#author("2016-08-26T14:52:23+09:00","","")
* モルドール [#lb72d27b]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Mordor|
|~その他の呼び名|黒の国(Black Land) &br; 影の国(Land of Shadow) &br; 暗黒の国、暗黒の地(Dark Land)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「黒の国」の意。[[冥王]][[サウロン]]の王国。この王国の心臓部である[[滅びの山]]の火を用いて[[一つの指輪]]は作られた。
サウロンはこの地の大城砦[[バラド=ドゥーア]]を本拠とし、国土と軍勢はサウロンの意志によって支配されている。

*** 地理 [#wa87e01a]

[[エレド・リスイ]]山脈の南、[[エフェル・ドゥーアス]]山脈の東にある、ふたつの山脈に囲まれた難攻の地。北の入り口である[[キリス・ゴルゴル(幽霊峠)>キリス・ゴルゴル]]には[[黒門]]と[[歯の塔]]が、西の入り口にあたる[[モルグル谷]]には[[ミナス・モルグル]]が、そこから分かれた[[キリス・ウンゴル]]には[[シェロブの洞窟>トレヒ・ウンゴル]]に加えて[[キリス・ウンゴルの塔]]があるなど、すべての道は徹底して監視され防衛されており、忍び込むのも抜け出るのも容易ではない。
北部の大部分は[[ゴルゴロス高原>ゴルゴロス]]と[[リスラド平原>リスラド]]からなる火山灰に覆われた不毛の地であり、その中央部に[[滅びの山]]が聳えている。滅びの山の約20マイル真東には[[サウロン]]の城砦[[バラド=ドゥーア]]がエレド・リスイの支脈の先端に建っている。バラド=ドゥーアの西門から滅びの山の[[サンマス・ナウア]]まではサウロンのための道が舗装されている。
滅びの山の活動時、国土は絶えずその噴煙に覆われるため昼でも薄暗い。

平野部には鉱山や鍛冶場、軍勢の野営地が一面に広がっている。軍勢が移動するための道路網も整備されており、道路沿いには中継や駐屯のための砦が無数に設置されている。[[エフェル・ドゥーアス]]の内側の[[モルガイ]]もそうした道路の一つであり、その北端には[[ドゥアサング]]の砦がある。エフェル・ドゥーアスと[[エレド・リスイ]]が北で合流するところに[[ウドゥン]]の盆地があり、その南側の出口は[[アイゼン口]]となっている(北側の出口が[[黒門]]である)。
一方で南部の[[ヌアン]]にある[[ヌアネン湖>ヌアネン]]付近には大規模な奴隷農場があり、そこで生産される食料で軍隊を養っている。東の[[リューン]]や南の[[ハンド]]および[[ハラド]]にある隷属国とは大街道によって繋がっており、それらの国々からもたらされる多量の貢物によっても国力が維持されている。

*** 歴史 [#y1720921]

[[第二紀]]1000年頃、[[サウロン]]は[[中つ国]]の拠点とするべき地として[[オロドルイン>滅びの山]]があるモルドールを選び、その火を妖術や鍛造に利用すると共に[[バラド=ドゥーア]]の築城を始める。1600年頃にサウロンはオロドルインの火で[[一つの指輪]]を鍛え上げ、バラド=ドゥーアを完成させた。

その後の[[力の指輪]]を巡る戦いで、1695年にサウロンの軍勢は[[エリアドール]]へ侵攻、1699年には同地を席巻するが、[[ギル=ガラド]]と[[ヌーメノール]]の軍事力によって1701年に駆逐される。するとサウロンはモルドールに戻り、[[中つ国]]の[[東方>リューン]]と[[南方>ハラド]]に勢力を伸ばして[[暗黒時代]]をもたらした。
だが、3261年に[[アル=ファラゾーン]]が[[ウンバール]]に上陸すると、3262年にサウロンは降伏してヌーメノールへと連れ去られる。3319年ヌーメノールが海底に没するとサウロンもモルドールへと帰還し、戦力を再建して3429年に[[ゴンドール]]に戦いを仕掛けた。翌年締結された[[最後の同盟]]によって、モルドールは3434年から攻撃を受け、[[ダゴルラド]]の戦いでサウロンの軍勢は敗北、[[バラド=ドゥーア]]は3441年まで包囲されて陥落し、サウロンは敗れた。
しかし[[一つの指輪]]が破壊されずサウロンの力は完全には消滅しなかったため、バラド=ドゥーアは破壊できず廃墟として残された。

以後[[第三紀]]になると、[[ゴンドール]]によってモルドールの地は監視下に置かれ、[[歯の塔]]、[[キリス・ウンゴルの塔]]、[[ドゥアサング]]といった砦が築かれる。だが[[悪疫]]や戦乱によるゴンドールの国力の衰退と共に、[[第三紀]]1640年頃より監視はおろそかになり、やがて[[ナズグール]]の帰還を許すことになった。
1980年、モルドールに戻った[[魔王]]によって[[ナズグール]]が召集される。ナズグールは2002年に[[ミナス・イシル>ミナス・モルグル]]を陥落させ、ミナス・モルグルに作り替えて[[大河>アンドゥイン]]の東岸をほぼ手中に収める。上述の国境にあった砦もすべてモルドールに奪われ、モルドールを防衛するために、あるいは国内の奴隷が逃亡するのを防ぐために用いられるようになった。
そして2942年、かねてから手筈を整えていた[[サウロン]]が[[ドル・グルドゥア]]から撤退し、密かにモルドールに帰還する。2951年に公然と名乗りを上げたサウロンは、再びモルドールを拠点として軍勢の召集と[[バラド=ドゥーア]]の再建を開始した。以後、モルドールは[[大河アンドゥイン>アンドゥイン]]の通行権を巡ってゴンドールと小競り合いを繰り広げたが、ゴンドールの働きによってその力が公然と大河の西側に及ぶことは阻まれた。

しかし[[指輪戦争]]において、[[サウロン]]はモルドールおよびそれに隷属する[[東方>リューン]]や[[南方>ハラド]]の軍勢を動員して、西方諸国へ一斉攻撃を仕掛けた。だが[[一つの指輪]]が破壊されたことによってサウロンの力は滅び、モルドールの軍勢と[[バラド=ドゥーア]]などのサウロンの砦はすべて崩壊すると、[[ゴンドール]]の[[エレスサール王>アラゴルン二世]]によって[[ヌアネン]]湖沿岸は解放されたサウロンの元奴隷たちに与えられた。

** 備考 [#k37e0cdd]

冥王星の衛星カロンに、原因不明の黒い領域が発見されており、研究者は非公式にモルドールと呼んでいるという(([[冥王星の衛星「カロン」は、若く変化に富んだ地形を持つ=ニュー・ホライズンズが観測 | 科学衛星 | sorae.jp:http://www.sorae.jp/030905/5603.html]]))(([[冥王星の衛星カロンに謎の黒い領域 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト:http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/071600188/]]))。
冥王星(Pluto)はローマ神話の神の名に由来するプルートー(ギリシャ神話におけるハデス)を翻訳したものであり、中つ国における[[冥王(Dark lord)>冥王]]と関係はないため、日本語での偶然の一致となった((カロンは、ローマ神話における冥府の川の、渡し守の名に由来する。))。

** コメント [#Comment]

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