#author("2018-12-02T05:41:36+09:00","","")
#author("2023-05-19T13:59:51+09:00;2021-10-31T11:54:27+09:00","","")
-この地名の由来となっているアマンのローリエン(Lórien)については、[[ローリエン]]を参照してください。
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* ロスローリエン [#h2310ac0]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Lothlórien|
|~異訳|ロスロリエン、ロスロリアン|
|~その他の呼び名|ローリエン(Lórien) &br;黄金の森(Golden Wood) &br; ラウレリンドレナン(Laurelindórenan) &br; ラウレナンデ(Laurenandë) &br; ローリナンド(Lórinand) &br; グロルナン(Glornan) &br; ナン・ラウア(Nan Laur) &br; リンドーリナンド(Lindórinand) &br;ドウィモルデネ((『[[指輪物語]]』での邦訳はドウィモルデーネ、またはドウィモルディネ))(Dwimordene)|
|~異訳|ロスロリエン、ロスローリエン|
|~その他の呼び名|ローリエン(Lórien)&br; 黄金の森(Golden Wood)&br; ラウレリンドーレナン((ラウレリンドレナンの訳もあり))(Laurelindórenan)&br; ラウレナンデ(Laurenandë)&br; ローリナンド(Lórinand)&br; グロルナン(Glornan)&br; ナン・ラウア(Nan Laur)&br; リンドーリナンド(Lindórinand)&br; ドウィモルデネ((『[[指輪物語]]』での邦訳はドウィモルデーネ、ドウィモルディネ、ドゥイモルディネ))(Dwimordene)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「花咲くローリエン(Lórien of the Blossom)」あるいは「夢の花(Dreamflower)」の意。[[霧ふり山脈]]の東、[[おぼろ谷]]を下ったところから、[[アンドゥイン(大河)>アンドゥイン]]の間にある森林で、[[エルフ]]の国。[[マルローン]]樹の生える森であったことから、「黄金の森」とも呼ばれた。
[[シンダリン]]で「花咲くローリエン(Lórien of the Blossom)」あるいは「夢の花(Dreamflower)」の意。[[霧ふり山脈]]の東、[[おぼろ谷]]を下ったところから、[[アンドゥイン(大河)>アンドゥイン]]の間にある森林で、[[エルフ]]の国。[[マッロルン]]樹の生える森であったことから、「黄金の森」とも呼ばれた。
首府は[[ケレボルン]]と[[ガラドリエル]]の住まいがある[[カラス・ガラゾン]]。他に[[ケリン・アムロス]]、[[エグラディル]]、[[ナイス]]などの地名が出ており、西の堺の近くには[[ニムロデルの川>ニムロデル(地名)]]、ロスローリエンの東西を横切るように[[ケレブラント(銀筋川)>銀筋川]]がある。

ロスローリエンのエルフは木の上に住むという特異な習慣があり、主に[[マルローン]]の木の上に[[フレト]]を作ってそこで過ごした。そのため彼らは[[ガラズリム]]と呼ばれた。
ロスローリエンのエルフは木の上に住むという特異な習慣があり、主に[[マッロルン]]の木の上に[[フレト]]を作ってそこで過ごした。そのため彼らは[[ガラズリム]]と呼ばれた。

[[第三紀]]末、ロスローリエンの噂を知る[[ロヒアリム]]や[[ゴンドール人]]には、生身の[[人間]]が一度入ったら二度と生きて戻れない、恐るべき森のようにイメージされていた。
[[第三紀]]末、ロスローリエンの噂を知る[[ロヒルリム]]や[[ゴンドール人]]には、生身の[[人間]]が一度入ったら二度と生きて戻れない、恐るべき森のようにイメージされていた。

>「ロスロリエン! とうとう黄金の森の軒先にまで来た。今が冬とは残念至極!」目の前には高い木々が夜空に亭々とそびえていました。さしのばされた大枝は道の上にアーチを作り、その下には思いがけず不意に姿を現した水の流れもありました。おぼろな月明かりで見ると木々の幹は灰色をしており、風に揺らぐ葉は朽葉色がかった金色を帯びていました。((『[[旅の仲間]]』「ロスロリエン」 [[レゴラス]]の言葉))
>「ロスローリエン! とうとう黄金の森の&ruby(のきさき){軒先};にまで来た。今が冬とは残念至極!」目の前には高い木々が夜空に&ruby(ていてい){亭々};とそびえていました。さしのばされた大枝は道の上にアーチを作り、その下には思いがけず不意に姿を現した水の流れもありました。おぼろな月明かりで見ると木々の幹は灰色をしており、風に揺らぐ葉は&ruby(くちばいろ){朽葉色};がかった金色を帯びていました。((『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「ロスローリエン」 [[レゴラス]]の言葉))

*** 歴史 [#gbd60a11]

国となる前から、ここには多くの[[ナンドール・エルフ>ナンドール]]([[シルヴァン]])が住み着いていた。
[[第二紀]]に彼らは[[シンダール]]の[[アムディーア]]によって、その後彼が[[最後の同盟]]の戦いで戦死すると、アムディーアの息子[[アムロス]]によって統治されていた。
国となる前から、ここには多くの[[ナンドール・エルフ>ナンドール]]([[シルヴァン・エルフ]])が住み着いていた。
[[第二紀]]に彼らは[[シンダール]]の[[アムディール]]によって、その後彼が[[最後の同盟]]の戦いで戦死すると、アムディールの息子[[アムロス]]によって統治されていた。

[[第三紀]]1980年、[[モリア]]の[[ドワーフ]]が[[バルログ]]を呼び起こす(そのためローリエンのエルフは、ドワーフが危機をもたらしたと考えるようになった)。1981年になってモリアのドワーフが四散すると、バルログや[[オーク]]といった脅威を恐れて、多数のロスローリエンのシルヴァン・エルフが南に逃れ、[[アムロス]]も[[エゼルロンド]]の港から[[アマン]]へ去ろうとする(その途中でアムロスは行方不明になる。詳細は[[アムロス]]の項目を参照)。
[[第三紀]]1980年、[[モリア]]の[[ドワーフ]]が[[バルログ]]を呼び起こす(そのためローリエンのエルフは、ドワーフが危機をもたらしたと考えるようになった)。1981年になってモリアのドワーフが四散すると、バルログや[[オーク]]といった脅威を恐れて、多数のロスローリエンのシルヴァン・エルフが南に逃れ、[[アムロス]]も[[エゼッロンド]]の港から[[アマン]]へ去ろうとする(その途中でアムロスは行方不明になる。詳細は[[アムロス]]の項目を参照)。
その後ロスローリエンのエルフは、[[ケレボルン]]と[[ガラドリエル]]に統治されるようになる。かれらと共にいくらかの[[ノルドール]]も加わり、領主二人の威光とノルドールの技のため、ローリエンのエルフの技術力は[[闇の森]]などと比較しても、非常に優れたものとなった。

ロスローリエンのエルフは元来[[森の王国]]の[[シルヴァン・エルフ]]と同類であったが、[[ドル・グルドゥア]]の脅威のため、第三紀末には連絡は途絶えていた。一方、[[裂け谷]]とは連絡を取り合っていた((それぞれの統治者[[ガラドリエル]]と[[エルロンド]]は共に[[三つの指輪の守護者]]であり、また[[ケレブリアン]]を通じて親族関係にあったためと思われる))。
ロスローリエンのエルフは元来[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]の[[シルヴァン・エルフ]]と同類であったが、[[ドル・グルドゥル]]の脅威のため、第三紀末には連絡は途絶えていた。一方、[[裂け谷]]とは連絡を取り合っていた((それぞれの統治者[[ガラドリエル]]と[[エルロンド]]は共に[[三つの指輪の守護者]]であり、また[[ケレブリーアン]]を通じて親族関係にあったためと思われる))。

[[指輪戦争]]時、ロスローリエンのエルフは[[指輪の仲間]]を一時匿い、別れに際しては旅に役立つ[[贈り物>ガラドリエルの贈り物]]を授けた。
また指輪の仲間が出発したあと、ロスローリエンは東の[[アンドゥイン]]を越えてきた[[ドル・グルドゥア]]の軍勢に三度攻撃され、外辺の森に痛ましい被害が出た。だが、ロスローリエンの地に残るエルフの力((ガラドリエルの持つ[[ネンヤ]]によるところも大きい。))が非常に強かったため、彼らはこれらの攻撃を凌ぎ切った。その後[[一つの指輪]]が破壊されると、ケレボルンに指揮されたロスローリエンの軍勢はアンドゥインを船で渡河してドル・グルドゥアを攻撃し、その力を打ち破った。指輪戦争後、ケレボルンは[[スランドゥイル]]と会見を持ち、[[闇の森]]の[[狭隘部>東入地]]より南を「東ローリエン(East Lórien)」と名付け、自らの領土とした。
また指輪の仲間が出発したあと、ロスローリエンは東の[[アンドゥイン]]を越えてきた[[ドル・グルドゥル]]の軍勢に三度攻撃され、外辺の森に痛ましい被害が出た。だが、ロスローリエンの地に残るエルフの力((ガラドリエルの持つ[[ネンヤ]]によるところも大きい。))が非常に強かったため、彼らはこれらの攻撃を凌ぎ切った。その後[[一つの指輪]]が破壊されると、ケレボルンに指揮されたロスローリエンの軍勢はアンドゥインを船で渡河してドル・グルドゥルを攻撃し、その力を打ち破った。指輪戦争後、ケレボルンは[[スランドゥイル]]と会見を持ち、[[闇の森]]の[[狭隘部>東入地]]より南を「東ローリエン(East Lórien)」と名付け、自らの領土とした。

だが[[第四紀]]に入り、ガラドリエルが[[アマン]]へと去ると、その数年後には[[ケレボルン]]も己が領土に倦んで[[裂け谷]]へ移り住み、ロスローリエンには僅かなエルフしか残らなかったようである。

*** 守られた地 [#ya64e6dd]

>[[銀筋川]]の向こう側の堤を踏んだ時から、[[かれ>フロド・バギンズ]]はふしぎな感じに襲われていました。そしてその感じは[[ナイス]]の中へ歩いて行くにつれて、いよいよ深まって行きました。すなわちそれは、時間という橋を渡り、上古の世の一隅に足を踏み入れて、もはやすでに存在しない世界を今歩いているような気持ちなのでした。[[裂け谷]]にも古い時代の記憶が残っています。しかしロリエンでは古きものが現の世界に今なお生き続けているのです。((『旅の仲間』「ロスロリエン」))
>[[銀筋川]]の向こう側の堤を踏んだ時から、[[かれ>フロド・バギンズ]]はふしぎな感じに襲われていました。そしてその感じは[[ナイス]]の中へ歩いて行くにつれて、いよいよ深まって行きました。すなわちそれは、時間という橋を渡り、[[上古]]の世の一隅に足を踏み入れて、もはやすでに存在しない世界を今歩いているような気持ちなのでした。[[&ruby(さ){裂};け&ruby(だに){谷};>裂け谷]]にも古い時代の記憶が残っています。しかしローリエンでは古きものが&ruby(うつつ){現};の世界に今なお生き続けているのです。((『旅の仲間』「ロスローリエン」))

ロスローリエンは、[[ガラドリエル]]が持つ[[三つの指輪]]の一つ[[ネンヤ]]の力によって守られており、悪による汚れや時による衰えの影響を免れた特別な土地となっていた。[[第三紀]]、[[アンドゥイン]]を挟んで対岸にある[[ドル・グルドゥア]]の勢力が増しても、ロスローリエンのエルフ達はその力に抵抗していた。
ロスローリエンは、[[ガラドリエル]]が持つ[[三つの指輪]]の一つ[[ネンヤ]]の力によって守られており、悪による汚れや時による衰えの影響を免れた特別な土地となっていた。[[第三紀]]、[[アンドゥイン]]を挟んで対岸にある[[ドル・グルドゥル]]の勢力が増しても、ロスローリエンのエルフ達はその力に抵抗していた。

この地に足を踏み入れることは定命の者([[人間]]や[[ホビット]]、[[ドワーフ]])にとっては[[エルフ]]の生きる時間の中に入るようなことであるため、外界における普通の感覚では時が数えられなくなる。そればかりでなく、エルフの世界に定命の者が触れるのはしばしば危険なことであった。[[ファラミア]]は'''限りある命の人間にとって、この太陽の照らす世界の外に歩み出ることはいたく危険なことだからだ。古の代でもそこから変わらぬまま出てきた者はほとんどおらぬ、といわれている'''と推察している((『[[二つの塔]]』「西に開く窓」))。
この地に足を踏み入れることは定命の者([[人間]]や[[ホビット]]、[[ドワーフ]])にとっては[[エルフ]]の生きる時間の中に入るようなことであるため、外界における普通の感覚では時が数えられなくなる。そればかりでなく、エルフの世界に定命の者が触れるのはしばしば危険なことであった。[[ファラミル]]は'''限りある命の人間にとって、この太陽の照らす世界の外に歩み出ることはいたく危険なことだからだ。古の代でもそこから変わらぬまま出てきた者はほとんどおらぬ、といわれている'''と推察している((『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』「西に開く窓」))。

しかし[[一つの指輪]]が破壊されるとネンヤの力も次第に消失していき、この地に保たれていたエルフの記憶も色褪せていくことになった。

*** 地名について [#de87b388]

''ロスローリエン''は[[アマン]]の[[ローリエン]]に由来する名だが、([[中つ国]]では)単にそのままローリエンといっても、ロスローリエンのことを指す。

([[木の鬚]]によると)かつてはロスローリエンは「歌う黄金の谷間」を意味する''ラウレリンドレナン''と呼ばれていたが、それが短縮されロスローリエンと呼ばれるようになったという。[[クウェンヤ]]では''ラウレナンデ''、[[ナンドール]]には''ローリナンド''と呼ばれ、[[シンダール語]]では''グロルナン''あるいは''ナン・ラウア''と呼ばれることもあった。これらはいずれも[[ガラドリエル]]自身と、彼女がもたらした[[マルローン樹>マルローン]]をはじめとする森の変化に因むものである。
([[木の鬚]]によると)かつてはロスローリエンは「歌う黄金の谷間」を意味する''ラウレリンドーレナン''と呼ばれていたが、それが短縮されロスローリエンと呼ばれるようになったという。[[クウェンヤ]]では''ラウレナンデ''、[[ナンドール]]には''ローリナンド''と呼ばれ、[[シンダリン]]では''グロルナン''あるいは''ナン・ラウア''と呼ばれることもあった。これらはいずれも[[ガラドリエル]]自身と、彼女がもたらした[[マッロルン樹>マッロルン]]をはじめとする森の変化に因むものである。

ガラドリエルがこの地に来る以前は、「[[歌い手達>テレリ]]の国」の意である''リンドーリナンド''と呼ばれていたらしい。

[[エオセオド]]及び[[ロヒアリム]]には、「まぼろしの谷(Phantom-vale)」の意である''ドウィモルデネ''と呼ばれていた。
[[エーオセーオド]]及び[[ロヒルリム]]には、「まぼろしの谷(Phantom-vale)」の意である''ドウィモルデネ''と呼ばれていた。

*** 画像 [#s09de7ab]

&ref(forestoflothlorien_bytolkien.jpg,,10%,トールキン作画「春のロスロリエンの森」);

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

&ref(カラス・ガラゾン/vlcsnap-2019-07-29-11h16m33s001.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるカラス・ガラゾン外観); &ref(カラス・ガラゾン/vlcsnap-2019-07-29-11h16m59s524.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるカラス・ガラゾン); &ref(カラス・ガラゾン/vlcsnap-2019-07-29-11h17m19s717.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるカラス・ガラゾン); &ref(カラス・ガラゾン/vlcsnap-2019-07-29-11h17m34s771.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるカラス・ガラゾンの、ケレボルンとガラドリエルの館);

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ニムロデル(地名)/ScreenShot00655.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるニムロデルと、壊れた橋); &ref(カラス・ガラゾン/ScreenShot00052.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるカラス・ガラゾン); &ref(ケリン・アムロス/ScreenShot00049.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるケリン・アムロス);
&ref(ニムロデル(地名)/ScreenShot_2019-07-19_210316_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるニムロデルと、壊れた橋); &ref(カラス・ガラゾン/ScreenShot_2019-07-29_095325_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるカラス・ガラゾン); &ref(カラス・ガラゾン/ScreenShot_2019-07-29_095946_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるカラス・ガラゾン);  &ref(ケリン・アムロス/ScreenShot_2019-07-28_194904_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるケリン・アムロス);


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