モルグルの刃 †
概要†
カテゴリー | 物・品の名前 |
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スペル | Morgul-knife |
解説†
第三紀3018年(大いなる年)10月6日、風見が丘で魔王がフロド・バギンズを刺した細身の長い短剣。
その破片はフロドの体内に入り込み、心臓へと這い進み続け、彼を幽界へ引き込もうとした。しかしエルロンドによって破片は取り除かれ、フロドは癒された。
魔王はこれでフロドの心臓を突こうとしたものの、フロドが抵抗したために切っ先が逸れて左肩に刺さる。刺されたフロドはまるで毒ある氷の投げ矢が突き刺さったような痛みを感じ、冷たさが傷口から次第に腕や体に広がっていった。それと共に彼は幽界へ引き寄せられ、一つの指輪をはめていなくてもナズグールの真の姿が見え、その呼び声が聞こえるようになっていく。
ガンダルフらによるとこの武器は必殺のもので、もう少し助けが遅ければ、あるいはホビットの頑強さが無ければ、フロドはナズグールと同類の、より力の劣る幽鬼と化していたという。
短剣自体は、フロドが刺された直後に地面に落ちているのをアラゴルン二世が発見したが、日の出とともに柄だけを残して刃は煙のように消え去ってしまった。道中でこの柄を調べたグロルフィンデルによると、普通の者の目には見えないが悪しきことが書かれているという(具体的に何なのかは言及されていない)。
アラゴルンはアセラスによってフロドの治療を試みたが、その薬効をもってしても傷の進行を遅らせることしかできなかった。そのため一行はアラゴルン以上の癒しの力を持つエルロンドに救いを求めるため、裂け谷へ急ぐこととなる。
しかし回復した後も、ガンダルフの目にはフロドの左腕がわずかに透き通っているのが認められ、傷の影響から完全に自由になることはないだろうと見て取っている。
「やっぱりこれは当然のこと、」ガンダルフは心にいいました。「かれはまだ半分も癒っていない。しまいにはどういうことになるのか、エルロンドにさえ予知ができない。しかしまがまがしいことにはなるまい。かれは見える目を持つ者には、澄んだ光をたたえた杯とも見えるようなものになるかもしれぬ。」*1
この傷は一つの指輪が破壊され指輪戦争が終結した後もフロドを苦しめ、負傷した日である10月6日になるごとに彼は病んで臥せるようになった。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』における設定†
ほぼ原作通りの経緯を辿るが、刃は朝を待たずにすぐに消滅する。
映画『ホビット』における設定†
原作には無い独自の展開として、ラダガストによって、ドル・グルドゥルからモルグルの刃(Morgul blade)が回収され、ガンダルフに手渡されて、裂け谷での白の会議で提出される。そのため、アングマールの魔王が復活したのではないかと疑われたが、特にサルマンは懐疑的だった。
ゲーム『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン』における設定†
この短剣に刺された者はカルグル(Cargûl)という下級の幽鬼になるという独自の設定がなされている。カルグルは黒の乗手に似ているが、黒ではなく赤い装束に身を包んでいる。
コメント†
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