#author("2019-01-18T23:19:54+09:00","","")
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-ベレリアンドのトル・シリオンにあったミナス・ティリス(Minas Tirith)については、[[ミナス・ティリス(トル・シリオン)]]を参照してください。
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* ミナス・ティリス [#z06284da]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Minas Tirith|
|~その他の呼び名|守護の塔(Tower of Guard) &br; 見張りの塔(Tower of Watch) &br; ミナス・アノール(Minas Anor) &br; 太陽の塔(Tower of the Sun) &br; 日の没りの塔(Tower of the Setting Sun) &br;ムンドブルグ(Mundburg)(([[ローハン語]]での呼び名))&br;防備堅固な城市(Guarded City)&br;石の家(Stone-houses)、石の都(Stone-city)((ともに[[ガン=ブリ=ガン]]が用いた表現))|
|~その他の呼び名|守護の塔(Tower of Guard) &br; ミナス・アノール(Minas Anor) &br; 太陽の塔(Tower of the Sun) &br; 日の&ruby(い){没};りの塔(Tower of the Setting Sun) &br; ムンドブルグ(Mundburg) &br; 石の都(Stone-city)(([[ガーン=ブリ=ガーン]]が用いた呼称))|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「守護の塔」の意。[[ゴンドール]]の首都であり、[[アノリアン]]の主府でもある。[[ローハン語]]では''ムンドブルグ''と呼ばれる。
[[白の山脈>エレド・ニムライス]]の東端、[[ミンドルルイン]]山から突き出た丘の上に建造されている。周囲には[[ペレンノール野>ペレンノール]]が広がり、防壁である[[ランマス・エホール]]に囲まれている。
[[シンダリン]]で「守護の塔」の意。[[ゴンドール]]の首都であり、[[アノーリエン]]の主府でもある。[[ローハン語]]ではムンドブルグと呼ばれる。
[[白の山脈>エレド・ニムライス]]の東端、[[ミンドルルイン]]山から突き出た丘の上に建造されている。周囲には[[ペレンノール野>ペレンノール]]が広がっている。

かつてこの都は「太陽の塔」の意である''ミナス・アノール''と呼ばれており、ゴンドール元来の首都[[オスギリアス]]を防衛するための[[大河]]西岸の砦であった。これに対して大河東岸にあった砦が「月の塔」の意である[[ミナス・イシル]]である。
かつてこの都は「太陽の塔」の意である''ミナス・アノール''と呼ばれており、ゴンドール元来の首都[[オスギリアス]]を防衛するための[[アンドゥイン]]西岸の砦であった。これに対してアンドゥイン東岸にあった砦が「月の塔」の意である[[ミナス・イシル]]である。
しかし[[第三紀]]2002年にミナス・イシルが[[ナズグール]]に奪い取られて[[ミナス・モルグル]]に変貌すると、ミナス・アノールは名をミナス・ティリスに改められた。

>しかし、ミナス・アノールは持ちこたえ、新たにミナス・ティリス、即ち〈守護の塔〉と命名された。なぜなら、王たちによりこの城砦に[[白い塔>白の塔]]が建てられ、その高い美しい塔は、多くの土地を見張っていたからである。この都は依然として誇り高く堅固であり、王宮の前には、[[白の木]]がなおしばらく咲き続け、[[ヌーメノール人]]の残存者たちが今なお[[大河>アンドゥイン]]の水路を守り、[[ミナス・モルグル]]の戦慄すべき恐怖の者たちに、そして西方世界のすべての敵、即ち[[オーク]]や怪物や悪しき人間たちに対していた。かくて、アンドゥイン以西の後方の地は、戦禍と破壊から守られたのである。((『[[シルマリルの物語]]』「力の指輪と第三紀のこと」))
>しかし、ミナス・アノールは持ちこたえ、新たにミナス・ティリス、即ち〈守護の塔〉と命名された。なぜなら、王たちによりこの城砦に[[白い塔>白の塔]]が建てられ、その高い美しい塔は、多くの土地を見張っていたからである。この都は依然として誇り高く堅固であり、王宮の前には、[[白の木]]がなおしばらく咲き続け、[[ヌーメノール人]]の残存者たちが今なお[[大河]]の水路を守り、[[ミナス・モルグル]]の戦慄すべき恐怖の者たちに、そして西方世界のすべての敵、即ち[[オーク]]や怪物や悪しき人間たちに対していた。かくて、[[アンドゥイン]]以西の後方の地は、戦禍と破壊から守られたのである。((『[[シルマリルの物語]]』「力の指輪と第三紀のこと」))

七層の城壁に囲まれた難攻不落の城塞都市であり、'''中に武器を取ることのできる者がいる限り、敵の大軍もこれを落とすことはでき'''ないと言われる。しかし[[第三紀]]末には[[ゴンドール]]の国力の衰退とともにこの都も衰微し、いくつもの彫刻や古の貴人の名が刻まれた石の通りにある邸宅は住む者も少なく静まり返っていた。

ミナス・ティリスの[[白の塔]]には[[パランティーア]]の一つが保管されていたが、これは都を守る[[執政]]のみが知る秘密となっていた。
ミナス・ティリスの[[白の塔]]には[[パランティール]]の一つが保管されていたが、これは都を守る[[執政]]のみが知る秘密となっていた。

*** 構造 [#paf00286]

>そして[[この山>ミンドルルイン]]の膝のように外に突き出たところに防備堅固な城市が、七重の城壁にとり巻かれていて、城壁は人力の建造したものとは見えず、巨人たちが大地の骨なる岩塊を刻んで作ったと思われるほどの堅固で年ふりた石で作られていました。 &br; [[ピピン>ペレグリン・トゥック]]が驚嘆の眼を瞠っている間にも、おぼろに灰色に浮かび上がって見えた城壁が暁の光にかすかに赤く染まりながら、白く変わっていくうちに、突然東の暗い影の上に朝日が上り、さっと光の箭を放って城市の面を照らしました。その時ピピンは思わず声をあげました。一番高い城壁の内側に高く聳え立つ[[エクセリオンの塔]]が大空にくっきりと輝き、高く見事に形よくまるで真珠と銀の大釘のようにきらめきわたって、その頂の尖塔が水晶で作られたように光ったからでした。また胸壁からは白い旗が朝の微風にはためき、ずっと向こうの高いところから、銀の喇叭のような澄んだ響きが聞こえてきました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「ミナス・ティリス」))
>そして[[この山>ミンドルルイン]]の膝のように外に突き出たところに防備堅固な城市が、七重の城壁にとり巻かれていて、城壁は人力の建造したものとは見えず、巨人たちが大地の骨なる岩塊を刻んで作ったと思われるほどの堅固で年ふりた石で作られていました。
[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]が驚嘆の眼を瞠っている間にも、おぼろに灰色に浮かび上がって見えた城壁が暁の光にかすかに赤く染まりながら、白く変わっていくうちに、突然東の暗い影の上に朝日が上り、さっと光の箭を放って城市の面を照らしました。その時ピピンは思わず声をあげました。一番高い城壁の内側に高く聳え立つ[[エクセリオンの塔]]が大空にくっきりと輝き、高く見事に形よくまるで真珠と銀の大釘のようにきらめきわたって、その頂の尖塔が水晶で作られたように光ったからでした。また胸壁からは白い旗が朝の微風にはためき、ずっと向こうの高いところから、銀の喇叭のような澄んだ響きが聞こえてきました。((『[[指輪物語]] [[王の帰還]]』「ミナス・ティリス」))

ミナス・ティリスは[[ミンドルルイン]]山から突き出た''守りの丘''(Hill of Guard)の上に建てられた。丘をえぐって作られた円周状の層が第1層から第7層まで存在し、それぞれが白い城壁で隔てられ、''環状区''(circle)を形成している。
第1層と第2層を結ぶ門は南東、第2層と第3層を結ぶ門は北東、第3層と第4層を結ぶ門は南東というように、各層を結ぶ門は北東と南東に交互に配置されている。ただし第7層(城塞)の入り口は大門と同じく東を向いていた。さらにこれら''七つの門''(Seven Gates)を通り抜けるには合言葉が必要であった。
大門の背後には、船首の竜骨のように鋭く切り立った''大岩''(rock)がそそり立っており、その高さは第7層にまで達している。大岩(及び第7層)の高さは700フィート(約213m)あり、その頂は胸壁で囲まれ、胸壁の東の突端には狭間が一つ空いている。この大岩によって第2層~第6層は二分されており、交互にうねる道は大岩に穿たれたアーチ型のトンネルを通るようになっていた。
第1層と第2層を結ぶ門は南東、第2層と第3層を結ぶ門は北東、第3層と第4層を結ぶ門は南東というように、各層を結ぶ門は北東と南東に交互に配置されている。ただし都の入り口である第1層の城壁の大門と、最上層の第7層(城塞)の門は東を向いていた。さらにこれら''七つの門''(Seven Gates)を通り抜けるには合言葉が必要であった。
大門の背後には、船首の竜骨のように鋭く切り立った''大岩''(rock)がそそり立っており、その高さは第7層にまで達している。大岩の高さは700フィート(約213m)あり、その頂は胸壁で囲まれ、胸壁の東の突端には狭間が一つ空いている。この大岩によって第2層~第6層は二分されており、交互にうねる道は大岩に穿たれたアーチ型のトンネルを通るようになっていた。

:第1層|第一環状区は最も幅が広い環状区であり、''[[古旅籠]]''がある''[[&ruby(しょっこう){燭工};通り>燭工通り]]''が存在する。
:第1層|第一環状区は最も幅が広い環状区であり、''[[古旅籠]]''がある''[[燭工通り]]''が存在する。
::城壁|都の最も外壁にあたる第1層を囲む城壁は特に巨大で、外側の壁面が[[オルサンク]]を形作っているものと同じ黒く滑らかな物質でできており、いかなる攻撃も寄せ付けない。
::大門(Great Gate)|第1層の城壁にある都の大門は東に面し、鉄の扉と鋼の柱でできており、石の塔と稜堡で守られている。とはいえ破壊不能の城壁にあっては大門が唯一の弱点であった。大門の背後には広大な中庭があり、そこから都の大岩が第7層までそそり立っている。
:第2層|
:第3層|
:第4層|
:第5層|
:第6層|第六環状区には大侯の使者たちの宿舎、そのすぐ近くに駿馬を養ういくつもの立派な厩舎があり、南側城壁近くには医療施設の''[[療病院]]''((『[[「中つ国」歴史地図 トールキン世界のすべて]]』では「東の方向が見えるはず」として、その場所を第六環状区の東南東にあると想定している))がある。また[[ラス・ディネン]]に通じる開かずの入り口''[[フェン・ホルレン]]''もこの環状区の背後の城壁にある。
::肩(shoulder)|[[ミンドルルイン]]山と守りの丘を繋ぐ鞍部。第5層の城壁と同じ高さがあり、この狭い土地は巨大な防壁で囲まれ、壁は西側に聳えるミンドルルイン山の絶壁まで続いている。この鞍部の上の土地は''聖所''(Hallows)とされ、諸侯や統治者たちの墓所''[[ラス・ディネン]]''が置かれている。
:第7層|第7層は''高庭''(High Court)やHigh City((邦訳は「都」))と呼ばれる。この城壁の内部は''城塞''(Citadel)である。城塞には高さ300フィートの''[[白の塔]]''が聳え、塔の前には''[[噴水の庭]]''があり、そこには枯れた[[白の木]]がそのまま残されていた。そのほか多数の建物があり、ガンダルフとピピンが滞在した賓客を泊めるための''宿舎''(lodging)は、“肩”から程遠くない北側の城壁近くにあった。この宿舎の二階からは[[エミン・ムイル]]の山々と[[ラウロス]]の大瀑布が見えた。
『[[Sauron Defeated]]』では、草稿に残された城塞内部の簡単な配置図が紹介されている。(以下、項目編集者訳。なお方角と位置関係については、都・城塞の正面が東を向いていることに注意)
>ミナス・ティリスの[[宴会用の大広間、メレスロンド>メレスロンド]]は、草稿Bでは「城塞に」あるとされる(この記述はCでは省かれた)。この段落の粗原稿のページに、父は城塞のちょっとした図面を走り書きした。それは一つの円として示されており、円周の内側に等間隔で七つの小さな円(塔)があり、小さな円のうち一つは入り口の側にある。[[噴水の庭]]と記された場所の向こう、円の中心に[[白の塔と王たちの広間>白の塔]]があり、そのまた向こう、城塞の西側に王宮がある。白の塔の右(北)には[[宴会用の広間>メレスロンド]]がある。他の建物の輪郭が塔の間に大まかに書かれている。((Merethrond, the Great Hall of Feasts in Minas Tirith is said in B to be 'in the Citadel' (a statement omitted in C). On a page of rough drafting for this passage my father dashed off a little plan of the Citadel. This is shown as a circle with seven small circles (towers) at equal distances within the circumference, one of these standing beside the entrance. Beyond the Court of the Fountain is marked, at the centre, the White Tower and Hall of the Kings, and beyond that again, on the west side of the Citadel, the King's House. To the right (north) of the White Tower is the Hall of Feasts. The outlines of other buildings are roughed in between the towers.))
<刊行された『[[指輪物語]]』の本文中において''[[メレスロンド]]''は登場するが、正確な位置は述べられていない。''王宮''(King's House)は、『[[追補編]]』の追補A及び[[第三紀の年表>第三紀]]1640年の項に[[タロンドール>タロンドール(ミナスタンの息子)]]王が[[オスギリアス]]からミナス・アノールに移したと述べられている((『[[終わらざりし物語]]』に収録された[[ベルシエル]]王妃の話でも、海を嫌っていた彼女は[[オスギリアス]]の王宮に住んでいたとある。なお邦訳では「[[タランノン]]の建てたオスギリアスの王宮」と訳されているが、「タランノンの建てた」の部分は誤訳。原文:Berúthiel lived in the King's House in Osgiliath, hating the sounds and smells of the sea and the house that Tarannon built below Pelargir...))。
::大門|第1層の城壁にある、東を向いた都の城門。鉄の扉と鋼の柱でできており、石の塔と稜堡で守られている。とはいえ破壊不能の城壁にあっては大門が唯一の弱点であった。大門の背後には広大な中庭があり、そこから大岩が第7層までそそり立っている。
:第6層|第六環状区には執政の使者たちの宿舎、そのすぐ近くに駿馬を養ういくつもの立派な厩舎があり、南側城壁近くには医療施設の''[[療病院]]''((『[[「中つ国」歴史地図 トールキン世界のすべて]]』では「東の方向が見えるはず」として、その場所を第六環状区の東南東にあると想定している))がある。また[[ラス・ディーネン]]に通じる開かずの入り口''[[フェン・ホルレン]]''もこの環状区の背後の城壁にある。
::肩|[[ミンドルルイン]]山と守りの丘を繋ぐ鞍部。第5層の城壁と同じ高さがあり、この狭い土地は巨大な防壁で囲まれ、壁は西側に聳えるミンドルルイン山の絶壁まで続いている。ここに諸侯や統治者たちの墓所''[[ラス・ディーネン]]''がある聖所であった。
:第7層|第七環状区は特に''城塞''(Citadel)と呼ばれる。その中心には高さ300フィートの''[[白の塔]]''が聳え、塔の前には''[[噴水の庭]]''があり、そこには枯れた[[白の木]]がそのまま残されていた。そのほか多数の建物があり、ガンダルフとピピンが滞在した賓客を泊めるための''宿舎''(lodging)は、“肩”から程遠くない北側の城壁近くにあった。この宿舎の二階からは[[エミュン・ムイル]]の山々と[[ラウロス]]の大瀑布が見えた。
さらに『[[Sauron Defeated>The History of Middle-earth/Sauron Defeated]]』に掲載されている配置図によれば、宴会用の大広間''[[メレスロンド]]''が白の塔の北側に、王たちの住まいである''王宮''(King's House)が白の塔の背後である西側にあった。(('''ミナス・ティリスの[[宴会用の大広間、メレスロンド>メレスロンド]]は、草稿Bでは「城塞に」あるとされる(この記述はCでは省かれた)。この段落の粗原稿のページに、父は城塞のちょっとした図面を走り書きした。それは一つの円として示されており、円周の内側に等間隔で七つの小さな円(塔)があり、小さな円のうち一つは入り口の側にある。[[噴水の庭]]と記された場所の向こう、円の中心に[[白の塔と王たちの広間>白の塔]]があり、そのまた向こう、城塞の西側に王宮がある。白の塔の右(北)には[[宴会用の広間>メレスロンド]]がある。他の建物の輪郭が塔の間に大まかに書かれている。''' 'Merethrond, the Great Hall of Feasts in Minas Tirith is said in B to be 'in the Citadel' (a statement omitted in C). On a page of rough drafting for this passage my father dashed off a little plan of the Citadel. This is shown as a circle with seven small circles (towers) at equal distances within the circumference, one of these standing beside the entrance. Beyond the Court of the Fountain is marked, at the centre, the White Tower and Hall of the Kings, and beyond that again, on the west side of the Citadel, the King's House. To the right (north) of the White Tower is the Hall of Feasts. The outlines of other buildings are roughed in between the towers.'『[[Sauron Defeated>The History of Middle-earth/Sauron Defeated]]』項目編集者訳。なお方角と位置関係については、都・城塞の正面が東を向いていることに注意。))

*** 歴史 [#x2a1e7ae]

[[第二紀]]3320年に[[ゴンドール]]を建国した[[イシルドゥア]]と[[アナーリオン]]は、首都[[オスギリアス]]を東西から守るべく、[[エフェル・ドゥーアス]]と[[ミンドルルイン]]の山の肩に一つずつ砦を築き、それぞれの居城とした。アナーリオンが[[白の山脈>エレド・ニムライス]]の山岳人への盾として築いたのがミナス・アノールである。そしてそこには分割された[[七つの視る石(パランティーア)>パランティーア]]の一つが置かれた。
[[第二紀]]3320年に[[ゴンドール]]を建国した[[イシルドゥル]]と[[アナーリオン]]は、首都[[オスギリアス]]を東西から守るべく、[[エフェル・ドゥーアス]]と[[ミンドルルイン]]の山の肩に一つずつ砦を築き、それぞれの居城とした。アナーリオンが[[白の山脈>エレド・ニムライス]]の山岳人への盾として築いたのがミナス・アノールである。そしてそこには分割された[[七つの視る石(パランティール)>パランティール]]の一つが置かれた。
第二紀3429年に[[サウロン]]との戦いが始まると、ミナス・アノールはアナーリオンによって防衛される。

[[第三紀]]2年、王国を継いだイシルドゥアは[[北の領地>アルノール]]に向かう前にミナス・アノールに立ち寄り、[[ミナス・イシル]]から救出した[[白の木]]の実生を移植した。
420年には[[オストヘア]]王によって再建される。それからミナス・アノールはゴンドール王の夏の離宮として利用されるようになる。
1636年から発生した[[悪疫]]でオスギリアスの人口が激減し、さらにミナス・アノールの白の木の枯死すると、1640年に当時の王[[タロンドール>タロンドール(ミナスタンの息子)]]はゴンドールの王宮をミナス・アノールに移し、城塞に新たな白の木の実生を移植する。以来この都は、歴代のゴンドール王([[エアルヌア]]より後は[[執政]])の居城となった。
1900年には[[カリメフタール>カリメフタール(ナルマキル二世の息子)]]王によって[[白の塔]]が築かれる。この塔は2698年に執政[[エクセリオン一世]]によって再建されたため、以後は「エクセリオンの塔」とも呼ばれる。
[[第三紀]]2年、王国を継いだイシルドゥルは[[北の領地>アルノール]]に向かう前にミナス・アノールに立ち寄り、[[ミナス・イシル]]から救出した[[白の木]]の実生を移植した。
420年には[[オストヘル]]王によって再建される。それからミナス・アノールはゴンドール王の夏の離宮として利用されるようになる。
1636年から発生した[[悪疫]]でオスギリアスの人口が激減し、さらにミナス・アノールの白の木の枯死すると、1640年に当時の王[[タロンドール>タロンドール(ミナスタンの息子)]]はゴンドールの王宮をミナス・アノールへ永久的に移し、城塞に新たな白の木の実生を移植する。以来この都は、歴代のゴンドール王([[エアルヌル]]より後は[[執政]])の居城となった。
1900年には[[カリメヘタール>カリメヘタール(ナルマキル二世の息子)]]王によって[[白の塔]]が築かれる。この塔は2698年に執政[[エクセリオン一世]]によって再建されたため、以後は「エクセリオンの塔」とも呼ばれる。

2002年、[[ナズグール]]の攻撃によって陥落したミナス・イシルが[[ミナス・モルグル]]に変貌すると、モルグルの脅威に対峙する警戒怠りない都として、ミナス・アノールは名をミナス・ティリスに改められた。
2852年、執政[[ベレクソール二世]]が死ぬと、ミナス・ティリスの[[白の木]]も枯れた。新たな苗木が見出されなかったため、枯れた木は「王還りますまで」そのまま[[噴水の庭]]に残されることとなった。

[[指輪戦争]]の頃には[[ゴンドール]]の衰退もあり、都たるミナス・ティリスも寂れ、人口は収容可能な人数の半分になっていた。戦争の気運の高まりにより、一部を除く女子供や高齢者などの疎開が行われた後、[[3019年(大いなる年)>大いなる年]]3月にミナス・ティリスは[[モルドール]]及びその同盟軍による包囲攻撃を受ける([[ペレンノール野の合戦]])。投石機で攻撃されたことにより第一環状区に大きな被害が出て、さらに[[魔王]]と[[グロンド>グロンド(破城槌)]]によって大門が破壊されたが、[[ローハン]]からの援軍と、[[アラゴルン二世]]が率いてきた[[辺境の諸侯国]]からの援軍によってモルドール軍は駆逐され、ミナス・ティリスは守られた。

[[第四紀]]となって[[再統一された王国>亡国の民の王国#ReunitedKingdom]]が実現すると、ミナス・ティリスは[[エレスサール王>アラゴルン二世]]の王宮となる。[[ギムリ]]ら[[エレボール]]の[[ドワーフ]]たちの手によって、指輪戦争により破壊された大門は[[ミスリル]]と鋼を用いて再建され、街路は白い大理石で舗装された((ギムリと[[レゴラス]]がミナス・ティリスを訪れたとき、レゴラスは「ここにはもっと庭が必要だ。」「(アラゴルンが戴冠したら)闇の森の国人に歌う鳥と枯れ朽ちることのない木々をかれのところに持って来させよう。」と語っており、後に[[イシリアン]]で暮らすようになったレゴラスらエルフの手によって、緑も増やされたものと思われる。))。
[[指輪の仲間]]の[[メリアドク>メリアドク・ブランディバック]]と[[ペレグリン>ペレグリン・トゥック]]は最晩年をこの地で過ごして亡くなった。エレスサール王はミナス・ティリスで身罷り、[[ラス・ディネン]]の王たちの墓に葬られた。二人のホビットの棺は王の両隣に並んで置かれたという。
[[第四紀]]となって[[再統一された王国>亡国の民の王国#ReunitedKingdom]]が実現すると、ミナス・ティリスは[[エレッサール王>アラゴルン二世]]の王宮となる。[[ギムリ]]ら[[エレボール]]の[[ドワーフ]]たちの手によって、指輪戦争により破壊された大門は[[ミスリル]]と鋼を用いて再建され、街路は白い大理石で舗装された((ギムリと[[レゴラス]]がミナス・ティリスを訪れたとき、レゴラスは「ここにはもっと庭が必要だ。」「(アラゴルンが戴冠したら)闇の森の国人に歌う鳥と枯れ朽ちることのない木々をかれのところに持って来させよう。」と語っており、後に[[イシリエン]]で暮らすようになったレゴラスらエルフの手によって、緑も増やされたものと思われる。))。
[[指輪の仲間]]の[[メリアドク>メリアドク・ブランディバック]]と[[ペレグリン>ペレグリン・トゥック]]は最晩年をこの地で過ごして亡くなった。エレッサール王はミナス・ティリスで身罷り、[[ラス・ディーネン]]の王たちの墓に葬られた。二人のホビットの棺は王の両隣に並んで置かれたという。

*** 画像 [#hd4d0835]

&ref(AlanLee-36-Gondor.jpg,,25%,アラン・リー作画によるミナス・ティリス); &ref(AlanLee-41-AfterTheBattle.jpg,,25%,アラン・リー作画によるペレンノール野の合戦後のミナス・ティリス); 

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#lotrmovie]
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原作では、ミナス・ティリスに投石機が設置されているという描写はないが、映画ではトレビュシェット型の投石機([[Wikipedia:トレビュシェット]])が城壁の塔に設置されており、ミナス・ティリスの攻囲戦で使用されている。第1層の外壁が[[オルサンク]]と同じ黒い物質でできているという記述は反映されておらず、他の層と同じ白い普通の石造りとなっている。

原作での第1層の外壁が[[オルサンク]]と同じ黒い物質でできているという記述は反映されておらず、他の層と同じ白い普通の石造りとなっている。
原作ではミナス・ティリスに投石機が設置されているという描写はないが、映画ではトレビュシェット型の投石機([[Wikipedia:トレビュシェット]])が城壁の塔に設置されており、ミナス・ティリスの攻囲戦で使用されている。

*** 画像 [#vc8940e8]

&ref(vlcsnap-00017.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミナス・ティリス);&ref(vlcsnap-00037.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミナス・ティリス);&ref(vlcsnap-00048.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミナス・ティリス);
&ref(vlcsnap-00017.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミナス・ティリス); &ref(vlcsnap-00037.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミナス・ティリス); &ref(vlcsnap-00048.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるミナス・ティリス);

*** グッズ [#g3485593]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

各階層に通じる六つの門全てに固有の名前がつけられており、下層から順に剣の門(Sword-gate)、銀の門(Silver Gate)、主君の門(Lord's Gate)、星の門(Gate of Stars)、石の門(Gate of Stones)、城塞の門(Gate of the Citadel)という。また、各門を通るのに必要な合言葉も定められている。

第二層は兵士の層と呼ばれ、兵舎や武器庫などの軍事施設が集中している。第三層は職人の層(Craftsmen's Tier)で、多数の商工業者が軒を連ねている。第四層は遊者の層(Players' Tier)で、劇場や公衆浴場などの娯楽施設がある他、町全体に水を供給する貯水槽もある。第五層は賢者の層(Sages' Tier)といい、図書館や研究施設などの学問に関係する施設が築かれている。第六層は主の層(Masters' Tier)という名で、政治の場となっており、身分の低い者は入る事ができない。第七層の城塞は一部の市民から王の層(Kings' Tier)と呼ばれている。

&ref(ScreenShot00679.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス); &ref(ScreenShot00715.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス); &ref(ScreenShot00749.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス正門);
ゲームの進行状況に応じて、ペレンノール野の合戦直前、ペレンノール野の合戦直後のミナス・ティリスが再現されており、マップが開放されると自由に相互移動が可能。またサウロン敗北後の夏至、エレッサール王とアルウェン姫の婚姻の儀が行われるミナス・ティリスを訪問することも可能で、現実世界の夏時期にあわせて祭りイベントが開催される。

&ref(2019-07-11_21h22_43.jpg,,20%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリスのマップ); &ref(ScreenShot00679.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス); &ref(ScreenShot00715.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス); &ref(ScreenShot00749.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス正門); &ref(ScreenShot_2019-06-25_185157_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス(ペレンノール野の合戦後)); &ref(ScreenShot_2019-07-14_203131_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス正門前); &ref(ScreenShot_2019-07-14_203247_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるミナス・ティリス正門前(ペレンノール野の合戦後));


** コメント [#Comment]

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