* ミスリルの胴着 [#w6d99aa2]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|mithril-coat|
|~異訳|ミスリルの鎖かたびら|
|~その他の呼び名|ミスリルの鎖かたびら(coat of mithril-mail)&br;小さな鎖かたびら(small shirt of mail)&br;ドワーフの鎖かたびら(dwarf-mail, dwarf-coat)&br;鎖かたびら(mail, mail-coat, mail-shirt, coat of mail)&br;ミスリルの鎖で作った胴着(corslet of mithril-rings)&br;モリア銀の胴着(corslet of Moria-silver)&br;銀色の胴着(silver corslet)&br;銀の鎖かたびら(silver coat)|

** 解説 [#Explanation]

(『[[ホビットの冒険]]』において)[[はなれ山]]の[[スマウグ]]の宝の中から見つかった、[[ミスリル]]の鎖かたびら。[[トーリン二世]]は、はなれ山の宝の奪回に貢献した[[ビルボ・バギンズ]]への贈り物として、ビルボにこの胴着を与えた。

>「バギンズどの!」とトーリンは呼びました。「ここに、あなたにお礼する、はつの引出物がありますぞ。その古ぼけた上着をすてて、これをつけなされ。」
 こういってトーリンは、ビルボに、そのむかしだれかエルフの若殿が着たと思われる、小さなくさリかたびらを着せてくれました。そのさまは、&ruby(しろがねいろ){白銀色};のはがねをつらね((第二判を底本としている日本語版『ホビットの冒険』ではこのように“ミスリル”の単語は出てこないが、その後の改訂で'''It was of silver-steel which the elves call mithril'''と、ミスリルの単語が付け加えられている))、それに&ruby(しんじゅ){真珠};の玉でよそおったくさりかたびらに、真珠と水晶をぬいつけたバンドをしめ、頭には、下にははがねのはちまきをいれて強め、上にはふちどりに白玉をうってよそおった、あやどりある皮の軽いかぶと、というよそおいでありました。((『ホビットの冒険』一三 竜のいぬまに))

ビルボはミスリルの胴着を[[ホビット庄]]に持ち帰るが、しばらくは[[マゾム館]]に貸し与えられて埃をかぶっていた。だが(『[[指輪物語]]』において)ビルボがホビット庄を去る前に回収し、[[裂け谷]]へと持っていく。その後ビルボは、裂け谷にやってきて、[[指輪の仲間]]と共に[[指輪所持者]]として旅立つことになった[[フロド・バギンズ]]へと贈られる。フロドは服の中に、ミスリルの胴着を着込んで出発した。

この胴着は、[[モリア]]の[[マザルブルの間]]で、[[オーク]]の首領に槍で突かれたフロドの命を救った。また[[サルン・ゲビア]]でもオークの矢を防いだ。だがフロドが[[キリス・ウンゴルの塔]]で捕らえられた時に、彼は身包みを剥ぎ取られ、[[シャグラト]]が[[マント>エルフのマント]]や[[剣>塚山出土の剣]]などと共に持ち去った。[[黒門]]前で、[[サウロンの口]]は[[アラゴルン>アラゴルン二世]]や[[ガンダルフ]]を脅迫する際に胴着を含むこれらの品を見せつけたが、ガンダルフが全て奪い取った。

後に胴着は[[コルマルレンの野>コルマルレン]]でフロドに返却され、フロドがホビット庄へ帰るときにも身につけていた。そのため、フロドが[[サルマン]]のナイフで刺されたとき、三度フロドの命を救うことになった。

*** 外見と価値 [#sd529e35]

白い宝石が一面にちりばめられており、真珠と水晶をあしらったベルトがついている。身につけていることを感じさせないほど非常に軽いが、とても頑丈である。

>しなやかなことは麻にも紛うばかり、また冷たいことは氷のよう、そして堅固なことは鋼にも勝るほどでした。(([[指輪物語]] [[旅の仲間]]))

[[ギムリ]]によればミスリルの胴着は「王者の贈り物」であり、[[ガンダルフ]]によれば「[[ホビット庄]]全部とその中にあるものをすっかり合わせた価よりも大きい」という非常に高価なものである。だが実物のミスリルの胴着を見たギムリは、それすらも過小評価だとしている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

鎖帷子というよりは銀のシャツのように見え、非常に軽く薄いデザインになっている。
マザルブルの間でフロドは、オークではなく[[トロル]]の槍を受けるが、この胴着のために助かった。
原作では、フロドがこの胴着を身につけているのが仲間に知られるのはモリアを出てからだが、映画ではマザルブルの間のその場で見つけられている。

『[[王の帰還]]』の[[キリス・ウンゴルの塔]]で、フロドから奪ったこの胴着を巡って[[シャグラト]]と[[ゴルバグ]]が仲間割れを起こし、オーク同士の争いが一気に広がった。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

[[トーリン二世]]が[[ビルボ・バギンズ]]に与える場面が描かれている。
一方でトーリンは、(ビルボが密かに拾っていた)[[アーケン石]]が見つからないため、仲間のドワーフの裏切りを疑い始めていた。

** コメント [#Comment]

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