#author("2017-02-22T04:01:49+09:00","","")
#author("2022-10-29T00:06:23+09:00","","")
* カルハロス [#o0e26274]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Carcharoth|
|~その他の呼び名|アンファウグリア(Anfauglir)、アングバンドの狼(Wolf of Angband)、巨狼カルハロス(Carcharoth the Wolf)|
|~種族|[[狼]]([[巨狼]])|
|~その他の呼び名|アンファウグリル、アンファウグリア(Anfauglir) &br; アングバンドの狼(Wolf of Angband)|
|~種族|[[巨狼]]|
|~性別|男|
|~生没年|[[第一紀]]|
|~生没年|?~†[[第一紀]](466)|
|~親|[[ドラウグルイン]]の血を引く|
|~兄弟||
|~配偶者||
|~子||

** 解説 [#Explanation]

名は[[シンダール語]]で「赤&ruby(あご){腭};」(Red Maw)の意。「渇く&ruby(あぎと){顎};」(Jaws of Thirst)の意であるアンファウグリアとも呼ばれた。
名は[[シンダリン]]で「赤&ruby(あご){腭};(Red Maw)」の意。「渇く&ruby(あぎと){顎};(Jaws of Thirst)」の意であるアンファウグリルとも呼ばれた。[[アングバンド]]の門番であった、史上最強の[[狼]]。

カルハロスは全ての時代を通して最大の[[狼]]であった。[[ヴァリノール]]の猟犬[[フアン]]に課せられた「天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない」という運命を知った[[モルゴス]]は、[[ドラウグルイン]]の血筋の中から仔狼を選び出し、手ずから生き餌で育てた。その結果モルゴスの火と苦悶と飢えがその中に入り込み、カルハロスは世界にまたとない恐ろしい怪物となった。
成長しきってからは[[アングバンド]]のどの穴にも入らず、その城門の眠らぬ番人として置かれた。
[[ヴァリノール]]の猟犬[[フアン]]に課せられた「天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない」という運命を知った[[モルゴス]]は、[[ドラウグルイン]]の血筋の中から仔狼を選び出し、手ずから生き餌で育てた。その結果、モルゴスの火と苦悶と飢えがその中に入り込み、世界にまたとない恐ろしい怪物となった。モルゴスは来るべきフアンとの戦いに備え、カルハロスを[[アングバンド]]の眠らぬ門番として置いた。

[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]と[[ルーシエン]]が[[シルマリル]]探索の旅でアングバンドの城門まで辿り着いた時、カルハロスをはじめて目にする。
二人は[[ドラウグルイン]]と[[スリングウェシル]]の皮で変装していたが、カルハロスはドラウグルイン死亡の報せを聞いていたためこれを怪しみ、止まるよう命じて中に入れようとしなかった。だが[[マイア]]の血筋の力を発揮したルーシエンによって眠らされてしまい、二人の侵入を許してしまう。
二人がモルゴスの[[鉄の王冠]]からシルマリルの一つを奪取して地上へ逃げ戻る時にはカルハロスは目覚めており、怒りに燃えて再び二人の前に立ち塞がった。ベレンは聖なる光が怪物を怯ませることを期待してシルマリルをその眼前に突き出したが、逆にカルハロスは貪欲さに駆られてベレンの右手ごとシルマリルを食いちぎって飲み込んでしまった。
[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]と[[ルーシエン]]が[[シルマリル]]探索の旅でアングバンドの城門まで辿り着いた時、二人は[[ドラウグルイン]]と[[スリングウェシル]]の皮で変装していたが、カルハロスはこれを怪しみ、止まるよう命じて中に入れようとしなかった。だが[[マイア>マイアール]]の血筋の力を発揮したルーシエンによって眠らされてしまい、二人の侵入を許してしまう。
二人がモルゴスの[[鉄の王冠>鉄の冠]]からシルマリルの一つを奪取して地上へ逃げ戻る時にはカルハロスは目覚めており、怒りに燃えて再び二人の前に立ち塞がった。ベレンは聖なる光が怪物を怯ませることを期待してシルマリルをその眼前に突き出したが、逆にカルハロスは貪欲さに駆られてベレンの右手ごと食いちぎってシルマリルを飲み込んでしまった。

するとシルマリルはカルハロスの体内を焼き、カルハロスは苦痛に怒り狂って暴れまわり[[ベレリアンド]]を襲った。シルマリルの力がひそんだカルハロスの狂乱はアングバンドの滅亡以前にベレリアンドを襲ったあらゆる出来事の中でも最も恐ろしいものであったという。
カルハロスは[[メリアンの魔法帯>魔法帯]]を突破して[[ドリアス]]に入り込み、これを駆り立てるため狼狩りが組織された。狩りには[[シンゴル]]王自身と、強弓の[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]、[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]、旅から帰還した[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]、そして猟犬[[フアン]]が参加し、一行は[[エスガルドゥイン]]の川辺でこの狼を発見した。
するとシルマリルはカルハロスの体内を焼き、カルハロスは苦痛に猛り狂って[[ベレリアンド]]を襲った。シルマリルの力がひそんだカルハロスの狂乱は[[アングバンドの滅亡>怒りの戦い]]以前にベレリアンドを襲ったあらゆる出来事の中でも最も恐ろしいものであったという。
カルハロスは[[魔法帯]]を突破して[[ドリアス]]に入り込み、これを狩り立てるため狼狩りが組織された。狩りには[[シンゴル]]王自身と、[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]、[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]、旅から帰還した[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]、そして猟犬の[[フアン]]が参加し、一行は[[エスガルドゥイン]]の川辺でカルハロスを発見した。
ここで運命に定められていた通り、フアンとカルハロスの決闘が行われた。

>[[狼]]と猟犬の闘いでいまだかつてこれに比し得るものはない。フアンの吠え声には[[オロメの角笛>ヴァラローマ]]と、[[ヴァラール]]の憤怒の声が聞かれ、カルハロスの咆哮には[[モルゴス]]の憎しみと、鋼鉄の歯よりも&ruby(むご){酷};い悪意がこめられていたからである。その騒ぎに岩は裂けて高みから崩れ落ち、エルガルドゥインの滝を埋めた。((『[[シルマリルの物語]]』「[[クウェンタ・シルマリルリオン]]第十九章 ベレンとルーシエンのこと」))
>狼と猟犬の闘いでいまだかつてこれに比し得るものはない。フアンの吠え声には[[オロメの角笛>ヴァラローマ]]と、[[ヴァラール]]の憤怒の声が聞かれ、カルハロスの咆哮には[[モルゴス]]の憎しみと、鋼鉄の歯よりも&ruby(むご){酷};い悪意がこめられていたからである。その騒ぎに岩は裂けて高みから崩れ落ち、[[エスガルドゥイン]]の滝を埋めた。((『[[シルマリルの物語]]』「ベレンとルーシエンのこと」))

カルハロスは毒牙によってフアンと、シンゴルを庇った[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]に致命傷を与えたが、カルハロス自身もフアンに倒された。[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]がカルハロスの腹を裂き、ほとんど焼き尽くされた腸の中から、無傷のベレンの手に包まれた[[シルマリル]]を取り出した。
カルハロスは毒牙によってフアンと、シンゴルを庇った[[ベレン>ベレン(バラヒルの息子)]]に致命傷を与えたが、最後はフアンとの闘いに敗れて倒された。[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]はカルハロスの腹を裂き、ほとんど焼き尽くされた腸の中から、無傷のベレンの手に包まれた[[シルマリル]]を回収した。

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