* カルハロス [#o0e26274]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Carcharoth|
|~その他の呼び名|アンファウグリア(Anfauglir)|
|~種族|[[巨狼]]|
|~性別||
|~生没年|[[第一紀]]|
|~親|[[ドラウグルイン]]の血を引く|
|~兄弟||
|~配偶者||
|~子||

** 解説 [#Explanation]

名は「赤顎」の意。「渇く顎」の意であるアンファウグリアとも呼ばれた。

カルハロスは全ての時代を通して最大の狼であり、[[ヴァリノール]]の猟犬[[フアン]]に課せられた「天が下にかつて存在したこともない強大な狼と戦うまでは死なない」という運命を知った[[モルゴス]]によって[[ドラウグルイン]]の血筋の仔狼の中から選ばれ、手ずから生きた餌で育てられた結果、モルゴスの火と苦悶と飢えがその中に入り込み、世界にまたとない恐ろしい怪物となった。
成長しきってからは[[アングバンド]]のどの穴にも入らず、その城門の眠らぬ番人として置かれた。

[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]と[[ルーシエン]]が[[シルマリル]]探索の旅でアングバンドの城門まで辿り着いた時、カルハロスをはじめて目にする。
二人は[[ドラウグルイン]]と[[スリングウェシル]]の皮衣で変装していたが、カルハロスはドラウグルイン死亡の報せを聞いていたためこれを怪しみ、止まるよう命じて中に入れようとしなかった。だが[[マイア]]の血筋の力を発揮したルーシエンによって眠らされてしまい、二人の侵入を許してしまう。
二人がモルゴスの王冠からシルマリルの一つを奪取して地上へ逃げ戻る時にはカルハロスは目覚めており、怒りに燃えて再び二人の前に立ち塞がった。ベレンは聖なる光が怪物を怯ませることを期待してシルマリルをその眼前に突き出したが、逆にカルハロスは貪欲さに駆られてベレンの右手ごとシルマリルを食いちぎって飲み込んでしまった。

するとシルマリルはカルハロスの腸を焼き、カルハロスは苦痛に怒り狂って暴れまわり[[ベレリアンド]]を襲った。シルマリルの力のひそんだその狂乱はアングバンドの滅亡以前に北方を襲ったあらゆる出来事の中でも最も恐ろしいものであったという。
カルハロスは[[メリアンの魔法帯>魔法帯]]を突破して[[ドリアス]]に入り込み、これを駆り立てるため狼狩りが組織された。狩りには[[シンゴル]]王自身と、強弓の[[ベレグ>ベレグ(ドリアス)]]、[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]、旅から帰還したベレン、そして[[フアン]]が参加し、一行は[[エスガルドゥイン]]の川辺でこの狼を発見した。
ここで運命に定められていた通り、フアンとカルハロスの決闘が行われた。

>狼と猟犬の闘いでいまだかつてこれに比し得るものはない。フアンの吠え声には[[オロメの角笛>ヴァラローマ]]と、[[ヴァラール]]の憤怒の声が聞かれ、カルハロスの咆哮には[[モルゴス]]の憎しみと、鋼鉄の歯よりも&ruby(むご){酷};い悪意がこめられていたからである。その騒ぎに岩は裂けて高みから崩れ落ち、エルガルドゥインの滝を埋めた。((『[[シルマリルの物語]]』「[[クウェンタ・シルマリルリオン]]第十九章 ベレンとルーシエンのこと」))

カルハロスは毒牙によってフアンと、シンゴルを庇った[[ベレン>ベレン(バラヒアの息子)]]に致命傷を与えたが、カルハロス自身もフアンに倒された。[[マブルング>マブルング(ドリアス)]]がその腹を裂き、ほとんど焼き尽くされた腸の中から無傷のベレンの手に包まれた[[シルマリル]]を取り出した。

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