- ゴンドールの執政家の祖、エミン・アルネンのフーリン(Húrin)については[[フーリン(エミン・アルネン)]]を参照してください。
- ゴンドールの統治権を持つ5代目の執政フーリン一世(Húrin I)については[[フーリン一世]]を参照してください。
- ゴンドールの統治権を持つ14代目の執政フーリン二世(Húrin II)については[[フーリン二世]]を参照してください。
- ミナス・ティリスの鍵鑰主管長、身の丈高きフーリン(Húrin)については[[フーリン(ミナス・ティリス)]]を参照してください。

* フーリン [#gcf379c0]
** 概要 [#r1e388fe]

|~カテゴリー|人名|
|~スペル|Húrin|
|~その他の呼び名|サリオン(Thalion)(([[シンダール語]]で不動なる者・強き者の意))、不動の(the Steadfast)、強固なる(the Strong)|
|~種族|[[人間]]([[エダイン]])|
|~性別|男|
|~生没年||
|~親|[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]](父)、[[ハレス>ハレス(ハルミアの娘)]](母)|
|~兄弟|[[フオル]](弟)|
|~配偶者|[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]|
|~子|[[トゥーリン]](息子)、[[ラライス]]、[[ニエノール]](娘)|

** 解説 [#yaa4f87c]

[[トゥーリン]]と[[ニエノール]]の父。
[[ドル=ローミン]]の領主で[[ハドル>ハドル(ハソルの息子)]]の息子である[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]を父とし、[[ハレスの族>ハレス(ハルダドの娘)#h16ba437]]の族長[[ハルミア]]の娘[[ハレス>ハレス(ハルミアの娘)]]を母とする。[[フオル]]の兄。[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]の夫。[[ハドル王家>ハドル(ハソルの息子)#q65837b9]]の継承者。

*** ブレシルのフーリン [#h78c9226]
*** ブレシルでの少年時代 [#h78c9226]

フーリンとフオルは[[ブレシル]]で、母方の叔父の[[ハルディア>ハルディア(ハルミアの息子)]]によって養育された。[[オーク]]との戦いに弟の[[フオル]]と共に出陣するが、彼らは[[ブリシアハ]]の浅瀬で[[オーク]]に包囲される。そこを[[ウルモ]]に救われて敵の目から逃れる。その後[[ディンバール]]をさまよっていたところを[[ソロンドール]]の配下の[[大鷲]]達によって救い上げられ、[[ゴンドリン]]へと送られた。

***ゴンドリンへの滞在 [#p316ef65]
フーリンは、[[フオル]]と共に[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]によって受け入れられ、ゴンドリンに一年近く滞在し、[[エルフ]]から様々なことを学んだが、やがて同族の元に戻ることを望む。フーリンとフオルは、ゴンドリンの存在は秘密にすると誓い(実際彼らは大鷲によって空を一気に運ばれたため、ゴンドリンの正確な位置は知らなかった)、トゥアゴンに別れを告げると、再び[[大鷲]]によって運ばれて[[ドル=ローミン]]に戻った。フーリンたちは誓いを守り、自分たちが約一年間どこで何をしていたのかは誰にも語らなかった。

***ハドル家の当主として [#s58c5852]
父[[ガルドール>ガルドール(ハドルの息子)]]が[[エイセル・シリオン]]の包囲戦で[[オーク]]の矢を受けて死ぬと、フーリンは[[ハドル王家>ハドル(ハソルの息子)#q65837b9]]を継承して[[フィンゴン]]に仕えた。そして[[ベオル王家>ベオル#s6e412f5]]の[[バラグンド]]の娘[[モルウェン・エレズウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]を妻とし、[[トゥーリン]]、[[ラライス]]、[[ニエノール]]の父となった。

*** ニアナイス・アルノイディアドでの悲劇 [#xb11878b]

フーリンは、[[ニアナイス・アルノイディアド]]と呼ばれることになる戦いに、[[フオル]]と共に[[ドル=ローミン]]の軍勢を率いて参戦する。その大乱戦のさなかにフーリンは[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]と再会したが、[[ウルドール]]らの裏切りによって部隊は崩れ、フーリンの部隊は撤退する[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]の部隊の最後衛を守って彼を助ける。彼らは[[セレヒ]]の沢地にまで退き、[[フオル]]も他の者も全て斃れた中で、フーリンはただ一人戦い続けた。だが遂にフーリンは、自らが切り落とした[[オーク]]の腕に埋もれて身動きが取れなくなり、生きながら[[オーク]]に捕らえられ、[[ゴスモグ>ゴスモグ(バルログ)]]に引きずられて[[アングバンド]]に連れ去られた。
フーリンは[[モルゴス]]の前に引き出されて尋問されたが、モルゴスを歯牙にもかけず嘲る。するとモルゴスはフーリンやフーリンの家族を呪う。フーリン自身は[[サンゴロドリム]]の高みにある石の椅子に座らされて金縛りにあわされ、モルゴスのねじ曲がった目と耳によって[[中つ国]]の出来事を知ることになり、[[エルフ]]、特に[[シンゴル]]と[[メリアン]]への憎しみが増大されるように仕組まれた。

*** 釈放後、不幸をもたらした行動 [#jf124b12]

フーリンは、[[トゥーリン]]の死の一年後に釈放される。彼は再び[[ゴンドリン]]に行くことを望み、かつて[[ソロンドール]]に見出され救い上げられた[[ディンバール]]に入った。だが彼はゴンドリンを発見することができず、絶望したフーリンはゴンドリンの方角に向けて、ら[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]を呼んで叫んだ。その声は[[モルゴス]]の間者に聞かれ、モルゴスにゴンドリンのおおよその位置を知らせてしまうことになる(その後、採掘の作業のためゴンドリンから外に出た[[マイグリン]]が、ゴンドリンを捜索していた[[モルゴス]]の配下の[[オーク]]に捕らえられたことによって、ゴンドリンの正確な位置がモルゴスに知られてしまった)。
一方、さまよっていたフーリンの姿はソロンドールに発見されており、ソロンドールからトゥアゴンに知らされていた。最初トゥアゴンは、フーリンがモルゴスに屈し間者になったのではと思って警戒し、彼をゴンドリンに入れようとはせず無視した。だが考えを改めて、フーリンをゴンドリンに連れてこさせようとするが、その時には既にフーリンは見つからなかった。

その後フーリンは[[ブリシアハ]]に戻り、[[カベド・ナイラマルス]]にある[[トゥーリンとニエノールの墓>不運なる者たちの墓石]]に辿り着いた。この場所でフーリンは[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]に再会して彼女の死を看取る。その後トゥーリンとニエノールの墓石のそばに、モルウェンを葬った。

それからフーリンは[[ナルゴスロンド]]の廃墟へ赴き、トゥーリンを裏切った者への復讐として、ナルゴスロンドにいた[[小ドワーフ]]の[[ミーム]]を殺す。そしてフーリンはナルゴスロンドの大量の財宝の中からただ一つ[[ナウグラミーア]]だけを手にして、[[ドリアス]]へと向かった。
フーリンは、トゥーリン、モルウェン、ニエノールが、[[シンゴル]]によってドリアスから追放されたという[[モルゴス]]の吹聴に怒りを滾らせ、シンゴルにナウグラミーアを叩き付ける。だがその時フーリンは[[メリアン]]によって呪いから解放され、トゥーリンたちはドリアスで厚遇されていたが、自らの意志で出ていったという真実を悟る。すると彼は改めてナウグラミーアを贈り物としてシンゴルに捧げる(だが間接的に、このナウグラミーアがドリアス滅亡の原因となる)。

最後にフーリンは目的も望みも全て失って、[[西海>大海]]に身を投じたという。

** コメント [#j9e74044]

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