* シンゴル [#j4657de7]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Thingol|
|~その他の呼び名|エルウェ(Elwë)、エル(Elu)、シンダコルロ(Sindacollo)、シンゴルロ(Singollo)、灰色マント王(Greymantle)|
|~種族|[[エルフ]]([[シンダール]])|
|~性別|男|
|~生没年|~[[第一紀]]|
|~親||
|~兄弟|[[オルウェ]](弟)、[[エルモ]](弟)|
|~配偶者|[[メリアン]]|
|~子|[[ルーシエン]](娘)、[[トゥーリン]](養子)|

** 解説 [#Explanation]

名は[[シンダール語]]で「灰色マント」の意。[[クウェンヤ]]ではシンダコルロまたはシンゴルロ(これも「灰色マント」の意)と呼ばれる。元来の名はクウェンヤでエルウェ(これをシンダール語にするとエル)。
[[オルウェ]]と([[終わらざりし物語]]によると)[[エルモ]]の兄。[[メリアン]]の夫で[[ルーシエン]]の父。[[ノルドール]]の王[[フィンウェ]]の友。
[[ドリアス]]の王であり、また[[ベレリアンド]]における全ての[[テレリ]]族の[[上級王]]でもあるとされていた。

*** アマンの目撃とテレリの旅の先導、そして行方不明 [#gf96a678]

彼は[[エルフ]]たちを[[アマン]]に招くために、ヴァラールによってそれぞれの部族の代表として選ばれた三人の使節の一人となる。エルウェ(シンゴル)は[[オロメ]]によってアマンに連れていかれ、アマンの素晴らしさを目撃。[[クイヴィエーネン]]から西方への旅を行うように[[テレリ族>テレリ]]を説得する。エルウェは[[オルウェ]]と共にテレリの旅を率いたが、[[ナン・エルモス]]で[[メリアン]]に出会い、彼女に魅せられて消息を絶った。

*** ドリアスの王 [#x975231c]

エルウェはメリアンの面影にアマンの光を見たため満足し、アマンへ渡ることを断念する。やがて[[メリアン]]と共に再びテレリの前に現れたエルウェは[[ドリアス]]を統治するようになり、この地の[[シンダール]]の王にして、[[ベレリアンド]]の全てのテレリ族の王となった。以後エルウェの名は[[シンダール語]]でシンゴルと呼ばれる。メリアンとの間には、一人娘の[[ルーシエン]]をもうけた。

シンゴルは、[[中つ国]]に帰還した[[ノルドール]]に対しては、弟[[オルウェ]]の娘[[エアルウェン]]を母に持つ[[フィナルフィン]]の子供たち以外のドリアスへの立ち入りを許さず、[[アマン]]での[[同族殺害]]の事実を知ると[[クウェンヤ]]の使用を禁止した。

シンゴルは当初[[人間]]を蔑視しており、[[ルーシエン]]に求婚した[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]に対し、頑なな姿勢を見せた。そこで、もしルーシエンを手に入れたければ、[[モルゴス]]のもとから[[シルマリル]]を持ってくるようにベレンに要求、暗に彼を葬ろうとした(このことが、シンゴルを[[マンドスの呪い]]に結びつけたとも言われる)。
ところがルーシエンがベレンを助けるためにドリアスを出奔し、彼女の力を借りてベレンは実際にモルゴスの元にまで行って、一時的にとはいえ本当にシルマリルを手にした。二人の偉業を知ったシンゴルは態度を軟化。ベレンとルーシエンの婚約を認めた。

その後シンゴルは、ベレンの片手ごとシルマリルを食らったため、シルマリルに体内を焼かれて暴れ回る[[カルハロス]]を狩るため、ベレンと[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]、[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]らと共に出発。その時シンゴルはカルハロスに襲われたが、ベレンがシンゴルを助け、身代わりになって死んだ。
ルーシエンはベレンを追って生身の命を捨てて[[アマン]]へ去り、[[ヴァラール]]に嘆願して彼女もまた常命の存在となるのと引きかえに、ベレンと共に[[中つ国]]に帰還した。ベレンとルーシエンは、一度シンゴルに再会すると[[トル・ガレン]]へと去り、その後シンゴルに再び会うことはなかった。

以後シンゴルは人間に好意的になった。[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]に敬意を表して、フーリンの息子[[トゥーリン]]を己が養子にしたほどである。トゥーリンが、[[サイロス]]殺害の嫌疑で裁かれるのを拒んでドリアスを去り行方知れずになった時には、シンゴルは大いに悲しんだ。

シンゴルは、カルハロスの腹から取り出されたシルマリルを保管していた。またシンゴルのもとに、フーリンが[[ナルゴスロンド]]から[[ナウグラミーア]]を持ってきた。するとシンゴルはこの二つの宝を、一つの品にすることを考えつく。彼は[[青の山脈]]にある[[ノグロド]]の[[ドワーフ]]を[[メネグロス]]に呼び、この仕事を請け負わせた。
ところがシルマリルとナウグラミーアの素晴らしさを妬んだドワーフは、一つに合わさったシルマリルとナウグラミーアの所有権を主張する。するとシンゴルはドワーフたちに挑発で応えたため、メネグロスの地下の作業場でドワーフに殺された。

ドリアスの王位は、ベレンとルーシエンの子である[[ディオル>ディオル(ベレンの息子)]]が継いだ。

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