七 つの指輪 †
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
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スペル | the Seven (Rings) |
その他の呼び名 | ドワーフの七つの指輪(Seven Rings of the Dwarves) |
解説†
力の指輪のうち、ドワーフに与えられた七つの指輪。エレギオンのエルフの職人集団グワイス=イ=ミールダインによって作られたが、それに協力したサウロンの悪しき意図が吹き込まれていた。
伝えられるところによると、古のドワーフ王たちの七大財宝は、それぞれ金の指輪を元に築かれたという。*1
元来は力の指輪に共通する効果として、持ち主の資質に応じてその能力を増大させ、また時による衰えを遅延させる力と、サウロンによって加えられた使用者を「幽界」に引き込むことでその姿を不可視にし、同時に本来見ることのできない領域の物事を目にできるようになる力が備わっていたと思われる。
だがドワーフは非常に頑強な種族で、外部からの影響をほとんど受け付けない性質を持っていたために、寿命が引き延ばされることも、サウロンの謀りを受けて影の存在であるナズグールに変えられてしまうこともなかった。ドワーフたちはただ富を得る手段としてのみ指輪を使い、莫大な富を築き上げた。
だがいずれにせよそれはサウロンの悪意のこもった指輪であるために、ドワーフたちは飽くなき欲望に身を落としたり錯乱したりして、最後には富によって破滅することになった。
やがて七つの指輪はすべてサウロンに奪われるか、龍の炎で焼かれて消滅した。
ガンダルフの発言*2や、ダーイン二世王のもとを訪れたモルドールの使者の言葉*3からすれば、サウロンが取り戻した現存する七つの指輪は、三個であるらしい。
ドゥリンの指輪†
「これはそのうちいつかお前にとって、新しい運命の土台になるかもしれぬ。もっともそういうことはありそうには思えぬが。しかし
金 を生むには金が必要じゃからな。」*4
七つの指輪のうち、最後の一つについてはその消息が分かっている。これはドゥリン三世が手にして以降長鬚族の王に継承されてきた指輪だった。ドゥリンの民は、この指輪は七つのうちでも最初に作られ、グワイス=イ=ミールダインから直接ドゥリン三世に贈られたものだと信じていた。
第三紀2770年、スマウグによってエレボールを逐われたスロールは、放浪の内に絶望し、この指輪を自分の息子のスラーイン二世に託したあと、自身は2790年にモリアに赴きアゾグに殺されてしまう。彼はいくぶん正気を失っていたとされるが、これは放浪生活の辛さがたたったとも、指輪の悪影響によるとも言われている。
指輪を受け継いだスラーインも次第に黄金への飢えに取り憑かれるようになる。そこでスラーインはエレボールを目指して旅立ったがその途上、2845年に闇の森でサウロンの手先の追跡を受けて捕らえられ、ドル・グルドゥルに連行された上で指輪は取り上げられた。
指輪の正確な所在は王の秘密であったため、ドゥリンの民には指輪はスロールが持ち続け、彼がモリアで死んだ時に同地で失われたと考えられていた。そのため後にモリア再興を志したバリンは、失われた指輪を発見したいという望みも抱いていた。
映画『ホビット』における設定†
原作小説『ホビットの冒険』には記述がないが、『竜に奪われた王国』エクステンデッド・エディションにてガンダルフが、ドル・グルドゥルにてこの指輪を指ごと奪われたスラーイン二世と遭遇する場面が追加されている。
The Lord of the Rings RolePlaying Gameによる設定†
ドゥリン家の指輪以外の5つの指輪とその所有者について記述されている
- ウーリの一族(火の鬚族):ドワリ(Dwári),クーリ(Kuri)
- リンナルの一族(広腰族):ブルーニ(Brúni),ボール(Bór)
- シンドリの一族(鉄拳族):ダルシャ(Darsha),ブルディン(Buldin)
- スーリンの一族(堅鬚族):リームカシ(Riimukäsi),ジャーシマ(Jaasima)
- ヴァールの一族(黒巻毛族):イーシン(Isin)
このうち、ダルシャとリームカシに関しては一族で最初に指輪を与えられた王とされている。うち、ダルシャは指輪の力を鉱物や金属を使った秘術の研究、開発に使い、シンドリ家の祈祷師Earth-Readersの祖となったとされる。その指輪は一族最後の王ブルディンが追放された時、一緒に持ち去られたとされるが、その後の行方は知られていない。リームカシの指輪はスーリン家最後の王ジャーシマと共に龍に食べられたという。
残り四つの氏族は、最初の所有者については知られていない。リンナル家の王ブルーニは、指輪の魔力によって富を渇望するようになり、アングマールの谷に向かい、そこにバラズビザールという都市を築いた。その指輪は魔王によってバラズビザールが占領され、カルン・ドゥームに改名された時、最後の王ボールの手から奪われたとされる。
ウーリ家の王ドワリは第二紀の中頃にリンナル王家と争い、命を落としているが、この争いにも、双方に与えられた指輪に込められたサウロンの悪意が作用していたとされる。ドゥリン家に臣従した一族の長クーリは灰色山脈に龍が飛来した際、脱出する王家や民を守って討ち死にしており、ウーリの指輪もその時に失われたと思われる。
一つの指輪を失ったサウロンがヴァールの一族の本拠地ナルグブラズを占拠した時、指輪を受け継いでいたヴァール家の王イーシンは、サウロンが既に回収していた別の指輪を介して支配下に置かれた。この指輪はリンナル一族の物とも行方知れずのシンドリ一族の物とも言われるが真実は定かではない。イーシンの指輪の行方も不明瞭だが、サルマンによってサウロンがナルグブラズから追い出された時、一緒に持ち去られた可能性がある。
ヴィグディスの一族(石足族)の指輪については所有者についても指輪の運命についても記述されていないが、ヴィグディス家とヴァール家は長年にわたって激しく対立しており、その元々の原因が何であったのかさえはっきりしないが、この争いにも、互いの憎しみを掻き立てるなど、指輪が影響していたらしい事が示唆されている。
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
モルドールで入手できる書物の中で個々の指輪の名前と、六つの指輪の行方について明らかにされる。
東方のドワーフの氏族ゼルルカ(Zhélruka)のに与えられたティンヤ(Tínya)は冷血龍であるHrímil Frost-heartが、リューンの別の氏族のトゥルクヤ(Tulcya)は火龍のThostír the Rankが王と共に食らい、青の山脈の二王国に与えられたウルヤ(Úrya)とヴァンヤ(Vanya)はサンゴロドリムの崩壊から生き残った大長虫Fingar the Greedyが飲み込んだ。エルフに伝承された運命とは異なり、これら四つの指輪は龍に飲まれたものの消滅自体は免れたと記述されている。
サウロンがそれ以前に回収していた二つの指輪はドラサの一族(Drása's Folk)に与えられたタウルヤ(Taurya)とシンドヤ(Sindya)で、彼ら自身にはマンスリフ(Manthríf)と呼ばれていた。ドゥリン一族の指輪アングヤ(Angya)は彼らにはハンドルム(Handórm)と呼ばれていた。
最後の同盟との戦いに敗れてサウロンが去った後、ナズグルの主は七つの指輪全てをモルドールに集めようと試み、配下の組織グーズユル(Gúrzyul)のWeeping warriorにに命じて指輪を探索させた。彼は龍たちを捕らえてバラド=ドゥールの地下坑Abyss of Mordathに幽閉し、拷問にかけて指輪を吐き出させようと試みた。龍たちは何年も抵抗したが、この試みが成功したのかどうかまでは記述されていない。
Include/力の指輪†
コメント†
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