#author("2019-12-30T18:22:32+09:00;2019-03-24T11:30:56+09:00","","")
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* スランドゥイル [#cacdc4d9]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Thranduil|
|~異訳|スランデュイル|
|~その他の呼び名|エルフ王(Elvenking)|
|~種族|[[エルフ]]([[シンダール]])|
|~性別|男|
|~生没年|不明|
|~親|[[オロフェア]](父)|
|~子|[[レゴラス]](息子)|

** 解説 [#Explanation]

[[闇の森]]にある[[森エルフ>シルヴァン]]の[[王国>闇の森#Realm]]の王。[[レゴラス]]の父。『[[ホビットの冒険]]』中では名前は出てこないが、[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]を牢に閉じこめた''エルフ王''とはこの人物である。
森エルフの中でも無類の酒好き。財宝にも目がなく、特に銀と白い宝石を好む。

『[[終わらざりし物語]]』によるとスランドゥイルの王国の民は[[シルヴァン・エルフ]]だが、彼自身は[[シンダール・エルフ>シンダール]]であり、彼の[[宮殿>エルフ王の岩屋]]の様式は[[ドリアス]]の[[メネグロス]]に由来するものであるという。ただしスランドゥイル自身がドリアスに住んだことがあるかどうかははっきりしない。父の名は[[オロフェア]]。

>自然石を刻み残した柱のたくさん立っている大広間に、エルフ王が、ほりものをほどこした木のいすにすわっていました。その頭には、木の実と赤い木の葉でできた冠がのっています。秋がもう来ていたのです(王は春になると、森の花々であんだ冠をかぶります)。手には、ほりものをしたカシの杖をもっています。((『[[ホビットの冒険]]』「牢から逃げだすたるのむれ」))

***『[[終わらざりし物語]]』におけるスランドゥイルについての記述 [#ra236a94]

彼の父[[オロフェア]]は[[ドリアス]]滅亡後に[[緑森大森林(後の闇の森)>闇の森]]に落ち延び、[[アンドゥイン]]以東一帯の[[シルヴァン・エルフ]]の王として認められるようになった。
[[最後の同盟]]の戦いにはオロフェアと共に森エルフの大軍を率いて参戦し、オロフェアの戦死後は元の3分の1にまで減少した自軍を引き連れて森へと帰還。父の跡を次いで森エルフを統治するようになった。

スランドゥイルはこの戦いで目にした[[モルドール]]の恐怖を忘れることができず、その後も南の方角を望むたびに[[サウロン]]の再度の勃興を予感して慄いていたという。

***『[[ホビットの冒険]]』におけるスランドゥイル [#c81aa828]

>宴会の人々のつづく列のまっさきには[[ボンブール]]が夢の話でのべたのとそっくりのかっこうで、森の王が、黄金色の髪の上に木の葉の冠をかぶって、すわっていました。エルフたちは、手から手へと、ごちそうをもった鉢をわたし、焚火をこえていったり来たりしています。たてごとをかなでる者もあって、多くの者がそれにあわせて歌をうたっています。みなかがやくような髪に、花をさしていますし、緑の宝石や白く光る石を、えりもとやバンドにきらめかせています。顔にも歌にも、うきうきする楽しさがあふれています。歌声は高く、澄んできよらかです。((『ホビットの冒険』「ハエとクモ」 スランドゥイルとエルフたちが森で宴会をしている様子))

[[ビルボ・バギンズ]]と[[13人のドワーフ>トーリンとその仲間]]は、[[闇の森]]の空地で[[エルフ]]達を引き連れて狩りの宴会をしているスランドゥイルの姿を目撃し、食べ物を求めて(その度に幻のように消えうせてしまうにもかかわらず)三度も宴会の輪に乱入した。これにエルフ達は怒り、スランドゥイルは13人のドワーフを[[宮殿>エルフ王の岩屋]]まで連行して尋問することになる。
ドワーフ達は財宝の分け前を要求されることを恐れて旅の目的を明かそうとしなかったため、怪しんだスランドゥイルは真相がわかるまで彼らを別々の地下牢に閉じ込めた。ところが[[魔法の指輪>一つの指輪]]の力でエルフの目を逃れていたビルボが宮殿に潜入しており、ドワーフ達は彼の手引きによって脱出してしまう。
彼らが[[湖の町>エスガロス]]に現れたとの報告を配下の筏乗りのエルフから受けたことで、スランドゥイルは彼らの目的が[[龍]]の[[スマウグ]]に奪われた[[はなれ山>エレボール]]の財宝の奪回であると勘付く。

スランドゥイルには[[トーリン>トーリン二世]]とその仲間達がスマウグを倒せるとは思えず、せいぜい[[押し込み強盗>忍びの者]]か何かを目論んでいるのだろうと見抜いていた。そのため事態を静観、スマウグが[[バルド]]によって討たれたとの報せが広まると、てっきりトーリン達も死んだものと思い込み、はなれ山の財宝を回収するために自ら軍勢を率いて出立した。
その途上で[[湖の町>エスガロス]]がスマウグによって壊滅させられたと聞くと、[[湖の町の人間>湖の人]]の窮状に同情してかれらを救援。これによって町の人間は冬を越し町を復興させる目処を立てることができた。
その途上で[[湖の町>エスガロス]]がスマウグによって壊滅させられたと聞くと、[[湖の町の人間>湖の人]]の窮状に同情してかれらを救援。これによって町の人間は冬を越し、町を復興させる目処を立てることができた。

その後は[[バルド]]と行動を共にしてあらためて[[はなれ山>エレボール]]へ向かったが、そこで彼らにとっては予想外なことに、トーリン達は生きており山の表門に障壁を築いて籠城の準備を進めていることが判明する。
トーリンは自分たちを閉じ込めたエルフの軍勢に態度を硬化させ、分け前の交渉を拒絶。そのためバルドとスランドゥイルは止むなく山の表門を包囲して、兵糧攻めにすることにより譲歩を引き出そうとした。
その後あらためて[[バルド]]と行動を共にし[[はなれ山>エレボール]]へ向かったが、彼らにとっては予想外なことにトーリン達は生きており、山の表門に障壁を築いて籠城の準備を進めていることが判明する。
トーリンは自分たちを閉じ込めたエルフの軍勢に態度を硬化させ、スマウグによって損害を受けた湖の町の復興や、スマウグを討ち取った功績という名目で分け前を要求するバルド、スランドゥイルとの交渉を拒絶。そのためスランドゥイルらは止むなく山の表門を包囲して、兵糧攻めにすることにより譲歩を引き出そうとした。

スランドゥイルは財宝のために戦を起こすことは望んでおらず、先制攻撃をしかけようとするバルドを'''黄金をめぐって戦いをはじめるのは、できるだけひかえたい。 … 仲なおりにもちこめる道が何かあろうではないか。いざとなれば、不幸にして一気にせめるとしても、数において敵ではない。'''((同上「雲がふきちる時」))と諌めている。
だがトーリンを救援にやってきた[[ダイン>ダイン二世]]率いる[[くろがね連山]]のドワーフ軍が包囲を強行突破しようとしたことでなし崩し的に戦闘に突入。さらにそこに[[ゴブリン]]と[[アクマイヌ>ワーグ]]の軍勢が到達したことで事態は急変し、バルド、スランドゥイル、ダインの三者は一時休戦して共同戦線を張り、[[五軍の合戦]]へと展開していった。
合戦ではスランドゥイルの軍勢は[[からすが丘]]に布陣し、トーリンの一行から追放された[[ビルボ・バギンズ]]も彼と行動を共にしていた。

合戦の終結後、[[バルド]]から友好の証として[[ギリオンのエメラルド]]を贈られた。また[[ビルボ>ビルボ・バギンズ]]からは、彼がスランドゥイルの宮殿に潜んでいたときに盗み食いを働いていたことを告白され、その償いとして銀と真珠の首飾りを贈られた。これに対し、スランドゥイルはビルボを[[エルフの友]]と呼んで敬意を表した。

***『[[指輪物語]]』におけるスランドゥイル [#vb185c64]

スランドゥイルは[[ガンダルフ]]に協力し、[[アラゴルン二世]]が捕らえた[[ゴクリ]]の身柄を[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]で預かっていた。しかし[[第三紀]]3018年([[大いなる年>大いなる年#year3018]])の6月20日、[[サウロン]]が命じた[[オーク]]の攻撃によってゴクリを逃がしてしまい、その申し開きを兼ねて息子の[[レゴラス]]を[[裂け谷]]へ派遣した。

[[指輪戦争]]では[[ドル・グルドゥア]]の軍勢と[[闇の森樹下の合戦]]を戦い、森は火災によってひどく破壊されたものの、最後には勝利を収めた。
[[エルフ]]の新年の当日(([[第三紀]]3019年([[大いなる年>大いなる年#year3019]])4月6日))に、スランドゥイルは[[ケレボルン]]と[[闇の森]]の真ん中で会見を行い、二人は闇の森をエリン・ラスガレンすなわち「緑葉の森」と改名し、スランドゥイルは[[闇の森山脈]]より北の森を自国領とした。

スランドゥイルとその民の森エルフたちは、[[第四紀]]に入ってからもエリン・ラスガレンで落ち着いて暮らしていたようである。

** ランキン・バス版アニメ『The Hobbit』における設定 [#u384723d]
|~俳優|[[オットー・プレミンジャー]]|
[[エルロンド]]達とは異なり、一般的なエルフには見えない緑色の肌と毛髪をしたヒューマノイドとなっている。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

|~俳優|[[リー・ペイス]]|
|~日本語吹き替え|[[森田順平]]|

馬の代わりに、ギガンテウスオオツノジカと思われる鹿に乗り((第3作目に登場した鹿は毛並みが異なるが、別の個体なのか老化した同じ個体なのかは不明。))、戦う時は長刀の二刀流も使いこなす。永遠に続く命に倦み疲れていることを伺わせる、厭世的な発言が多い。映画設定における定命の種族との価値観の違いや溝を体現した人物。
[[スマウグ]]襲来前の[[エレボール]]を訪れ、[[スロール]]に謁見していた。だがスマウグが襲ってきたとき、スマウグによって森エルフ達が害される事を危惧し、[[闇の森の王国>闇の森#Realm]]の軍勢をスマウグと戦わせずにエレボールの[[ドワーフ]]を見捨てた。これが[[トーリン>トーリン二世]]の、[[エルフ]]に対する不信の大きな理由となり、後々まで大きな禍根を残す。
またトーリンとの会話時、過去に[[龍]]と戦ったことがある旨の発言をしているが、いつ、どんな龍と戦ったかは不明。

原作とは異なり、(かつてスロールと会ったときなどに、トーリンとも顔を合わせているためもあり)トーリンの旅の目的に直ちに気がついている。
[[トーリンの一行>トーリンとその仲間]]を捕らえたとき、エレボールの財宝の中にある[[ラスガレンの白い宝石]]を自分に渡すことを条件として、スランドゥイルはトーリン達に協力することを申し出るが、かつて自分たちを見捨てたスランドゥイルを信用しないトーリンはこの申し出を拒否。その結果トーリン達はスランドゥイルによって、牢に入れられる形となっている。

[[シンダール]]である息子[[レゴラス]]の后に[[シルヴァン]]の[[タウリエル]]はふさわしくないと考え血統を気にする、エレボールのドワーフの財宝のなかにあった、本来自分たち一族伝来の品と主張する[[ラスガレンの白い宝石]]を欲する、自国領の安全のことだけを考えるなど、[[シンゴル]]を連想させるキャラクター付けが行われている((娘の[[ルーシエン]]と[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]の関係を認めなかったこと、[[ナウグラミーア]]をつけられた[[シルマリル]]に固執してドワーフと対立したこと、[[魔法帯]]によって守られた[[ドリアス]]に閉じこもって[[マイズロスの連合]]に参加せず、後に[[ニアナイス・アルノイディアド]]と呼ばれる戦いに加わらなかったことなどが類似点として挙げられている))。
特に『決戦のゆくえ』では、同族の損害だけを恐れて[[五軍の合戦]]からの撤退を考えたほどの極端な孤立主義者として描かれているが、その理由はかつて[[グンダバド]]における[[アングマール]]との戦いで、妻を失ったことが原因であることが示唆されている。
また、[[闇の森]]に戻らず旅に出ることにした[[レゴラス]]に対し、北方の[[ドゥーネダイン]]の族長である[[ストライダー>馳夫]]と呼ばれる者を探すように助言している((その会話によると、スランドゥイルは[[アラソルン二世]]や[[アラゴルン二世]]と面識があったらしい))。

*** 画像 [#c632ff72]

&ref(vlcsnap-00001.jpg,,25%,『ホビット』におけるスランドゥイル); &ref(vlcsnap-00004.jpg,,25%,『ホビット』におけるスランドゥイル);

*** グッズ [#dd71c3d7]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

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