#author("2016-04-24T13:42:04+09:00","","")
* マンドスの呪い [#tb69789a]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|the curse of Mandos|
|~その他の呼び名|北方の予言(Prophecy of the North)、[[マンドス]]の宣告(Doom of Mandos)|

** 解説 [#Explanation]

[[ヴァラール]]の忠告を聞かずに[[中つ国]]への帰還を目指し、更に[[同族殺害]]を犯した[[ノルドール]]に対し、[[マンドス]]が下した宣告。[[アマン]]北方の[[アラマン]]の地で宣告されたことから北方の予言とも呼ばれる。

>「尽きぬ涙を汝らは流すであろう。[[ヴァラール]]は、[[ヴァリノール]]に汝らの入るのを拒み、[[汝らを閉め出す>ヌアタレ・ヴァリノーレヴァ]]であろう。汝らの嘆きの声の谺すら、[[アマン]]の[[山並み>ペローリ]]を越えて聞こえてくることはないであろう。[[フェアノール]]一族に対しては、ヴァラールの怒りがこれなる西方の地より、最果ての東の地に至るまで向けられるであろう。彼らに従う者にもその怒りは向けられるであろう。彼らの誓言は彼らを駆り立て、しかも彼らを裏切り、[[彼らが追跡を誓った宝物>シルマリル]]そのものを常に彼らの前から奪い去るであろう。初め良きものも全て悪しき結末に至るであろう。この悪しき結末は、血に繋がる者の裏切りにより、また裏切りへの恐れによりもたらされるであろう。彼らはとこしえに奪われたる者となるであろう。
汝らは不当にも同族の血を流して、[[アマン]]の地を汚した。汝らは血には血を支払い、アマンを過ぎれば、死の影の元に住まうであろう。[[エル>イルーヴァタール]]は汝らが[[エア]]では死なぬように定め給うたが故に、汝らは病魔に襲われることはないであろうが、非業の死を遂げることはあるかも知れぬ。そして非業の死を遂げるであろう。武器により、拷問により、嘆きによって命を落とすであろう。そこに汝らの霊魂は久しく留まり、汝らの肉体に切に焦がれるであろうが、汝らが命を奪った者達全員が汝らのために嘆願してくれようとも、慈悲を見出すことは殆ど無いであろう。[[中つ国]]で命を長らえ、[[マンドスの許>マンドスの館]]に来ぬ者は、あたかも重き荷を負うているが如く、この世に倦み果て、次第に衰え、[[後に来るより若き種族>人間]]の前に、悔恨の影の如き者となり果てるであろう。以上ヴァラールの言である。」((『[[シルマリルの物語]]』「[[クウェンタ・シルマリルリオン]]第九章 ノルドール族の逃亡のこと」))

この宣告を聞いて後悔した[[フィナルフィン]]は進軍を取りやめて[[ヴァリノール]]へ引き返し、彼に従った者達とともに恩赦を得た。だが[[フェアノール]]は聞き入れずにあくまで進軍することを望み、多くのノルドールと彼の[[息子たち>フェアノールの息子たち]]、そしてフェアノールの息子たちへの愛から、フィナルフィンの子供たち([[フィンロド]]、[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]、[[アングロド]]、[[アイグノール]]、[[ガラドリエル]])もまた進軍した。
この宣告を聞いて後悔した[[フィナルフィン]]は進軍を取りやめて[[ヴァリノール]]へ引き返し、彼に従った者達とともに恩赦を得た。だが[[フェアノール]]は聞き入れずにあくまで進軍することを望んだ。

>この時、多くの者は身を戦かせたが、フェアノールは心を強くして言った。「われらは誓言した。軽々しく誓ったのではない。われらはこの誓言を守るであろう。われらは、裏切りは言わずもがな、あまたなる禍に脅かされておる。だが、言われなかったことが一つある。われらは怯懦に堕すだろうとは言われなかった。臆病者に悩まされ、臆病者への恐れに悩まされるだろうとは言われなかった。それ故、予は言う、前進せんと。そして次の如き運命を余は付け加える。われらの功績は、アルダの最後の日まで歌に歌われるであろうと」((同上))
>この時、多くの者は身を戦かせたが、フェアノールは心を強くして言った。「われらは誓言した。軽々しく誓ったのではない。われらはこの誓言を守るであろう。われらは、裏切りは言わずもがな、あまたなる禍に脅かされておる。だが、言われなかったことが一つある。われらは怯懦に堕すだろうとは言われなかった。臆病者に悩まされ、臆病者への恐れに悩まされるだろうとは言われなかった。それ故、予は言う、前進せんと。そして次の如き運命を予は付け加える。われらの功績は、アルダの最後の日まで歌に歌われるであろうと」((同上))

[[怒りの戦い]]のあと、ノルドールは[[トル・エレッセア]]に住むことを許され、この呪いは停止された。
こうして[[フェアノール]]と[[彼の息子たち>フェアノールの息子たち]]、[[フィンゴルフィン]]とその息子たち([[フィンゴン]]、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]])、そしてフィンゴルフィンの息子たちを見捨てなかったフィナルフィンの息子たち([[フィンロド]]、[[オロドレス>オロドレス(フィナルフィンの息子)]]、[[アングロド]]、[[アイグノール]])は[[ノルドール]]の民を率いて進軍を続けた(([[フィンゴルフィン]]の娘[[アレゼル]]、[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]の妻[[エレンウェ]]と娘[[イドリル]]、[[フィナルフィン]]の娘[[ガラドリエル]]も彼らに同行した))。彼らは[[中つ国]]へと帰還し、流謫のノルドールとなった。

[[怒りの戦い]]のあと、流謫のノルドールは[[トル・エレッセア]]に住むことを許され、この呪いは停止された。

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