* ノルドール [#z4b6ba59]
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** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Noldor((単数形ノルド(Noldo) ))|
|~その他の呼び名|ゴロズリム(Golodhrim)((単数形ゴロズ(Golodh) ))、ノーミン(Nómin)((人間の言葉で「智慧ある者たち」の意。[[ベオルの族]]がノルドールを呼んだ名))、ゴルグ(Golug)(([[オーク語]]))、地のエルフ(Deep-elves)((『[[ホビットの冒険]]』での表記))、髪の黒いエルフ(Deep-elves)((『[[シルマリルの物語]]』での邦訳))、[[ノウム]](Gnomes)|
|~その他の呼び名|ゴロズリム(Golodhrim)((単数形ゴロズ(Golodh)。ゴロズは[[クウェンヤ]]のノルド(Noldo)の[[シンダール語]]形。複数形はゲリズ(Gelydh)。ゴロズリム(Golodhrim)はゴロズの集合名詞)) &br; [[ノーミン]](Nómin) &br; ゴルグ(Golug)(([[オーク語]])) &br; 髪の黒いエルフ、知識深きエルフ(Deep elves)((『[[新版]] [[シルマリルの物語]]』での邦訳)) &br; 地のエルフ(Deep-elves)((『[[ホビットの冒険]]』での邦訳)) &br; [[ノウム]](Gnomes) &br; 伝承の博士たち(Loremasters)((『[[The Letters of J.R.R.Tolkien]]』の手紙153にみえる表現。『[[終わらざりし物語]]』の註釈でその一部が引用されている))|

** 解説 [#Explanation]

[[クウェンヤ]]で「博識なる者たち((「知識があるという意味であり、賢明の意味ではない」とのこと))」の意。[[シンダール語]]ではゴロズリム。
[[クウェンヤ]]で「知者」(the Wise)の意。[[シンダール語]]ではゴロズリム。((ただし、ノルド(Noldo)やゴロズ(Golodh)は知識を有する博識の意味であり、賢明な者の意味ではない))
知識と技に秀でた[[エルフ]]の氏族で、[[月]]と[[太陽]]が昇る前、[[中つ国]]から西方の[[至福の国]]に渡った[[エルダール]]の第二陣。[[上のエルフ]]の中で唯一、西方から中つ国へと帰還した者達。

*** 特徴 [#ic18f45f]

黒髪あるいは暗褐色の髪を特徴とする([[フィナルフィン]]の一族だけは[[ヴァンヤール]]から金髪を受け継いでいる)。知識や技術の探究に熱心であり、伝承の大家だが、そのため堕落の危険に晒されることも多かった。
主要言語は[[クウェンヤ]]だったが、中つ国では[[シンゴル]]がクウェンヤの使用を禁じたため、後に[[シンダール語]]を日常的に使用するようになる。
[[アウレ]]の教え子であった関係から、その実子である[[ドワーフ]]と友好的。特に[[第二紀]]には、[[エレギオン]]のノルドールと[[カザド=ドゥーム]]のドワーフとの間に強い友情が育っていた。
第二紀以降[[中つ国]]に留まった唯一の[[上のエルフ]]であり、その能力は中つ国に住む[[他のエルフ>暗闇のエルフ]]を遥かに凌いでいた。

** 歴史 [#wff4c15d]

*** エルダールの第二陣 [#j6886bf7]

[[二つの木の時代]]、[[クイヴィエーネン]]から[[アマン]]へ移住することを選んだ[[エルダール]]の第二陣で、[[フィンウェ]]に率いられていた。
その数は[[テレリ]]に次いで多かったが、[[ヴァンヤール]]と行動を共にして速やかに西方への旅を完了し、ほぼ全員がアマンへ到達して[[光のエルフ>上のエルフ]]となった。

アマンでは、[[カラキルヤ]]に築かれた[[ティリオン]]の都に住まう。
ノルドールとヴァンヤールははじめ共にティリオンに住んでいたが、ヴァンヤールは後に[[ヴァリノール]]の平野に移住した。また、[[エルダマール]]の岸辺に到達したテレリ([[ファルマリ]])とも親交を保ち、かれらに宝石を贈るとともに[[アルクウァロンデ]]の港の建造に手を貸した。

*** 博識なる者たち [#qf19bcf5]

ノルドールは工人[[アウレ]]とその民の[[マイアール]]から多大な教えを受け、やがて多くの点で師を凌駕するまでに至る。
建築では高い塔を建てることを喜び、優れた石工となった。またその過程で地中から宝石を発見し、これを美しく刻むことを初めて行う。ノルドールが産出する宝石によって[[ヴァリノール]]はさらに美しく豊かになった。[[マンウェ]]のサファイアの王笏もノルドールが作ったものである。
言語を深く愛しており、未知のものに名前をつけるため新たな言葉を考案し、すでにあるものにもより相応しい言葉をあてがおうと絶えず工夫した。そのためノルドールの[[クウェンヤ]]は変わりやすく不安定だった。
世界や生類の秘密を求めて[[アマン]]を探検する者たちもいた。

このようにノルドールはあらゆる知識と技を究めていったが、そのために知識欲も際限なく強くなっていった。

*** ヴァラールへの反逆 [#tb312aac]

[[マンドス>マンドス(地名)]]から釈放された[[メルコール(モルゴス)>モルゴス]]は、[[ヴァラール]]と[[エルフ]]に復讐するため、ノルドールの知識欲に目をつける。メルコールはかれらに様々な知識を伝授しいくつもの助言を与えたが、そこにはかれらの間に不和の種を撒き、ヴァラールと離間させようと目論む虚言が含まれていた。
ノルドールは広大な[[中つ国]]への憧憬を抱くようになり、ヴァラールは自分達を[[アマン]]に閉じ込めていると不平を漏らすようになる。さらに[[フィンウェ]]の二人の息子[[フェアノール]]と[[フィンゴルフィン]]は確執を深め、かれらとかれらの支持者達は密かに武器を鍛えて武装するようになった。

そのため[[二つの木]]が枯死し、フェアノールが[[フィンウェ]]の復讐と[[シルマリル]]の奪還を叫んで[[ティリオン]]で大演説を行うと、ほとんどのノルドールが彼に同調して中つ国への帰還を強行しようとした。その結果、かれらを思い留まらせようとした[[アルクウァロンデ]]の[[ファルマリ]]との間で[[同族殺害]]が発生し、ノルドールは武装によってファルマリを圧倒して船を奪い取る。
これによって反逆のノルドールの上にはヴァラールの怒りである[[マンドスの呪い]]が下された。かれらは[[アマン]]の地とヴァラールの憐れみから閉め出されて非業の運命に縛られることとなる。

[[フィナルフィン]]と彼に従った少数のノルドールは改悛してアマンへ引き返し、許しを得た。
だが大多数のノルドールはフェアノールとフィンゴルフィンに従って[[中つ国]]への帰還を果たし、[[ベレリアンド]]で[[モルゴス]]を相手に望みない戦いを繰り広げた。([[宝玉戦争]])

*** 中つ国の上のエルフ [#m0a54974]

[[第一紀]]末の[[怒りの戦い]]によって[[ベレリアンド]]が崩壊し、[[マンドスの呪い]]が停止されて全ての[[エルダール]]に[[アマン]]への道が開かれても、少なからぬノルドールは[[中つ国]]に残留することを選んだ。かれらは中つ国に残る唯一の''[[上のエルフ]]''となった。
だが中つ国は確実に[[人間]]の世界へと移行しつつあり、残留した[[エルフ]]の力と記憶は次第に衰退していくことを余儀なくされる。

[[第二紀]]のはじめにかれらは[[灰色港]]と[[エレギオン]]を築いた。エレギオンのノルドールは[[モリア]]の[[ドワーフ]]と親交を結び、両国の繁栄がもたらされる。だがエレギオンの工人集団[[グワイス=イ=ミーアダイン]]は、[[サウロン]]にそそのかされて[[力の指輪]]を鍛造し、指輪を巡るサウロンとの戦争でエレギオンは滅亡した。
[[第三紀]]には[[裂け谷]]がノルドール最後の拠点として残っていた。[[灰色港]]と裂け谷の間の[[エリアドール]]一帯を放浪する者達もいた。また[[ロスローリエン]]へ移住した者達も少数ながらいたようである。
しかしノルドールは少しずつ灰色港から[[西方>アマン]]へ船出していき、その数は減じていった。

中つ国に残るかれらの力は[[三つの指輪]]の隠された作用によって辛うじて保たれていたが、[[指輪戦争]]によってその作用も消失し、すべての上のエルフは中つ国から立ち去っていった。
[[ガラドリエル]]は、反逆のノルドール指導者の内、[[第三紀]]末まで中つ国に残留していた最後の者であった。

** ノルドールの有名人物 [#f46d8827]

-[[フィンウェ]](最初の[[上級王]])
-[[フェアノール]]と[[その息子たち>フェアノールの息子たち]]
--[[マイズロス]]
--[[マグロール]]
--[[ケレゴルム]]
--[[カランシア]]
--[[クルフィン]]
--[[アムロド]]
--[[アムラス]]
-[[フィンゴルフィン]]
-[[フィナルフィン]]
-[[フィンゴン]]
-[[トゥアゴン>トゥアゴン(フィンゴルフィンの息子)]]
-[[イドリル]]
-[[エクセリオン]]
-[[フィンロド]]
-[[ガラドリエル]]
-[[ギル=ガラド]](最後の[[上級王]])
-[[ケレブリンボール]]
-[[グロールフィンデル]]
-[[ギルドール>ギルドール(フィンロド王家)]]

** コメント [#Comment]

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