#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2023-03-04T11:53:14+09:00","","")
* アルウェン [#fd679132]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Arwen|
|~その他の呼び名|ウンドーミエル(Undómiel) &br; &ruby(ゆうづつ){夕星};・夕星姫・宵の明星(Evenstar)&br;夕星王妃(Lady Evenstar)&br;美しきアルウェン(Arwen the Fair)|
|~その他の呼び名|ウンドーミエル (Undómiel) &br; 夕星姫、宵の明星 (Evenstar) &br; 夕星王妃 (Lady Evenstar)|
|~種族|[[エルフ]]([[半エルフ]]の血を引く)|
|~性別|女|
|~生没年|[[第三紀]]241年~不詳(([[第四紀]]120年に[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を去って[[ロスローリエン]]に赴き、おそらく翌年の春先に死去))|
|~親|[[エルロンド]](父)、[[ケレブリアン]](母)|
|~兄弟|[[エルラダン]](兄)、[[エルロヒア]](兄)|
|~配偶者|[[アラゴルン二世]](第三紀3019年夏至)|
|~親|[[エルロンド]](父)、[[ケレブリーアン]](母)|
|~兄弟|[[エルラダン]](兄)、[[エルロヒル]](兄)|
|~配偶者|[[アラゴルン二世]]|
|~子|[[エルダリオン]](息子)、娘数人|

** 解説 [#Explanation]

名は[[シンダール語]]で「高貴な乙女」(Noble Maiden)の意。[[エルロンド]]と[[ケレブリアン]]の娘。[[エルラダン]]と[[エルロヒア]]の妹。
[[クウェンヤ]]で&ruby(ゆうづつ){夕星};を意味するウンドーミエルと呼ばれ、[[エルフ]]の中で最も[[ルーシエン]]に似ている者とされる。彼女は[[裂け谷]]で生まれ育ったが、[[ロスローリエン]]で過ごすことも多かった。
名は[[シンダリン]]で「高貴な乙女(Noble Maiden)」の意。[[クウェンヤ]]で''&ruby(ゆうづつ){夕星};''を意味する''ウンドーミエル''とも呼ばれる。
[[エルロンド]]と[[ケレブリーアン]]の娘で、[[エルラダン]]と[[エルロヒル]]の妹。[[エルフ]]の中で最も[[ルーシエン]]に似ている者とされる。

>テーブルの真ん中に、壁にかけた壁掛け織布を背にして、天蓋をしつらえた椅子が置かれ、仰ぎ見るも美しい女の人が坐っていました。その女の人はエルロンドを女にしたほどよく主に似ていましたので、恐らくその近い身内に違いないと[[フロド>フロド・バギンズ]]は考えました。若々しいのに、若くはない人で、長く編んだ黒髪には一筋の白いものも見られず、白い腕と晴れやかな顔はしみ一つなくなめらかでした。そして、雲のない夜のような灰色の明るい目には、星の光が宿っていました。しかもその人の様子には女王の風格があり、そのまなざしには歳月のもたらすさまざまな出来事を見てきた人の思慮と知識が感じられました。頭には、その額より上のところに、小さな宝石を編みこんだ銀モールの冠物が白く光っていました。しかしやわらかな灰色の衣裳には木の葉を連ねたデザインの銀の帯のほかにはなんの飾りもついていませんでした。
こうしてフロドは、今まで限りある命しか持たぬ者の目にはほとんどふれることのなかった女人の姿を目にしたのでした。この女の人はエルロンドの娘、アルウェンで、かの[[ルシアン>ルーシエン]]の再来と見紛うほど、かの女によく似ているといわれていました。((『[[旅の仲間]]』[[フロド>フロド・バギンズ]]が[[「最後の憩」館]]で目覚めた後の晩餐の席で))
>若々しいのに、若くはない人で、長く編んだ黒髪には一筋の白いものも見られず、白い腕と晴れやかな顔はしみ一つなくなめらかでした。そして、雲のない夜のような灰色の明るい目には、星の光が宿っていました。しかもその人の様子には女王の風格があり、そのまなざしには歳月のもたらすさまざまな出来事を見てきた人の思慮と知識が感じられました。頭には、その額より上のところに、小さな宝石を編みこんだ銀モールの&ruby(キャップ){冠物};が白く光っていました。しかしやわらかな灰色の衣裳には木の葉を連ねたデザインの銀の帯のほかにはなんの飾りもついていませんでした。
こうしてフロドは、今まで限りある命しか持たぬ者の目にはほとんどふれることのなかった女人の姿を目にしたのでした。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「数々の出会い」))

アルウェンは[[第三紀]]2951年、20歳になって成人した[[アラゴルン>アラゴルン二世]]と初めて[[裂け谷]]で出会い、一目惚れされる((この時[[ティヌーヴィエル>ルーシエン]]と呼びかけるアラゴルンに対して'''その名はわたくしの名ではありません。といってもおそらくわたくしの運命はあの方と異なるものにはならないでしょう'''と応えており、彼女自身、自らが辿ることになる運命を悟った可能性もある))。その後2980年、旅路で[[ロスローリエン]]を通りかかったアラゴルンと、たまたまその時ロスローリエンにいたアルウェンは再会し、[[ケリン・アムロス]]の丘にて婚約。その証としてアルウェンは、アラゴルンから[[バラヒアの指輪]]を受け取った。
だが[[半エルフ]]のエルロンドの子である彼女と兄達は、[[アマン]]に行けば純粋なエルフと同じ永遠の時を生きることが出来るが、[[中つ国]]に留まることを選択すればいつかは死すべき運命にあったため、アルウェンの選択を知った父エルロンドは深く悲しんだ。
*** アラゴルンとの恋 [#t3a6f250]

以後アルウェンは、旅を続けるアラゴルンを案じながら裂け谷に留まり続けたが、アラゴルンに[[ロヘリン]]を与えたほか、アラゴルンのために長い時間をかけて手ずから[[エレンディルの旗印>エレンディルの印]]を織るなど彼の難題行を手助けする(この旗印は[[ハルバラド]]によってアラゴルンの元に届けられ、[[ペレンノール野の合戦]]において掲げられることとなった)。また[[緑の石]]をアラゴルンに渡すよう[[ガラドリエル]]に預けており、[[指輪の仲間]]が[[ロスローリエン]]に立ち寄った際、出立の贈物としてガラドリエルからアラゴルンに手渡された。
その結果アラゴルンは、かねて予言されていた通り「エルフの石の殿」の意である[[エレスサール]]の名で呼ばれるようになる。
アルウェンは[[裂け谷]]で生まれ育ったが、[[ロスローリエン]]で過ごすことも多かった。
[[第三紀]]2951年、[[裂け谷]]に戻っていた折、20歳になって成人した[[アラゴルン二世]]に見初められる((この時[[ティヌーヴィエル]]と呼びかけるアラゴルン二世に対して'''その名はわたくしの名ではありません。といってもおそらくわたくしの運命は[[あの方>ルーシエン]]と異なるものにはならないでしょう'''と応えており、彼女自身、自らが辿ることになる運命を悟った可能性もある))。
その後2980年、旅路で[[ロスローリエン]]を通りかかったアラゴルンと、たまたまその時ロスローリエンにいたアルウェンは再会し、[[ケリン・アムロス]]の丘にて婚約。その証としてアルウェンは、アラゴルンから[[バラヒルの指輪]]を受け取った。

[[指輪戦争]]が終決し[[サウロン]]が滅ぼされると、アルウェンは[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]においてエレスサール王として戴冠したアラゴルンと挙式し、[[ゴンドール]]の女王として栄光の時を過ごす。だがそれは、アルウェンが[[中つ国]]を去って[[アマン]]へ赴く権利を放棄することであり、[[人間]]と同じく限りある命しか持たぬ身となること、また父である[[エルロンド]]らとの、世の終わりの後も続く別れを意味していた((彼女はこの選択によって'''かの女の得たものすべてを失うまでは死なぬ運命'''つまり伴侶であるアラゴルンが死ぬまでは彼女も死なないという運命に定められたようである。))。
アルウェンは[[フロド・バギンズ]]との別れに際して彼が受けた傷を案じ、もし傷が癒えない時は自分の代わりに[[西方>アマン]]へ渡るようにと、首にかけていた白い宝石を彼に与えた。
だが[[半エルフ]]の子である彼女と[[兄達>エルロンドの息子]]は、[[アマン]]に行けば[[エルフ]]と同じ永遠の時を生きることが出来るが、[[中つ国]]に留まることを選択すればいつかは[[死すべき運命]]にあったため、アルウェンの選択を知った父[[エルロンド]]は深く悲しんだ。
そのためアラゴルンはアルウェンを妻とするべく、長い苦難の旅を続けることとなる。

[[アラゴルンとアルウェンの物語]]によると[[第四紀]]120年、エレスサール王の今際を看取ったアルウェンは'''その目の光は消え、国民の目には、かの女はまるで星一つ出ない冬の日の夕暮れのように冷たく灰色と化したように見えた'''という。彼女は子供達や親しかった者に別れを告げ、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を去る。そして、[[ガラドリエル]]や[[ケレボルン]]が去って沈黙の地となっていた[[ロスローリエン]]に赴いて冬が来るまで一人で暮らし、最後はかつてアラゴルンと婚約した場所である[[ケリン・アムロス]]に身を横たえたという。((『[[追補編]]』「[[アラゴルンとアルウェンの物語]](その一部)」より))
以後アルウェンは、旅を続けるアラゴルンを案じながら裂け谷に留まり続けたが、アラゴルンに馬[[ロヘリン]]を与えたほか、アラゴルンのために長い時間をかけて手ずから[[旗印>アルウェンの旗印]]を作るなど彼の難題行を手助けする(この旗印は[[ハルバラド]]によってアラゴルンの元に届けられ、[[指輪戦争]]において掲げられることとなった)。
また[[緑の石]]をアラゴルンに渡すよう[[ガラドリエル]]に預けており、[[指輪の仲間]]が[[ロスローリエン]]に立ち寄った際、[[出立の贈物>ガラドリエルの贈り物]]としてガラドリエルからアラゴルンに手渡された。その結果アラゴルンは、かねて予言されていた通り「エルフの石」の意である[[エレッサール]]の名で呼ばれるようになる。

>世が変わり、かの女の全生涯が後代の人々からまったく忘れ去られ、[[エラノール>エラノール(植物)]]も[[ニフレディル]]ももはや[[大海]]の東には咲かなくなる日が来るまで、ここにかの女の緑の塚山がある。((同上))
*** 夕星王妃 [#v3f489e2]

*** 画像 [#naa7da02]
[[第三紀]]3019年([[大いなる年>大いなる年#year3019]])、[[指輪戦争]]が終結し[[サウロン]]が滅ぼされると、その年の夏至にアルウェンは[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]においてエレッサール王として戴冠した[[アラゴルン二世]]と挙式し、以降は[[再統一された王国]]の王妃として栄光の時を過ごす。だがそれは、アルウェンが[[中つ国]]を去って[[アマン]]へ赴く権利を放棄することであり、[[人間]]と同じく[[限りある命>死すべき運命]]しか持たぬ身となること、また父である[[エルロンド]]ら同族との、世の終わりのまで続く別れを意味していた((彼女はこの選択によって'''かの女の得たものすべてを失うまでは死なぬ運命'''、つまり伴侶であるアラゴルンが死ぬまでは彼女も死なないという運命に定められたようである。))。
アルウェンは[[フロド・バギンズ]]との別れに際して彼が受けた傷を案じ、もし傷が癒えない時は自分の代わりに[[西方>アマン]]へ渡るようにと、首にかけていた[[白い宝石]]を彼に与えた。

&ref(ScreenShot00658.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるアルウェン); 
「[[アラゴルンとアルウェンの物語]]」によると[[第四紀]]120年、[[ラス・ディーネン]]でエレッサール王の今際を看取ったアルウェンは'''その目の光は消え、国民の目には、かの女はまるで星一つ出ない冬の日の夕暮れのように冷たく灰色と化したように見えた'''という。彼女は子供達や親しかった者に別れを告げ、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を去る。
そして、[[ガラドリエル]]や[[ケレボルン]]が去って沈黙の地となっていた[[ロスローリエン]]に赴いて冬が来るまで一人で暮らし、最後はかつてアラゴルンと婚約した場所である[[ケリン・アムロス]]に身を横たえたという。

>世が変わり、かの女の全生涯が後代の人々からまったく忘れ去られ、[[エラノール>エラノール(植物)]]も[[ニフレディル]]ももはや[[大海]]の東には咲かなくなる日が来るまで、ここにかの女の緑の塚山がある。((『[[追補編>指輪物語/追補編]]』「[[アラゴルンとアルウェンの物語]](その一部)」))

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[リヴ・タイラー]]|
|~日本語吹き替え|[[坪井木の実]]|
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[[グロールフィンデル]]の代わりに[[アスファロス]]に乗って登場。[[ナズグール]]によって負傷した[[フロド>フロド・バギンズ]]を父[[エルロンド]]のいる[[裂け谷]]に連れて行こうとする(この時[[ハザファング]]という剣を持っている)。その途中で[[ナズグール]]に追われ、[[ブルイネンの浅瀬>ブルイネン#Ford]]で呪文を唱えて、ナズグール達を川の水で押し流した。
アラゴルンが[[指輪の仲間]]と共に旅立つ直前アラゴルンに、[[緑の石]]の代わりに自分のネックレスを与えている。

立ち回りが大きく変更されている。
『旅の仲間』では[[グロルフィンデル]]の代わりに[[アスファロス]]に乗って登場。[[ナズグール]]によって負傷した[[フロド・バギンズ]]を父[[エルロンド]]のいる[[裂け谷]]に連れて行こうとする(この時[[ハザファング]]という剣を持っている)。その途中で[[ナズグール]]に追われ、[[ブルイネンの浅瀬]]で呪文を唱えて、ナズグール達を川の水で押し流した。
[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が[[指輪の仲間]]と共に旅立つ直前、彼に自分のネックレスを与えている(原作の[[緑の石]]に相当する)。
原作『[[アラゴルンとアルウェンの物語]]』における、晩年のアルウェンとアラゴルンの姿は、アルウェンの予見という形で映画中に盛り込まれている。

アルウェンは、[[モルドール]]からの邪気のために衰弱し、そのため[[エルロンド]]によって、[[西方>アマン]]へと逃れることを勧められる。だがアルウェンはその旅の途中で、自分とアラゴルンの子供[[エルダリオン]]の幻を見る。するとアルウェンは裂け谷に舞い戻り、[[ナルシル]]を鍛え直してアラゴルンに届けることをエルロンドに提案した。
『王の帰還』でアルウェンは、[[モルドール]]からの邪気のために衰弱し、そのため[[エルロンド]]によって、[[アマン]]へ逃れることを勧められる。だがアルウェンはその旅の途中で、自分とアラゴルンの子供[[エルダリオン]]の幻を見る。するとアルウェンは裂け谷に舞い戻り、[[ナルシル>アンドゥーリル]]を鍛え直してアラゴルンに届けることをエルロンドに提案した。

*** 当初予定された映画設定 [#wa6c559e]

当初の脚本では、『[[二つの塔]]』においてアルウェンは[[角笛城の合戦]]に参加し、鍛え直された[[アンドゥリル]]をアラゴルンの元に届けるのもアルウェンが行う予定であった。ローハンにてアルウェンと[[エオウィン]]が出会い、エオウィンがアルウェンに嫉妬するというシノプシスも予定されていた((日本でのトレイラー公開時に配布されたプレス資料より))。
だが、『[[旅の仲間]]』におけるアルウェンの行動の原作からの変更が、原作ファンから不評だったこともあり、この脚本は修正される。角笛城の合戦は既に撮影が済んでいたが、アルウェン(リヴ・タイラー)が出演しているシーンはカットされた。
当初の脚本では、『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』においてアルウェンは[[角笛城の合戦]]に参加し、鍛え直された[[アンドゥーリル]]を[[アラゴルン>アラゴルン二世]]の元に届けるのもアルウェンが行う予定であった。[[ローハン]]にてアルウェンと[[エーオウィン]]が出会い、エーオウィンがアルウェンに嫉妬するというシノプシスも予定されていた((日本でのトレイラー公開時に配布されたプレス資料より))。
しかし監督のピーター・ジャクソンや脚本のボウエンら製作陣の中には、この演出で二人の関係性を示すのは安直だとする意見もあり、完全に合意された物ではなかった。
また、『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』公開後、同作におけるアルウェンの行動の原作からの変更に対し、原作ファンから不評の声が上がったこともあり、この脚本は修正された。角笛城の合戦は既に撮影が済んでいたが、アルウェン(リヴ・タイラー)が出演しているシーンはカットされた(タイラー自身も脚本に難色を示していた)。

*** 画像 [#ceef4678]

&ref(vlcsnap-00013.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるアルウェン); &ref(vlcsnap-00102.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるアルウェン); &ref(vlcsnap-00017.jpg,,25%,『ロード・オブ・ザ・リング』におけるアルウェン);

*** グッズ [#s77492f3]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

&ref(ScreenShot00658.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるアルウェン); &ref(ScreenShot_2019-06-27_213002_0.jpg,,10%,『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるアルウェン);
 
** コメント [#Comment]

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