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* ナズグール [#q065c234]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[種族]]|
|~スペル|Nazgûl|
|~異訳|ナズグル|
|~その他の呼び名|指輪の幽鬼 (Ringwraith) &br; 黒の乗手 (Black Rider) &br; 九人の乗手 (Nine Riders) &br; 九人組 (the Nine) &br; ウーライリ (Úlairi)|

** 解説 [#Explanation]

[[暗黒語]]で''指輪の幽鬼''の意。幽鬼、九人組などとも呼ばれ、黒衣をまとい黒馬にまたがった姿から''黒の乗手''とも呼ばれる。[[クウェンヤ]]では''ウーライリ''と言われる。
彼等はかつて[[九つの指輪]]を手にした九人の偉大な王侯や妖術師であった。彼らは九つの指輪によって[[人>人間]]ならざる力を手に入れ、その盛時には強大な権勢を振るうに至ったが、やがて現身の肉体を失って目に見えない存在となり、[[冥王]]の意志と指輪に従属する恐るべき幽鬼と化した。
ナズグールは[[サウロン]]の下僕の内で最も強力な存在であり、サウロンが[[一つの指輪]]を失っている間は恐怖の影に過ぎなかったが、それでも[[その首領>魔王]]の下に九人が一団となれば、これに抗しきる望みのある者はほとんどいなかった。

>「よいか、フロド、[[偉大な指輪>力の指輪]]の一つを持っている者は、[[死すべき者>人間]]であっても死なないのじゃ。しかし生長するわけでもなく、さらに活力を得るわけでもない。ただ生き続ける。そしてついには、その生の一刻一刻が倦怠でしかなくなる。また、もしかれが、しばしばその指輪を用いて、姿を隠すとする。するとかれはうすれていく。しまいには、永遠に姿は見えなくなり、[[指輪を支配する暗黒の力の目>サウロン]]に見張られながら、薄明かりの中をさ迷い歩くのじゃ。」((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]] 上』「二 過去の影」 [[ガンダルフ]]の言葉。))

>「ナズグルとその餌食の間に邪魔立てするな! さもなくば、きさまの番になってもきさまを殺さぬぞ。殺さずに真っ暗闇のかなたにある嘆きの家に運んで行くぞ。そこできさまの肉は喰い尽くされ、縮みあがった心の臓だけが瞼なき御目の前にむき出しに置かれるのだ。」((『[[王の帰還]] 上」「六 ペレンノール野の合戦」 [[デルンヘルム]]を脅す[[魔王]]の言葉。))

*** 外見 [#Appearance]

>かれらの蒼白い顔には鋭い無慈悲な目が燃えていました。黒いマントの下には灰色の長衣をまとっていました。灰色の頭には銀の兜がかぶせられていました。やせさらばえた手には鋼の剣が握られていました。かれらの視線はかれを捕え、かれを突き刺しました。((『旅の仲間 上』「十一 闇夜の短剣」 [[一つの指輪]]をはめた[[フロド]]の視点))

ナズグールは幽界の存在であるために実体を持たず、普通の人間の目にはその姿は見えない。[[一つの指輪]]を指にはめて、あるいは[[モルグルの刃]]で刺されて、一時的に幽界に身をおいた[[フロド・バギンズ]]は、その不可視の実体を目にすることができた。
たが生きている者を相手にするには実体がなければならないため、本物の黒装束を身にまとい、[[モルグルの武器>モルグルの刃]]で武装する。そして[[モルドール]]で飼い慣らされた[[黒馬>馬]]に乗って移動した(後には[[サウロン]]から与えられた[[怪鳥>恐るべき獣]]に乗った)。

*** 能力 [#Ability]

>敵側には以前に感じ取ることのなかったある力がございました。 &br; その力は、巨大な黒い乗手か、月下の暗い影のごとく、目で見ることができると申す者もありました。その者が姿を現わすところはいずこも、狂喜が敵の陣営をみたし、それに反し、わが方では、最も大胆不敵な者でさえ恐怖に襲われ、ために馬も人も堪え切れずして逃げ去ったのです。((『旅の仲間 下』「二 エルロンドの会議」 [[ボロミア]]のセリフ))

ナズグールの最大の武器は、そこにいるだけで周囲に甚だしい恐怖を与えることだった。それは彼らが形あるものを纏わず、また集合しているほど強くなる。このため多くの者は、ナズグールを前に踏みとどまって抵抗することすらままならなかった。だがそれは武器であると同時に、隠密行動を取りづらいという弱点でもあった([[後述>ナズグール#Hunt]])。

日中にはその視覚はほとんど働かず、ただ生者の存在を影として感じ取ることができるだけで、もっぱら嗅覚に頼っている。そして恐ろしい絶叫をあげて互いに呼応する。だが闇夜になればその感覚は鋭くなり、生き身の人間以上に多くのしるしを見て取ることができる。そして常に[[一つの指輪]]の力に引き寄せられる。

ナズグールと間近で接触した者は[[黒の息]]と呼ばれる呪魔に冒されることがあった。ナズグールは実体を持たないため尋常の武器では傷つけることはできず、逆に斬りつけた剣は朽ちてしまい、斬り付けた者は腕から黒の息に冒されてしまう。それに加えて[[モルグルの武器>モルグルの刃]]によって、生者を幽鬼の世界に引き込むことができる。
ただし、彼等に実体を与えている黒装束や乗り物を破壊することによって、一時的に無力化することはできる。

[[上のエルフ]]だけは同時に二つの世界に生きているため、実体を持たないナズグールにとっても大きな脅威である。また[[エルベレス]]の御名によっても大きな打撃を受ける。[[塚山出土の剣]]にはナズグールの不可視の肉体に深傷を負わせるほどの呪力が込められていた。

[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]によると、彼らは完全に[[サウロン]]に支配されているため、一つの指輪を自分のために使うということは思いもよらない。また『[[終わらざりし物語]]』によると、[[魔王]]以外のナズグールは、[[太陽]]の光と水を忌み、単独でいる時にそれらに晒されると混乱しがちだった。

** 歴史 [#History]

ナズグールたちは[[第二紀]]2251年頃に初めて確認される。恐らく、[[サウロン]]が[[一つの指輪]]を完成させた第二紀1600年からそれまでの間に、サウロンは[[九つの指輪]]を[[人間]]に与えたのであろう。やがてそれらの人間が、次第にナズグールと化していったものと思われる。

>九つの指輪を用いた者は、それぞれの盛時において強大な力を持つに至った。かれらはかつての王であり、妖術師であり、戦士であった。かれらは栄華と大いなる富を得たが、それがかれらの破滅につながった。かれらは終わることのない命を持つように見えたが、生はかれらにとって耐えがたいものになった。かれらはその気になれば、天が下を白昼、誰の目にも見られずに歩くことができ、有限の命の人間の目には見えない領域の事物を見ることができた。しかし、かれらが見るのはただの幻影であり、サウロンによる惑わしに過ぎないことが非常に多かった。 … そしてかれらは、一つの指輪を嵌めているサウロンのほかには誰の目にも永遠に見えなくなり、影の国に入ったのである。… 暗闇がかれらと共にあり、かれらの叫ぶ声は死の声であった。((『[[シルマリルの物語]]』「力の指輪と第三紀のこと」))

第二紀末の[[最後の同盟]]の戦いで主人のサウロンが敗れると、ナズグールも一時姿を消す。

だが[[第三紀]]1100年頃にサウロンが[[ドル・グルドゥア]]で再び形を取るとナズグールも再び姿を現わし、1300年頃より暗躍を開始した。
ナズグールのうち[[魔王]]は[[アングマール]]の王として北方に現れ、やがて[[北方王国]]を滅ぼすことになる。1975年には魔王は北方より駆逐された。
だが1980年になると、当時[[ゴンドール]]に占拠されていたが警備が手薄となっていた[[モルドール]]に魔王が出現し、他のナズグールを招集してサウロン帰還の準備を始める。ナズグールは2000年には[[ミナス・イシル>ミナス・モルグル]]攻撃を開始し、2002年に陥落させて、同地をミナス・モルグルに変貌させた。
サウロンが一時ドル・グルドゥアから撤退した[[警戒的平和]]の間は、ナズグールはミナス・モルグルに隠れ潜んで目に見える姿をとらなかった。

だが2951年にサウロンがモルドールで公然と名乗りを上げると、ナズグールも活動を再開。サウロンが2941年に[[白の会議]]に追われて以来打ち捨てられていたドル・グルドゥアを、[[ハムール]]ら三人が再占領した。
以後しばらく、九人が公然と姿を現すことはめったになく、[[大河]]を渡ることもなかった。だが[[3018年(大いなる年)>大いなる年]]に[[一つの指輪]]が見出されて[[指輪戦争]]が起こると、ナズグールはサウロンの手先として出撃、一つの指輪を追跡するとともに、モルドール軍の指揮官として戦った。

*** 指輪狩り [#Hunt]

『[[指輪物語]]』本編におけるナズグールの動向については、『[[終わらざりし物語]]』でさらに詳しいことが述べられている。

3009年に[[モルドール]]に捕えられた[[ゴクリ]]から[[一つの指輪]]の再発見とそれに関する「[[なんとか庄>ホビット庄]]」「バギンズ」なる情報を入手したサウロンは、その捜索にはナズグールこそ適任と考えたが、彼等の隠密行動がとれない弱点のために敵に目的を見破られることを恐れ、その派遣をためらった。
だが3017年に釈放されたゴクリが直ちに[[ガンダルフ]]の手に落ち、尋問を受けたとの報が[[ドル・グルドゥア]]よりもたらされたことで、[[賢者達>白の会議]]は既に指輪の再発見を察知していることがわかる。そのためサウロンは即座に指輪を取り戻す必要に迫られ、ナズグールの派遣を決意する。

[[3018年>大いなる年]]6月、[[オスギリアス]]と[[闇の森]]への同時攻撃にまぎれてナズグールは[[大河]]を渡り、一つの指輪の捜索に出撃した。
オスギリアス攻撃において[[魔王]]らは公然と姿を見せて敵を恐慌に陥れ、装束をまとわずに密かに橋を通って大河を越えた。魔王の一団はその後、ドル・グルドゥアから来た残りのナズグールと合流し、あらかじめ渡河させておいた馬と装束を受け取り[[ホビット庄]]の捜索を開始。9月には[[アイゼンの浅瀬]]を渡り、情報を得るために[[アイゼンガルド]]を訪れ、門前で[[サルマン]]から追い払われたという。

9月22日に[[サルンの浅瀬]]に到達したナズグールは、日没とともにそこを防衛していた[[野伏]]を蹴散らして浅瀬を突破。魔王は可能な限り密やかに行動しつつ野伏の追撃、「バギンズ」の捜索、街道の見張りなどを行うため分散行動を命じ、魔王自身はブリー村の南に潜んで[[塚人]]をはじめとした一帯の悪霊を呼び起こすなどの工作を行った。
翌日23日には4名がホビット庄へ到達し、その日の内に[[ハムール]]が[[ホビット村]]にて[[ハムファスト・ギャムジー]]と会話し、[[フロド・バギンズ]]が[[堀窪]]へ引っ越したことを聞き出している。ハムールはそのままフロド一行を[[バックル村の渡し]]まで追跡したがそこで取り逃がした。[[マゴット]]の農場にも1名が聞き込みに訪れている。
30日の夜に4名は堀窪を襲撃したが、既に指輪はなく、[[フレデガー・ボルジャー]]によって[[バックル村]]全体が厳戒態勢となったため退却。同じ夜、[[ブリー村]]の[[躍る小馬亭]]も襲撃を受けている。
これに激怒した魔王は全員を連れて[[東街道]]を東へ進む。

10月3日には[[風見が丘]]頂上で9名がガンダルフと交戦、夜が明けてガンダルフが東へ逃れると、4名がその後を追った。だがそのために、6日にフロドとアラゴルンの一行がそこへ到達した時、彼等を襲撃することができたのは魔王を含めた5名のみであった。夜半の野営地の襲撃で、[[魔王]]は[[モルグルの刃]]でフロドを刺し、その破片によって彼を幽界に引きずり込もうとする。
そのまま重傷のフロドを連れて[[裂け谷]]へ急ぐアラゴルンらを追い詰めようとしたが、裂け谷より[[上のエルフ]]が派遣され、その1人[[グロールフィンデル]]によって[[果野橋]]で待ち伏せていた3名が追い払われてしまい、彼らの渡河を許してしまう。

魔王の下に集結した9人は他の仲間を蹴散らし、単身逃走するフロドを[[ブルイネンの浅瀬>ブルイネン]]で追い詰めたかに思われたが、[[エルロンド]]が引き起こしガンダルフによって力を増されたブルイネンの水流にまず魔王らが飲み込まれ、動揺した残りのナズグールも追ってきたアラゴルンらの火とグロールフィンデルの怒りに押されて水流に没した。
これによって8名は馬と外衣を失って無力化され、最初の指輪奪取の追跡は失敗に終わった。

*** [[指輪戦争]] [#War]

>「幽鬼どもは今でも恐ろしい敵じゃ。じゃが、かれらはまだ影にすぎぬ。かれらの主人の手にふたたびすべてを支配する指輪がはめられる時、かれらが身に帯びるであろう真に恐るべき力の影でしかないのじゃ。」((『指輪物語 旅の仲間 下』「四 暗闇の旅」 ガンダルフの台詞。))

モルドールに戻ったナズグールは新たな外衣と、馬に代わる[[恐るべき獣]]を[[サウロン]]から与えられ、[[西方との全面戦争>指輪戦争]]の準備や、見失った一つの指輪の捜索に空を舞うようになった。しかし、サウロンは戦争がはじまるまではナズグールが再び[[大河]]を渡ることを禁じていた。
ナズグールのうちひとりは[[オーク]]の部隊を引き連れて、大河の監視を行っていたようである。[[3019年>大いなる年]]2月23日に[[ガラズリム]]の弓を使った[[レゴラス]]に射落とされたのがそれで、[[パルス・ガレン]]付近にて[[指輪の仲間]]を襲撃し、[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]と[[ピピン>ペレグリン・トゥック]]を捕らえた[[グリシュナッハ]]の部隊はそのナズグールの指揮下にあった。

3019年3月5日、ナズグールはとうとう大河を越え、西方との全面戦争が開始された。
3019年3月10日、[[バラド=ドゥーア]]と[[ミナス・モルグル]]に雷の烽が上がり、[[魔王]]が軍勢を引き連れてミナス・モルグルを出城する。モルドール軍とナズグールは[[オスギリアス]]と[[カイア・アンドロス]]を奪取し、決死の反撃を試みた[[ファラミア]]の部隊を潰滅させる。
14日、総大将の魔王の下、モルドール軍は[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を包囲攻撃し、15日に魔王は[[グロンド]]と呪文によって城門を破壊。空を舞うナズグールの恐怖は[[ゴンドール]]軍の士気に大打撃を与えた。だが夜明けとともに[[ロヒアリム]]の軍勢がゴンドールの援軍として到着したことで情勢の変化を察知した魔王はロヒアリム攻撃を優先し、[[セオデン]]を斃す。だがその前に立ちはだかった[[エオウィン]]と彼女を助けたホビットの[[メリー>メリアドク・ブランディバック]]によって、魔王も斃されてしまう。
包囲軍はそのままロヒアリム、ゴンドール軍、そしてアラゴルンら北方の野伏に率いられたゴンドール南部諸侯軍によって殲滅されてしまい、[[ペレンノール野の合戦]]はモルドールの軍勢の敗北に終わった。魔王を失っていったん引き揚げたナズグールだが、その後も恐るべき獣に乗り、上空からゴンドール軍の監視を続けた。

サウロンは一連の情勢悪化を、西軍の大将達が[[一つの指輪]]を手に入れたためではないかと疑っていた。そのためナズグールを使って徹底した監視を行い、指輪を奪い返す機を伺っていたのである。
西軍([[自由の民]]の軍勢)が拙速な攻撃を仕掛けてきたと考えたサウロンは、[[黒門]]まで彼等の進軍を許し、そこで彼らを罠にかけて、指輪を取り返そうとする。[[黒門前の最終決戦>黒門の戦い]]において、ナズグールは再び上空から西軍に襲いかかり、西軍の援護に現れた[[大鷲]]と戦った。
だがその時、[[フロド・バギンズ]]が[[滅びの山]]で指輪の誘惑に負け、指輪は自分のものだと宣言して指にはめる。この瞬間、西軍の計略に気づいたサウロンは、直ちにナズグールに旋回を命じ、ナズグールは指輪を奪回するために全速力で滅びの山へと飛翔したが、時すでに遅く、一つの指輪は[[滅びの罅裂]]の中に投じられた。
サウロンの力は消滅し、ナズグールは滅びの山の噴火に巻き込まれ、焼き尽くされて消滅した。

** ナズグールの一覧 [#Member]

-[[魔王]]
-[[ハムール]]([[東夷]])

九人のナズグールのうち、[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]の設定では以上の二人しか情報がない。『[[二つの塔]]』で[[ファラミア]]は[[フロド]]に[[ミナス・モルグル]]について説明した際、彼らはミナス・イシルを奪った邪悪な[[人間]]たちの王であり、'''暗黒の悪に陥った[[ヌーメノールの人間>ドゥーネダイン]]たちであったと言われている'''と述べている。『[[シルマリルの物語]]』の「力の指輪と第三紀のこと」では、'''かれ([[サウロン]])が[[九つの指輪]]で誘惑した者達の中で三人は、[[ヌーメノール人]]の偉大な諸侯たちであったと言われている'''とある。

** [[Iron Crown Enterprises]]による設定 [#ICE]

[[ICE>Iron Crown Enterprises]]設定では、トールキンの作った設定を拡張する形で[[魔王]]と[[ハムール]]の情報が増えているほか、トールキンの情報がない残り七人のナズグールについて、以下の設定が追加されている。

-[[ドワル]](犬の王)
-[[インドゥア]](ムーマクの主)
-[[アコーラヒル]](嵐の王)
-[[ホアルムーラス]](氷の王)
-[[アドゥナフェル]](唯一の女性のナズグール)
-[[レン]](妖術士)
-[[ウーヴァタ]](騎乗者)

これらの名前の日本語訳は資料によってまちまちである。本表記は『[[指輪物語コレクティブルカードゲーム]]』に従っている。
以上のナズグールうち、『[[シルマリルの物語]]』で言及されている「三人の、ヌーメノール人の偉大な諸侯」には、魔王、アコーラヒル、アドゥナフェルが相当する。また、魔王には[[エル=ムーラゾール]]、ティンドムルという本名が付けられている。

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

かん高い叫び声は、[[フランシス・ウォルシュ]]の声をサンプリングして加工したものが使用されている。
フロドが[[一つの指輪]]をはめた時、彼等の本当の姿が見えたという原作の描写も再現されており、蠟の様に青白く輝く、透き通った姿が描かれている。

*** グッズ [#Goods]
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** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

かつての[[アングマール]]における戦いで倒され、[[ルダウア]]の塚に葬られて封じられたという設定になっている。だが[[サウロン]]の復活に呼応して蘇り、[[ドル・グルドゥア]]に集結した。全員が生前の姿を纏っており、『ロード・オブ・ザ・リング』よりも一人一人の個性を際立たせたデザインに変更されている。

*** 画像 [#kfe1cd9f]

一枚目:中央にいるのが魔王、魔王の左から二番目がハムール。
&ref(Nazgul.jpg,,25%,『ホビット』におけるサウロンとナズグール); &ref(HobbitBotFAArtofWardNazgul2.jpg,,10%,); &ref(HobbitBotFAArtofWardNazgul4.jpg,,10%,);

** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#Lotro]

ナズグールのうち、[[魔王]]の他に以下の名前が出ている。魔王を含めるとナズグールの数は9を超えてしまうが、以下のうちどのナズグールが同じ個体を指しているのか(名が2つあるのか)は不明瞭。

-Lieutenant of Dol Guldur([[ドル・グルドゥア]]の副官)
-Gloom of Nurn([[ヌアン]]の暗闇)
-The Black Blade of Lebennin([[レベンニン]]の黒き刃)
-The Reaver of Khand([[ハンド]]の略奪者)
-Grim Southron(無慈悲な[[南方人>ハラドリム]])
-The Woe of Khand(ハンドの悲痛)
-The Forsaken Reaver(見捨てられし強奪者)
-The Bane of Rhûn([[リューン]]の災い)
-The High-Sorcerer of Harad([[ハラド]]の高僧)

このうちLieutenant of Dol Guldurは[[ハムール]]であることが示唆されており(([[LOTRO Lorebook:http://lorebook.lotro.com/wiki/Monster:The_Lieutenant_of_Dol_Guldur]]))、ドル・グルドゥアで最も高い塔バラド・グルドゥア(Barad Guldur)に出現する。
レゴラスが射落とした[[恐るべき獣]]に乗っていたのはGloom of Nurnになっている。またThe Bane of Rhûnは[[死者の道]]に、The Black Blade of Lebenninは[[オスギリアス]]の[[星辰殿]]に、ゲームの展開によって出現する。Gloom of Nurnは[[ペレンノール野の合戦]]中の[[沈黙の通り>ラス・ディネン]]に、The Forsaken Reaverは同じくペレンノール野の合戦中の[[ハルロンド>ハルロンド(ゴンドール)]]方面に、The Woe of KhandとThe High Sorcerer of Haradは[[ゴスモグ>ゴスモグ(ミナス・モルグル)]]が送り込んだ援軍の中に現れる。
また、ナズグールの[[モルグルの刃]]に刺された者はカルグル(Cargûl)((ゲーム日本語版での表記。『指輪物語』の訳であるナズグルに合わせられている。))という、赤いローブに身を包んだ低級の幽鬼になる設定となっており、各所に出現する。

*** 画像 [#oa99817c]

&ref(魔王/ScreenShot00768.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、ミナス・ティリスに入場した魔王); &ref(魔王/ScreenShot00477.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、エオウィンと対峙した魔王); &ref(ScreenShot00398.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、The Black Blade of Lebenninと恐るべき獣); &ref(496px-Cargûl.jpg,,20%,【Cargûl】カルグールは暗黒後で【赤い幽鬼】の意 );

** [[Games Workshop>The Lord of the Rings Strategy Battle Game]]による設定 [#led80620]

[[映画>ロード・オブ・ザ・リング]]の世界観を土台にしたシリーズを展開しているため、Games Workshop版の幽鬼7人の設定が映画版の設定と捉えることも可能である。
ヌーメノール人の諸侯にはThe Dark MarshalとThe Knight of Umbarが該当する。

-The Shadow Lord(影の君主) &br;小国の王で、サウロンから約束された力に魅せられて指輪を受け取った。闇を身体に纏い光を遮断することができる。
-The Tainted(穢れ) &br; 他の幽鬼たちが徐々に闇に囚われていったのに対し、自らの意思でサウロンの配下となった。毒気を発し、生命を侵す。
-The Undying(死なざる者) &br; 最年長の幽鬼。他の8人が影の支配下の入る中で最も長く、サウロンの意志に抵抗し続けた。強力な魔術師で、自分の能力を強化する。
-The Dark Marshal(黒の総大将) &br; 9人中、最も残忍かつ強い悪意を持つ指揮官。冷酷な意思が、傍を通るだけで立ち向かう敵を萎縮させる。なお原作では「黒の総大将」とは[[魔王]]を指すBlack Captainの訳語である。
-The Betrater(裏切りし者) &br; [[ハラド]]の出身。同族を裏切った後悔と自己嫌悪で正気を失った。そのため冥王からも信頼されておらず、副官としての地位は最も低い。
-The Knight of Umbar(ウンバールの騎士) &br; [[最後の同盟]]が組まれる以前の時代に、南方の国々を支配していた[[黒きヌーメノール人]]だったとされるが真実は不明瞭。
-dwimmerlaik(ドゥイメルライク) &br; 最も謎多きナズグール。[[ローハン]]建国以前の時代に同地で恐れられていた存在と言われるが、それ以外は素性も来歴も一切不明。原作では[[エオウィン]]が[[魔王]]と対峙した時に彼をドウィマーレイク(dwimmerlaik/化けもの)と呼んでおり、そこから採られた名称・設定と思われる。

*** 画像 [#oa99817c]

一番左はGames Workshop版の[[ハムール]]。それ以降は上述された順番に従う。
一番左はGames Workshop版の[[ハムール]]。それ以降は上述された順番に従う。

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** 外部リンク [#Links]

- [[ナズグール(ICE設定):http://homepage2.nifty.com/lotr/naz/nine.html]]

** コメント [#Comment]

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