ヘルカラクセ†
概要†
カテゴリー | 地名 |
---|---|
スペル | Helcaraxë |
その他の呼び名 | 軋む氷の海峡(Grinding Ice) 北方の氷海(Ice of the North) せまい氷雪(Narrow Ice) |
解説†
上古の世にアルダ北方に存在した、アマンと中つ国の間を隔てる海峡。軋む氷の海峡とも言われ、その名の通り数多の氷山がひしめきぶつかり合う恐ろしい場所だった。
ノルドール族は、ついにアルダの極北に辿り着いた。そして、海中を漂流する氷山の牙を初めて目にし、ヘルカラクセに近いことを知った。なぜといえば、北の方で東に湾曲しているアマンの地と、西に湾曲するエンドール(中つ国のこと)の東岸との間には狭い海峡があって、その間をアルダを囲む外なる海の冷たい水と、ベレガエル、即ち〈大海〉の波濤が共に流れていたからである。そしてここには、ひどく冷たい霧が果てしなく立ち込め、海峡を流れる水を埋めて屹立する氷の山は互いにぶつかり合い、深く水中に沈んだ氷は互いにかみ合っていた。ヘルカラクセとはかかるところであり、ただヴァラールとウンゴリアントを除き、いまだかつて何人も敢えてここを渡ろうとする者はなかった。*1
二つの木を殺害しシルマリルを奪ったモルゴスとウンゴリアントは、ここを通り抜けてアマンから中つ国へと逃亡した。
更にその後、モルゴスを追って中つ国に帰還しようとするノルドール族のうち、フェアノールにアラマンで置き去りにされたフィンゴルフィン一党がこの地を横断することを余儀なくされた。
かれらはフィンゴルフィンとその息子達、およびフィンロドとガラドリエルに導かれて氷海を通り抜け、中つ国への帰還を成し遂げたものの、道中で多大な犠牲を払い、トゥルゴンの妻エレンウェもこの地で行方知れずとなった。
かれらはついに、ヘルカラクセと無情な氷の山々の恐ろしさに耐え抜いた。その後のノルドール族の数々の功業の中でも、不屈の精神に導かれ、痛ましい悲しみに耐えて決行されたこの時の絶望的な海峡横断を凌ぐものは、ほとんどないといってよかった。*2
コメント†
最新の6件を表示しています。 コメントページを参照