ、[[水の辺村]]においてごろつきの一団と衝突の末これを撃退した。

** 戦況 [#d065de9e]

*** 開戦にいたるまで [#qf06b32f]

[[第三紀]]2851年の[[白の会議]]で[[ガンダルフ]]から[[ホビット]]の[[パイプ草]]のことを聞かされた[[サルマン]]は、ガンダルフがこの種族を大いに気にかけていることを訝しみ、[[ホビット庄]]を詮索するようになる。それとともに入手したパイプ草に夢中になったサルマンは、[[南四が一の庄>四が一の庄#South]]にパイプ草農園を持つサックビル=バギンズ家と密かに取引をはじめ、[[指輪戦争]]が迫る頃には大量の軍需物資を同家から調達するようになっていた。

その結果、莫大な資金を手に入れた[[ロソ・サックビル=バギンズ]]は、それを元手に庄内各地の農場や生産施設、旅籠屋などを次々を買収。その労働力としてサルマンの息のかかった機械仕掛けや[[人間]]の[[ごろつき]]を庄内に引き入れるようになり、次第に庄の実権を掌握するようになった。
その結果、莫大な資金を手に入れた[[ロソ・サックビル=バギンズ]]は、それを元手に庄内各地の農場や生産施設、旅籠屋などを次々を買収。その労働力としてサルマンの息のかかった機械仕掛けや[[ごろつき]]を庄内に引き入れるようになり、次第に庄の実権を掌握するようになった。
この横暴に抗議しようとした[[庄長]]である[[小足家のウィル]]がごろつきにより[[留置穴]]に監禁されると、ロソは[[庄察頭>庄察]]転じて「[[お頭]]」を名乗り、大幅に増員した[[庄察]]の権威とごろつきの暴力をかさに庄民の暮らしを徹底して統制するまでになる。
これに反発した[[セイン]]・[[パラディン・トゥック二世]]は[[大スミアル]]に籠城して徹底抗戦の構えを見せたため、ごろつきは武装して[[トゥック郷]]を包囲。両者は膠着状態のままにらみ合う形となった。

一方、指輪戦争で[[アイゼンガルド]]は陥落し、サルマンは荒野をさまよう乞食となる。[[サウロン]]の没落後、故郷へ帰還する[[指輪所持者]]の一行に行きあったサルマンは、[[ホビット]]への恨みから彼らの故郷をめちゃくちゃに破壊することを目論み、9月に自らホビット庄へやってきた。
ごろつきの親玉「シャーキー」として庄に君臨したサルマンは、ロソを監禁・殺害するとともに、ごろつきに命じてホビット庄全土を荒廃させていった。

3019年11月1日、4人の[[旅人たち]]である[[フロド・バギンズ]]、[[サムワイズ・ギャムジー]]、[[メリアドク・ブランディバック]]、[[ペレグリン・トゥック]]がホビット庄に帰郷する。故郷がごろつきに占拠されていることを知った彼らは、11月2日に[[水の辺村]]の[[緑竜館]]前で待ち構えていたごろつきの一味を撃退。
3019年11月1日、4人の[[旅人たち]]である[[フロド・バギンズ]]、[[サムワイズ・ギャムジー]]、[[メリアドク・ブランディバック]]、[[ペレグリン・トゥック]]がホビット庄に帰郷し、故郷がごろつきに占拠されていることを知る。11月2日に旅人たちは[[水の辺村]]の[[緑竜館]]前で待ち構えていた6人のごろつきから侮辱されたため、フロド以外は剣を抜いてごろつき達を斥けた。

>「だめだ。ぼくたちは今すぐ何かしなければいけない。」
「するって、何を?」と、ピピンがいいました。
「ホビット庄を立ち上がらすのだ!」と、メリーがいいました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「ホビット庄の掃蕩」))

メリーが吹き鳴らした[[マークの角笛]]に呼び出された[[水の辺村]]の住人は、[[お百姓のコトン>トム・コトン]]を筆頭に蜂起を決意。報復のため引き返してきたごろつき20名を待ち伏せて敗北せしめる。さらにペレグリンはトゥック郷に赴いて水の辺村蜂起の報をもたらし、セイン・パラディンは撃って出て包囲陣のごろつきを敗走せしめた。
そしてセイン勝利の報は庄内各地に飛び火することとなった。
メリアドクが吹き鳴らした[[マークの角笛]]に呼び出された[[水の辺村]]の住人は、[[お百姓のコトン>トム・コトン]]を筆頭に蜂起を決意。ペレグリンはトゥック郷に赴いて水の辺村蜂起の報をもたらした。トゥック郷も蜂起すると包囲陣のごろつきは南へ逃走し、セイン・パラディンは彼らを追撃した。そして蜂起の報は庄内各地に飛び火することとなった。その間、水の辺村ではメリアドク指揮の下、[[ホビット村]]から報復のためにへ引き返してきたごろつき達を待ち伏せ、その隊長を弓で射殺し、20名を捕虜とした。

*** 「水の辺村の合戦」 [#h27cd1ae]

11月3日朝、セイン・パラディンは100人の援軍を遣わし、総勢数百人の[[ホビット]]が[[水の辺村]]に集結する。一方、ホビットの蜂起を鎮圧するため100人ほどの[[ごろつき]]が[[追分]]から迫っていた。偵察を放って無警戒な敵の情報を十分獲得したホビット側は、[[メリアドク>メリアドク・ブランディバック]]の指揮の下ごろつきの一団を迎撃する準備を整える。

ホビットは街道の曲がり角の先に遮蔽物を設置し、道の両側の生垣の上にずらりを射手を配置。まんまと遮蔽物に行く手を阻まれたごろつきの一団は、手押し車からなる別の遮蔽物で退路も断たれることになった。メリアドクは居並ぶ射手を示して投降を呼びかけたが、これに応じようとしたのは一部のごろつきだけでそれも仲間に襲われ、大部分のごろつきは囲みを突破しようと抗戦した。
まず20人ほどのごろつきが後ろの遮蔽物を突破しようとして6人が射殺され、残った者がホビットを2人殺して囲みを突破して逃走した。だがすでに一帯のホビットすべてが蜂起していたため、遠くまで逃げることはできなかった。残った80人ほどのごろつきはめいめい囲みにとりついたが、包囲を突破することはできず大部分が弓と斧により倒された。
ごく一部の獰猛なごろつき達だけが西へ囲みを突破することに成功し、逆にホビットを攻撃したが、東から回ってきたメリアドクと[[ペレグリン>ペレグリン・トゥック]]率いる一隊に迎え撃たれ、[[ウルク=ハイ]]に似た首領格がメリアドクによって討ち取られた。
メリアドクが手勢を後退させてごろつきの残党を射手の円陣の中に包囲したことで、戦闘は終了する。
ホビットは[[東街道]]から分かれて水の辺村へ向かう''水の辺村の村道''(Bywater Road)に荷車で作った遮蔽物を設置し、道の両側の生垣の上にずらりを射手を配置。村道でまんまと遮蔽物に行く手を阻まれたごろつきの一団は、荷車からなる別の遮蔽物で退路も断たれることになった。メリアドクは居並ぶ射手を示して投降を呼びかけたが、これに応じようとしたのは一部のごろつきだけでそれも仲間に襲われ、大部分のごろつきは囲みを突破しようと抗戦した。
まず20人ほどのごろつきが後ろの遮蔽物を突破しようとして6人が射殺され、残った者がホビットを2人殺して囲みを突破して[[末つ森]]の方向へ逃走した。だがすでに一帯のホビットすべてが蜂起していたため、遠くまで逃げることはできなかった。残った80人ほどのごろつきはめいめい囲みにとりついたが、包囲を突破することはできず大部分が弓と斧により倒された。
ごく一部の獰猛なごろつき達だけが西へ囲みを突破することに成功し、逆にホビットを攻撃したが、東から回ってきたメリアドクと[[ペレグリン>ペレグリン・トゥック]]率いる一隊に迎え撃たれ、[[半オーク]]と思しきごろつきの首領格がメリアドクによって討ち取られた。
メリアドクが手勢を後退させてごろつきの残党を射手の円陣の中に包囲したことで、戦闘は終了した。

ごろつきは70人近くが死に、10人あまりが捕虜となった。ホビットは19人が殺され、30人ほどが負傷したが、この戦いで[[ホビット庄]]は自由を取り戻した。
ごろつきは70人近くが死に、10人あまりが捕虜となった。ホビットは19人が殺され、30人ほどが負傷した。

*** 戦後 [#a8ea7ff1]

>こうして一四一九年の水の辺村の戦いは終わりました。ホビット庄で戦われた最後の戦いであり、一一四七年に遠く[[北四が一の庄>四が一の庄#North]][[緑野]]で[[行われた戦い>緑野の合戦]]以後ただ一つの戦いでもありました。その結果、幸運にもこの戦いによって失われた命の数こそは非常に少なかったとはいえ、それは[[赤表紙本>西境の赤表紙本]]の中の一章を占め、またこれに加わった者たち全員の氏名が巻きものに記録され、庄の歴史家たちはそれを諳んじていました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「ホビット庄の掃蕩」))

死んだ[[ごろつき]]は[[戦さ坑]]に埋められ、戦死した[[ホビット]]は山腹の共同墓地に埋葬された。
この戦いでコトン一族は声望を高め、指揮官の[[メリアドク>メリアドク・ブランディバック]]と[[ペレグリン>ペレグリン・トゥック]]は筆頭に記憶された。しかし[[フロド>フロド・バギンズ]]はとうとう剣を抜かず、仲間のホビットが無用な殺生をするのを留める役割を果たした。
この戦いでコトン一族は声望を高め、指揮官の[[メリアドク>メリアドク・ブランディバック]]と[[ペレグリン>ペレグリン・トゥック]]は筆頭に記憶された。しかし[[フロド>フロド・バギンズ]]はとうとう[[剣>つらぬき丸]]を抜かず、仲間のホビットが無用な殺生をするのを留める役割を果たした。

戦いの後、フロド率いるホビットたちは[[袋小路屋敷]]に赴き、ごろつきの首領であったシャーキーこと[[サルマン]]に対面する。フロドはサルマンを助命しようとしたが、結局サルマンは[[蛇の舌]]に刺殺され、蛇の舌もフロドが止める間もなくホビットの射手によって射殺された。
サルマンの悪意によって[[ホビット庄]]が被った損害は大きかったが、ホビットたちは懸命に働き、[[サムワイズ>サムワイズ・ギャムジー]]の配慮もあってその傷のほとんどは癒やされた。

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