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やしろ岡

概要

カテゴリー地名
スペルDunharrow
異訳馬鍬砦まぐわとりで、デュンハロウ、ダンホロウ、やしろ
その他の呼び名やしろ岡とりで、やしろ岡の砦(Hold)

解説

エドラスの南、白の山脈スタルクホルンイーレンサガの間にあるやしろ谷の地名。戦時におけるエドラスの人々の避難所とされている。
「砦(Hold)」とあるが、城や城壁のような建造物があるわけではなく、やしろ谷とフィリエンフェルドとを合わせた谷間の奥まったところを指す。フィリエンフォルドまでは蛇行する細い道が一本あるきりであるため、防衛に適していた。この道は互い違いの石の段で築かれており、折り返すごとに一つずつプーケル人が置かれていた。道はさらにフィリエンフェルドから、その奥のディムホルト、さらにその先にある死者の道に通じる入口まで続いており、両側に石柱が並んでいる。その上には精霊山が不気味にそびえていた。

指輪戦争では、エドラスの非戦闘民がエーオウィンの指揮の下ここに避難した。
角笛城の合戦の後、死者の道へ向かうアラゴルン二世らと灰色の一行がここに立ち寄り、エーオウィンの見送りを受ける。彼らが立ち去った後にセーオデンらが到着。エドラスにナズグールが飛来したことを受けてローハン全軍はこの地に集結することになり、谷間や高台にはテントが張られて野営地となった。
その後ヒルゴン赤い矢を持参したことにより、ロヒルリムゴンドールへの長征に出発し、ペレンノール野の合戦に突入した。

名の意味について

Guide to the Names in The Lord of the Rings』によると、原語のDunharrowとはローハン語(古英語)のDūnhærgを現代英語化した形で、the heathen fane on the hillside(山腹にある異教の聖所)の意味。死者の軍勢となった古い民にとってここが聖域だったことにちなむ。聖所を意味するharrowの語は現代の地名*1に残っており、農具とは関係ないと言明されている。そのため邦訳の馬鍬砦(Dunharrow)と馬鍬谷(Harrowdale)は誤訳だったということになる。

電子書籍版の翻訳改定によりDunharrowとHarrowdaleはそれぞれ「やしろ岡」「やしろ谷」に変更された。

画像

アラン・リー作画によるやしろ岡の登り道 寺島龍一作画によるやしろ岡

映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定

吹き替えでは「ダンホロウ」と発音されている。
角笛城の合戦の前、エドラスの非戦闘員は燦光洞に避難しているため、その時点でやしろ岡は出てこない。
角笛城の合戦後、ゴンドールに向かう軍勢がやしろ岡に集結する。そのときアラゴルンたちとセーオデンらは同時にここにいる形となった。また原作の描写通り、蛇行しているやしろ谷の崖道を、エルロンドが登っていくシーンもある。エルロンドは鍛え直されたアンドゥーリルをアラゴルンに届け、それからアラゴルン、レゴラス、ギムリは死者の道へと向かっている。

画像

『ロード・オブ・ザ・リング』におけるやしろ岡 『ロード・オブ・ザ・リング』におけるやしろ岡

ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定

『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるやしろ谷とやしろ岡(上から登り道の下を見下ろした光景) 『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』におけるやしろ谷とやしろ岡

コメント

最新の6件を表示しています。 コメントページを参照

  • ローハンにとって、角笛城と並んで「最後の砦」。
    ヘルム王の(長い冬の)時と、指輪戦争の時に、戦闘員は主として角笛城に、非戦闘員は主として馬鍬砦に立てこもったようです。そこらへんの砦の役割分担は、残念ながら映画では描かれてません。
    それにしても、2度とも最終的にはローハンが勝ってますが、男系の王統が途絶えてるんですね。それほどの非常時に真価を発揮する砦といえましょう。 -- カイト
  • 映画版の吹替では「ダンホロウ」ってカタカナ読みしてました。 -- 2013-01-01 (火) 09:55:36
  • 原形を留めない変わりかたで一瞬何事かとw
    ひらがなだと割と受け入れやすいけど慣れるのに時間がかかりそうだ -- 2022-10-20 (木) 12:24:16
  • 訳の正確さとか微妙なニュアンスの違いはともかく、読んでる方からすれば社ヶ丘とか古祠ヶ丘の方が分かりやすい。 -- 2023-10-28 (土) 23:47:03
  • 「やしろ(社/屋代)」がある/あったわけではないので「やしろ岡」は違和感がありますよね。聖地を示すにしてももっと他に当てようがあったはず。 -- 2023-10-29 (日) 16:23:02
    • 異教の霊域というのを重視するなら鬼拝ヶ丘とか古霊ヶ丘とか -- 2023-10-29 (日) 16:49:19
      • 祀ヶ丘:何を祀ってたかは不明で名前だけが残ってる辺り。
        壇ノ丘:祭壇と地形と英語dunのトリプルミーニング。英語に掛かってる部分違うけど気にしない。 -- 2023-10-29 (日) 18:48:50
    • harrowの意味的には、なにか神殿なり祠なり建造物があったことを示すのは必要なのでは -- 2023-10-29 (日) 19:10:40
      • harrowという語は漠然と「聖所」を意味するにすぎず、神殿や石組みなどの建物があったのか、ただ祭壇だけがあったのか、人工物は何もない聖域だったのか、は語からは確定できません(どの意味でも使える)。
        原作の記述からも、この場所が聖所であるのはプーケル人があり、死者の道の入り口もあるなど「場所」として重要だったことはわかりますが、どちらも建物とは結びつかず、聖なる建物がそれらと別にあったことを示す材料も一切ない。
        なので「やしろ」という、原義からも一般用法からも「祭祀用の小屋」を強くイメージさせるこの訳は明確に不適切でしょう。 -- 2023-10-29 (日) 22:13:59
      • さらに言えば「やしろ」って日本人にとって非常に身近な祭祀施設で、言葉のイメージとしても身近・卑近でありすぎ、「今は忘れられた異教の聖所」を意味する訳語としてはその面でもミスマッチだと思います。 -- 2023-10-29 (日) 22:21:18
      • 俺は100%横からだが、ならまずあなたが考える「良い新訳」を提案しなよ…。 -- 2023-10-29 (日) 22:51:46
        • なんのために??いや、本気でなんでそうなるのか理解できない。
          「批判するなら対案を出せ」ってのはよくある批判を躱したい側が言う詭弁でしかないですよ。その選択に問題があるという事実は、他者がより良い案を出せるかどうかとは関係がない。 -- 2023-10-29 (日) 22:56:22
  • 得体の知れない神霊を得体の知れない民が祀ってた所をよく避難所兼軍事基地にしようと思ったな。 -- 2023-10-29 (日) 20:58:10
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