- ゴンドールの統治権を持つ24代目の執政トゥルゴン(Turgon)については、トゥルゴン(トゥーリン二世の息子)を参照してください。
トゥルゴン†
概要†
カテゴリー | 人名 |
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スペル | Turgon |
異訳 | トゥアゴン |
その他の呼び名 | 賢者トゥルゴン(Turgon the wise)、隠れ王国の王(Hidden King) |
種族 | エルフ(ノルドール) |
性別 | 男 |
生没年 | 二つの木の時代(1300)年~†第一紀(510)年 |
親 | フィンゴルフィン(父)、アナイレ(母) |
兄弟 | フィンゴン(兄)、アルエゼル(妹)、アルゴン(弟) |
配偶者 | エレンウェ |
子 | イドリル(娘) |
解説†
ゴンドリンのエルフ王。フィンゴルフィンの次男でフィンゴンの弟、アルエゼルの兄。エレンウェを妻とし、イドリル・ケレブリンダルの父となる。従兄弟の中ではフィンロドと特に親しかった。
ガンダルフが帯びることになったグラムドリングは、元々はトゥルゴンの剣とされる。
中つ国帰還への参加†
二つの木の時代にエルダマールで生まれたが、フィンウェ殺害とシルマリル強奪に対するモルゴスへの復讐のためのノルドールの中つ国帰還へ参加し、父フィンゴルフィン、兄フィンゴンと共に中つ国へ渡る。この旅の途中、ヘルカラクセで妻のエレンウェを失った。
ネヴラストの領主として†
中つ国ではネヴラストのヴィンヤマールに居を構え、自身が率いてきたノルドールとこの地に先住していたシンダールを共に治めた。トゥルゴンの統治の下、二つの部族はこの地で最も早く混じり合って一つの民(後のゴンドリンドリム)となった。
ゴンドリンの王として†
トゥルゴンは、第一紀50年にフィンロドと共に旅した時、シリオンの川辺で見た夢の中でウルモの啓示を受けて、隠れ王国を建設することを望むようになり、その翌年にはウルモの導きによって環状山脈の内側にあるトゥムラデンの谷間を発見した。彼はこの地にティリオンに倣った都市を建設する構想を練り、ダゴール・アグラレブの後にゴンドリンを52年の歳月をかけて築き上げ、自身の民をネヴラストから秘密裏に移住させた。ゴンドリンは中つ国にノルドールが築いた都の中で最も長い間モルゴスの目を逃れ続けて栄え、最も美しい都となった。
ゴンドリンが完成して200年経った頃、この守りの堅固な都に倦んだ妹アルエゼルがゴンドリンを去る許しを願い出た際には、トゥルゴンは許可を与えたものの不吉な運命の予感に心を騒がせる。その予感通り、アルエゼルが旅の途中で行方不明になったことを聞いて、トゥルゴンは悲しんだ。
だが後にアルエゼルが、エオルとの間に儲けた息子マエグリンを連れてゴンドリンへ帰ってくると、マエグリンを一目で気に入ったトゥルゴンは、彼にゴンドリンで栄誉を与えることを約束して臣従を誓わせた。だがトゥルゴンは妻子の後を追ってきたエオルと言い争いになり、息子を奪われることを拒んだエオルがマエグリンを殺そうとして誤ってアルエゼルを殺害したため、トゥルゴンはエオルを処刑した。
トゥルゴンはその後もゴンドリンに留まったマエグリンを非常に寵愛したが、マエグリンがトゥルゴンの娘で自分の従姉にあたるイドリルへの、エルダールにとっては近親相姦に当たる報われぬ恋によって心を蝕まれていることには気づかなかった。
ダゴール・ブラゴッラハの際にもゴンドリンに被害が及ぶことは無かったが、モルゴスとの一騎打ちの末に討ち死にしたフィンゴルフィンの遺体はソロンドールによってゴンドリンの北にある山の頂に運ばれ、トゥルゴンはそこで父の遺体を葬った。
その2年ほど後にトゥルゴンは、ウルモからハドル家の子息たちを歓待するよう告げられ、その予告通りフーリンとフオルがソロンドールの大鷲たちに連れられてゴンドリンにやって来た。トゥルゴンは彼らを深く寵愛し、1年後に別れを惜しみながら再び大鷲たちに運ばれていく彼らを見送った。
ニルナエス・アルノエディアドの際にはトゥルゴンは兄フィンゴンの救援のためにゴンドリンの軍勢を率いて出陣し、戦場でフーリンとフオルに再会した。この合戦は大敗北に終わったが、ゴンドリンの軍勢はフーリンとフオルの率いるハドルの族が殿後を守ったおかげで退却できた。この際フオルはトゥルゴンに、今しばらくゴンドリンが倒れずにあれば、自分とトゥルゴンとからエルフと人間にとっての望みが生じるであろうと予言した。
ニルナエス・アルノエディアドで兄フィンゴンが討ち死にしたことで、トゥルゴンは中つ国におけるノルドールの上級王になるが、それ以後トゥルゴンとその国民は決して環状山脈より外へは出る事はなく、またいかなるものであれその進入を許さなかった。唯一フオルの子トゥオルのみが入城を許されたが、これは先の合戦でトゥルゴンを守って討ち死にしたフオルへの愛から出た事で、その愛はそのままトゥオルへと注がれた。トゥオルがゴンドリンに住んで7年後には、トゥルゴンはトゥオルとイドリルとの婚姻を認めて盛大な祝宴を開き、翌年の春にはトゥルゴンとフオルの双方にとって孫にあたり、(フオルの予言通り)後に中つ国の全てのエルフと人間にとっての救世主となるエアレンディルが生まれた。
ゴンドリンの滅亡とトゥルゴンの死†
その間もゴンドリンの所在地は隠されていた。だがモルゴスに捕らえられていたフーリンが釈放され、ゴンドリンの近くまでやってくると、トゥルゴンはフーリンがモルゴスの間者になったのではないかと恐れ、フーリン救出を躊躇する。そのためゴンドリンを発見できなかったフーリンは、エホリアスでトゥルゴンを呼んで叫んだ。これがモルゴスの間者に聞かれ、ゴンドリンのおおよその位置がモルゴスの知るところとなる。
さらに、採掘の仕事のため、密かに都の外に出ていたマエグリンが、ゴンドリンを捜索していたモルゴス配下のオークに捕らえられる。アングバンドに連れて行かれたマエグリンは、モルゴスの脅迫、トゥオル及びエアレンディルへの憎しみ、裏切りの報酬としてイドリルが与えられることを約束されたことから、ゴンドリンの位置をモルゴスに教えてしまう。その結果第一紀510年、ゴンドリンは龍、オーク、バルログらの軍勢に襲われて陥落した。トゥルゴン自身も戦ったが、最後は自らの塔での戦いで討ち死にした。
だがトゥオルとイドリル、エアレンディルたちは無事ゴンドリンを脱出し、シリオンの港へと落ち延びた。
名前について†
以下の名前及びその説明は『The Peoples of Middle-earth』の「The Shibboleth of Fëanor」による。
- Turukáno(トゥルカーノ)
- (おそらく)父フィンゴルフィンが与えた父名。クウェンヤで"turu"は支配(master)、"káno"は指揮者(commander)の意味。この名のシンダリン形がトゥルゴン(Turgon)である。
コメント†
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