* グラウルング [#x07cf5a0]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Glaurung|
|~その他の呼び名|竜たちの祖(Father of Dragons)、巨大なる長虫(Great Worm)、モルゴスの長虫(Worm of Morgoth)|
|~種族|[[龍]]([[ウルローキ]]の祖)|
|~性別|不明|
|~生没年|~[[第一紀]]|
|~親||
|~兄弟||
|~配偶者|不明|
|~子|多数|

** 解説 [#Explanation]

[[モルゴス]]によって生み出され、[[第一紀]]に[[エルフ]]や[[人間]]に対して猛威を振るった[[龍]]で、龍の祖と言われる。翼は持たず空は飛ばないが、口からは炎を吐き、呪いと惑わしの力も持っていた。外見は硬い黄金色の鱗に被われているが、下腹は柔らかい蛇腹であり、宿命的な弱点となっていた。

*** グラウルング最初の襲撃 [#fc60ac78]

第一紀260年に突如[[アングバンド]]より現れて[[アルド=ガレン]]を襲い、[[エルフ]]達を仰天させた。だがその時グラウルングはまだ成長しきっておらず、体をよろう鱗が完全ではなかったため、[[フィンゴン]]の率いる弓兵によって矢を射掛けられ、傷ついたグラウルングは[[アングバンド]]に逃げ戻った。モルゴスはグラウルングがあまりにも早くにその存在を露わにしたことに機嫌を損じたという。

*** ダゴール・ブラゴルラハとニアナイス・アルノイディアドでの来襲 [#a81dc757]

完全に生長しきったグラウルングは、[[ダゴール・ブラゴルラハ]]で再び現れ、モルゴスの放った火焔流の先頭を切って出撃し、その後に[[バルログ]]達や[[オーク]]の大軍が続いた。
グラウルングは[[ロスラン]]から[[マグロールの山間]]を突破して[[フェアノールの息子たち]]の領土を蹂躙し、この地を守っていた[[マグロール]]、[[カランシア]]、[[アムロド]]と[[アムラス]]は生き残りを率いて方々に遁れざるを得なかった。

[[ニアナイス・アルノイディアド]]では[[マイズロス]]と[[フィンゴン]]の軍勢の間に突入して多大な被害を与えたが、[[ベレグオスト]]の[[ドワーフ]]に取り囲まれて戦斧で攻撃される。さらにドワーフの王[[アザガール]]の今際の短剣を腹に受け、グラウルングは傷付いて逃げ帰った。

*** ナルゴスロンド襲撃とトゥーリンとの因縁の戦い [#q64e0ad9]

グラウルングは[[ナルゴスロンド]]襲撃で再び現れる。オーク達とともに進軍してきたグラウルングは[[エイセル・イヴリン]]を汚し、エルフ達を敗走させると、[[フィンドゥイラス>フィンドゥイラス(オロドレスの娘)]]を救出するためにナルゴスロンドに駆けつけた[[トゥーリン]]に邪眼の力を使い、トゥーリンの母[[モルウェン>モルウェン(バラグンドの娘)]]と妹[[ニエノール]]が危険だと思い込ませる呪縛をかけた。そのためトゥーリンは、捕虜として連れ去られていくフィンドゥイラスが目の前にいたにもかかわらず、母と妹を助けようと[[ドル=ローミン]]に向かってしまう。その結果、フィンドゥイラスは[[テイグリンの渡り瀬]]で[[オーク]]に殺されてしまった。

グラウルングは、ナルゴスロンドを滅ぼした後はオーク達を追い払うと、ナルゴスロンドの財宝を最低の値打ちの品物に至るまで全て数え上げ、奥の広間に積み上げて寝床とし、そこに棲み付いた。

ナルゴスロンド滅亡の報せを聞き、トゥーリンを捜しに来たモルウェンとニエノールと、彼女らを護衛してきた[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]ら[[ドリアス]]の一行がやって来ると、グラウルングはそれを察知して[[ナログ]]に身を横たえて毒の水蒸気を発生させ、ドリアスの護衛達を追い払う。さらに蒸気から逃れたニエノールを[[アモン・エシア]]の山頂で待ち受けると、再び邪眼を用いて彼女に心の闇と忘却の呪いを掛けた。このためニエノールは完全に記憶を失い、ついには互いにそれと知らず実兄であるトゥーリンの妻となってしまう。

やがて三年後、[[ブレシル]]襲撃に送り出されたオーク達が、その地に腰を落ち着けていたトゥーリンに撃退されたのを知ったグラウルングは、さらに悪意の謀を巡らせる。ナルゴスロンドから出てきたグラウルングは[[テイグリン]]の西岸近くに横たわり、ブレシルの民に非常な恐怖を与えた。だが[[カベド=エン=アラス]]を越えようとした時、その崖下に潜んでいた[[トゥーリン]]に[[グアサング]]で腹を刺され致命傷を負う。グラウルングの傷口から吹き出た毒の血はトゥーリンの手を焼き、邪眼はトゥーリンを気絶させた。
その直後、身重の[[ニーニエル(ニエノール)>ニエノール]]がトゥーリンを捜しにやって来ると、グラウルングは最後の悪意によって彼女にかけていた忘却の呪いを解き、彼女が[[フーリン>フーリン(ガルドールの息子)]]の娘ニエノールであり、夫であるトゥーリンは彼女の実の兄であることを思い出させてから絶命した。

>「これはこれはニエノール、フーリンの娘御。終わる前にまた出会うたな。喜んでもらおう、そなた、ついに兄者を見つけられたぞ。さあ、兄者のことを教えてやろう。暗闇の刺殺者、敵に対しては欺瞞者、友に対しては信義なき者、身内には禍、これがフーリンの息子トゥーリンじゃ! だが、かれの犯した最悪なる行為は、そなたがわが身の裡に感じようぞ」((断末魔のグラウルングの言葉。))

絶望したニエノールは[[カベド=エン=アラス]]の崖から[[テイグリン]]の流れに身を投げて自殺することになり、その後に全てを知ったトゥーリンも[[グアサング]]の切っ先に身を投げて自害した。

*** 画像 [#z0b3eef5]

&ref(glorundbytolkien.jpg,,30%,トールキン作画のナルゴスロンドから出てくるグロールンド(グラウルング));

** コメント [#Comment]

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