* ペレンノール野の合戦 [#x8bdcb6c]
#author("2024-01-20T12:15:54+09:00;2023-07-21T06:14:14+09:00","","")
* ペレンノール&ruby(の){野};の&ruby(かっせん){合戦}; [#x8bdcb6c]

#contents

** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|歴史・事件|
|~スペル|Battle of the Pelennor|
|~その他の呼び名||
|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|Battle of the Pelennor Fields|
|~その他の呼び名|ペレンノールの戦い(Battle of the Pelennor)|

** 解説 [#Explanation]

[[指輪戦争]]において、[[第三紀]]3019年の3月13日から15日にかけ、[[モルドール]]の軍勢が[[ゴンドール]]の[[ランマス・エホール]]を突破して[[ペレンノール]]を制圧し、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を包囲攻撃した戦い。
[[魔王]]が率いるモルドールの軍勢は、弩砲などでミナス・ティリスを攻撃し、第一環状区に大きな被害を与える。さらに城門を破壊して侵入した。だが[[セオデン]]、[[エオメル]]が率いる[[ロヒアリム]]の軍勢がゴンドールの救援に現れ、魔王は[[エオウィン]]によって打ち倒される。さらに[[海賊]]の船を奪って[[アンドゥイン]]を北上し乗り込んできた、[[アラゴルン二世]]が率いる南方のゴンドール軍に挟撃され、モルドール軍とその同盟軍は撃滅された。
[[第三紀]]3019年の3月13日から15日にかけ、[[モルドール]]の軍勢が[[ゴンドール]]の[[ランマス・エホール]]を突破して[[ペレンノール]]を制圧し、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を包囲攻撃した戦い。
[[魔王]]が率いるモルドールの軍勢は、攻城兵器でミナス・ティリスを攻撃し、第一環状区に大きな被害を与える。さらに城門を破壊して侵入した。だが[[セーオデン]]、[[エーオメル]]が率いる[[ロヒルリム]]の軍勢がゴンドールの救援に現れ、魔王は[[エーオウィン]]と[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]によって打ち倒される。さらに[[海賊]]の船を奪って[[アンドゥイン]]を北上し乗り込んできた、[[アラゴルン二世]]が率いる[[辺境の諸侯国]]の援軍に挟撃され、モルドール軍とその同盟軍は撃滅された。セーオデン王をはじめとする数多くの諸将が命を落とし、[[指輪戦争]]における最大規模の激戦となった。

*** 参戦国、勢力 [#kd7637a9]

:[[ゴンドール]]側|[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の兵、戦闘開始前からの[[ドル・アムロス]]ほかゴンドール南部の援軍、[[ロヒアリム]]、[[灰色の一行]]が引き連れてきたゴンドール南部の援軍
:[[モルドール]]側|[[オーク]]、[[トロル]]によるモルドール軍、[[ハラドリム]]および彼らが引き連れる[[ムマキル]]、[[ヴァリアグ]]や[[遠ハラド]]などモルドール東方および南方の[[人間]]
:[[ゴンドール]]側|[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の兵、戦闘開始前からの[[ドル・アムロス]]ほか[[辺境の諸侯国]]の援軍、[[ロヒルリム]]、[[灰色の一行]]が引き連れてきた諸侯国の援軍
:[[モルドール]]側|[[オーク]]、[[トロル]]によるモルドール軍、[[東夷]]、[[ハラドリム]]および彼らが引き連れる[[ムーマキル]]

** 戦況 [#nb854745]

***開戦に至るまで [#nfaf5f3c]
*** 開戦に至るまで [#nfaf5f3c]

[[3018年>大いなる年]]6月20日、[[モルドール]]軍は[[オスギリアス]]を攻撃。[[魔王]]のもたらした恐怖もあって[[ゴンドール]]軍は恐慌状態に陥り、わずか4名([[ボロミア]]、[[ファラミア]]と他に2名)だけを残して守備隊は壊滅する。オスギリアスから[[アンドゥイン]]西岸に架かる橋は落とされたが、その直前、混乱の隙に[[ナズグール]]は橋を渡ってアンドゥイン西方に達し((『[[終わらざりし物語]]』下巻P108。))、[[一つの指輪]]の捜索を開始した。
[[3018年>大いなる年]]6月20日、[[ゴンドール]]の確保していた[[オスギリアス]]を[[モルドール]]軍が攻撃。モルドール軍は数で優っていた上、[[魔王]]のもたらした恐怖のためにゴンドール軍は恐慌状態に陥り、わずか4名([[ボロミル]]、[[ファラミル]]と他に2名)を残して守備隊は壊滅する。ゴンドール軍は[[アンドゥイン]]にかかっていた最後の橋を落とし、オスギリアスの西岸を死守することには成功したものの、東岸はモルドールの手に落ちる((この攻撃の真意はゴンドールの守りを試すとともに、[[ナズグール]]を秘密裏に渡河させて[[一つの指輪]]追跡に送り出すためだった。ゴンドールが西岸を死守できたのも、実はモルドール側が目的を達したためであった。))。

それでもオスギリアス西岸と、[[カイア・アンドロス]]はゴンドールによって保持され、モルドール軍の渡河を阻んでいた(カイア・アンドロスより北は沼沢地が広がって行軍が困難であり、オスギリアスより南は川幅が広くて渡河が難しいため、この2点が渡河阻止のため非常に重要だった)。またファラミアら[[イシリアンの野伏]]は、[[ヘンネス・アンヌーン]]を拠点にして[[イシリアン]]の敵の動向を調査し、ゲリラ戦を仕掛けて抵抗していた。
以後ゴンドール軍は、オスギリアスの西岸および[[カイル・アンドロス]]を拠点として保持し、モルドール軍の渡河をかろうじて拒んでいた(カイル・アンドロスより北は[[沼沢地>ニンダルヴ]]が広がって行軍が困難であり、オスギリアスより南は川幅が広くて渡河が難しいため、この2点がアンドゥインの通行権を決する戦略的に非常に重要な地点だった)。
[[執政]][[デネソール二世]]はかねてからモルドールの攻撃に備え、[[ペレンノール]]を囲む[[ランマス・エホール]]の外壁の防備を強化するとともに、[[イシリエンの野伏]]を結成して[[同地>イシリエン]]に派遣していた。[[ファラミル]]率いる野伏たちは[[ヘンネス・アンヌーン]]を拠点にして敵の動向を調査するとともに、ゲリラ戦を仕掛けて抵抗を続けた。

だが、モルドール軍は本格的に攻撃を開始し、3019年3月12日には、アンドゥインの渡河に成功する((これは、3月6日に[[アラゴルン二世]]が[[パランティーア]]を使って[[サウロン]]に挑戦したため、事前の予定よりも早く、さらなる軍勢の集結を待たずに攻撃を仕掛けた可能性が高い。))。ヘンネス・アンヌーンから引き上げ、アンドゥイン西岸防戦を指揮していたファラミアは、[[ランマス・エホール]]に撤退しながら自軍を立て直そうとするが、敵の規模は10倍も勝っていた。ランマス・エホールの一部は爆破されて突破され、さらにカイア・アンドロスも奪われたことによって北方からも敵が襲来し、その上[[恐るべき獣]]に乗った[[ナズグール]]の恐怖によって、ゴンドール軍は敗走状態となっていた。そこで[[デネソール二世]]は、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に用意していた騎兵の救援隊を差し向ける。[[イムラヒル]]が率いる[[ドル・アムロス]]の騎士を中心とした救援部隊は、モルドール軍の先鋒に襲いかかって蹴散らした。軍勢を指揮する[[魔王]]を後方に置いていたナズグールも、イムラヒルと共に出撃した[[ガンダルフ]]を前にして逃げ出す。こうして体勢を立て直したゴンドール軍は整然とミナス・ティリスに撤退することが出来たが、その数は大きく減じており、さらにファラミアは負傷していた。
一方、[[海賊]]の大艦隊が[[アンドゥイン]]河口に接近。これにより[[レベンニン]]や[[ベルファラス]]に脅威が迫り、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]は[[辺境の諸侯国]]からの援軍を期待できなくなる。[[ドル・アムロス]]からは[[イムラヒル]]が率いる兵らが増援に来たほか、[[フォルロング]]、[[ヒルルイン]]、[[ドゥインヒィル]]らも領国の兵を連れて増援に来たが、その数は期待に遠く及ばなかった。
3019年3月6日、海賊のことをオルサンクの[[パランティール]]で知った[[アラゴルン二世]]は、事態の打開のため翌日[[灰色の一行]]を率いて[[死者の道]]へ向かい、[[エレヒ]]を目指した。
[[デネソール二世]]もまたこれを察知したため(([[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]の推測による。))、3月8日頃、[[エレド・ニムライス]]の[[烽火台>ゴンドールの烽火]]に点火。[[ヒルゴン]]に[[赤い矢]]を持たせて[[ローハン]]への救援を求めた。[[ロヒルリム]]は[[アイゼンガルド]]との戦いで疲弊していたが、[[古の誓い>ケレブラントの野の戦い#Oath]]を果たすため[[やしろ岡]]で全軍を召集。そのうち、長征に送り出せる限りの6000騎を率いてミナス・ティリス救援に出発した。

***ミナス・ティリス包囲 [#vd330717]
*** 大暗黒の到来 [#i94a2ce1]

続々と送り込まれてくるモルドール軍はランマス・エホールを突破し、[[ペレンノール]]を完全に制圧して、3月14日にはミナス・ティリス包囲を完成する。その後モルドール軍は、ミナス・ティリスの矢が届かない距離に塹壕を掘って火で満たし、弩砲を設置していく。ミナス・ティリス第一階層を守る城壁は非常に高く、[[ヌーメノール]]の技術によって作られていたため、これを超えて攻撃することも城壁を破壊することも不可能だとゴンドール人は考えていた。だが、弩砲より打ち込まれた弾丸は城壁を飛び越えて第一環状区に落下し、さらに何かの術によるものか燃えだして、人々は消火活動に忙殺される。さらにモルドール軍は、戦死した[[人間]]の首も城内に投げ込む。その上恐るべき獣に乗って空を舞うナズグールの恐怖により、城内の兵士はすっかり戦意を喪失してしまう。[[デネソール二世]]は、負傷したファラミアを目にして[[白の塔]]に引きこもってしまったため、ガンダルフとイムラヒルが兵士を鼓舞して回るが、その効果も僅かだった。
夜には、アンドゥインに架橋したモルドール軍がさらに大勢ペレンノールへとなだれ込み、攻城櫓などを使って攻撃を繰り返す。さらに、日付が変わった3月15日、破城槌の[[グロンド]]と馬に乗った[[魔王]]が姿を現し、魔王が恐るべき叫び声を上げてグロンドで城門を3度攻撃させると、城門は破壊された。こうして、かつて一度も敵に破られたことのない門をくぐって魔王がミナス・ティリス入場を果たすが、その眼前に、[[飛蔭]]に乗ったガンダルフが立ちはだかる。しかしこのとき、[[ローハン]]軍の到来を知らせる角笛が鳴り響いたため、魔王は身を翻して城門から立ち去る。
3019年3月10日、[[モルドール]]は[[ゴンドール]]攻略のための大軍勢を[[黒門]]と[[ミナス・モルグル]]から出撃させると共に、暗闇を広げて陽光を遮断する(曙光のない朝)((これは、3月6日に[[アラゴルン二世]]が[[パランティール]]を使って[[サウロン]]に挑戦したため、焦ったサウロンが事前の予定よりも早く、さらなる軍勢の集結を待たずに攻撃を仕掛けた可能性が高い。))。

***ローハン軍の長征 [#q637373d]
[[ファラミル]]は暗闇の流出を見て、急遽[[イシリエン]]の部隊を[[オスギリアス]]に送り、同地の守備隊を補強。自らは[[デネソール>デネソール二世]]の意向を仰ぐため[[カイル・アンドロス]]を経て[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に戻った。デネソールはオスギリアス防衛にこそ力を傾けるべきと判断し、翌日すぐにファラミルを防衛指揮のため同地に再派遣する。
しかし10日の内に、黒門から出撃した[[東夷]]と[[オーク]]の軍勢はカイル・アンドロスを奪い取り、[[アノーリエン]]に侵入。12日にモルグルの軍勢はオスギリアスを奪って渡河に成功。ファラミルは[[土手道砦]]に撤退して自軍を立て直そうとするが、敵の規模は10倍も勝っており、ファラミルは[[黒の影>黒の息]]と[[ハラドリム]]の矢により負傷して意識不明に陥る。

[[海賊]]の大艦隊が[[アンドゥイン]]河口に接近し、[[レベンニン]]や[[ベルファラス]]などゴンドール南方からミナス・ティリスに駆けつけるはずの救援が期待できなくなったため(([[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]の推測による。))、デネソールは3月5日頃には[[エレド・ニムライス]]の狼煙台に点火し、また[[ヒアゴン]]に[[赤い矢]]を持たせて[[セオデン]]の元に届け、[[ロヒアリム]]の救援を求めた。だがロヒアリムは3月3日から4日にかけて[[角笛城の合戦]]を戦ったばかりであり、ローハン各地より兵を招集して再編成するのにも時間が必要であった。そのため、約6000の騎兵からなるロヒアリムの軍勢が、集結地点となっていた[[馬鍬砦]]を出発したのは3月10日になってからである。これだけでも、ローハンの軍勢が救援に間に合うかはぎりぎりだったが、さらに悪いことに、モルドールの同盟軍である東方の人間の部隊が、[[カイア・アンドロス]]を渡って[[アノリアン]]に入り、ローハン軍が使うはずの本道を監視して、迎撃すべく待ち伏せしていた。
だが、[[大暗黒時代>暗黒時代]]の到来を恐れ、[[オーク]]を憎む[[ウォーゼ(野人)>ドルーエダイン]]の酋長[[ガン=ブリ=ガン]]がセオデンたちの元に現れ、助力を申し出る。ウォーゼは、かつてゴンドール人が[[ドルーアダンの森]]を通って[[リンモン>ミン=リンモン]]に向かうのに使ったが、今は誰も使っておらず忘れられた[[石車谷]]の道へと、ロヒアリムを案内する。こうしてロヒアリムはモルドール軍の監視を逃れてミナス・ティリスに接近することに成功する。本道のすぐそばまで進んだロヒアリムは休息を取ってから、夜明けと共にペレンノールに乗り込めるように出発。ロヒアリムは3月15日の朝、[[ランマス・エホール]]を破壊していた少数の[[オーク]]を追い散らし、モルドール軍が作ったランマスの裂け目からペレンノールに突入。[[エオメル]]の[[&ruby(エオレド){軍団};>エオレド]]は中央を、[[エルフヘルム]]は右翼を、[[グリムボルド]]は左翼のエオレドを指揮して進む。だが常に彼らの先頭にいたのは[[セオデン]]で、その雄々しき姿は[[オロメ]]のようにも見えたというほどであり、士気の高揚したロヒアリムは、狼狽するモルドール軍の中へと歌を歌いながら突進していった。
やがてロヒアリムは、城門には達していないもののペレンノール野の北半分を制圧し、セオデンは[[ハラドリム]]の指揮官を討ち取る。だがこのとき、城門から姿を消した[[魔王]]が、[[恐るべき獣]]に乗って空より現れ、その恐怖によってロヒアリムの馬たちは動揺する。そしてセオデンの乗馬[[雪の鬣]]は、恐怖により後ろ足で高く立ったところ、どこからか飛んできた矢に刺さって倒れてしまい、落馬したセオデンはその下敷きとなって重傷を負う。またセオデンの周囲の騎士はみな戦死するか、馬が恐怖のあまり乗り手をその場から連れ去ってしまっていた。魔王はそのままセオデンを襲おうとするが、唯一その場に踏みとどまっていた[[デルンヘルム>エオウィン]]が立ちはだかる。魔王は「生き身の人間の男(living man)にはおれの邪魔立ては出来ぬわ!」と嘲笑するが、デルンヘルムは兜を脱ぎ、自分が女、エオウィンであることを明かした((manは、男とも人とも解釈できることに由来する。詳細は[[グロールフィンデル]]および[[魔王]]の項目を参照。))。
エオウィンは、魔王が乗っていた恐るべき獣の首をはねて殺すが、獣の死体の中から起き上がった魔王は、矛でエオウィンの左腕骨を盾ごと打ち砕く。そのままとどめを差そうとした魔王だが、背後から[[メリアドク・ブランディバック]]の[[塚山出土の剣]]によって刺される。メリーはデルンヘルム(エオウィン)と同じ馬に乗っていたのだが、馬が恐怖に駆られたときデルンヘルムと共に落馬していた。そしてメリーは恐怖で動けないでいたが、エオウィンの姿を見て勇気を振り起こし、魔王を刺したのである。魔王がひるんだ瞬間、エオウィンは魔王の顔にあたるところに自らの剣を突き刺して倒すが、自らも倒れた。
メリーが[[セオデン]]の様子を見に行くと、セオデンはすでに今わの際にあった。やがて、馬を落ち着かせた[[エオメル]]ら王直属の騎士の生き残りが戻ってくると、セオデンはメリーに別れの言葉を継げ、エオメルに王位を譲り、エオウィンが傍らに倒れているのも知らぬまま、彼女に別れの言葉の言伝を頼んで息絶えた。
エオメルは、セオデン達の遺体が汚されないようその場から運び出すよう命じたが、倒れている者の中にエオウィンがいるのを発見すると驚いて激高し、周囲が止めるのも聞かず、[[ロヒアリム]]の全軍に進撃を命じて「死だ!」と叫び、敵中へと突進していった。さらに破壊された城門から、[[イムラヒル]]が率いるミナス・ティリス城内の援軍がやってくる。エオメルの突撃はモルドール軍に大きな損害を与えたが、[[ハラドリム]]だけでもロヒアリムが攻撃を始めたときにも3倍はいたのに加え、ロヒアリムの馬は[[ムマキル]]を恐れて近づこうとせず、追い散らされたハラドリムはムマキルの周囲に再集結する。さらに[[ミナス・モルグル]]の副官[[ゴスモグ>ゴスモグ(ミナス・モルグル)]]が、[[オスギリアス]]に待機させていた[[ヴァリアグ]]や[[遠ハラド]]の[[人間]]などのモルドールの援軍をペレンノールに投入してきた。これらの軍勢によってロヒアリムは行く手を阻まれ、ゴンドール軍との合流も防がれようとしていた。
さらに、アンドゥインから[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]に向かって、[[海賊]]の船が北上してくるのが目撃される。これを見てモルドール軍とその同盟軍は歓声を上げ、一方ゴンドール軍は恐慌状態に陥る。一方、[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]から1マイルあるかないかのところまで来ていて海賊の船を自ら目撃し、ゴンドール軍と合流する希望を立たれたエオメルは覚悟を決め、最後の抵抗をするために兵を集め、挑戦するよう船に向かって剣を掲げた。だが、海賊の船は[[エレンディルの印]]を掲げる。そしてハルロンドに到着した海賊の船から降り立ったのは、額に[[エレンディルの星>エレンディルミア]]を身につけた[[アラゴルン二世]]率いる、南方のゴンドール軍であった。
[[ランマス・エホール]]の一部は爆破されて突破され、さらに北方からも敵が襲来し、その上[[恐るべき獣]]に乗った[[ナズグール]]が襲来する。
守備隊は敗走状態に陥り、モルドール軍の先鋒に全滅させられるかに見えたが、デネソールの繰り出した[[ドル・アムロス]]の騎兵を中心とする救援部隊と[[白のガンダルフ>ガンダルフ]]によって、生き残った守備隊は辛うじて救出され、ファラミルも都に運び込まれた。
とはいえゴンドールはランマス・エホールの外壁とペレンノール野を奪われ、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に籠城することになる。

***灰色の一行の騎行と死者の軍勢、南方からの援軍 [#ya58467f]
*** ミナス・ティリス攻城 [#vd330717]

[[角笛城の合戦]]のあと、[[アラゴルン二世]]は[[灰色の一行]]と合流していたが、このとき[[エルロンドの息子]]から、[[死者の道]]についての[[エルロンド]]の助言を聞く。また3月6日に[[角笛城]]にて、アラゴルンは[[サウロン]]の目を[[フロド>フロド・バギンズ]]から反らせるため、[[オルサンク]]から入手された[[パランティーア]]を使い、[[イシルドゥア]]の世襲である自分の姿と、鍛え直された[[ナルシル>アンドゥリル]]をサウロンに見せて挑戦する。その時アラゴルンはパランティーアの力で、海賊と[[ハラド]]の船がゴンドール南方に迫っていることを知った。[[セオデン]]と[[エオメル]]に、[[ロヒアリム]]の集結と行軍の予定を聞いたアラゴルンは、このままではミナス・ティリス救援に間に合わないと判断し、エオメルらと行動を別にして、灰色の一行、そして[[レゴラス]]、[[ギムリ]]とともに、3月8日、馬鍬砦から死者の道を通って、[[エレド・ニムライス]]の南に出る。そして[[モルソンド]]の谷を下り、[[エレヒ]]にて[[死者の軍勢]]を招集し、その後東進を続けて、[[ペラルギア]]へと急行する。その途中[[ラメドン]]では、上陸してきた[[ハラドリム]]や海賊と、ラメドンの人間がギルラインの浅瀬の争奪戦をやっていたが、[[アングボール]]ただ一人以外は、死者の恐怖の前に皆逃げ出した。アラゴルンはアングボールに、勇気があるものがいたら自分たちのあとをついてくるよう指示し、さらに騎行を続けた。
やがて3月13日、[[ペラルギア]]に一行は到着したが、そこには50隻の大型船と数え切れない小型船からなる[[ウンバール]]の主力艦隊がいた。先にアラゴルン達が追い散らしていたハラドリムの一部は、船を使って逃げ出していたものもいたが、ハラドリムはまだまだ数も多く、追い詰められて凶暴になっていた。だがアラゴルンが[[死者の軍勢]]を召し出すと、敵はその恐怖に耐えられず、逃れようと海に飛び込んで溺れ死ぬか、徒歩で南へと逃げだし、完全に潰走した。
「サウロンの軍勢と戦う」という誓言を果たした死者の軍勢はアラゴルンによって解放され、また海賊の艦隊を鹵獲したアラゴルン達は、それぞれの船に[[ドゥーネダイン]]を派遣して、鎖で繫がれていた奴隷の漕ぎ手達を解放し、[[モルドール]]と戦うために力を貸してもらうよう鼓舞する。またペラルギアには、アングボールが連れてこられるだけの騎兵を引き連れてきたほか、「イシルドゥアの世襲が現れた」という噂を聞きつけたこともあり、[[レベンニン]]や[[エシア>エシア・アンドゥイン]]など、海賊の脅威が取り除かれたゴンドール南部各地から、続々と兵が集まってきた。
3月14日には、これらゴンドールの援軍は海賊の船に乗り、ペラルギアを出航。船はアンドゥインを遡り、15日には[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]に到着し、[[ペレンノール]]へと乗り込んだ。
[[モルドール]]軍は[[ペレンノール]]を完全に制圧し、3月14日には[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]包囲を完成する。ペレンノールにあった農家や農地は焼き払われ、地面には都からの矢が届かない位置に幾重にも塹壕が掘られて火で満たされ、その背後で攻城櫓と投石機が準備された。

ミナス・ティリス第一階層を守る城壁は非常に高く、[[ヌーメノール]]の技術によって作られていたため、これを超えて攻撃することも城壁を破壊することも不可能だと[[ゴンドール人]]は考えていた。
だが、投石機より打ち込まれた弾丸は城壁を飛び越えて第一環状区に落下し、火を発して火災を発生させる。さらにモルドール軍は、戦死したゴンドール人の首をも城内に投げ込む。その上[[恐るべき獣]]に乗って空を舞う[[ナズグール]]の恐怖により、城内の兵士はすっかり戦意を喪失してしまい、[[イムラヒル]]の指揮と[[ガンダルフ]]の鼓舞((これには[[ナルヤ]]の力も作用していたものと思われる))によって辛うじて防戦を続けるありさまであった。

14日夜には、[[アンドゥイン]]に架橋したモルドール軍がさらに大挙してペレンノールへとなだれ込み、攻城櫓などを使って城壁への攻撃を繰り返す。だが、モルドール軍の主目的は、突破不能な城壁にある唯一の弱点である、大門を攻撃することにあった。
3月15日、破城槌[[グロンド>グロンド(破城槌)]]と[[魔王]]の呪文によって大門の扉が破壊される。こうして、かつて一度も敵に破られたことのない門をくぐって魔王がミナス・ティリスに入城を果たすが、その眼前に、[[飛蔭]]に乗った[[ガンダルフ]]が立ちはだかる。しかしこのとき、[[ローハン]]軍の到来を知らせる角笛が鳴り響いたため、魔王は身を翻して大門から立ち去った。

*** サウロンの悪意 [#p6126069]

一方城内では、[[ファラミル]]の負傷を目にした[[デネソール二世]]が[[白の塔]]に引きこもり、防衛の指揮を放棄していた。デネソールは精神の弱った状態で白の塔の[[パランティール]]を使用したために、[[サウロン]]によって操作された映像を見せられて絶望。正気を失い、ファラミルと共に[[執政たちの家]]で焼身自殺を図る。
これを阻もうとした[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]は、デネソールの言いつけに従おうとする侍僕と衝突し、彼らを二人斬り殺してしまう。
さらに[[ペレグリン・トゥック]]から急事を知らされた[[ガンダルフ]]は、[[魔王]]を追ってペレンノール野の戦いに打って出ることを断念し、ファラミル救出を優先させる。

こうしてサウロンの悪意のたくらみは[[パランティール]]を通じて城内に入り込み、同士討ちによって血を流させた上、ガンダルフの働きを阻害することで、合戦で生き延びたかもしれない者達の命を奪わしめた。

*** ローハン軍の長征 [#q637373d]

[[ゴンドールの烽火]]の点火と、[[ヒルゴン]]による[[赤い矢]]の到来を受けた[[ローハン]]は、3月10日に長征に出発するも、救援に間に合うかどうかぎりぎりのタイミングであった。さらに悪いことに、[[オーク]]と[[東夷]]の部隊が、[[カイル・アンドロス]]を渡って[[アノーリエン]]に入り、ローハン軍が使うはずの[[西街道]]を監視して、迎撃すべく待ち伏せていた。
そこでローハン軍は[[ドルーアダンの森]]に住む[[ウォーゼ(野人)>ドルーエダイン]]の酋長[[ガーン=ブリ=ガーン]]の助けを借り、[[石車谷]]の忘れられた道を使うことで待ち伏せを回避。こうしてロヒルリムはモルドール軍の監視を逃れて[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]に接近することに成功する。
さらに幸運なことに、騎馬隊の突入に障壁となると思われた[[ランマス・エホール]]はこれを奪取したモルドール軍によって破壊されており、その裂け目から突入することで迅速な展開が可能となる。

3019年3月15日の朝、ローハン軍は不意に訪れた曙光と共に角笛を吹き鳴らして[[ペレンノール]]に到達。
[[エーオメル]]は中央を、[[エルフヘルム]]は右翼を、[[グリムボルド]]は左翼の[[&ruby(エーオレド){軍団};>エーオレド]]をそれぞれ指揮して進む。だが常に彼らの先頭にいたのは[[セーオデン]]で、その雄々しき姿は[[オロメ]]のようにも見えたというほどであり、士気の高揚した[[ロヒルリム]]は、狼狽する[[モルドール]]軍の中へと歌を歌いながら突進していき、ペレンノール野を縦横無尽に蹂躙した。
ローハン軍はモルドール軍の歩兵を蹴散らし、[[ハラドリム]]の騎馬隊と衝突して、セーオデンはハラドリムの指揮官[[黒い蛇]]を打ち倒し勝利。[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の大門までは達しなかったもののペレンノール野の北半分を制圧する。

だがこのとき、大門から姿を消した[[魔王]]が[[恐るべき獣]]に乗って空より現れ、その恐怖によってロヒルリムとその馬たちは動揺して散り散りとなる。[[セーオデン]]は自らの許に部隊を集結させようと試みたが、乗馬の[[雪の鬣]]が矢を受けて倒れたためその下敷きとなり、瀕死の重傷を負った。さらに、セーオデンに止めを刺そうと[[魔王]]が舞い降りてきたが、[[エーオウィン]]と[[メリアドク・ブランディバック]]が魔王を討つ。これによりモルドール軍は総大将を失う。

ローハン軍の指揮は[[エーオメル]]に引き継がれたが、彼は倒れた王の供回りの中に、本来ならいるはずのない妹エーオウィンの姿を見つけ、激昂。[[ロヒルリム]]の全軍に進撃を命じて「死だ!」と叫び、敵中へと突進していった。さらに破壊された大門から、[[イムラヒル]]が率いるミナス・ティリス城内の援軍がやってくる。
エーオメルの突撃はモルドール軍に大きな損害を与えたが、ロヒルリムが攻撃を始めたときに[[ハラドリム]]だけでも3倍の数はいたのに加え、ロヒルリムの[[馬]]は[[ムーマキル]]を恐れて近づこうとせず、追い散らされたハラドリムはムーマキルの周囲に再集結する。さらに[[モルグル]]の副官[[ゴスモグ>ゴスモグ(モルグル)]]が、[[オスギリアス]]に待機させていた[[東夷]]、[[ヴァリアグ]]、ハラドリムなどの援軍をペレンノールに投入してきた。これらの軍勢によってロヒルリムは行く手を阻まれ、ゴンドール軍との合流も防がれようとしていた。

さらに[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]の港に向かって[[海賊]]の艦隊が[[アンドゥイン]]を北上してくるのが見られたことで、[[モルドール]]軍とその同盟軍は歓声を上げ、逆にゴンドールとローハン軍は恐慌状態に陥る。
だが、海賊の船は[[エレンディルの印]]が描かれた[[旗印>アルウェンの旗印]]を掲げる。艦隊に乗っていたのは[[アラゴルン二世]]に率いられた[[灰色の一行]]と、ゴンドールの[[辺境の諸侯国]]からの援軍であった。

***灰色の一行の働き [#ya58467f]

[[オルサンク]]の[[パランティール]]を使って[[サウロン]]に挑戦し、さらに[[ゴンドール]]沿岸に迫る[[海賊]]の脅威を目にした[[アラゴルン二世]]は、直ちに沿岸部の脅威を取り除きゴンドールを救援しなければ勝利はないことを悟る。
そこで3019年3月8日、彼は[[灰色の一行]]を率いて[[死者の道]]を通り、[[エレド・ニムライス]]を南に越え、夜半に[[エレヒ]]で[[死者の軍勢]]を召集して手勢に加える。彼らはそのままゴンドールを騎行して東進、11日に[[ラメドン]]の人間と[[海賊]]とが[[リンヒル]]の争奪戦をしているところに行きあい、死者の恐怖によって双方を追い散らす。ラメドンの領主[[アングボール]]だけが踏みとどまっており、彼は「勇気があるものがいたら自分たちのあとをついてくるように」というアラゴルンの指示を受けた。

3月13日、[[ペラルギル]]に到達した一行はそこで50隻の大型船と数え切れない小型船からなる[[ウンバール]]の海賊の主力艦隊に行きあう。先にアラゴルン達が追い散らしていたハラドリムの一部は、船を使って逃げ出していたものもいたが、まだまだ数も多く、追い詰められて凶暴になっていた。だがアラゴルンが[[死者の軍勢]]を召し出すと、敵はその恐怖に耐えられず、逃れようと海に飛び込んで溺れ死ぬか、徒歩で南へと逃げだし、完全に潰走した。誓言を成就した死者たちはここでアラゴルンによって解放され、永久の眠りについた。

海賊の艦隊を鹵獲したアラゴルン達は、それぞれの大型船に[[ドゥーネダイン]]を派遣して、鎖で繫がれていた奴隷の漕ぎ手達を解放し、[[モルドール]]と戦うために力を貸してもらうよう鼓舞する。またペラルギルには、アングボールが連れてこられるだけの騎兵を引き連れてきたほか、「イシルドゥルの世継が現れた」という噂を聞きつけた[[レベンニン]]や[[エシル>エシル・アンドゥイン]]などの、海賊の脅威が取り除かれた[[辺境の諸侯国]]から、続々と兵が集まってきた。

3月14日にこれら諸侯国の援軍は海賊の船に乗り、ペラルギルを出航。船は[[アンドゥイン]]を遡り、15日に[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]に到着し、[[ペレンノール]]へと乗り込んだ。

***合戦の終結 [#kb243dee]

アラゴルンの艦隊は[[エレンディルの旗印>エレンディルの印]]を掲げて[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]に現れ、[[ロヒアリム]]や[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の[[ゴンドール]]軍は歓喜した。一方、味方の船に敵が満載されているのを目撃したモルドール軍は狼狽する。そして、ハルロンドに向かって南に進むロヒアリム、ハルロンドに接岸して次々と上陸し北上する南部ゴンドール軍、[[イムラヒル]]が率いて東進するミナス・ティリスの軍勢に挟撃され、モルドールの軍勢は[[ムマキル]]などを含めて全滅。モルドールとその同盟軍は殺されるか、逃げようと大河に飛び込んで溺れ死ぬかして、逃げ延びることができたものはほとんどいなかった。
だが、[[ナズグール]]の中で打ち倒されたのは[[魔王]]だけであった。そしてゴンドールとその同盟軍にも多大な被害が出た。以下は、ゴンドールとその援軍の中で判明している戦死者の名である。
両軍は日を徹して戦い続け、[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]に向かって南に進む[[ローハン]]軍、ハルロンドに接岸して次々と上陸し北上する[[灰色の一行]]と諸侯国の兵たち、[[イムラヒル]]が率いて東進する[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の軍勢に挟撃され、[[モルドール]]の軍勢は[[ムーマキル]]にいたるまで全滅。モルドールとその同盟軍は殺されるか、逃げようと[[アンドゥイン]]に飛び込んで溺れ死ぬかして、逃げ延びることができたものはほとんどいなかった。
だが、[[ナズグール]]の中で打ち倒されたのは[[魔王]]だけであった。そして[[ゴンドール]]とローハン軍にも多大な被害が出た。以下は、[[ゴンドール人]]と[[ロヒルリム]]、及び[[灰色の一行]]の中で判明している戦死者の名である。

-ゴンドール人
--[[フォルロング]]
--[[ドゥイリン]]
--[[デルフィン]]
--[[ヒアルイン]]
-ロヒアリム
--[[セオデン]]
--[[ヒルルイン]]
-ロヒルリム
--[[セーオデン]]
--[[グリムボルド]]
--[[ハルディング]]
--[[グスラフ]]
--[[ドゥンヘーレ]]
--[[デオルヴィネ]]
--[[グスラーフ]]
--[[ドゥーンヘレ]]
--[[デーオルウィネ]]
--[[ヘレファラ]]
--[[ヘルブランド]]
--[[ホルン]]
--[[ファストレド>ファストレド(ローハン)]]
-灰色の一行
--[[ハルバラド]]

一方[[デネソール二世]]は、危篤状態に陥った[[ファラミア]]のことを嘆き、さらにミナス・ティリスの[[パランティーア]]を使用して、サウロンにはさらに多くの軍勢が控えていることを知り絶望。[[ラス・ディネン]]に薪を用意して、ファラミアと共に焼身自殺をはかろうとする。[[ペレグリン・トゥック]]によって事態を知らされた[[ベレゴンド>ベレゴンド(バラノールの息子)]]は、この行為を止めようとして、デネソールの従僕2名を斬ってしまう。やがてピピンの知らせを受けたガンダルフが駆けつけると、デネソールは「北の国のその[[野伏]]とやら」「統治権と王位の尊厳をとっくに失ったおんぼろ家系の[[最後の末裔>アラゴルン二世]]」に、ゴンドールの統治権を渡すことを拒否する発言をする。だがガンダルフは、まだ死んでいないファラミアからその選択権を奪ってはならないというと、デネソールは息子を奪われることを拒み、自ら短剣でファラミアを殺そうとした。しかしこれもベレゴンドに阻まれると、従僕から松明を奪って薪を燃やし、執政職を示す杖を折って火の中に投げ入れ、自らも炎の中に飛び込んで死んだ。
合戦の戦死者たちは[[ムンドブルグの塚山]]に葬られ、後にローハンの詩人は[[ムンドブルグの塚山の歌]]を作った。

ファラミアは救出され、死んだと思われていたがまだ息があった[[エオウィン]]、そして魔王を刺したときに負傷した[[メリアドク・ブランディバック]]らと共に、[[療病院]]へと送られる。そこで[[アラゴルン二世]]によって、[[黒の息]]の治療を受ける。さらにアラゴルンは、[[エルロンドの息子]]と共に、ミナス・ティリスの戦傷者や、黒の息の被害者の治療にあたった。このときアラゴルンは[[緑の石]]を身につけていたため、[[エルフの石の殿>エレスサール]]と呼ばれるようになる。また「王の手は癒やしの手」の伝承から、「王がゴンドールに戻ってきた」という噂がミナス・ティリスに広がり、ゴンドールの人々が王の復古を自然と受け入れる大きな理由のひとつともなった。
救出された[[ファラミル]]は[[療病院]]に運ばれ、[[魔王]]を刺した[[エーオウィン]]、[[メリアドク・ブランディバック]]も運ばれてくる。そこでかれらは[[黒の息]]に冒されていることが明らかとなり、[[アラゴルン二世]]により[[アセラス]]を用いた治療を受けた。このときアラゴルンは[[緑の石]]を身につけていたため、[[エルフの石の殿>エレッサール]]と呼ばれるようになる。また[[ヨレス]]が口にした「王の手は癒やしの手」の伝承から、王がゴンドールに戻ってきたという噂がミナス・ティリスに広がり、[[ゴンドール人]]が王の帰還を自然と受け入れる大きな理由のひとつともなった。

後に[[ローハン]]の詩人は、[[ムンドブルグの塚山]]というペレンノール野の合戦についての歌を歌っている。
*** 画像 [#t087e674]

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#lotrmovie]
&ref(SiegeOfGondor.jpg,,25%,アラン・リー作画によるペレンノール野の合戦); &ref(Pelennor.jpg,,25%,アラン・リー作画によるペレンノール野の合戦);

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

[[ドルーアダンの森]]および[[ランマス・エホール]]の描写は登場しない。
モルドール軍の攻城櫓は第一階層城壁の高さにまで達しているほか、ミナス・ティリスからは据え付けの投石機で反撃している。
戦闘開始前に、ミナス・ティリスの民間人は多くが疎開している設定だったが、(おそらく危機感を高めるため)非戦闘員が第一階層でオークなどに襲われる姿が描かれている。
原作では、[[ペラルギア]]方面の[[海賊]]を攻撃するまでだった[[死者の軍勢]]は、ミナス・ティリスの第一階層を完全に制圧していたモルドール軍を直接攻撃している。
劇場公開版では[[ガンダルフ]]と[[魔王]]が対峙するシーンはカットされているが、[[エクステンデッド・エディション]]にて、ガンダルフと[[ペレグリン・トゥック]]が、[[恐るべき獣]]に乗った魔王と対峙している。この時ガンダルフは、魔王に杖を折られて圧倒されかけるが、ロヒアリムの軍勢が現れたため魔王は立ち去っている。
モルドール軍の攻城櫓は[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]の第一階層城壁の高さにまで達しているほか、ミナス・ティリスからは据え付けの投石機で反撃している。
原作では戦闘開始前に、ミナス・ティリスの民間人は多くが疎開している設定だったが、映画では(おそらく危機感を高めるため)非戦闘員が第一階層で[[オーク]]などに襲われる姿が描かれている。[[ロヒルリム]]の突撃は、[[エーオメル]]の出番が多くカットされ、エーオメルらの台詞は[[セーオデン]]らの台詞に流用された。

** コメント [#sbd29015]
原作では、[[ペラルギル]]方面の[[海賊]]を攻撃するまでだった[[死者の軍勢]]は、ミナス・ティリスを半ば制圧していたモルドール軍を直接攻撃している。
劇場公開版では[[ガンダルフ]]と[[魔王]]が対峙するシーンはカットされているが、[[エクステンデッド・エディション]]にて、ガンダルフと[[ペレグリン・トゥック]]が、[[恐るべき獣]]に乗った魔王と対峙している。この時ガンダルフは、魔王に杖を折られて圧倒されかけるが、ロヒルリムの軍勢が現れたため魔王は立ち去っている。

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]城内での防衛戦、[[ロヒルリム]]と行動を共にしての戦い、[[アラゴルン>アラゴルン二世]]らと行動を共にしての戦い、[[ゴスモグ>ゴスモグ(モルグル)]]が送り込んできた増援との戦いがそれぞれプレイできる。
一方で、[[沈黙の通り>ラス・ディーネン]]に現れた[[ナズグール]]や、彼が呼び起こした亡霊と戦うクエストもある。

&ref(ScreenShot00688.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるペレンノール野の合戦); &ref(グロンド/ScreenShot00764.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるペレンノール野の合戦でのグロンド); &ref(魔王/ScreenShot00768.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、ミナス・ティリスに入場した魔王); &ref(セーオデン/ScreenShot00605.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、ペレンノール野の合戦でのセーオデン); &ref(ScreenShot00443.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるペレンノール野の合戦); &ref(ScreenShot00467.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるペレンノール野の合戦でのロヒルリムの突撃); &ref(恐るべき獣/ScreenShot00476.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における恐るべき獣と魔王); &ref(魔王/ScreenShot00477.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、エーオウィンと対峙した魔王);

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