#author("2022-10-26T21:46:58+09:00;2016-06-08T02:34:53+09:00","","")
* ダゴール=ヌイン=ギリアス [#j1ee473e]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|歴史・事件|
|~カテゴリー|[[歴史・事件]]|
|~スペル|Dagor-nuin-Giliath|
|~その他の呼び名||
|~その他の呼び名|ベレリアンド戦役の二度目の合戦、ベレリアンド戦争の第二の合戦(Second Battle in the Wars of Beleriand)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「星々の下の合戦」の意。[[月>月(天文)]]と[[太陽]]が昇る前、[[フェアノール]]が[[中つ国]]に帰還したことによって行われた戦い。[[ベレリアンド]]第二の合戦。
[[ロスガール]]で船を燃やした後、[[ドレンギスト]]の入り江の外の[[ランモス]]の海岸から[[中つ国]]に上陸した[[フェアノール]]の軍勢は、[[ミスリム湖>ミスリム#Lake]]の北岸まで来て野営した。しかし、ロスガールで焼かれた船の燃えさかる明かりを見て警戒していた[[モルゴス]]の軍勢が、[[エレド・ウェスリン]]の山道を通ってまだ設営の十分に整っていないフェアノールの陣地を急襲し、星空の下のミスリムの野で合戦が行われた。[[ノルドール]]は数において劣り、不意をつかれたにも関わらず速やかに勝利を収め、モルゴスの軍勢はエレド・ウェスリンを越えて敗走し、北の[[アルド=ガレン]]の大平原まで追撃されていった。
この時、南の[[ファラス]]の港の[[キーアダン]]を包囲していたモルゴス軍が援軍として差し向けられたが、[[ケレゴルム]]がこの動きを察知し、待ち伏せて[[エイセル・シリオン]]に近い丘陵から奇襲をかけ、[[セレヒ]]の沼沢地に追い込んで潰滅させた。
[[シンダリン]]で「星々の下の合戦(Battle-under-Stars)」の意。[[月]]と[[太陽]]が昇る前、流謫の身となり[[アマン]]から[[中つ国]]に来た[[フェアノール]]率いる[[ノルドール]]族の一党と[[モルゴス]]の軍勢との間で行われた戦い。[[宝玉戦争]]における第二の合戦。

合戦は十日間に及び、モルゴスの軍勢に甚大な損害を与えたが、フェアノールは憤怒にかられて突出し、[[アングバンド]]まで行き着こうとして[[ドル・ダイデロス]]の境界で包囲され、[[バルログ]]の首領[[ゴスモグ]]に襲われて致命傷を負った。そして、追いついた息子たちによって救出された後、ミスリムに引き揚げる途中のエイセル・シリオンに近いエレド・ウェスリンの山腹で、モルゴスの名を三度罵り、息子たちに誓言の死守と父の仇を討つことを託して死んだ。彼の魂は火のように燃え、自らの肉体を灰にして飛び去ったという。
[[ノルドール]]の[[上級王]][[フィンウェ]]の仇である[[モルゴス]]を討ち、彼に奪われた[[シルマリル]]を取り戻すために[[大海]]を渡った[[フェアノール]]と[[彼の息子たち>フェアノールの息子たち]]の一党は、[[ドレンギスト]]の入り江の外の[[ランモス]]の海岸から[[中つ国]]に上陸した。彼らは乗ってきた[[ファルマリ]]の船を[[ロスガール]]で燃やした後、[[ミスリム湖>ミスリム#Lake]]の北岸まで来て野営した。しかし、ロスガールで焼かれた船の燃えさかる明かりを見て警戒していたモルゴスの軍勢が、[[エレド・ウェスリン(影の山脈)>エレド・ウェスリン]]の山道を通ってまだ設営の十分に整っていないフェアノールの陣地を急襲し、星空の下のミスリムの野で合戦が行われた。フェアノールら[[ノルドール]]族側は数に劣り、不意をつかれたにも関わらず速やかに勝利を収め、モルゴス軍はエレド・ウェスリンを越えて敗走し、北の[[アルド=ガレン]]の大平原まで追撃された。
この時、[[ベレリアンド最初の合戦]]で[[ファラス]]の港の[[キールダン]]を包囲していたモルゴスの軍勢が援軍として差し向けられたが、[[ケレゴルム]]がこの動きを察知し、待ち伏せて[[エイセル・シリオン]]に近い丘陵から奇襲をかけ、[[セレヒ]]の沼沢地に追い込んで壊滅させた。

***フィンゴンによるマイズロスの救出と、ノルドール族の和解 [#jc8a0500]
合戦は十日間に及び、[[モルゴス]]の軍勢に甚大な損害を与えたが、[[フェアノール]]は憤怒にかられて突出し、[[アングバンド]]まで行き着こうとして[[ドル・ダエデロス]]の境界で包囲され、[[バルログ]]の首領[[ゴスモグ>ゴスモグ(バルログ)]]に襲われて致命傷を負った。そして、追いついた息子たちによって救出された後、[[ミスリム]]に引き揚げる途中の[[エイセル・シリオン]]に近い[[エレド・ウェスリン]]の山腹で、モルゴスの名を三度罵り、息子たちに[[シルマリルを取り戻す誓言>フェアノール#Oath]]を守り、自分の仇を討つことを託して死んだ。彼の魂は火のように燃え、自らの肉体を灰にして飛び去ったという。

フェアノールが死んだ直後、[[モルゴス]]の使者が来て偽りの休戦交渉を持ちかけ、[[シルマリル]]の一つを引き渡してもよいと言ってきた。[[マイズロス]]は弟たちを説得し、十分に警戒して交渉の場に赴いたが、モルゴス側の使者には[[バルログ]]までおり、マイズロスは生きたまま人質として[[アングバンド]]に捕らえられた。モルゴスは[[フェアノールの息子たち]]に戦いを放棄してベレリアンドを去るよう要求したが、フェアノールの息子たちは自分たちがどのように行動しようとモルゴスがマイズロスを釈放することはなく、また[[誓言>フェアノール#Oath]]に縛られている以上戦いを放棄することも出来ないことを知っていた。
そこでモルゴスは、マイズロスを[[サンゴロドリム]]の絶壁から右手に枷を嵌めて吊り下げた。
***フィンゴンによるマエズロスの救出と、ノルドール族の和解 [#jc8a0500]

初めて昇った[[月>月(天文)]]に全世界が驚嘆していた頃、[[フィンゴルフィン]]の軍勢が[[ヘルカラクセ]]を渡って進軍してきたという噂が届き、フィンゴルフィンの軍勢は最初の[[太陽]]の光に脅えたモルゴスの配下たちが[[アングバンド]]に籠っている間に[[ドル・ダイデロス]]を通過し、[[ミスリム]]に到着した。そして、[[フェアノールの息子たち]]の軍勢と[[フィンゴルフィン]]の軍勢はミスリム湖を挟んで居住することになった。
[[フェアノール]]が死んだ直後、[[モルゴス]]の使者が来て偽りの休戦交渉を持ちかけ、[[シルマリル]]の一つを引き渡してもよいと言ってきた。[[マエズロス]]は弟たちを説得し、十分に警戒して交渉の場に赴いたが、モルゴス側の使者には[[バルログ]]までおり、マエズロスは生きたまま人質として[[アングバンド]]に捕らえられた。モルゴスは[[フェアノールの息子たち]]に戦いを放棄して[[ベレリアンド]]を去るよう要求したが、マエズロスの弟たちは自分たちがどのように行動しようとモルゴスがマエズロスを釈放することはなく、また[[誓言>フェアノール#Oath]]に縛られている以上戦いを放棄することも出来ないことを知っていた。
そこでモルゴスは、マエズロスを[[サンゴロドリム]]の絶壁から右手に枷を嵌めて吊り下げた。

[[マイズロス]]がアングバンドに捕らわれていることを知った[[フィンゴン]]は、単身彼を救出することを決意し、サンゴロドリムの山に登ってマイズロスを発見した。だがマイズロスの吊るされている絶壁に近づくことは出来ず、マイズロスは自分を殺してくれるように頼んだ。万策尽きた[[フィンゴン]]が[[マンウェ]]に呼びかけると、それに応えて[[ソロンドール]]が現われ、フィンゴンをマイズロスの許まで運んだ。フィンゴンは魔法のかけられた手枷からマイズロスの手首を切断して彼を救出し、二人はソロンドールによってミスリムへと送り届けられた。
初めて昇った[[月]]に全世界が驚嘆していた頃、[[フィンゴルフィン]]の率いる[[ノルドール]]族の一党が[[ヘルカラクセ]]の海峡を渡って進軍してきた。彼らは[[太陽]]の光に脅えたモルゴスの配下たちが[[アングバンド]]に籠っている間に[[ドル・ダエデロス]]を通過し、アングバンドの門の前で[[モルゴス]]に挑戦を呼びかけた(この時[[マエズロス]]は声を上げて助けを求めたが、彼らは気付かなかった)。だがフィンゴルフィンはそのまま中に攻め込むような無謀な真似はせず、退いて[[フェアノールの息子たち]]がいる[[ミスリム]]に向かった。こうしてフェアノールの一党とフィンゴルフィンの一党は[[ミスリム湖>ミスリム#Lake]]を挟んで居住することになった。

回復したマイズロスは、[[アラマン]]でフィンゴルフィンの軍勢を置き去りにした許しを請い、自らノルドールの王権を放棄してフィンゴルフィンに王位を譲ったことで両家の遺恨は和らげられ、ノルドールはここに再び団結した。
[[マエズロス]]がアングバンドに捕らわれていることを知った[[フィンゴン]]は、単身彼を救出することを決意し、サンゴロドリムの山に登ってマエズロスを発見した。だがマエズロスの吊るされている絶壁に近づくことは出来ず、マエズロスは自分を殺してくれるように頼んだ。万策尽きたフィンゴンが[[マンウェ]]に呼びかけると、それに応えて[[大鷲]]の王[[ソロンドール]]が現われ、フィンゴンをマエズロスの許まで運んだ。フィンゴンは魔法のかけられた手枷からマエズロスの右手首を切断して彼を救出し、二人はソロンドールによってミスリムに送り届けられた。

回復したマエズロスは、[[アラマン]]で[[フィンゴルフィン]]たちを置き去りにしたことへの許しを請い、自ら[[ノルドール]]の王権を放棄してフィンゴルフィンに王位を譲ったことで両家の遺恨は和らげられ、ノルドール族はここに再び団結した。

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