#author("2017-01-29T23:53:46+09:00","","")
#author("2023-08-07T10:32:46+09:00;2020-11-26T09:56:03+09:00","","")
* スロールの地図 [#n0c446a5]
** 概要 [#n758e0cd]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[物・品の名前]]|
|~スペル|Thror's Map|
|~異訳||
|~その他の呼び名||

** 解説 [#b2293418]
** 解説 [#Explanation]

[[エレボール(はなれ山)>エレボール]]の秘密の入口を示した[[ドワーフ]]の地図。
[[ドル・グルドゥア]]の地下牢で、今際の[[スロール]]が隠し戸の鍵とともに[[ガンダルフ]]に手渡した。後にガンダルフはこれらを[[トーリン二世]]を説得する切り札として使い、[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]と[[ビルボ・バギンズ]]はこの地図を手がかりとしてはなれ山に潜入した。

その名の通り[[スロール]]が製作し、[[モリア]]へ旅立つ前に息子の[[スラーイン二世]]に与えた。後にスラーインは地図と秘密の入り口の鍵を携えてエレボールへ向かったが、道中で[[死人占い師]]に捕らえられ、所持していた[[七つの指輪]]の一つを奪われたが、地図と鍵は奪われなかった。これを[[ドル・グルドゥル]]の地下牢に潜入していたガンダルフが発見し、スラーインは地図と鍵を「[[息子へ>ソーリン二世]]」渡すよう言い残して息絶えた。
ガンダルフは後に地図と鍵をソーリンを説得する切り札として使い、[[13人のドワーフ>ソーリンとその仲間]]と[[ビルボ・バギンズ]]はこの地図を手がかりとしてエレボールに潜入した。

*** 内容 [#m571ba33]

図柄や書かれている文字の詳細は''[[実物の地図:http://arda.saloon.jp/map5.html]]''を参照。

羊皮紙に描かれており、[[ドワーフ]]の流儀にしたがって(北ではなく)東が上になっている。
左端には手の印で、[[はなれ山>エレボール]]の隠し戸の在り処が指し示されており、その側には[[ルーン文字>キアス]]で以下のような隠し戸の説明が書き込まれている。
左端には手の印で、[[はなれ山>エレボール]]の隠し戸の在り処が指し示されており、その側には[[ルーン文字>キルス#hobbit]]で以下のような隠し戸の説明が書き込まれている。

>入口ノ高サオヨソ一メートル半、ハバ三人ナラビテ歩ケルテイド
>Five feet high the door and three may walk abreast

さらに[[月光文字]]を使って、隠し戸を開く手順が書かれていた。これは普段は目に見えず、文字が書かれた時と同じ形・同じ季節の[[月]]の光を裏側から当てることによってのみ、透かし見ることができる。このことは[[エルロンド]]によって発見された。地図の右下付近にある細い線で示されているルーン文字がそれである。

>[[ツグミ]]ガタタクトキニ、クロキ岩ノソバニ立テ、[[でゅーりんノ日>ドゥリンの日]]ノシズム日ノサイゴノアカリガ、カギアナニサシイルヲミヨ
>[[ツグミ]]ガタタクトキニ、クロキ岩ノソバニ立テ、[[でゅーりんノ日>ドゥリンの日]]ノシズム[[日>太陽]]ノサイゴノアカリガ、カギアナニサシイルヲミヨ
>Stand by the grey stone when the thrush knocks and the setting sun with the last light of Durin's Day will shine upon the key-hole

*** 備考 [#lc6d9ad6]

[[トールキン]]はこの地図に非常にこだわっており、紙の裏側に[[月光文字]]を反転させて印刷することによって、読者が実際にそれを透かして読めるよう工夫を施すことを強く希望していた。しかし費用の都合で実現しなかった。
[[トールキン>ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン]]が『[[ホビットの冒険]]』のために当初デザインしていた「[[スロールの地図>地図#p289f681]]」は縦長で、通常の地図と同じように北が上になっていたが、出版社の[[アレン・アンド・アンウィン]]は費用削減のためにこの地図を[[荒れ地の国]]の地図と共に本の見返しに載せるという方針を譲らなかったため、トールキンはそれに合わせて横長の地図に書き直した。横長にしたことで東が上になり、トールキンは原書第三版の著者註でこれを「ドワーフの流儀である」と説明した。

** コメント [#z8d2f7f5]
トールキンはこの地図に非常にこだわっており、特に[[月光文字]]だけを紙の裏側に反転して印刷することによって、読者が実際にそれを透かして読めるよう工夫を施すことを強く希望していた(上述のスケッチには実際にその工夫が施されていた)。だがこれも費用削減のため実現せず、出版された地図では月光文字が細い線で描かれるに留まった。

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スケッチでは左下に'''Thror's Map. Copied by B. Baggins. For moon-runes hold up to a light(スロールの地図。[[B.バギンズ>ビルボ・バギンズ]]による写し。光にかざすことで月光文字が浮かび上がる)'''と題されており、この地図をトールキンは[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]による写しと設定していたことが窺える。

** コメント [#Comment]

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