#author("2024-01-27T00:08:32+09:00;2023-03-04T11:53:14+09:00","","")
* アルウェン [#fd679132]
** 概要 [#wa58caf0]
#contents
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|人名|
|~カテゴリー|[[人名]]|
|~スペル|Arwen|
|~その他の呼び名|夕星(Evenstar)、ウンドミエル(Undómiel)|
|~種族|[[エルフ]]|
|~その他の呼び名|ウンドーミエル (Undómiel) &br; 夕星姫、宵の明星 (Evenstar) &br; 夕星王妃 (Lady Evenstar)|
|~種族|[[エルフ]]([[半エルフ]]の血を引く)|
|~性別|女|
|~生没年|[[第三紀]]241年~不明|
|~親|[[エルロンド]](父)、[[ケレブリアン]](母)|
|~兄弟|[[エルラダン]](兄)、[[エルロヒア]](兄)|
|~配偶者|[[アラゴルン二世]](第三紀3019年夏至)|
|~生没年|[[第三紀]]241年~不詳(([[第四紀]]120年に[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を去って[[ロスローリエン]]に赴き、おそらく翌年の春先に死去))|
|~親|[[エルロンド]](父)、[[ケレブリーアン]](母)|
|~兄弟|[[エルラダン]](兄)、[[エルロヒル]](兄)|
|~配偶者|[[アラゴルン二世]]|
|~子|[[エルダリオン]](息子)、娘数人|

** 解説 [#fcca65a9]
** 解説 [#Explanation]

名は「高貴な乙女」の意。[[エルロンド]]と[[ケレブリアン]]の娘。[[エルラダン]]と[[エルロヒア]]の妹。
夕星を意味するウンドミエルと呼ばれ、[[エルフ]]の中で最も[[ルーシエン]]に似ている者とされる。彼女は[[裂け谷]]で生まれ育ったが、[[ロスローリエン]]で過ごすことも多かった。
名は[[シンダリン]]で「高貴な乙女(Noble Maiden)」の意。[[クウェンヤ]]で''&ruby(ゆうづつ){夕星};''を意味する''ウンドーミエル''とも呼ばれる。
[[エルロンド]]と[[ケレブリーアン]]の娘で、[[エルラダン]]と[[エルロヒル]]の妹。[[エルフ]]の中で最も[[ルーシエン]]に似ている者とされる。

[[第三紀]]2951年、20歳になって成人した[[アラゴルン>アラゴルン二世]]と初めて[[裂け谷]]で出会う。その後2980年旅路で[[ロスローリエン]]を通りかかったアラゴルンと再会し、[[ケリン・アムロス]]にて婚約した。以後は、旅を続けるアラゴルンを裂け谷で案じながら待ち続けた。アルウェンは、アラゴルンに[[ロヘリン]]を与えたほか、アラゴルンのために[[エレンディル]]の旗印を作っている(この旗印は[[ハルバラド]]によってアラゴルンの元に届けられた)。
[[指輪戦争]]が終決し、[[サウロン]]が滅ぼされると、エレスサール王として戴冠したアラゴルンと結婚し、ゴンドールの女王として素晴らしい時を過ごす。だがそれは、エルフとして悠久の時を生きることを放棄することであり、[[中つ国]]を去って[[至福の国>アマン]]へ向かう権利を放棄することでもあった(アルウェンは、その権利を[[フロド・バギンズ]]に譲ったことを示唆しており、同時にフロドに白い宝石を与えている)。
>若々しいのに、若くはない人で、長く編んだ黒髪には一筋の白いものも見られず、白い腕と晴れやかな顔はしみ一つなくなめらかでした。そして、雲のない夜のような灰色の明るい目には、星の光が宿っていました。しかもその人の様子には女王の風格があり、そのまなざしには歳月のもたらすさまざまな出来事を見てきた人の思慮と知識が感じられました。頭には、その額より上のところに、小さな宝石を編みこんだ銀モールの&ruby(キャップ){冠物};が白く光っていました。しかしやわらかな灰色の衣裳には木の葉を連ねたデザインの銀の帯のほかにはなんの飾りもついていませんでした。
こうしてフロドは、今まで限りある命しか持たぬ者の目にはほとんどふれることのなかった女人の姿を目にしたのでした。((『[[指輪物語]] [[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』「数々の出会い」))

[[第四紀]]120年、エレスサール王が崩御されると、アルウェンは子供達や親しかった者に別れを告げ、[[ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を去る。そして、かつてアラゴルンと再会した[[ケリン・アムロス]]に身を横たえたという。
[[追補編]]『アルウェンとアラゴルンの物語』に詳細。
*** アラゴルンとの恋 [#t3a6f250]

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#d0958e6a]
アルウェンは[[裂け谷]]で生まれ育ったが、[[ロスローリエン]]で過ごすことも多かった。
[[第三紀]]2951年、[[裂け谷]]に戻っていた折、20歳になって成人した[[アラゴルン二世]]に見初められる((この時[[ティヌーヴィエル]]と呼びかけるアラゴルン二世に対して'''その名はわたくしの名ではありません。といってもおそらくわたくしの運命は[[あの方>ルーシエン]]と異なるものにはならないでしょう'''と応えており、彼女自身、自らが辿ることになる運命を悟った可能性もある))。
その後2980年、旅路で[[ロスローリエン]]を通りかかったアラゴルンと、たまたまその時ロスローリエンにいたアルウェンは再会し、[[ケリン・アムロス]]の丘にて婚約。その証としてアルウェンは、アラゴルンから[[バラヒルの指輪]]を受け取った。

だが[[半エルフ]]の子である彼女と[[兄達>エルロンドの息子]]は、[[アマン]]に行けば[[エルフ]]と同じ永遠の時を生きることが出来るが、[[中つ国]]に留まることを選択すればいつかは[[死すべき運命]]にあったため、アルウェンの選択を知った父[[エルロンド]]は深く悲しんだ。
そのためアラゴルンはアルウェンを妻とするべく、長い苦難の旅を続けることとなる。

以後アルウェンは、旅を続けるアラゴルンを案じながら裂け谷に留まり続けたが、アラゴルンに馬[[ロヘリン]]を与えたほか、アラゴルンのために長い時間をかけて手ずから[[旗印>アルウェンの旗印]]を作るなど彼の難題行を手助けする(この旗印は[[ハルバラド]]によってアラゴルンの元に届けられ、[[指輪戦争]]において掲げられることとなった)。
また[[緑の石]]をアラゴルンに渡すよう[[ガラドリエル]]に預けており、[[指輪の仲間]]が[[ロスローリエン]]に立ち寄った際、[[出立の贈物>ガラドリエルの贈り物]]としてガラドリエルからアラゴルンに手渡された。その結果アラゴルンは、かねて予言されていた通り「エルフの石」の意である[[エレッサール]]の名で呼ばれるようになる。

*** 夕星王妃 [#v3f489e2]

[[第三紀]]3019年([[大いなる年>大いなる年#year3019]])、[[指輪戦争]]が終結し[[サウロン]]が滅ぼされると、その年の夏至にアルウェンは[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]においてエレッサール王として戴冠した[[アラゴルン二世]]と挙式し、以降は[[再統一された王国]]の王妃として栄光の時を過ごす。だがそれは、アルウェンが[[中つ国]]を去って[[アマン]]へ赴く権利を放棄することであり、[[人間]]と同じく[[限りある命>死すべき運命]]しか持たぬ身となること、また父である[[エルロンド]]ら同族との、世の終わりのまで続く別れを意味していた((彼女はこの選択によって'''かの女の得たものすべてを失うまでは死なぬ運命'''、つまり伴侶であるアラゴルンが死ぬまでは彼女も死なないという運命に定められたようである。))。
アルウェンは[[フロド・バギンズ]]との別れに際して彼が受けた傷を案じ、もし傷が癒えない時は自分の代わりに[[西方>アマン]]へ渡るようにと、首にかけていた[[白い宝石]]を彼に与えた。

「[[アラゴルンとアルウェンの物語]]」によると[[第四紀]]120年、[[ラス・ディーネン]]でエレッサール王の今際を看取ったアルウェンは'''その目の光は消え、国民の目には、かの女はまるで星一つ出ない冬の日の夕暮れのように冷たく灰色と化したように見えた'''という。彼女は子供達や親しかった者に別れを告げ、[[ミナス・ティリス>ミナス・ティリス(ゴンドール)]]を去る。
そして、[[ガラドリエル]]や[[ケレボルン]]が去って沈黙の地となっていた[[ロスローリエン]]に赴いて冬が来るまで一人で暮らし、最後はかつてアラゴルンと婚約した場所である[[ケリン・アムロス]]に身を横たえたという。

>世が変わり、かの女の全生涯が後代の人々からまったく忘れ去られ、[[エラノール>エラノール(植物)]]も[[ニフレディル]]ももはや[[大海]]の東には咲かなくなる日が来るまで、ここにかの女の緑の塚山がある。((『[[追補編>指輪物語/追補編]]』「[[アラゴルンとアルウェンの物語]](その一部)」))

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

|~俳優|[[リヴ・タイラー]]|
|~日本語吹き替え|[[坪井木の実]]|

[[グロールフィンデル]]の代わりに登場。[[ナズグール]]によって負傷した[[フロド>フロド・バギンズ]]を父[[エルロンド]]のいる[[裂け谷]]に連れて行こうとする(この時[[ハザファング]]という剣を持っている)。その途中で[[ナズグール]]に追われ、[[ブルイネン]]の浅瀬で呪文を唱えて、ナズグール達を川の水で押し流した。
原作『アルウェンとアラゴルンの物語』における、晩年のアルウェンとアラゴルンの姿は、アルウェンの予見という形で映画中に盛り込まれている。
立ち回りが大きく変更されている。
『旅の仲間』では[[グロルフィンデル]]の代わりに[[アスファロス]]に乗って登場。[[ナズグール]]によって負傷した[[フロド・バギンズ]]を父[[エルロンド]]のいる[[裂け谷]]に連れて行こうとする(この時[[ハザファング]]という剣を持っている)。その途中で[[ナズグール]]に追われ、[[ブルイネンの浅瀬]]で呪文を唱えて、ナズグール達を川の水で押し流した。
[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が[[指輪の仲間]]と共に旅立つ直前、彼に自分のネックレスを与えている(原作の[[緑の石]]に相当する)。
原作『[[アラゴルンとアルウェンの物語]]』における、晩年のアルウェンとアラゴルンの姿は、アルウェンの予見という形で映画中に盛り込まれている。

当初の脚本では、『[[二つの塔]]』においてアルウェンは[[角笛城]]の合戦に参加し、鍛え直された[[アンドゥリル]]をアラゴルンの元に届けるのもアルウェンが行う予定であった。ローハンにてアルウェンと[[エオウィン]]が出会い、エオウィンが嫉妬するというシノプシスも予定されていた((日本でのトレイラー公開時に配布されたプレス資料より))。
だが、『[[旅の仲間]]』におけるアルウェンの行動の原作からの変更が、原作ファンから不評だったこともあり、この脚本は修正される。角笛上の合戦は既に撮影が済んでいたが、アルウェン(リヴ・タイラー)が出演しているシーンはカットされた。
『王の帰還』でアルウェンは、[[モルドール]]からの邪気のために衰弱し、そのため[[エルロンド]]によって、[[アマン]]へ逃れることを勧められる。だがアルウェンはその旅の途中で、自分とアラゴルンの子供[[エルダリオン]]の幻を見る。するとアルウェンは裂け谷に舞い戻り、[[ナルシル>アンドゥーリル]]を鍛え直してアラゴルンに届けることをエルロンドに提案した。

** コメント [#w0e2e4e4]
*** 当初予定された映画設定 [#wa6c559e]

- 映画でのアルウェンは、ややミスキャストだったような。「絶世の美女」というのとは少し違う感じがしました。これは好みの問題かもしれませんけれど。
- 映画では「夕星」というより「お天道さん」といった感じに。 -- 猫うなり
- 映画板のアルウェンは馬を駆ったりしてなんだかやたら勇ましいですが、ヒロインにも勇ましく戦うシーンを与えるというのが最近の映画の風潮なんでしょうね。
個人的にはアラゴルンのために旗を織る原作のアルウェンの方が好きです。 -- トミー
- 映画でのあの出番の多さは、やっぱり原作通り仕上げたら野郎ばっかりな話になるからなんでしょうかね。 -- 斐水
- 映画以前からの原作ファンの方には、映画のアルウェンはあまり評判が良くないようですが、私は好きですし、よく合ってたと思いますよ。
馬を駆ったり、ヘルム峡谷にまで登場しそうになったのは、監督たち制作サイドではなく、ニュー・ライン・シネマ側の思惑だったらしいです。それが、リヴの意見で、原作どおりのアルウェン像に戻ったとか。 -- YUE
- ↑ 雑誌インタビューで、「アルウェン活躍バージョン」は自分が監督に提案したのだと、言っているものも多いのですけれどね。
- ↑そうなんですか?私が書いたのは、SEEの特典ディスクで、リヴや監督が言ってたことなんですけどね。リヴはこの話、特にヘルム峡谷のことでは、嫌そうな話し振りでしたよ。 -- YUE
- 私の中では決して評価悪くありません。ファラミアとエオウィンについても似たようなことがいえるけど、アラゴルンが原作と違って優柔不断な分ある意味彼女が姐さん女房としてハッパかけないとバランスが取れないんじゃないかな。原作アルウェンに優柔不断なアラゴルンは似合わなそう・・・。
- ↑リブ・タイラーのところにリンクしてくださいよ。ここはあくまでもアルウェンの項目なんですから。
- 追補編、臨終のアラゴルンとの会話で「わたしは今の今まで、人間達の悲しみを理解していなかった」というセリフが泣かせます。この賢い女性にしてそうであるなら、やはりエルフと定命の人間の間には大きな溝があるのでしょうね。切ないのう。 --  &new{2007-11-01 (木) 00:59:42};
- 切なくはあるけれど、ハッピーエンドなんだからまだ心安らぎます。万年生き続けるより連れ合いと共に在った120年は幸せだっただろうから…… -- 「ど」の字 &new{2008-03-11 (火) 19:50:46};
- アラゴルン(というか、人間)の感覚ならそうでも、アルウェンの感覚からすると、結婚した直後に夫婦とも死ぬみたいなものでしょうし、やっぱり迂闊な結婚はよろしくなかったかも --  &new{2009-02-16 (月) 13:11:18};
- 映画版では不死を捨てるとか言っていましたけれど、ルーシエンと同じ運命を辿るという事なのかな? -- ly &new{2009-03-10 (火) 20:18:56};
- エルロンドやアラゴルン達もそう考えていたようだが、実際どうだったのかは不明。実のところ、ルーシエンが人間になったのはベレンを救うことへの代償でもあり、イドリルの例やアルウェンの最期を見ても、必ずしもエルフと人との結びつきが同じ道を辿らせるとは断定できない。アマンのエルフたちならマンドスの館を覗けるので真相を知ってるんだろうが。 --  &new{2009-03-10 (火) 20:41:43};
- 映画の彼女は当時オーラがあったから、まあいいかなーと。でも原作通りだと、原作を知らない方たちはとくに"急に最後に出てきて王と結婚する人"、になってしまいそう笑 -- tana &new{2009-04-28 (火) 22:11:24};
当初の脚本では、『[[二つの塔>指輪物語/二つの塔]]』においてアルウェンは[[角笛城の合戦]]に参加し、鍛え直された[[アンドゥーリル]]を[[アラゴルン>アラゴルン二世]]の元に届けるのもアルウェンが行う予定であった。[[ローハン]]にてアルウェンと[[エーオウィン]]が出会い、エーオウィンがアルウェンに嫉妬するというシノプシスも予定されていた((日本でのトレイラー公開時に配布されたプレス資料より))。
しかし監督のピーター・ジャクソンや脚本のボウエンら製作陣の中には、この演出で二人の関係性を示すのは安直だとする意見もあり、完全に合意された物ではなかった。
また、『[[旅の仲間>指輪物語/旅の仲間]]』公開後、同作におけるアルウェンの行動の原作からの変更に対し、原作ファンから不評の声が上がったこともあり、この脚本は修正された。角笛城の合戦は既に撮影が済んでいたが、アルウェン(リヴ・タイラー)が出演しているシーンはカットされた(タイラー自身も脚本に難色を示していた)。

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*** 画像 [#ceef4678]

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** ゲーム『[[ロード・オブ・ザ・リングス オンライン]]』における設定 [#LotRO]

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** コメント [#Comment]

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