* アルノール [#ua31c166]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[地名]]|
|~スペル|Arnor|
|~その他の呼び名|北方王国(Northern Lands)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]で「王の国」の意。
[[第二紀]]3320年に[[ヌーメノール]]の漂流者達([[忠実なる者]]達)が[[中つ国]]に興した''[[亡国の民の王国]]''のうち、[[エレンディル]]が築いた''北方王国''のこと。(南方王国は[[ゴンドール]])
首都は[[ネヌイアル]]湖畔の[[アンヌーミナス]]だが、分裂後はより東方の[[フォルンオスト]]に遷都した。

元来は[[イシルドゥア]]と[[アナーリオン]]の父エレンディルの国であるため、アルノール王はゴンドール王に対し''[[上級王]]''の位置にあるとされていた。しかし、ゴンドールが国力を増大させる一方、アルノールは[[アルセダイン]]、[[カルドラン]]、[[ルダウア]]の三国に分裂して戦争状態に陥り、次第に衰退。ゴンドールはアルノールの上位性を認めなくなってゆく。
[[第三紀]]1974年から1975年にかけての[[アングマール]]の攻撃と[[フォルンオスト]]の合戦によって最後に残っていたアルセダインが滅亡したことで、北方王国は消滅した。
[[第三紀]]1974年から1975年にかけての[[アングマール]]の攻撃と[[フォルンオスト]]の合戦によって最後に残っていたアルセダインが滅亡したことで、北方王国は消滅し、王の血筋はただ[[野伏]]の族長達の中にのみ受け継がれることとなった。

*** アルノールの領土 [#b299a2a0]

[[青の山脈]]の東、[[霧ふり山脈]]の西の[[エリアドール]]一帯。南端は[[エネドワイス]]より北。
[[青の山脈]]の東、[[霧ふり山脈]]の西の[[エリアドール]]一帯を領土としていた。ただし[[ルーン川>ルーン]]の西にある[[リンドン]]、[[灰色川]]と[[鳴神川]]の東にある[[裂け谷]]と[[エレギオン]]周辺は、[[エルフ]]の国として除外されていた。
[[東街道]]が、それら東西のエルフの国を繋ぐようにして通っており、[[南北街道(緑道)>緑道]]が[[フォルンオスト]]と[[ゴンドール]]を繋いで南北に通っていた。この両街道の交点に[[ブリー郷]]があり、そのやや東に砦の築かれていた[[風見が丘]]がある。
領土のほぼ中央を流れる[[バランドゥイン(ブランディワイン)>ブランディワイン]]川と東海道が交わる地点には[[ブランディワイン橋]]が築かれている。
ブランディワイン川の東の一帯は王国の初期には豊かな荘園が広がっていたが、人口希薄化で放置されていたのを後に[[ホビット]]に与えられ、[[ホビット庄]]となった。
南端は[[ミンヒリアス]]で[[エネドワイス]]に接する。

*** エレンディルの王国 [#lffc56ba]
*** 主要な地名、および都市 [#cd2f9900]

アルノールはエレンディルが統治し、息子の[[イシルドゥア]]と[[アナーリオン]]にはゴンドールの統治を任せた。
-[[エミン・ウィアル(イヴンディム丘陵)>エミン・ウィアル]]
--[[ネヌイアル(イヴンディム湖)>ネヌイアル]]
--[[アンヌーミナス]]
-[[北連丘]]
--[[フォルンオスト]]

[[最後の同盟]]の戦いの後にエレンディルが死ぬと、イシルドゥアが後を継いでこの地を統治しようとする。だがイシルドゥアは[[第三紀]]2年、アルノールへ向かう途中、[[あやめ野]]でオークの襲撃を受けて死亡した
そのため、イシルドゥアの第四子である[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥアの息子)]]がアルノールの王位を継ぎ(第三紀10年)、以後はその家系によって統治される。
-[[エミン・ベライド(塔山丘陵)>塔山丘陵]]
--[[エロスティリオン]]
-[[アモン・スール(風見が丘)>風見が丘]]
-[[ティルン・ゴルサド(塚山丘陵)>塚山丘陵]]

*** アルノールの分裂と滅亡 [#af704017]
-[[バランドゥイン(ブランディワイン川)>ブランディワイン]]
--[[石弓橋(ブランディワイン橋)>ブランディワイン橋]]
--[[サルンの浅瀬]]

10代目の王である[[エアレンドゥア>エアレンドゥア(エレンドゥアの息子)]]の死後、その息子達の不和が原因で、アルノールは第三紀861年に[[アルセダイン]]、[[ルダウア]]、[[カルドラン]]の三国に分裂。やがてエレンディルの血筋は、アルセダインに残るのみとなる。また、[[ルダウア]]は背後から[[アングマール]]に支配された状態となって、アルセダイン、カルドランを攻撃。ついには、アルノールの国はすべてアングマール魔国によって滅ぼされる。こうして[[エリアドール]]の人口は希薄となり、第三紀1975には北方王国のすべての国は消滅した。アングマールは、遅ればせながら到着した[[ゴンドール]]軍によって壊滅させられたが、エリアドールにはわずかな人々のみが生き残り、細々と自治による生活を続けるだけとなった。
-[[ブリー郷]]
--[[ブリー村]]
-[[ホビット庄]]

-[[東街道]]
-[[南北大街道(緑道)>緑道]]

** アルノールの歴史 [#xac7a0fc]

*** アルノール建国 [#lffc56ba]

[[エリアドール]]にはもともと[[ギル=ガラド]]の統治する[[エルフ]]の国[[リンドン]]があり、[[ヌーメノール]]の[[忠実なる者]]達との絶えざる交流があった。ヌーメノールで[[王党派]]が勢いを得ると、迫害された忠実なる者達はリンドンのギル=ガラドの許へ亡命する者が多かった。
[[第二紀]]3320年、[[ヌーメノールの没落>アカルラベース]]を逃れた[[エレンディル]]の率いる四隻の船は[[灰色港]]に漂着し、そこでギル=ガラドの援助を得る。エレンディルはその地の[[ドゥーネダイン]]を糾合し、[[ルーン]]川を遡ってアルノールを建国した。
南方では彼の二人の息子[[イシルドゥア]]と[[アナーリオン]]が[[ゴンドール]]を建国しており、[[アンヌーミナス]]に玉座を置くエレンディルはこれら[[亡国の民の王国]]の[[上級王]]と見なされていた。

父子は没落から救われた宝である七つの[[パランティーア]]を分割し、そのうちの三つをエレンディルが取った。
北方のパランティーアの親石は[[アモン・スール]]の塔に置かれ、もう一つは王都のアンヌーミナスに置かれた。最後の一つは、海を望んで建てられた[[エロスティリオン]]の塔に置かれたが、この石はただ西方のみを向き、失われたヌーメノールを、さらにはその先の[[トル・エレッセア]]を視るために使われた。

*** 最後の同盟 [#o65e3dfb]

このようにアルノールにおいては、いまだ[[エルダール]]と[[エダイン]]の間の強固な結びつきが保持されていた。
[[サウロン]]が[[ゴンドール]]に攻撃を加えたとの報せが[[イシルドゥア]]よりもたらされると、[[第二紀]]3430年、エレンディルとギル=ガラドは[[最後の同盟]]を結んで共にサウロンの脅威に対抗した。エルフと人間の軍勢は[[裂け谷]]に集結して[[霧ふり山脈]]を越え、長く熾烈な戦いの末に[[モルドール]]の軍勢を打ち破る。
3441年に[[滅びの山]]の中腹で行われた最後の戦いにおいて、エレンディルとギル=ガラドは共にサウロンに挑み、これを斃すが、二人の[[上級王]]もまたサウロンに斃された。
イシルドゥアは死んだ父の身体の下で二つに折れた[[ナルシル]]の柄本を使い、サウロンの指から[[一つの指輪]]を切り取ってそれを自分のものとする。

[[ドゥーネダイン]]の上級王位とアルノールの王国は、イシルドゥアが継ぐはずであった。だが彼はアルノールへの帰国の途上、[[あやめ野]]において[[オーク]]の残党に襲撃されて命を落とす。イシルドゥアと共に彼の三人の息子[[エレンドゥア]]、[[アラタン]]、[[キアヨン]]も命を落とした。
そのため母とともに裂け谷に留まっていた末子で幼年の[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥアの息子)]]が王位を継ぐことになり([[第三紀]]10年)、以後アルノールはその家系によって統治される。

*** アルノールの分裂 [#af704017]

だが、[[最後の同盟]]の戦いで命を落とした[[ドゥーネダイン]]の数はあまりにも多く、アルノールでは人口が希薄化し無人の地と化する場所が多かった。
さらに10代目の王である[[エアレンドゥア>エアレンドゥア(エレンドゥアの息子)]]の死後、その息子達の不和が原因で、アルノールは[[第三紀]]861年に[[アルセダイン]]、[[ルダウア]]、[[カルドラン]]の三国に分裂する。やがてエレンディルの血筋は、アルセダインに残るのみとなる。

三国は、北方の[[パランティーア]]の要である[[アモン・スール>風見が丘]]の石の帰属を巡って争いを繰り返したが、この内乱のために敵に付け入られることになった。

*** アングマールとの戦い [#k3d96a0e]

第三紀1300年、[[霧ふり山脈]]の北方に魔国[[アングマール]]が出現し、北方の[[ドゥーネダイン]]の大きな脅威となる。
もともとドゥーネダインの数が少なく、山岳人に実権を握られていた[[ルダウア]]はアングマールと結託し、[[アルセダイン]]と[[カルドラン]]を攻撃。

1409年にはアモン・スールの塔が戦火によって破壊されるが、パランティーアは救出されて[[フォルンオスト]]に運ばれた。この時、ルダウアに残っていたわずかなドゥーネダインは滅ぼされ、カルドランの国土も荒廃する。カルドランのドゥーネダインは[[古森]]と[[ティルン・ゴルサド>塚山丘陵]]に逃れて抵抗を続けた。アルセダインは、[[リンドン]]の援助によって難を切り抜け、その後[[裂け谷]]と[[ロスローリアン]]の援軍によって、アングマールは一時勢力を削がれた。
だが1636年に全土に広がった悪疫は[[エリアドール]]にも甚大な被害をもたらし、これによって抵抗していたカルドランの最後のドゥーネダインも死に絶える。

*** アルノールの滅亡 [#h6a30b95]

[[第三紀]]1974年、勢力を盛り返した[[アングマール]]は[[アルセダイン]]を急襲し、[[フォルンオスト]]は陥落。かくしてアルノールは滅亡した。
アルセダイン最後の王[[アルヴェドゥイ]]は[[フォロヘル]]に逃れたが、[[アングマールの魔王>魔王]]のもたらした寒気によって、二つの[[パランティーア]]とともに海中に没した。
1975年、アングマールは遅ればせながら到着した[[ゴンドール]]軍と、[[裂け谷]]の軍勢によって壊滅させられたが、エリアドールにはわずかな人々のみが生き残り、細々と自治による生活を続けるだけとなった。

*** アルノールの残党の野伏 [#cf748669]

[[エレンディル]]の血筋を引く者は、わずかな[[ドゥーネダイン]]とともに生き残った。[[アラゴルン>アラゴルン二世]]はエレンディルの血を継ぐアルノール王家の末裔にあたる。北方王国滅亡後、この地のドゥーネダインは[[野伏]]の姿に身をやつし、旧アルノールの土地に住む人々を密かに守り続けた。

*** 南北の王国の統一 [#ne1800ef]

第三紀3019年に[[サウロン]]が滅ぼされ、[[アラゴルン二世]]がエレスサール王として即位すると、アラゴルン二世は[[アンヌーミナスの王笏]]とゴンドールの王冠を受け取る。こうしてアラゴルン二世はアルノール、ゴンドール双方の王となり、北方王国と南方王国は統一された。

** アルノールの歴代の王 [#mcf6aed1]
** アルノールの歴代の[[上級王]] [#mcf6aed1]

||名前|在位|h
|初代|[[エレンディル]]|[[第二紀]]3320〜3441|
|2代|[[イシルドゥア]]|3441〜[[第三紀]]2|
|3代|[[ヴァランディル>ヴァランディル(イシルドゥアの息子)]]|10〜249|
|4代|[[エルダカール>エルダカール(ヴァランディルの息子)]]|249〜339|
|5代|[[アランタール]]|339〜435|
|6代|[[タルキル]]|435〜515|
|7代|[[タロンドール>タロンドール(タルキルの息子)]]|515〜602|
|8代|[[ヴァランドゥア]]|602〜652|
|9代|[[エレンドゥア>エレンドゥア(ヴァランドゥアの息子)]]|652〜777|
|10代|[[エアレンドゥア>エアレンドゥア(エレンドゥアの息子)]]|777〜861|

以後[[アルセダイン]]の歴代の王へ続く

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