黒巻毛族†
概要†
カテゴリー | 種族 |
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スペル | Blacklocks |
その他の呼び名 |
解説†
『The Peoples of Middle-earth』に記載されているドワーフ七氏族の一つ(“Blacklocks”の公式訳は存在せず“黒巻毛族”の訳は本サイトによる)。その父祖は石足族の父祖とともに、東方の地で目覚めたという。
第三紀2790年にドゥリン一族の王スロールが殺され、その死体が辱められた時、全ドワーフがその仕打ちに怒り、スラーイン二世の下に軍勢が集結したとあり、黒巻毛族もスラーイン二世の要請に応じてドワーフとオークの戦争に加勢したようである。
『Iron Crown Enterprises』の設定†
ドルインの一族(Drúin's Tribe)として、カザドの第六氏族に数えられる。HoMEが出版され、長鬚族以外の氏族の名前が判明するよりも以前に作られた設定のため、本来の黒巻毛族の来歴とは多少の差異がある。
ドゥリンの一族から枝分かれした氏族で、誇り高きドルイン(Druin the proud)を始祖とする。第二紀の初頭にアンドゥインを渡り、リューンの湖を南下し、チェイ=サルト(Chey Sart)に移り住んだ。ドルインが没した後は息子の若ドルイン(Druin the younger)が後を継いでさらに東へ移動を続けた。700年頃、向こう見ずのバルリ(Balli the Rash)の一党は風の山脈エレド・グワエン(Ered Gwaen)の東側の麓に下界から隔絶された大渓谷を見つけた。豊かな自然に囲まれ、巨大な鉱脈が眠るこの地をアウレからの賜物だと考えたバルリはバースカデクダール(Burskadekdar)の丘陵地帯に仮住まいを置いた若きドルインに移住を進言した。進言を受け入れたドルインの民はこの地に新たな都市トゥムナマハル(Tumunamahal)を築き、ルーリーク(Ruuriik)と名付けた。
7年後、ルーリークに北の王バルイン(Barin the North King)に率いられたドワーフの第七氏族が進出してきた。移住を望む彼らに対し、ドルインはバルインの娘ビース(Bis)との結婚を引き換えに、ルーリークの北半分を割譲した。その後両氏族は共に外敵を防ぎながら繁栄した。
だが、第二紀1140年頃、極北でウムリが目覚めさせたバルログのムアール(Muar)が東方に飛来し、ラリアン(Ralian)やホアル(Horl)、フェンフェネン(Fenfenen)といった周辺の国々を征服し始める。ルーリークは1157年に侵入を許し、当時の王フルラは討ち死にした。生き残ったドルインの一族はフルラの伯父ロイン(Roin)に率いられて西方へと逃げ去った。
2741年、ドルイン王家の子孫フルラ七世(Fulla VII)は身を寄せていた青の山脈から、故郷を取り戻すための遠征に出立し、30年に及ぶ旅の末にルーリークに到着した。カザド・マドゥール(Kazhad Madur)に隠れ潜んでいたバルインの一族を解放した後、その一人である石手のバルリ(Balli Stonehand)と協力してムアールを倒して王国を再建し、二氏族双方の王となった。
その後の王国は第三紀に入っても存続した。指輪戦争の頃の王バーイン7世(Bain VII)は東方の人間の王国ウォマウと同盟を結び、サウロン軍による大侵略を撃退し、極東世界に平和をもたらした。
ドルインの一族の歴代の王†
名前 | 在位 | 王国 |
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誇り高きドルイン | 不明(第二紀初頭)~ | チェイ=サルト |
若きドルイン | ルーリーク | |
スローリン | ||
ブローイン | ||
バーイン一世 | ||
サーリン | ||
バーイン二世 | ||
フルラ一世 | ||
フルラ二世 | 993年~1095年 | |
スリール一世 | 1095年~? | |
複数世代 | ||
フルラ | ?~1157年 | |
複数世代 | ||
フルラ7世 | 2741~? | ルーリーク |
複数世代 | ||
フルラ14世 | 不明 | |
ナウグ=ジギルドゥーム | 第三紀100年~280年 | |
フルイン二世 | 280年~? | |
複数世代 | ||
フルラ長斧王 | ?~1565年 | |
スリール三世 | 1565年~1640 | |
ドーム | 1640~? | |
バーイン三世 | 不明 | |
複数世代 | ||
バーイン七世 | 3018年頃 |
『The Lord of the Rings RolePlaying Game』の設定†
黒巻毛族という名称が直接登場する事はないが、身体的特徴が名称に合致する氏族について言及されている。
- 外見
- 石炭のように黒く、針金のように太く、櫛も通らぬほど複雑に絡み合った鬚を持つ。ドワーフの中でも特に強靭な強さを誇る。
- 文化
- 始祖の名をとって「ヴァールの一族(Var's Folk)」と呼ばれている。殆どの者が生粋の戦士で、「ナルグブラズの斧(the Axes of Nargubraz)」とも呼ばれる。それ以外の身分はヴィグディスの一族が担っている。優れた傭兵として知られ、東方の国々の至る所、時には南方の砂漠にさえも現れ、モルドールと敵対する勢力に雇われて戦う。一方で西方の国々では過去に一族が犯した過ちから、へりくだる傾向にある。彼らが戦う目的はその過ちを償うためで、竜を狩るため孤独に旅するスーリンの一族とは対象的に、武装した大規模な集団で放浪する。各地を転戦しているため、結果としてドワーフの中では最も深く中つ国の南方の歴史に関わった氏族でもある。
しかし一方で実用主義でもあり、他種族に雇われて戦う時には必ず見返りを求める。そうして得られた報酬を一族の富とし、敵との戦争で多大な戦果を挙げることはどんな栄誉にも勝るとされた。またそれ故に、彼らが必要以上に富を浪費することもなかった。 - 住居
- 東方の山脈を主な居住地としているが、傭兵たちの遠征は時として非常に長い期間を要し、故郷の地を不在にすることが多い。遠征の間、旅先に仮の住まいとする居留地を築くこともある。そうした居住地は時間や世代を越えて何度も使用される傾向にあり、中には半永久的に使用されるものもあった。その中で最も遠方にあるのは、南の果ての地に築かれたナラグル(Naragul)の要塞だった。
- 歴史
- 敵に通じ、裏切りの歴史を歩んだ2氏族の内の一つとして知られる。もう一方のシンドリの一族が私欲から道を踏み外したのに対し、ヴァールの一族は過剰なまでに名誉や体裁を重んじる姿勢から敵の思惑に翻弄され続けた。
東方の山脈で目覚め、ナルグブラズ(Nargubraz)を本拠地とした彼らは、第二紀以降、冥王にそそのかされて同じく東方に住むヴィグディスの一族と長年にわたって争った。ヴァールの王家は戦いに勝つべく、サウロンから七つの指輪の一つを受け取り、その見返りに最後の同盟との戦いではサウロン側について戦った。しかし第三紀の中頃、龍との戦争が起こると両氏族は和睦した。
サウロンが姿を消して長い年月が過ぎた頃、西方ではその魂は深い眠りの中にあると思われていたが、警戒的平和の間、サウロンはかつての同盟者であるヴァールの一族の下に現れていた。ナルグブラズを隠れ家として明け渡すよう要求する冥王に対し、これを拒んだ者たちは山から放逐され、力の指輪を受け継いでいた王イーシン(Isin)は既に回収されていた別のドワーフの指輪を通して冥王の支配下に置かれた。指輪の魔力に駆り立てられたイーシンとその支持者たちはヴィグディスの一族との戦争を再開。多くの者が命を落とした。四世紀の後、サウロンはヴァールの民の抵抗勢力とサルマンの協力を得たヴィグディスの民の生き残りによって放逐され、ナルグブラズは奪還された。
しかし、彼らは故郷を再建しようとはせず、「一族を陥れたかの者の影が消え去り、かの者の僕が全て根絶やしにされ、故郷から邪悪な意思が浄化されるその日まで、ナルグブラズには帰らない」と誓った。そうしてヴァールの一族は祖先の犯した罪に対する恥辱を受け継ぎ、贖罪のためにモルドールの同盟者と戦い続ける民となった。 - 言語
- 中つ国の広範囲に居住するため、西方共通語だけでなく、東夷やハラドリムの言語を「外向き」の名前として使用する者もいる。
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
テマミール(Temámir)の名で呼ばれている。古代エジプトやヌビア、エチオピアを彷彿とさせる黒い肌をしている。また、全氏族の中で最も賢明な一族と言われている。
東方の山脈エレド・ケルニン(Ered Cernin)で目覚めた氏族で、同じ東方の四氏族であるZherluka(鉄拳族)やKambrada(堅鬚族)が住み処を追われたのとは異なり、第三紀の時点でも同地に住み続けている。七つの指輪の内、タウリュア(Taurya)もしくはトゥルキュア(Tulcya)のどちらかがが与えられた。
霧ふり山脈で行われたドワーフとオークの戦争では一族の王ブリトゥに率いられて参戦したが、王を含む多くの者が討ち死にし、王女のジェギンが王位を引き継いだ。
指輪戦争の時代にはレベンニンにフルクザハール(Furukzahar)という拠点を築いている。
Include/ドワーフ†
ドワーフ(カザード)の分類 | |||||||
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七氏族 | 長鬚族 (ドゥリンの一族) | Firebeards (火の鬚族) | Broadbeams (広腰族) | Ironfists (鉄拳族) | Stiffbeards (堅鬚族) | Blacklocks (黒巻毛族) | Stonefoots (石足族) |
その他の氏族 | 小ドワーフ |
コメント†
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