- この石を意味するエルフ語名「エレッサール(Elessar)」については、エレッサールを参照してください。
- この石と同じく「エルフの石(elf-stone)」と呼ばれる緑色の宝石については、緑柱石を参照してください。
緑 の石 †
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
---|---|
スペル | green stone |
その他の呼び名 | エレッサール(Elessar)、エルフの石(Elfstone) |
解説†
アラゴルン二世がロスローリエンを出立する際にガラドリエルから与えられた、銀のブローチに嵌められた緑色の宝石。
そして奥方が膝から持ち上げたのは澄んだ緑色の大きな宝石で、翼を広げた鷲の形に細工された銀のブローチに嵌められていました。奥方が持ち上げると、宝石は、春の若葉ごしに照る太陽のようにきらめきました。*1
元々はガラドリエルが持っていたもので、ガラドリエルから娘のケレブリーアンに、さらにその娘のアルウェンに引き継がれた。後にアルウェンはロスローリエンに滞在中、アラゴルンがこの地を通ることがあれば彼に渡すようにと、ガラドリエルにこの石を預けた。そして指輪の仲間がロスローリエンを出立する際、ガラドリエルから贈り物としてアラゴルンに与えられた。
アラゴルンはこの石を身に付けてゴンドールに入ったため、予言通りゴンドール人から「エルフの石」即ちエレッサールと呼ばれるようになった(緑柱石も参照のこと)。
またエアレンディルはアマンへの航海で緑の宝石を身につけていたという。ビルボ・バギンズが歌ったエアレンディルの歌には(エアレンディルが)胸に一個のエメラルドをつけた。という一節があり、ビルボはこの歌について(歌詞を作るとき)ただアラゴルンがどうしても緑の石を入れろといってきかないんでね。かれはそのことを重大に考えてるらしいのだ。わけは知らないが。と述べている*2。
緑の石の由来†
『終わらざりし物語』には、緑の石についてさらに多くのことが述べられている。
ゴンドリンの緑の石†
第一紀のゴンドリンにいた名工エネアジルが作った石。生長する緑と木漏れ日を愛したエネアジルは、太陽の光を木の葉の緑色の宝石に封じ込めた。この石には強い癒しの力があり、ノルドール達ですら驚きの目を見張ったという。
この石はエネアジルからイドリルに与えられてゴンドリンの破滅を逃れた。イドリルは、トゥオルと共に西方(アマン)への航海に出る時に、この石を息子のエアレンディルに残した。エアレンディルは緑の石の力によってシリオンの港に逃れてきた者達を癒した*3が、エアレンディル自身が西方へ航海する時には、この石を身に付けて船出した。
同一の石か、別の石か†
このエネアジルが作った緑の石と、『指輪物語』においてアラゴルン二世に与えられた緑の石が同一のものか否かについては、同じ草稿上に二つの説が併記されており、どちらが真実かは、すでに去ってしまった賢者たちしか知らないとされている。
- 同一説
- エアレンディルが持って西方に去った緑の石はヤヴァンナの手に渡る。オローリンはヤヴァンナからこの石を託されて、中つ国に携えた。そしてヴァラールは中つ国を見捨てたと嘆くガラドリエルに、「ヴァラールの心を示すもの」として与えられた。
「これをお心のままに使いなさるがよい。さすれば束の間とはいえ、あなたのお住まいを中つ国の中でも並ぶもののないほど美しい場所とすることができましょう。しかし、あなたはこの石を持ちつづける定めではない。時がくれば他の者に渡すこととなりましょう。なぜなら、あなたが倦み疲れて中つ国を旅立つ前に、これを受けとる定めの者が現れ、彼の人はこの石にちなんだ名で呼ばれるでしょうから。エレッサールと彼は呼ばれるでしょう」*4
- 別物説
- エアレンディルが携えた緑の石は、そのまま西方に持ち去られ中つ国には戻ってこなかった。エネアジルの友人だったケレブリンボールがエレギオンに住まうようになった後、エネアジルの緑の石を模して、ガラドリエルのために新しい緑の石を作ったというもの。このケレブリンボールの緑の石はエネアジルの石と比べ、より巧みで澄んでいたが、年をとった太陽の光を用いたため輝きは弱かったという。石がはまっている鷲の姿をかたどった銀のブローチを作ったのもケレブリンボールであるという。
ガラドリエルはこの緑の石を使ってロスローリエンを育んだが、彼女の元にネンヤが渡ると緑の石は必要なくなったので、自分の娘のケレブリーアンに渡した。さらにケレブリーアンからアルウェンへと渡された。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
登場しない。かわりにアルウェンは、裂け谷で自分の首飾りをアラゴルンに贈っている。劇中では数カ所アラゴルンが「エレッサール」と呼ばれる場面があるが、このネックレスが「エルフの石」とされているものと思われる(エレッサールの言葉自体は「エルフの石」の意であり、「緑」の意味は含んでいないから、と解釈することはできる*5)。
『王の帰還 エクステンデッド・エディション』で、ミナス・ティリスにてアラゴルンがパランティールを使ってサウロンに挑戦(挑発)を挑むとき、このネックレスが落ちて砕け散る場面があるが、その直後にアラゴルンが黒門に向けて出陣するときも首にかけているのが確認できるため、ネックレスが砕けるのはサウロンがもたらした幻影、幻覚、予兆などであろうと判断される。
画像†
グッズ†
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