* モルゴス [#t18214f9]
** 概要 [#c2890f4e]

|~カテゴリー|人名|
|~スペル|Morgoth|
|~その他の呼び名|メルコール(Melkor)、[[冥王]]、バウグリア(Bauglir)|
|~種族|[[ヴァラール]]|
|~性別|男|
|~生没年|不明~|
|~親|[[イルーヴァタール]]|
|~兄弟|[[マンウェ]]|
|~配偶者|なし|
|~子|なし|

** 解説 [#kaeb697c]

名は「黒き敵」の意。元来この人物は、メルコール(力にて立つ者の意)の名で呼ばれていた。だが[[フェアノール]]は、父親の[[フィンウェ]]がメルコールによって殺されたことを知ると、メルコールをモルゴスと呼んだ。メルコールの名は剥奪されたため、その後はモルゴスとして知られる。圧制者の意であるバウグリアとも呼ばれる。

*** メルコールの名で知られた時代 [#r51e0385]

元は[[マンウェ]]の兄弟で、[[ヴァラール]]の中で最も力ある者だった。だが、ヴァラールによる[[アルダ]]形成時に反乱を起こし、アルダを我が物としようとして他のヴァラールと戦う。ところが[[トゥルカス]]に追われ、一時アルダから逃走した。
その後密かにアルダの[[中つ国]]に戻り、[[ウトゥムノ]]の要塞を築いて、アルダの春を汚染する。更に[[イルルイン]]と[[オルマル]]を破壊してから逃走、[[ウトゥムノ]]に閉じこもった。
そのためヴァラールが[[アマン]]に撤退すると、メルコールは[[アマン]]からの攻撃に備えて防備を整え、[[アングバンド]]の要塞を築いて[[サウロン]]や[[バルログ]]といった配下を集めた。メルコールは[[中つ国]]を毒し汚染しながら浸食していく。その後中つ国に[[エルフ]]が誕生すると、その一部を捕らえて[[オーク]]へと堕落させ、奴隷にしたと言われる。
やがて、ヴァラールが中つ国に進軍してくると、メルコールはこれを迎え撃つが敗退。彼はウトゥムノに籠城するも突破され、[[トゥルカス]]に捕らえられる。メルコールは[[アンガイノール]]の鎖で縛り上げられ、[[ヴァリノール]]に連れて行かれる。そして[[マンドス]]の砦に投獄され、三紀の間そこに留まった。
その期限が過ぎた後、許しを請うてアルダの傷を癒すことを誓う。これで一見メルコールの悪は矯正されたように見えたが、彼は内心は妬みと憎しみをつのらせていた。そこで釈放されたメルコールは、[[エルダール]]の間に甘言と虚言を混ぜて不和の種を蒔く。このことが発覚すると、メルコールは姿を隠した。
やがてメルコールは[[ウンゴリアント]]の助力を得て[[テルペリオン]]と[[ラウレリン]]の[[二本の木]]を枯らし、[[フォルメノス]]を襲撃して[[フィンウェ]]を殺害。[[シルマリル]]を奪って、中つ国の[[アングバンド]]に逃走する。その時、メルコールは[[フェアノール]]に[[モルゴス]]の名で呼ばれ、それ以後はその名で知られる。

*** モルゴスの名で知られた時代([[第一紀]]) [#y7938652]

[[フィンウェ]]を殺して[[シルマリル]]を奪ったモルゴスは、アングバンドに立て籠もり、中つ国を支配しようとした。彼は、3つのシルマリルを鉄の王冠にはめ、身につけたという。[[サウロン]]、[[バルログ]]、[[オーク]]などを配下とするモルゴスの軍は、幾度となく中つ国の[[エルフ]]達を攻撃する。この頃のモルゴスは、自分自身の力を多数の邪悪な者たちを生み出すことに使ったため、ヴァラールとしての力はほぼ失っていた。だがそれでもモルゴスの軍勢の力は強大だった。彼は[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]によってシルマリルの一つを奪われるものの、やがてモルゴスの軍勢は中つ国をほぼ完全に支配下に収めることになる。
だが最後は[[エアレンディル>エアレンディル(トゥオルの息子)]]の嘆願を聞き入れたヴァラールが、モルゴス打倒の軍勢を率いて攻撃してきた([[怒りの戦い]])。その結果モルゴスはヴァラールに捕らえられ、両足を切断され、再び[[アンガイノール]]の鎖で括られ、この世の外の虚空に投げ出された。
しかし彼は、[[ダゴール・ダゴラス]]のときに[[アルダ]]に帰還すると言われている。

** コメント [#c651b3b5]

- これはメルコールに限ったことではなく、他のヴァラやエルダールもそうだが、当初持っていた力を徐々に失っていく様は、熱力学第二法則(エントロピー増大)を見ているようだ。ヌーメノールの没落の力(に要するエネルギー)は膨大だけど、あれはイルーヴァタールによる「閉じた系(エア)の外側」からの力だから、第二法則に矛盾しないですし。 -- A3
- 概ね、ルシフェル。 -- NTJ会長
- ↑ということはサタンに似ていますね…イルーヴァタールの不興を買ったんだし。 -- かごめ
- 自分的にはカインとアベルのカインみたいな存在として読んでいた -- PINPIN
- ヴァラールの中で最も「力ある」存在なのに逃げたり不意打ちをかけたりあんまり強そうに感じないなあ・・・
- 世界の最初の成り立ちのとき、他のヴァラたちと一緒に歌ってますね。歌に自分のテーマを入れ、アレンジして歌い始めたのが堕落の始まりみたいなようですが、ただの音痴なだけだったりして??? -- ボリーの用心棒
- ヴァラールは精霊だから、よく使われる太古の悪神という訳は厳密にはマチガイ。
- ヴァルダに振られたり、宝玉で手を焼かれたり、足を剣で貫かれたり、顔を鷲の爪でかきむしられたり・・・。
悲惨な悪役。
- 宗教でよく言われる指摘で、神が全能なら、何故に神の意思に反する存在が生まれるのか、という問いのトールキン教授の答え。
モルゴスの行いも神の意思の一つであり、世界を攪拌するための存在である。
これはサウロンにも言えたことで、指輪はエルフから人間の世に移行するためのキーであり、指輪の消滅と供にエルフと魔法の力が中つ国から去る運命を神が定められた訳である。
- エルは予定図を示し、メルコールに×出ししたわけだから、「モルゴスの行いも神の意思の一つ」というのはどうかと。エルに世界を管理しようという意思がないだけでは。
- かなり色々作っている。オークやらトロルやら・・・他には?・・・ -- 土蜘蛛
- 『汝メルコールよ、いかなる主題であれ、淵源は悉く我がうちにあり。何人もイルーヴァタールに挑戦して、その音楽を変え得ざる事を知るべし。かかる試みをなす者は、彼自身想像だに及ばぬ、更に驚嘆すべき事を作り出すわが道具に過ぎざるべし』
- オーク、トロル、巨狼、吸血蝙蝠、バルログ、龍その他毒のある生物や様々な怪物(水中の監視者も?)や悪霊を作り出してます。
- トールキンの登場人物のうちで一番矛盾ある存在。ヴァラールとして最強でありながら、世界の運命を左右できず、フィンゴルフィンのような一介のエルフやベレンのような人間にさえ挑戦を受ける。神あるいは精霊でありながら無限の力を持つ存在ではない形で描かれる。しかし彼がいなかったら中つ国の長い歴史も語るべき価値のあるものとなったかどうかは疑問である。故に、トールキンの登場人物の中で最も物語の根幹を成す重要な存在であるとも言える。 -- エル &new{2008-04-22 (火) 00:11:55};
- 続編に登場する、シャーマンチームの裏切り者が、彼を持霊にするのかな? -- かごめ &new{2008-08-03 (日) 21:39:57};
- 6つ上の方へ。アホか、お前はっ!!! -- ホビット &new{2008-08-15 (金) 16:25:57};
- ↑×13 ということはマンウェは大天使ミカエル、ウルモは大天使ガブリエル、イルヴァタールはヤハウェということに!? -- ホビット &new{2008-10-26 (日) 14:23:25};

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