* &ruby(ちからのゆびわ){力の指輪}; [#o1aada8e]
** 概要 [#yee7f037]
#author("2023-08-13T12:31:36+09:00;2023-04-26T17:39:07+09:00","","")
-この指輪を主題として扱うドラマシリーズについては、[[ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪]]を参照してください。
----
* &ruby(ちから){力};の&ruby(ゆびわ){指輪}; [#o1aada8e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|物・品の名前|
|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|Rings of Power|
|~異訳|魔力の指輪|
|~その他の呼び名|偉大な指輪、大いなる指輪(Great Rings)|

** 解説 [#d1513fca]
** 解説 [#Explanation]

『[[一つの指輪]]』『[[三つの指輪]]』『[[七つの指輪]]』『[[九つの指輪]]』の総称。魔力を秘めた指輪。一つの指輪は[[サウロン]]によって、その他の力の指輪は[[ケレブリンボール]]と[[グワイス=イ=ミーアダイン]]によって作られた。
『[[一つの指輪]]』『[[三つの指輪]]』『[[七つの指輪]]』『[[九つの指輪]]』の総称。強大な魔力を秘めた指輪。
一つの指輪は[[冥王]][[サウロン]]によって、三つの指輪は[[エルフ]]の工匠[[ケレブリンボール]]によって、その他の指輪はサウロンの助力を受けた[[エレギオン]]の[[エルフの細工師たち>グワイス=イ=ミールダイン]]によって作られた。

>『九つも、七つも、三つも、それぞれそれにふさわしい宝石がはまっておった。しかし、[[一つの指輪]]は違う。それは丸くて飾りがない。まるでそのへんのつまらない指輪と同じだ。しかし、その作り手はその指輪に銘を入れた。練達の士であれば、おそらく今でもそれを目で見、読むことができるだろう。』(([[ガンダルフ]]が[[エルロンドの会議]]にて語った[[サルマン]]の言葉))
>[[三つの指輪]]は、空の下なる[[エルフ]]の王に、
[[七つの指輪]]は、岩の館の[[ドワーフ]]の君に、
[[九つ>九つの指輪]]は、死すべき運命の[[人の子>人間]]に、
[[一つ>一つの指輪]]は、暗き御座の[[冥王]]のため、
影横たわる[[モルドール]]の国に。((力の指輪についての[[伝承の歌>力の指輪の詩]]の一節))

>三つの指輪は、空の下なる[[エルフ]]の王に、&br; 七つの指輪は、岩の&ruby(やかた){館};の[[ドワーフ]]の君に、&br;九つは、死すべき&ruby(さだめ){運命};の[[人の子>人間]]に、&br; 一つは、暗き&ruby(みくら){御座};の[[冥王]]のため、&br;影横たわる[[モルドール]]の国に。&br; 一つの指輪は、すべてを統べ、&br; 一つの指輪は、すべてを見つけ、&br; 一つの指輪は、すべてを捕らえて、&br;  くらやみのなかにつなぎとめる。&br;影横たわるモルドールの国に。((力の指輪についての伝承の歌))

** コメント [#rc14cd78]
*** 力の指輪の一覧 [#x2286a71]

- 「七つ」「九つ」は全て、形状や宝石が明らかにはされていない・・・はず。 -- A3
- 映画グッズとして『魔王の指輪』つまり九つの指輪のうちの一つが売ってます。 
- 「魔力」っていうけど、具体的にどんな力があって使うとどんなことができるんだろう?
- 確か原作でガラドリエルが話してたはず。 --  &new{2007-12-27 (木) 00:32:08};
- 効果としては、(有限の命であれば)寿命が延びる、嵌めれば姿が見えなくなる、視力が衰える代わりに聴力が強くなる、下位に置かれる指輪を持つものを支配できるようになる、その他なんらかの形で支配の望みを叶えることに貢献する。この効果のため、またその美しさのため、所有者はこれに心を奪われ「いとしいもの」と認識するようになる。ただし副作用としてはもとはサウロンのものなので、サウロン以外の手に渡れば指輪がサウロンの元に帰ろうとして持ち主を裏切る可能性がある。その効果はイシルドゥアとゴクリに現れた。 -- 指輪の魔力 &new{2008-04-22 (火) 00:53:02};
- エルフの指輪が3つなのは、上のエルフの三氏族に、ドワーフの七つは七人の父祖にそれぞれ掛けているんだろうか?(だったら人間の9つは何だろうって話になってしまうけど) --  &new{2008-12-21 (日) 20:58:19};
>『[[九つ>九つの指輪]]も、[[七つ>七つの指輪]]も、[[三つ>三つの指輪]]も、それぞれそれにふさわしい宝石がはまっておった。しかし、[[一つの指輪]]は違う。それは丸くて飾りがない。まるで[[そのへんのつまらない指輪>力の弱い指輪]]と同じだ。しかし、その[[作り手>サウロン]]はその指輪に銘を入れた。練達の士であれば、おそらく今でもそれを目で見、読むことができるだろう。』((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「エルロンドの会議」 [[サルマン]]の言葉))

#comment
詳細については各項目を参照。

:[[一つの指輪]]|[[冥王]][[サウロン]]のための指輪。他の力の指輪とその所持者を支配する力を持つが、そのためにサウロンはこの指輪に自分の魔力の根幹を移し込まなければならなかった。

:[[三つの指輪]]|[[エルフ]]のための指輪。風の指輪[[ヴィルヤ]]、水の指輪[[ネンヤ]]、火の指輪[[ナルヤ]]からなる。全ての力の指輪の中でもっとも美しく、一つの指輪を除けば最大の力を持っていたが、その力は守護や浄化に働くもので、武器として用いることはできない。

:[[七つの指輪]]|[[ドワーフ]]のための指輪。ドワーフはその力を富を生み出すために用いたが、[[サウロン]]の悪しき意図が吹き込まれた指輪であったため、いずれの所持者も最後には富による破滅に見舞われた。

:[[九つの指輪]]|[[人間]]のための指輪。この指輪を手にした偉大な人間たちは、いずれも指輪に吹き込まれたサウロンの悪しき意図の虜となり、最後には指輪の幽鬼[[ナズグール]]に変貌した。

*** 力の指輪の歴史 [#History]

>「はるかな昔、[[エレギオン]]で、[[エルフ]]の指輪が数多く造られた。魔法の指輪というやつじゃ。むろん、種類はいろいろあった。あるものは非常に強力であったし、あるものはさほどでもなかった。 [[力の弱い指輪]]は、技がまだ未熟であった頃の試作品にすぎなかった。それらは[[エルフの細工師ども>グワイス=イ=ミールダイン]]にとっては、くだらないものでしかなかった――しかしそれさえ、限られた命しかもたぬ者には、やはり危険だと思われるがの。まして、偉大な指輪、魔力の指輪となれば、その危険は破滅的ともいえるほどなのじゃ。」((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「過去の影」[[ガンダルフ]]の言葉))

[[第一紀]]が終わり、[[マンドスの呪い]]が停止された後も[[中つ国]]を去りがたく留まっていた[[ノルドール]]は、荒廃し移ろいゆく此岸への嘆きと、[[西方>アマン]]の至福への憧れから、世界を癒し、かつ豊かにする力と技を望んでいた。一方で[[モルゴス]]の凋落後も中つ国に隠れ潜んでいた[[サウロン]]は、見捨てられた中つ国を自らの望む形に再建しようとし、そのために[[自由の民]]を意のままに動かすことのできる手段を欲していた。
ノルドールの願望を見抜いたサウロンは、意図と正体を隠してかれらに接近。その働きかけによって[[エレギオン]]の[[グワイス=イ=ミールダイン(エルフの細工師たち)>グワイス=イ=ミールダイン]]が制作したのが、試作品である多くの[[力の弱い指輪]]と、完成作である十九個の''大いなる力の指輪''であった。
しかしその知識はサウロンから提供されたものであり、それらには彼の悪しき意図が吹き込まれていた。やがてサウロンは[[モルドール]]の[[オロドルイン]]において、すべての力の指輪を支配する''[[一つの指輪]]''を完成させた。
上掲の[[力の指輪の詩]]は、その際にサウロンが口にしたのを、遠く離れたエレギオンで[[ケレブリンボール]]が耳にして、後世に伝えられたものである。

サウロンの歌うことばを知った[[エルフ]]達は彼の正体と意図に気付き、かれらの''[[三つの指輪]]''を隠して使用しなかった。そこでサウロンはエレギオンを攻め滅ぼし、力ずくで指輪を奪い取ろうとした。
ケレブリンボールは拷問にかけられ、''[[七つの指輪]]''と''[[九つの指輪]]''はサウロンの手に落ちた。だがケレブリンボールは三つの指輪の所在だけは明かさないまま死に、それらはサウロンの魔の手を免れた。サウロンは手中に収めた七つと九つに手を加えて邪悪に歪めると、それぞれを[[ドワーフ]]と[[人間]]の王侯に分配し、中つ国への支配力を増大させた。

[[第二紀]]の終わり、エルフと人間の[[最後の同盟]]によってサウロンは辛うじて打ち倒され、一つの指輪は彼の手から奪い取られた。しかし一つの指輪は破壊されなかったため、指輪に込められたサウロンの力は生き続け、一つの指輪に支配されている他の力の指輪の作用も生き続けた。
[[第三紀]]に復活したサウロンは、九つの指輪を掌握し、さらに七つの指輪のうち三つを取り戻したために、再び中つ国の大部分を支配できるだけの力を得た。

第三紀末の[[指輪戦争]]で一つの指輪が破壊されると、すべての力の指輪も次第にその効力を失っていくことになった。

*** 効果 [#Effects]

>(どの指輪にも共通する)主要な力。それは、衰えを防ぎ、あるいは遅らせ … そして、欲するもの、愛するもの、もしくはそれに似通って見えるものを保持する力で―― … その所有者が本来持っている力を高めもしました―― … そして最後に、指輪には別の力もありました。 … サウロンに由来する力。肉体を持った者を見えなくしたり、見えない世界のものを見えるようにする力です。((『[[シルマリルの物語]]』「一九五一年、ミルトン・ウォルドマン宛、[[J・R・R・トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の手紙より」))

元来、力の指輪は[[エルフ]]の願いである、[[中つ国]]の荒廃を癒し、美しく価値あるものを時の流れから保護するという目的のために作られた。そのため全ての力の指輪には共通して、時による老いや衰えを遅延させ、またそのものが生来持っている力を高めるという効果があった。
だがそれは同時に、その者が抱いている願望や欲望をも強くするという危険性をはらんでおり、[[人間]]のような[[限りある命>死すべき運命]]の者にとっては破滅的に危険なものであった。

サウロンが手を加えた七つと九つの指輪は、使用者を彼の支配する「幽界」に引きずり込むことで、その姿を不可視にし、同時にその者が本来見ることのできない領域の物事を見られるようにするという力を併せ持つことになった。

[[九つの指輪]]を与えられた[[人間]]は、指輪の力に助けられて強大な権勢を振るうにいたったが、いずれも最後にはサウロンに隷属する幽界の存在[[ナズグール]]と化した。
[[七つの指輪]]を与えられた[[ドワーフ]]は、頑強な性質のために完全にはサウロンの思い通りにならず、影の存在と化すことはなかった。だが富への欲望をかき立てられ、富を得る手段として指輪を使ったために、富による破滅を招いた。
[[三つの指輪]]は[[ケレブリンボール]]から賢者達([[三つの指輪の守護者]])に託された。彼らはサウロンの手に一つの指輪がある間は、決して公然と三つの指輪を使用しなかった。だがサウロンが一つの指輪を失っていた[[第三紀]]の間、これら三つの指輪は[[エルフ]]の拠点や[[自由の民]]を守護し存続させるために、密かに使用された。それゆえ、もし一つの指輪がサウロンの手に戻れば、三つの指輪の作用もまた露わとなってサウロンの支配に屈することになる。

力あるものが[[一つの指輪]]を使用すると、これら十九の指輪によって為された全てのことを把握し、かつ思いのままに捻じ曲げることができ、またその使用者の考えそのものをも読み取って支配することができた。

#include(Include/力の指輪,notitle)

** コメント [#Comment]

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