マッロルン†
概要†
解説†
シンダリンで「金の木」の意。クウェンヤでの名はマリノルネ。第三紀の中つ国ではロスローリエンにのみ生えていた樹木。この木々のために、ロスローリエンは「黄金の森」やそれに類する名で呼ばれた。
一つの幹から枝がほとんどまっすぐに伸びた後に反り上がり、樹冠付近で王冠状に枝分かれする。ガラズリムのフレトはその間に設けられる。
「あの土地の木々に似た木はどこにもない。秋になっても葉は落ちないで金色に変わります。春が来て、新緑が萌え出して、はじめて金色の葉が落ち、枝々には黄色い花がたわわに咲いて、森の床は一面に金色、屋根も金色、そしてその柱は銀色になるのですよ。木々の樹皮がすべすべとなめらかで灰色に光っているんですから。」*3
銀色の堅い殻におおわれた小さな種子をつけ、ガラドリエルからサムワイズ・ギャムジーに贈られた小箱の中には、このマッロルン樹の種子が彼女の庭の土と共に入れられていた。この贈り物はサルマンとその配下のごろつきによって傷つけられたホビット庄を修復するのに大きな力を発揮し、種子は切り倒された誕生祝いの原の木の代わりに植えられ、遠方から人々が見物に来るほど見事な樹に育った。ホビット庄のマッロルン樹は、大海より東、霧ふり山脈より西にある唯一のマッロルン樹となった。
『終わらざりし物語』での記述†
一説によると、元々マッロルン樹はトル・エレッセアに生育していたもので、そこからエルフによってヌーメノール西部のニーシマルダールにもたらされた。さらにその種子をタル=アルダリオンがギル=ガラドに贈り、ギル=ガラドはその一部を縁者のガラドリエルに与えた。マッロルンはギル=ガラドのリンドンでは根付かなかったが、ガラドリエルのロスローリエンでは彼女の力によって成長し、生い茂った。だがロスローリエンでもニーシマルダールのものほどの大きさには育たなかった。
しかしクリストファ・トールキンはローリエンはガラドリエルが統治する以前から「黄金の森」を意味する名で呼ばれており、『指輪物語』劇中での記述からもマッロルン樹はもともとローリエンに自生していたと考えるのが自然であり、ガラドリエルがもたらしたというこの説は考えづらいと述べている。
コメント†
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