* アセラス [#ic3ccea4]
** 概要 [#Summary]

|~カテゴリー|[[植物]]|
|~スペル|athelas|
|~その他の呼び名|王の葉(kingsfoil)、アセア・アラニオン(asëa aranion)|

** 解説 [#Explanation]

[[シンダール語]]。[[共通語]]では「王の葉」とも呼ばれ、一般にはこの名で知られる。[[クウェンヤ]]での呼び名はアセア・アラニオン。
[[ヌーメノール人]]が[[中つ国]]に持ってきた薬草で、中つ国では暖かいところか、[[ドゥーネダイン]]のいたところに自生している。独特の刺激性と清涼感のある芳香があり、すりつぶしたり湯に投じたりするとその香りはいっそう強まる。その芳香は'''すがすがしく...心が鎮まり清まる'''((『[[指輪物語]] [[旅の仲間]] 上』「十二 浅瀬への逃亡」))、'''気分が爽快となり、力がつく'''((『旅の仲間 下』「六 ロスロリアン」))、'''元気づく匂い'''、'''いやな匂いのする空気を清め'''たり'''一時的なけだるさを追い払う'''((『[[王の帰還]] 上』「八 療病院」))等と表現される。
その真の薬効は一般にはほとんど忘れ去られており、[[第三紀]]末の[[ゴンドール]]では頭痛のために煎じて飲まれているぐらいだったが、「正当なる王の血筋」の手で使われることによって絶大な効果を発揮する。

『[[指輪物語]]』本編では主に、[[モルグルの刃]]を受けた[[フロド>フロド・バギンズ]]や、[[黒の息]]に冒された人々を治療するために[[アラゴルン二世]]によって用いられた。
使用法は、沸かした湯の中に手で揉みつぶした葉を投げ入れ、その湯で傷口や患部を洗うというもの(外傷がある場合は、その後で通常の傷の手当てを行う)。その際にはアセラスのすがすがしい芳香が湯気にのって辺り一面に広がる。
[[黒の息]]に対しては事実上の特効薬である他、[[モリア]]で[[オーク]]の槍の一撃を受けたフロドの打ち身を治療するのにも使われており、通常の傷の治療にも効果を発揮するものであるらしい。だが必殺の武器である[[モルグルの刃]]の傷に対してはさしものアセラスでも効果が薄く、傷の進行を遅らせることしかできなかった。

>それからかれ(アラゴルン)は葉っぱを二枚取って両手にのせるとふっと息を吹きかけ、それから揉みつぶしました。するとたちまち新鮮な生気が部屋にみちみちました。あたかも空気それ自体が目覚めて打ち震え、喜びにきらめくかのようでした。それからかれはその葉っぱを運ばれてきたいくつかの湯気の立ち昇る碗の中に投げ入れました。するとたちまちみんなは心が軽くなりました。なぜなら、一人一人のところに匂ってきた芳香は、どこかの国か、翳ることない陽光の輝く露しげき朝まだきの記憶にも似ていました。もっともこの世の春の美しい世界自体が、このどこの国ともしれぬ地の束の間の記憶にすぎないのですが。((同上、黒の息の治療場面))

** 映画『[[ロード・オブ・ザ・リング]]』における設定 [#Lotrmovie]

[[モルグルの刃]]で刺された[[フロド>フロド・バギンズ]]を治療するのに、[[アラゴルン>アラゴルン二世]]が使用した。使い方は原作とは異なっており、口でかみつぶした後で直接傷口に押し付けるとなっている。
[[エクステンデッド・エディション]]では、アラゴルンが[[エオウィン]]の[[黒の息]]を治療する場面が追加されたが、アセラスは登場しなかった。

** 映画『[[ホビット>ホビット(映画)]]』における設定 [#Hobbitmovie]

原作には登場しないが、描かれている。[[オーク]]の毒の矢を受けた[[キーリ]]の治療のために使われる。
[[エスガロス]]の人間はこの草の効用を知らず、単なる飼料として使っていたが、[[オイン>オイン(ファリンの息子グローインの息子)]]や[[タウリエル]]は、アセラスに強い薬効性があることを知っていた。

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