#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2023-11-25T19:16:54+09:00","","")
* スランドゥイル [#cacdc4d9]
** 概要 [#ra407026]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|人名|
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Thranduil|
|~異訳|スランデュイル|
|~その他の呼び名|エルフ王、森エルフの大王|
|~その他の呼び名|エルフ王(Elvenking)|
|~種族|[[エルフ]]([[シンダール]])|
|~性別|男|
|~生没年|不明|
|~親|[[オロフェア]](父)|
|~兄弟||
|~配偶者||
|~親|[[オロフェル]](父)|
|~子|[[レゴラス]](息子)|

** 解説 [#n6555fe8]
** 解説 [#Explanation]

[[闇の森]]に住む[[エルフ]]の王。[[レゴラス]]の父。『[[ホビットの冒険]]』に登場する、[[ドワーフ]]たちを牢に閉じこめた[[エルフ]]王は彼のことである。
『[[終わらざりし物語]]』によると[[シンダール・エルフ>シンダール]]で、一説によると、かつて[[シンゴル]]と[[メリアン]]と共に[[ドリアス]]に住まっていたらしい。父の名は[[オロフェア]]。
[[ドルイニオン]]産の頭にくるような強い葡萄酒を好む(恐らく)酒豪。
春夏は草花で、秋冬は紅葉と木の実で作った冠をかぶる。
[[闇の森]]にある[[森エルフ>シルヴァン・エルフ]]の[[王国>闇の森#Realm]]の王。[[レゴラス]]の父。『[[ホビットの冒険]]』中では名前は出てこないが、[[13人のドワーフ>ソーリンとその仲間]]を牢に閉じこめた''エルフ王''とはこの人物である。
森エルフの中でも無類の酒好き。財宝にも目がなく、特に銀と白い宝石を好む。

『[[終わらざりし物語]]』によるとスランドゥイルの王国の民は[[シルヴァン・エルフ]]だが、彼自身は[[シンダール・エルフ>シンダール]]であり、彼の[[宮殿>エルフ王の岩屋]]の様式は[[ドリアス]]の[[メネグロス]]に由来するものであるという。ただしスランドゥイル自身がドリアスに住んだことがあるかどうかははっきりしない。父の名は[[オロフェル]]。

>自然石を刻み残した柱のたくさん立っている大広間に、エルフ王が、ほりものをほどこした木のいすにすわっていました。その頭には、木の実と赤い木の葉でできた冠がのっています。秋がもう来ていたのです(王は春になると、森の花々であんだ冠をかぶります)。手には、ほりものをした[[カシ>樫]]の杖をもっています。((『[[ホビットの冒険]]』「牢から逃げだすたるのむれ」))

***『[[終わらざりし物語]]』におけるスランドゥイルについての記述 [#ra236a94]
彼は父[[オロフェア]]と共に、当時は[[緑森大森林]]と呼ばれていた闇の森のエルフたちを率いて[[最後の同盟]]の戦いにも参戦した。オロフェアが[[ダゴルラド]]で討ち死にした後も生き残り、元の3分の1にまで減少した軍勢と共に緑森に帰還している。スランドゥイルはこの戦いの時に目の当たりにした[[モルドール]]の恐怖を忘れることができず、南の方角を望むたびに[[サウロン]]の再度の勃興を予感して脅えていたという。

彼の父[[オロフェル]]は[[ドリアス]]滅亡後に[[緑森大森林(後の闇の森)>闇の森]]に落ち延び、[[アンドゥイン]]以東一帯の[[シルヴァン・エルフ]]の王として認められるようになった。
[[最後の同盟]]の戦いにはオロフェルと共に森エルフの大軍を率いて参戦し、オロフェルの戦死後は元の3分の1にまで減少した自軍を引き連れて森へと帰還。父の跡を継いで森エルフを統治するようになった。

スランドゥイルはこの戦いで目にした[[モルドール]]の恐怖を忘れることができず、その後も南の方角を望むたびに[[サウロン]]の再度の勃興を予感して慄いていたという。

***『[[ホビットの冒険]]』におけるスランドゥイル [#c81aa828]
闇の森の中でエルフたちを引き連れて宴会をしていたスランドゥイルの姿を[[ボンブール]]が夢の中で目撃している。そのすぐ後で現実に彼らの宴会を目撃した[[ドワーフ]]たちは食べ物を求めて(その度に幻のように消えうせてしまうにもかかわらず)三回も乱入したためにエルフたちの怒りを買い、スランドゥイルは[[ドワーフ]]たちを不審人物として地下牢に捕らえらさせた(後にドワーフたちは[[ビルボ]]の手引きによって脱出した)。

彼の治める[[闇の森のエルフの国>闇の森#Realm]]は[[荒れ地の国>ロヴァニオン]]の東部一帯に強い影響力を持ち、[[人間]]たちとも交易をしていた。日頃は川の通行料などで揉めることも多かったようだが、[[エスガロス]]が[[スマウグ]]の襲撃を受けて潰滅したことを知るといち早く救援を差し向けた。
そのまま[[五軍の合戦]]にも参戦し、勝利の後に[[谷間の国]]の王になった[[バルド]]から友好の証として[[ギリオン]]のエメラルドを贈られている。[[ビルボ]]からはスランドゥイルの宮殿で盗み食いをした償いに真珠の首飾りを贈られ、スランドゥイルはビルボを[[エルフの友]]と呼んで敬意を表した。
>宴会の人々のつづく列のまっさきには[[ボンブール]]が夢の話でのべたのとそっくりのかっこうで、森の王が、黄金色の髪の上に木の葉の冠をかぶって、すわっていました。エルフたちは、手から手へと、ごちそうをもった鉢をわたし、焚火をこえていったり来たりしています。たてごとをかなでる者もあって、多くの者がそれにあわせて歌をうたっています。みなかがやくような髪に、花をさしていますし、緑の宝石や白く光る石を、えりもとやバンドにきらめかせています。顔にも歌にも、うきうきする楽しさがあふれています。歌声は高く、澄んできよらかです。((『ホビットの冒険』「ハエとクモ」 スランドゥイルとエルフたちが森で宴会をしている様子))

[[ビルボ・バギンズ]]と[[13人のドワーフ>ソーリンとその仲間]]は、[[闇の森]]の空地で[[森エルフ>シルヴァン・エルフ]]達を引き連れて狩りの宴会をしているスランドゥイルの姿を目撃し、食べ物を求めて(その度に幻のように消えうせてしまうにもかかわらず)三度も宴会の輪に乱入したことで、彼らの怒りを買ってしまう。
スランドゥイルはソーリンをはじめ13人のドワーフを[[宮殿>エルフ王の岩屋]]まで連行して尋問。ソーリン達は財宝の分け前を要求されることを恐れて旅の目的を明かそうとしなかったため、怪しんだスランドゥイルは彼らを地下牢に閉じ込めた。ところが[[魔法の指輪>一つの指輪]]の力でエルフの目を逃れていたビルボの手引きによってソーリン達は脱出してしまった。

やがて[[スマウグ]]が[[バルド]]に討たれたとの報せが広まると、自らはなれ山の財宝を回収するために森エルフの軍勢を率いて出陣。
その途中で[[湖の町>エスガロス]]がスマウグに壊滅させられたことを聞くと、[[湖の人]]の窮状に同情して進軍を中断し、彼らが冬を越せるように援助した。そこからスランドゥイルとバルドは行動を共にして、はなれ山の財宝の回収を目指すことになる。

しかしスランドゥイルとバルドにとっては予想外なことにソーリン達は生きており、山の表門に障壁を築いて籠城の準備を進めていた。財宝の分け前を主張するバルドに対し、トーリンは彼が自分たちを牢に閉じ込めたスランドゥイルと一緒にいるのを見て態度を硬化させ、交渉は決裂。スランドゥイル達はやむなく山の表門を包囲してトーリンから譲歩を引き出すほかなくなってしまった。
とはいえスランドゥイルは財宝のために戦を起こすことまでは望んでおらず、バルドが先制攻撃をかけようとした時には彼を諫めて自陣が早まった行動を取らないよう抑え役に回り、[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]が交渉打開のために[[アーケン石]]をもたらした時には、ビルボの真価を見抜いて称賛した。
だがそうした願いもむなしく、ソーリンの救援にやってきた[[ダーイン>ダーイン二世]]率いる[[くろがね連山]]のドワーフが包囲を強行突破しようとしたことでなし崩し的に戦闘に突入。さらにそこに[[ゴブリン]]と[[アクマイヌ>ワーグ]]からなる連合軍が襲来したことで事態は急変し、バルド、スランドゥイル、ダインの三者は一時休戦して共同戦線を張り、[[五軍の合戦]]へと展開していった。
合戦ではスランドゥイルの軍勢は[[からすが丘]]に布陣し、ソーリンの一行から追放されたビルボも彼の許に身を寄せていた。

合戦が勝利に終わると、財宝の分け前を手に入れたバルドからは友好の印として[[ギリオンのエメラルド]]を贈られた。またビルボからは、彼が[[宮殿>エルフ王の岩屋]]に潜んでいたときに盗み食いを働いていたことを告白され、その償いとして銀と真珠の首飾りを贈られた。この正直かつ気高い申し出に対し、スランドゥイルはビルボを「[[エルフの友]]」と呼んで敬意を表した。

***『[[指輪物語]]』におけるスランドゥイル [#vb185c64]
[[アラゴルン二世]]が捕らえた[[ゴクリ]]の身柄を預かっていたが、[[サウロン]]がゴクリを逃がすために命じた[[オーク]]の襲撃によって逃げられてしまい、その申し開きを兼ねて息子の[[レゴラス]]を[[裂け谷]]へ派遣した。
[[指輪戦争]]ではサウロンの軍勢と闇の森の樹下の合戦を戦い、森は火災によってひどく破壊されたものの最後には勝利を収めた。
[[エルフ]]の新年の当日(([[第三紀]]3019年4月6日))にスランドゥイルは[[ケレボルン]]と闇の森の真ん中で会見を行い、二人は闇の森を[[エリン・ラスガレン]]すなわち「[[緑葉の森]]」と命名し直し、スランドゥイルが[[闇の森山脈]]より北部を、ケレボルンが南東の狭隘部([[東入地]])より南部を東ローリエンとして領有することを決めた。森の中央部は[[ビヨルン]]一党を始めとした[[ロヴァニオン]]北西部の[[人間]]たちの領土となった。

スランドゥイルは[[ガンダルフ]]に協力し、[[アラゴルン二世]]が捕らえた[[ゴクリ]]の身柄を[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]で預かっていた。しかし[[第三紀]]3018年([[大いなる年>大いなる年#year3018]])の6月20日、[[サウロン]]が命じた[[オーク]]の攻撃によってゴクリを逃がしてしまい、その申し開きを兼ねて息子の[[レゴラス]]を[[裂け谷]]へ派遣した。

[[指輪戦争]]では[[ドル・グルドゥル]]の軍勢と[[闇の森樹下の合戦]]を戦い、森は火災によってひどく破壊されたものの、最後には勝利を収めた。
[[エルフ]]の新年の当日(([[第三紀]]3019年([[大いなる年>大いなる年#year3019]])4月6日))に、スランドゥイルは[[ケレボルン]]と[[闇の森]]の真ん中で会見を行い、二人は闇の森をエリン・ラスガレンすなわち「緑葉の森」と改名し、スランドゥイルは[[闇の森山脈]]より北の森を自国領とした。

スランドゥイルとその民の森エルフたちは、[[第四紀]]に入ってからもエリン・ラスガレンで落ち着いて暮らしていたようである。

** コメント [#rcfeb211]
** ランキン・バス版アニメ『The Hobbit』における設定 [#u384723d]
|~俳優|[[オットー・プレミンジャー]]|
[[エルロンド]]達とは異なり、一般的なエルフには見えない緑色の肌と毛髪をしたヒューマノイドとなっている。

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** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

|~俳優|[[リー・ペイス]]|
|~日本語吹き替え|[[森田順平]]|

馬の代わりに、ギガンテウスオオツノジカと思われる鹿に乗り((第3作目に登場した鹿は毛並みが異なるが、別の個体なのか老化した同じ個体なのかは不明。))、戦う時は長刀の二刀流も使いこなす。永遠に続く命に倦み疲れていることを伺わせる、厭世的な発言が多い。映画設定における定命の種族との価値観の違いや溝を体現した人物。
[[スマウグ]]襲来前の[[エレボール]]を訪れ、[[スロール]]に謁見していた。だがスマウグが襲ってきたとき、スマウグによって森エルフ達が害される事を危惧し、[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]の軍勢をスマウグと戦わせずにエレボールの[[ドワーフ]]を見捨てた。これが[[ソーリン>ソーリン二世]]の、[[エルフ]]に対する不信の大きな理由となり、後々まで大きな禍根を残す。
またソーリンとの会話時、過去に[[龍]]と戦ったことがある旨の発言をしているが、いつ、どんな龍と戦ったかは不明。

原作とは異なり、(かつてスロールと会ったときなどに、ソーリンとも顔を合わせているためもあり)ソーリンの旅の目的に直ちに気がついている。
[[ソーリンの一行>ソーリンとその仲間]]を捕らえたとき、エレボールの財宝の中にある[[ラスガレンの白い宝石]]を自分に渡すことを条件として、スランドゥイルはソーリン達に協力することを申し出るが、かつて自分たちを見捨てたスランドゥイルを信用しないソーリンはこの申し出を拒否。その結果ソーリン達はスランドゥイルによって、牢に入れられる形となっている。

[[シンダール]]である息子[[レゴラス]]の后に[[シルヴァン・エルフ]]の[[タウリエル]]はふさわしくないと考え血統を気にする、エレボールのドワーフの財宝のなかにあった、本来自分たち一族伝来の品と主張する[[ラスガレンの白い宝石]]を欲する、自国領の安全のことだけを考えるなど、[[シンゴル]]を連想させるキャラクター付けが行われている((シンゴルの、娘の[[ルーシエン]]と[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]の関係を認めなかった点、[[ナウグラミール]]をつけられた[[シルマリル]]に固執してドワーフと対立した点、[[魔法帯]]によって守られた[[ドリアス]]に閉じこもって[[マエズロスの連合]]に参加せず、後に[[ニルナエス・アルノエディアド]]と呼ばれる戦いに加わらなかった点などが映画のスランドゥイルとの類似点として挙げられる。))。
特に『決戦のゆくえ』では、同族の損害だけを恐れて[[五軍の合戦]]からの撤退を考えたほどの極端な孤立主義者として描かれているが、その理由はかつて[[グンダバド]]における[[アングマール]]との戦いで、妻を失ったことが原因であることが示唆されている。
また、[[闇の森]]に戻らず旅に出ることにした[[レゴラス]]に対し、北方の[[ドゥーネダイン]]の族長である[[ストライダー>馳夫]]と呼ばれる者を探すように助言している((その会話によると、スランドゥイルは[[アラソルン二世]]や[[アラゴルン二世]]と面識があったらしい))。

*** 画像 [#c632ff72]

&ref(vlcsnap-00001.jpg,,25%,『ホビット』におけるスランドゥイル); &ref(vlcsnap-00004.jpg,,25%,『ホビット』におけるスランドゥイル);

*** グッズ [#dd71c3d7]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00627.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるスランドゥイル); &ref(ScreenShot00767.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるスランドゥイル); &ref(ScreenShot00657.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、最後の同盟の戦いでのスランドゥイル); &ref(ScreenShot_2020-01-03_215809_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における、最後の同盟の戦いでのスランドゥイル);

** コメント [#Comment]

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