* 人間 [#fa4bb309]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Man, race of Man|
|~その他の呼び名|[[アタニ]]&br;イルーヴァタールの乙子(the Younger Children of Ilúvatar)&br;次に生まるる者(the Secondborn)&br;後に来る者(the Aftercomers)&br;後に続く者(the Followers)&br;死すべき定めの人の子(mortal man)&br;ヒルドール(Hildor)((「後に来たる者」の意))&br;アパノーナール(Apanónar)((「後に生まれたる者」の意))&br;エングワール(Engwar)((「病を持つ者」の意))&br;フィーリマール(Fírimar)((「有限の命の者」の意))&br;侵害者(the Usurpers)&br;よそ者(the Strangers)&br;不可解なる者(the Inscrutable)&br;自らを呪う者(the Self-cursed)&br;不器用なる者(the Heavy-handed)&br;夜を恐れる者(the Night-fearers)&br;太陽の子(the Children of the Sun)&br;大きな人(Big Man)(([[ホビット]]が自分達以外のより大きな人間を指して呼んだ語))|
|~その他の呼び名|[[アタニ]]&br;イルーヴァタールの乙子(the Younger Children of Ilúvatar)&br;次に生まるる者(the Secondborn)&br;後に来る者(the Aftercomers)&br;後に続く者(the Followers)&br;死すべき定めの人の子(mortal man)&br;ヒルドール(Hildor)((「後に来たる者」の意))&br;アパノーナール(Apanónar)((「後に生まれたる者」の意))&br;エングワール(Engwar)((「病を持つ者」の意))&br;フィーリマール(Fírimar)((「有限の命の者」の意))&br;侵害者(the Usurpers)&br;よそ者(the Strangers)&br;不可解なる者(the Inscrutable)&br;自らを呪う者(the Self-cursed)&br;不器用なる者(the Heavy-handed)&br;夜を恐れる者(the Night-fearers)&br;太陽の子(the Children of the Sun)&br;大きな人(the Big Folk、Big Man)(([[ホビット]]が自分達以外のより大きな人間を指して呼んだ語))|

** 解説 [#Explanation]

''[[イルーヴァタール]]の乙子''(第二子)。[[エルフ]]の次に世に送り出される事になった[[アルダ]]の住人(実際には[[ドワーフ]]の方が早かったが、イルーヴァタールの予定ではエルフの次となっていたため、イルーヴァタールの第二子と呼ばれる)。

[[エルフ]]が[[アルダ]]を美しく飾り整えることを運命づけられていたのに対し、人間は[[アイヌアの音楽>アイヌリンダレ]]を越えて世界と自らを作っていくことを運命づけられていた。そのための恩寵として、人間には世界の環に束縛されないという「''死すべき運命(mortality)''」が与えられていた。
だが[[冥王]][[モルゴス]]はその恩寵を自らの支配する暗闇と混同させることで汚し、人間が死を恐れるように仕向けた。また人間の自由な性質は、一方で自らが進むべき道に惑い、他の力や環境からの影響を受けやすく、外傷や病によって容易に命を落としてしまうことにもつながった。人間が弱く、堕落しやすいと言われるのはこのためである。

肉体を失った人間の魂が、最終的にどこへ向かうのかは[[ヴァラール]]にも[[エルフ]]にも知られていない。だが、[[世界が終わった>ダゴール・ダゴラス]]後に[[イルーヴァタール]]の眼前で奏でられるという「第二の音楽」には、人間も加わるであろうと言われている。

** 特徴 [#n14f8248]

:外見|~氏族により大きく異なる。身長も様々で、[[ドゥーネダイン]]が最も背が高かった。肌や髪の色も様々だが、[[中つ国]]北西部の人間は白っぽい肌をしており、髪の毛は金、茶など。[[東夷]]は浅黒い肌をしていて髪は黒かった。[[ドルーエダイン]]や[[ホビット]]のように、非常に特殊な外見を持ったものもいる。
:能力|~能力や寿命も各氏族により様々。[[第二紀]]のドゥーネダインは400歳くらいまでの寿命があったが、[[第三紀]]には120~150歳くらいにまで減じた。ドゥーネダインではない[[中つ国]]北西部の一般の人間は60~80歳くらいまでの寿命があった。
寿命は本来は人間の大いなる能力の帰結だったが、[[モルゴス]]が為した悪事のために、ほとんどの人間は死をひどく恐れるようになった。
環境や外傷、外圧に対する抵抗力は[[エルフ]]に大きく劣るが、これは柔軟さの裏返しでもあった。
:文明・文化|~[[エルフ]]から多くを学んだと言われている。目覚めたばかりの人間に最初の教師となったのは[[アヴァリ]]だった。
[[第一紀]]に[[ベレリアンド]]に入ってきた人間の一部は[[エルダール]]の王に仕え、エルダールの文化を取り入れた。第二紀の[[ヌーメノール]]の人間はその技術力において中つ国の人間を遙かに凌駕し、ヌーメノールが滅亡しても、そこから逃れた流謫の[[ドゥーネダイン]]が、優れた技術を中つ国にもたらした。第三紀以降は、人間は他の種族とはあまり関わらない、独自の生活と文化を築いていった。
モルゴスや[[サウロン]]より教えを受け、その影響下にあった民族もいる。
:住居|~氏族によって様々であるが、基本的に集団生活を行う。一部の民は、身を隠すために森林に住んだ。
:歴史|~[[第一紀]]、[[太陽]]が昇った後に中つ国東方の[[ヒルドーリエン]]の地で目覚めた。彼らを召し出す[[ヴァラール]]の使いは来ず、人間ももっぱらヴァラールを恐れていた。中つ国をさまよううちに、人間の一部は[[暗闇のエルフ]]やドワーフと交わった。また、目覚めたばかりの人間はモルゴスにいち早く目を付けられ、その暗闇の下に入ったと言われている。一方で、モルゴスから逃れようとして西方を目指す者達もおり、[[ベレリアンド]]に入った者達は[[エダイン]]と呼ばれた。
第一紀305年に[[エルダール]]の[[フィンロド]]とはじめて接触したエダインには、そのまま[[シンダール]]や[[ノルドール]]の王族に仕え、その教えを受ける者達もいた。かれらはエルダールとともにモルゴスを敵として戦った。だがエダインを除く東方の人間はモルゴス(後に[[サウロン]])の影響から逃げきれず、邪悪に染まることも多く、[[ニアナイス・アルノイディアド]]では[[東夷]]の[[ウルファング]]の息子たちがエルダールを裏切ってモルゴスを助けた。[[怒りの戦い]]においてはエダインのみがエルダール・[[ヴァラール]]の側に立って戦った。
[[第二紀]]に入ると、エダインには報償として[[ヌーメノール]]の島が与えられ、かれらは長寿と繁栄を謳歌し、その技術力は[[中つ国]]の人間達を遥かに凌駕するに至った。一方、中つ国ではモルゴスの後を継いだ[[サウロン]]が力を伸ばしており、多くの人間達はサウロンを神として崇めて再びその影の下に入った。当初、[[ヌーメノール人]]は中つ国の人間達の援助者であった。だが暗闇は[[大海]]を越えてかれらに追いつき、ヌーメノール人は次第に死すべき運命と[[ヴァラール]]に反抗するようになり、苛酷な支配者として中つ国の人間達の上に君臨するようになる。堕落と絶頂を極めたヌーメノールは、[[アル=ファラゾーン]]の時代にサウロンをも軍事的に屈服させたが、サウロンの姦計にはまり[[アマン]]へ侵攻して不死をもぎ取ろうと試み、[[ヌーメノールの滅亡>アカルラベース]]を招いた。
わずかに残っていた[[忠実なる者]]達である[[エレンディル]]ら[[ドゥーネダイン]]はヌーメノールの没落を逃れて中つ国に流れ着き、[[アルノール]]と[[ゴンドール]]を築いてサウロンと戦った。中つ国の人間の中には、ドゥネダインの同盟者となった者達もいたが、一方で依然としてサウロンの支配下にある者達もいた。第二紀末、ドゥーネダインとエルダールは[[最後の同盟]]を結び、サウロンとその軍勢を打ち破った。
[[第三紀]]の中つ国は、エルフの力が衰退し、次第に人間の世界へと移り変わっていく時代であった。だが、ドゥーネダインもまた、中つ国の人間達との混血が進むうちに、その能力を失って衰微していった。東方の[[東夷]]や南方の[[ハラドリム]]、[[黒きヌーメノール人]]など、いまだサウロンの影響下にある人間は多く、西方のドゥーネダインや同盟者の[[北国人]]らは常に劣勢であった。
第三紀は[[指輪戦争]]で終わり、[[第四紀]]が到来すると、[[エルフ]]や[[ドワーフ]]、[[オーク]]のような種族はますます衰退していく一方、人間が中つ国に占める位置はますます大きなものになっていった。
:氏族|~多くの氏族がある。第一紀、[[エルフの友]]たる三家([[ベオルの族]]、[[ハドルの族]]、[[ハレスの族]])は[[エダイン]]と呼ばれ、後の[[ヌーメノール人]]、そしてドゥーネダインの祖となった。他の中つ国の人間は、エダインと共通の祖先から分かれた[[北方の自由の民]]である[[ロヒアリム]]や[[ビヨルン一党>ビヨルン#ling]]、原始的ながら独自の文化を持つ[[ドルーエダイン]]や[[ロスソス]]、[[冥王]]の支配や影響を受けた[[黒きヌーメノール人]]、[[東夷]]、[[ハラドリム]]、[[褐色人]]、[[ヴァリアグ]]、[[山岳人]]などの名が出てくる。[[ホビット]]も人間の一種族であるという。
:言語|~人間が最初に話した言葉は、[[アヴァリ]]からの影響であるという。第一紀、エダインは[[シンダール語]]を学ぶことが多かったが固有の言語も保持しており、それが[[アドゥーナイク]]の元になった。ヌーメノールではアドゥーナイクの他に[[クウェンヤ]]が用いられた。中つ国北西部の人間は[[西方語]]を使ったが、ヌーメノールの亡命者の国(アルノールとゴンドール)ではシンダール語が使われることも多く、ゴンドールでは第三紀末になってもシンダール語の単語が数多く残っていた。[[ロヒアリム]]や[[野人]]など、独自の言語を持つ民族も多かった。
:偏見|~基本的に[[オーク]]を毛嫌いしているが、東夷などモルゴス、サウロン、[[サルマン]]の影響下にある人間はオークと共に行動することもあった(といっても決してオークを愛していたわけではない)。
エダインとドゥーネダイン以外の人間はエルフをよく知らず、彼らに対して恐れの感情を抱いていることが多かった。ほとんど接触を持ったことのない[[ヴァラール]]のことも恐れていることが多かった([[オロメ]]など、一部のヴァラは中つ国でも尊崇されることがあった)。

** コメント [#Comment]

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