#author("2022-10-26T17:02:01+09:00;2022-10-23T18:51:08+09:00","","")
* マグロール [#ybcd344e]
** 概要 [#f69a5692]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|人名|
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Maglor|
|~その他の呼び名|偉大なる伶人マグロール(Maglor the Mighty Singer)、マカラウレ(Makalaurë)、カナフィンウェ(Kanafinwë)|
|~その他の呼び名|偉大なる伶人マグロール(Maglor the mighty singer)|
|~種族|[[エルフ]]([[ノルドール]])|
|~性別|男|
|~生没年||
|~親|[[フェアノール]](父)、[[ネアダネル]](母)|
|~兄弟|[[マイズロス]](兄)、[[ケレゴルム]]、[[カランシア]]、[[クルフィン]]、[[アムロス]]、[[アムロド]](弟)|
|~配偶者|結婚していたとされるが妻・子どもに関する記述は無い|
|~子||
|~兄弟|[[マエズロス]](兄)、[[ケレゴルム]]、[[カランシル]]、[[クルフィン]]、[[アムロド]]、[[アムラス]](弟)|
|~配偶者|一説では妻あり((『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』「Of Dwarves and Men」の注7))|

** 解説 [#l5d8aa59]
** 解説 [#Explanation]

[[フェアノール]]の次男。優れた歌い手であり詩人。[[ノルドランテ]]([[ノルドール]]族の没落)という哀歌の作者。
[[フェアノール]]と[[ネアダネル]]の次男。[[フェアノールの息子たち]]のひとり。
優れた歌い手にして詩人であり、哀歌「[[ノルドランテ]]」の作者。声の美しさや音楽に関して[[ノルドール]]族は[[シンダール]]族に劣っていたが彼は例外であり、[[ドリアス]]の伶人[[ダエロン]]に次ぐ歌い手であった。
やがて[[フェアノールの誓言>フェアノール#Oath]]に倦み疲れていったが、結局はそれから逃れることはできず、非業を重ねて身を滅ぼしていった。

[[シルマリル]]を奪回するという誓言を立て、父と共に[[中つ国]]に帰還する。彼は[[マグロール]]の山あいと呼ばれる、[[ゲリオン]]川の北方の二つの上流に挟まれた地域を守備した。だが[[ダゴール・ブラゴルラハ]]で[[グラウルング]]に攻撃されると、[[ヒムリング]]山の[[マイズロス]]の元に加わった。
[[ニアナイス・アルノイディアド]]では、裏切り者の[[東夷]]である[[ウルドール]]を討ち取ったが、結局この戦いは敗北に終わる。その後は[[エレド・リンドン]]の山麓に逃れて[[緑のエルフ]]と交わり、森の国の暮らしを行うようになる。
やがて、[[シルマリル]]を強奪するため兄弟と共に[[ドリアス]]及び[[シリオン]]を襲撃した。その一方で、[[シリオン]]襲撃の時に捕虜にした[[エルロンド]]と[[エルロス]]を可愛がって養育している。
[[怒りの戦い]]の後、残りの[[シルマリル]]二つが[[ヴァラール]]の管理の下に置かれると、誓言に倦み疲れていたマグロールは、[[ヴァリノール]]で[[ヴァラール]]の判決を受けよという[[エオンウェ]]の命に従いたがった。だが[[マイズロス]]に説得され、二人でシルマリルを奪い取る。しかしシルマリルに身を焼かれると、それを海中に投じる。以後は、波打ち際で苦しみと悔恨の歌を歌い続け、二度とエルフ達の間には戻らなかった。
*** 穏健なるフェアノールの息子 [#d93537a4]

** コメント [#x8b7b2db]
[[兄弟たち>フェアノールの息子たち]]の中では、長兄[[マエズロス]]と並んで穏健派であり、[[メレス・アデルサド]]の宴にはマエズロスと共に出席している。

- 後に「伝承の大家」となるエルロンドの生い立ちを考えると、ゴンドリンに関すること以外のノルドールに関する伝承は、かなりの部分がマグロールから聞いたものだったに違いない。おそらく、その後ガラドリエルからさらに至福の地やドリアスのことを、またケレブリンボールからナルゴスロンドのことなどを聞いたのだろうと思う。それが後にビルボによって西方語に訳された、「シルマリルの物語」の元本のソースとなった、という順番だろうと。 -- カイト
- エルロンドとエルロスの二人を可愛がって養育したのには、エルレードとエルリーンのことも背景にあったのでは。 -- Windy
[[中つ国]]で彼は''[[マグロールの山間]]''と呼ばれるようになる、[[ゲリオン]]川の北方の二つの上流に挟まれた地域を守備した。
だが[[ダゴール・ブラゴッラハ]]の合戦で大龍[[グラウルング]]に突破され、[[ヒムリング]]の丘に拠る[[マエズロス]]の許へ逃れた。[[ニルナエス・アルノエディアド]]の合戦では、裏切り者の[[東夷]][[ウルドール]]を討ち取ったが、結局この戦いは敗北に終わった。

#comment
その後マグロールは他の兄弟たちと共に[[エレド・リンドン]]の山麓に逃れて[[緑のエルフ]]と交わり、森の国の暮らしを行うようになった。

*** 誓言に縛られての非業 [#edfdff2a]

やがてマグロールは、[[シルマリル]]を強奪するため兄弟と共に[[ドリアス]]及び[[シリオンの港]]を襲撃して[[同族殺害]]を重ね、長兄[[マエズロス]]と共に兄弟で唯一の生存者となる。
マグロールは[[誓言>フェアノール#Oath]]の重荷に倦み疲れており、自らの襲撃によって母[[エルウィング]]を失った[[エルロンド]]と[[エルロス]]の兄弟を不憫に思って養育した。両者の間には、ほとんど考えられないことでありながら、愛情が育っていったという。

[[怒りの戦い]]の後、残り二つの[[シルマリル]]が[[エオンウェ]]の管理下に置かれると、マグロールは[[ヴァリノール]]に戻り[[ヴァラール]]の判決を受けよというエオンウェの命に従うことを望んだ。しかしあくまで誓言の呪縛を主張する[[マエズロス]]に説得され、二人で衛士を殺してシルマリルを奪い取った。
シルマリルは二人をもはや正当な所有者とは認めず、身を焼かれたマグロールは苦しみに耐えかね、シルマリルを[[大海]]に投じた。以後、波打ち際で苦しみと悔恨の歌を歌い続け、二度と[[エルフ]]たちの間には戻らなかったという。

*** 名前について [#v402d37d]

以下の名前及びその説明は『[[The Peoples of Middle-earth>The History of Middle-earth/The Peoples of Middle-earth]]』の「The Shibboleth of Fëanor」による。

:Kanafinwë(カナフィンウェ)|父[[フェアノール]]が与えた[[父名>エッシ]]。[[フィンウェ]]の名に"káno"の語((叫ぶ(cry)、大声で呼ぶ(call aloud)を意味する語根KANからの派生語で、[[クウェンヤ]]で「指揮者(commander)」の意味。[[トールキン]]はここでは"strong-voiced or ?commanding"(力強い声の、命令?)と訳している。))を付けたもの。
:Makalaurë(マカラウレ)|母[[ネアダネル]]が与えた[[母名>エッシ]]。確かな意味は不明だが、よく"forging gold"(金を鍛える)と解釈され((ただしラウレ(laurë)は金属の金(gold)ではなく、金色の光や色を指す語))、彼の優れた竪琴の腕を予言する名とされる。この名の[[シンダリン]]形が''マグロール''(Maglor)である。

** コメント [#Comment]

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