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* &ruby(なな){七};つの&ruby(ゆびわ){指輪}; [#fe7ad47c]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|the Seven (Rings)|

** 解説 [#Explanation]

[[力の指輪]]のうち、[[ドワーフ]]に与えられた七つの金の指輪。[[エレギオン]]の[[エルフ]]の職人集団[[グワイス=イ=ミーアダイン]]によって作られたが、それに協力した[[サウロン]]の悪しき意図が吹き込まれていた。

元来は力の指輪に共通する効果として、持ち主の資質に応じてその能力を増大させ、また時による衰えを遅延させる力と、サウロンによって加えられた、「幽界」に身を置くことで姿を不可視にし、同時に本来見ることのできない領域の物事を目にできるようになる力が備わっていたと思われる。
だが[[ドワーフ]]は非常に頑強な種族で、外部からの影響をほとんど受け付けない性質を持っていたために、寿命が引き延ばされることも、サウロンの謀りを受けて影の存在である[[ナズグール]]に変えられてしまうこともなかった。ドワーフたちはただ富を得る手段としてのみ指輪を使い、これらの指輪を元にして七大財宝を築き上げたと言われている。だがいずれにせよそれはサウロンの悪意のこもった指輪であるために、ドワーフたちは飽くなき欲望に身を落としたり錯乱したりして、最後には富によって破滅することになった。

やがて七つの指輪はすべて[[サウロン]]に奪われるか、[[竜]]の炎で焼かれて消滅した。[[第三紀]]3017年頃に[[はなれ山]]の[[ダイン二世]]王のもとを訪れたサウロンの使いは、[[ホビット]]の[[指輪>一つの指輪]]を渡せば、'''昔ドワーフの諸侯のものであった三つの指輪'''をダイン達に返すと話した。この言葉や、[[ガンダルフ]]の発言((『[[シルマリルの物語]]』「力の指輪と第三紀のこと」より'''なぜとなれば、かの者は九つを支配し、七つのうち三つを取り戻しておるからじゃ。'''))から、サウロンが取り戻した現存する七つの指輪は、3個であるらしい。

*** ドゥリンの指輪 [#dace7f92]

>「これはそのうちいつか[[お前>スライン二世]]にとって、新しい運命の土台になるかもしれぬ。もっともそういうことはありそうには思えぬが。しかし金を生むには金が必要じゃからな。」((『[[指輪物語]] [[追補編]]』「III ドゥリンの一族」 [[スロール]]が[[スライン二世]]に指輪を譲った時の言葉))

七つの指輪のうち、最後の一つについてはその行方が分かっている。これは七つのうちでも最初に作られた指輪と言われ、[[ドゥリン三世]]が手にして以降[[ドゥリン]]の世継ぎに伝えられてきた指輪だった。[[ドゥリンの民>ドゥリンの一族]]は、この指輪は[[グワイス=イ=ミーアダイン]]から直接ドゥリン三世に贈られたものだと信じていた。

[[第三紀]]2770年、黄金竜[[スマウグ]]によって[[エレボール]]を逐われた[[スロール]]は、放浪の内に絶望し、この指輪を自分の息子の[[スライン二世]]に託したあと、自身は2790年に[[モリア]]に赴き[[オーク]]に殺されてしまう。彼はいくぶん正気を失っていたとされるが、これは放浪生活の辛さがたたったとも、指輪の悪影響によるとも言われている。
指輪を受け継いだスライン二世も次第に黄金への飢えに取り憑かれるようになる。そこでスライン二世は[[エレボール]]を目指して旅立ったがその途上、2845年に[[闇の森]]でサウロンに手先の追跡を受けて捕らえられる。そしてスライン二世は[[ドル・グルドゥア]]に連行されて[[サウロン]]に拷問され、指輪も取り上げられた。

** [[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#mab896e9]
** [[The Lord of the Rings RolePlaying Game]]による設定 [#mab896e9]

七つの指輪を受け取った王の名前が挙げられている。
ドゥリン家が受け継いだもの以外の指輪とその所有者について記述されている

-[[黒巻毛族]]:黄金の目のバルリ(Bhalli Goldeneye)
-[[長鬚族]]:[[ドゥリン三世]](Durin III)
-[[広腰族]]:ブルーニ(Brúni)
-[[石足族]]:マーリン四世(Malin IV)
-[[鉄拳族]]:ダルシャ(Darsha)
-[[堅鬚族]]:リームカシ(Riimukäsi)
-[[火の鬚族]]:ドワリ(Dwári)
-[[ウーリの一族(火の鬚族)>火の鬚族]]:ドワリ(Dwári),クーリ(Kuri)	
-[[リンナルの一族(広腰族)>広腰族]]:ブルーニ(Brúni),ボール(Bór)	
-[[シンドリの一族(鉄拳族)>鉄拳族]]:ダルシャ(Darsha),ブルディン(Buldin)	
-[[スーリンの一族(堅鬚族)>堅鬚族]]:リームカシ(Riimukäsi),ジャーシマ(Jaasima)	
-[[ヴァールの一族(黒巻毛族)>黒巻毛族]]:イーシン(Isin)

このうち、ダルシャとリームカシに関しては一族で最初に指輪を与えられた王とされている。うち、ダルシャは指輪の力を鉱物や金属を使った秘術の研究、開発に使い、シンドリ家の祈祷師Earth-Readersの祖となったとされる。その指輪は一族最後の王ブルディンが追放された時、一緒に持ち去られたとされるが、その後の行方は知られていない。
リームカシの指輪はスーリン家最後の王ジャーシマと共に龍に食べられたという。
残り四つの氏族は、最初の所有者については知られていない。リンナル家の王ブルーニは、指輪の魔力によって富を渇望するようになり、[[アングマール]]の谷に向かい、そこにバラズビザールという都市を築いた。その指輪は[[魔王]]によってバラズビザールが占領され、カルン・ドゥームに改名された時、最後の王ボールの手から奪われたとされる。
ウーリ家の王ドワリは[[第二紀]]の中頃にリンナル王家と争い、命を落としているが、この争いにも、双方に与えられた指輪に込められたサウロンの悪意が作用していたとされる。ドゥリン家に臣従した一族の長クーリは[[灰色山脈]]に龍が飛来した際、脱出する王家や民を守って討ち死にしており、ウーリ家の指輪もその時に失われたと思われる。
[[一つの指輪]]を失った[[サウロン]]がヴァールの一族の本拠地ナルグブラズを占拠した時、指輪を受け継いでいたヴァール家の王イーシンは、サウロンが既に回収していた別の指輪を介して支配下に置かれた。この指輪はリンナル一族の物とも行方知れずのシンドリ一族の物とも言われるが真実は定かではない。イーシンの指輪の行方も不明瞭だが、[[サルマン]]によってサウロンがナルグブラズから追い出された時、一緒に持ち去られた可能性がある。
[[ヴィグディスの一族(石足族)>石足族]]の指輪については所有者についても指輪の運命についても記述されていないが、ヴィグディス家とヴァール家は長年にわたって激しく対立しており、その元々の原因が何であったのかさえはっきりしないが、この争いにも、互いの憎しみを掻き立てるなど、指輪が影響していたらしい事が示唆されている。

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